リレー開始者:言命
#二次創作
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言命
一旦やったらタイトル変えられんくなった、ごめん!
ここは運営王国。西洋の末端に位置する、田舎の小国である。
会議室に収集されたメンバーが王を囲む。窓からは木漏れ日が差し込み、優美な室内を柔らかに照らす。レースの施されたカーテンが風になびき、爽やかな新芽の香りが立ち込める。会議室でさえ窓があるのは、呑気な国風を顕著に表しているだろう。もっとも、防音防弾仕様ではあるものの、開いていればなんら意味を成さない。
そんなミルクティー色の部屋の中。王以外のメンバーは、時がとまったかのように制止していた。やがて、信じられないといった風に、山吹色のパーカーの男が口を開く。
「らっだぁ、今なんて?」
「いやだからぁ、我々帝国と戦争になっちゃった☆」
ウインクをすると、星が飛ぶような錯覚を覚える。危機感の欠片もないように、呑気にヘラヘラと笑う王を囲み、再び時が制止する。静寂を破ったのは、椅子を引く音だった。ガタッと、金属製の椅子がこすれる音が響く。
「は、え!?嘘でしょ!?戦争ってそんな急に…!」
お手本のようなリアクションを見せたのはレウクラウドだった。口から炎を揺らめかせながら立ち上がる。長身も相まって威圧感のある容姿に反し、動揺を隠しきれない様子で声を荒げる。
「そ、"あの"我々」
「よりにもよってあの…戦争大好きな戦闘狂揃いって噂の…!?」
「そ」
「幹部が脱税とか不倫とかで捕まりかけたって噂の!?」
「それは知らないわ」
我に返ったのか、レウクラウドが静かに着席すると、隣の席のばどきょーが柄にもなく声を抑えて口を開いた。
「珍しく会議室なんかに呼び出すから何事かと思ったら…知らん間にえらいことになっとるな」
山吹色のパーカーの男、ばどきょーはタバコ片手に紫煙を漂わせる。いつになく声を落として、ため息をつきながら頭をかく。軍事力の管理を任される責任者だ、気が重いのは当然だろう。
「なんでそうなった?戦争って…」
「あちゃ~、もしかして俺なんかミスっちったぁ?」
恐る恐る口を開いたのは、スーツ姿の男、コンタミ。奇妙な絵柄の面布の裏から、引きつった笑みが覗く。
「いや、これは全然外交とかは関係なくて…」
「あ、ないの。よかったぁ~!」
らっだぁが否定の声を上げると、心底ほっとしたように笑い、姿勢を崩す。すると、壁に取り付けられた箱から、雑音混じりの声が響いた。
「ジャアナンデ?」
繋がる先はモニター室。暗い部屋の中、モノクロで映し出された画面ばかりが光を放ち、半透明の影を鈍く照らす。マイク越しの声の主は緑色であった。
「それは~…、てかみどりもこっち来なさい!」
「ヤダメンドクサイ」
投げやりに返事をやる緑色に、らっだぁは母親よろしくため息をつく。
「いつになったら真面目に会議に来るの、みどり!」
「ラダオ、話を逸ラサナイデ」
「つまりね、もー今この瞬間から砲撃が飛んできてもおかしくない状況下ってわけ」
緑色の声を柳に風と受け流すと、らっだぁは少し冷えた声色で語る。のどかな窓の外の風景に反して、一瞬、張り詰めた空気が流れる。
「…まあ、もともとこんな数人で運営した国や。少数精鋭とも言える。弱くはないはず」
ばどきょーが励ますように声を上げる。
「それに、相手は人間やろ。俺達はほとんど人間と変わらんとはいえ、人外。有利っちゃ有利や」
「そーそー、ま大丈夫っしょ~」
「コンチャン、それフラグ」
「えっ嘘」
少し和んだ空気に答えるように、らっだぁもいつものようにへらっと笑う。数人で立ち上げた小国ゆえか、よもやこれから戦争の火蓋を切ろうとしているとは思えない空気である。
「んじゃ、会議はおわり。後はまあ、いつも通り判断に任せるわ」
「ン」
「分かった…」
運営が三者三様の反応を見せると、らっだぁは浅く頷いた。そして椅子を引き立ち上がる。気だるそうに伸びをすると、平然と部屋を後にした。残された運営もそれに次ぐ。
パタンと、扉の閉まる音。昼下がりの会議室には、重苦しく沈んだ、しかしどこか気の抜けた、乾いた空気ばかりが残された。
2
peku
言命様の小説の続きを書かせていただきます。
pekuともうします。小心者ですがどうぞ寛大な心でお読みください。
ある昼下がり。急遽、幹部たちは招集された。
絨毯とシャンデリアという煌びやかな雰囲気の会議室で開口一番に言われた言葉。
「運営王国と戦争をすることになった。」
そういったのはこの国の総統、グルッペンである。絹のような金髪と空色の瞳を持ったその男は、普段のニヒルな笑顔ではなく珍しく真面目な顔をしていた。
「「はぁ??」」と呆れた声が会議室に響く。
「グルッペン。お前気は確かか?」
と天と書かれた面布をつけた男、ロボロはとうとう目の前の男がトチ狂ったのではないかと聞き返す。
「あぁ、気は確かだ。」
そう言い彼は今度の戦争に向けてそれぞれに割り振った仕事内容と作戦の書いた資料を机にパサリ、と置く。
「これが今度の戦争に向けた資料だ。これとともに戦争の準備も各自進めてくれ。」
「いや、ちょ。待ってやグルさん。なんでいきなり戦争なんて始める気してんねん。俺なんも知らんのやけど。」
と彼の右腕であり、年中赤いマフラーをつけている男、トントンはグルッペンに問いただした。
「確かに言ってなかったな。すまないな。鬱、運営王国の情報は調べてあるだろう?」
とトントンに軽い謝罪をしたあと、会議中にもかかわらずタバコを吸う紺色の髪をした男に声を掛ける。
「ん?おん。調べとるでぇ。…まず、運営王国をまとめとる主な人数は5人。しかも、全員"人間ではない"。」
その言葉に複数人反応する。
「人間ではない?それって人外ってこと?そんな化け物に何して喧嘩売ったのさ…。」
はぁ…とため息をつく白い軍服をきた男、ひとらんらんは呆れたように言う。最も彼は怪異が苦手なのでトルコ帽をかぶり幹部と並行して国の枢機卿も担う男、オスマンの陰に隠れながら言う。
「俺はなぁんもやらかしてないからねぇ。グルッペンが原因めぅな。」
とオスマンは言う。
「ま、価値観の違いだ。早く言えば。」
ひとらんらんの問いに開き直ったように言うグルッペン。
「あんたがまたなんかやらかしたからこっちに負担が来るんとちゃいますかねぇ?」
とトントンは睨む。
「んで、そいつらの種類とか同じなん?」
茶番じみた喧嘩に目も向けず、戦争というワードに心をはずませている帝国内一の戦闘狂のゾムは早く早く!と急かすように鬱に聞く。
「んーと、種類は違くてなぁ。青鬼に堕天使にイカの化け物に幽霊にガスト。これは厄介やでぇ。」
「物理が効かないやつおるんか。」
「えー接近戦法の俺等は戦力外になるかもしれへんのかぁ。」
そう返したのは狂犬コンビと呼ばれている二人組。コネシマとシャオロンだ。どちらも接近戦を得意としており、接近戦部隊隊長である。
「ふむ。シャオロンさんとコネシマさんたちはおもに妨害とか国全体に対する攻撃を仕掛けることになるかもしれへんね。」
と幹部と兼任して大学教授も担い爆弾魔と影で囁かれている男、エーミールは提案する。
「俺は主要戦力にはなれないと思うが、物資なら提供する。」
「あー、戦争始まる前に医療道具揃えておかなきゃ。兄さん、後で包帯と消毒液、それからガーゼを1ダースずつ送ってちょうだい。」
「おう。」
武器商人である兄さんは戦力として動くというよりも影からの支援を主に過ごしている。だから普段はいなかったりすることもしょっちゅうである。
また、この帝国の軍医であり唯一の人外、しんぺい神は兄さんに早速物資のことについて頼んでいた。
「しんぺいさんは神の力で物資がなくても怪我とか治せるんやろ?」
「うん。俺はできるよ。でも負傷者たくさん出ちゃうとさすがに範囲が広すぎて大変だからさ。俺の部隊の子たちに手伝ってもらうの。」
「まぁ、いくら領土が小さい国との戦争とはいえ広いっすからね。」
しんぺい神と会話をしている、他の幹部らよりも若く新人組であり、たまに外交官代理を担ったりほかの幹部の補佐をしたりするチーノやショッピは優秀なルーキーだ。
と、話しているうち、ようやくトントンをなだめたグルッペンは一人一人の顔を見ながら告げる。
「諸君、戦争の火蓋は落とされた。全力をつくせ。」
グルッペンはいう。
「「Heil Gruppen!」」
こうして、戦争の幕は開いた
レパロウは今回は不在だったため、次執筆させていただくときに登場します!!