私は紺城瑠衣子。 二年四組の学級委員。 私は今困っています。 男子の ｜結人《ゆいと》君と ｜缶郎《かんろう》君から同時に告白されて、どっちと付き合うか決断を迫られています。 あ、圧がすごい……。 結人「僕と缶郎のどっちにするんですか？紺城さん」 缶郎「そうですよ、早く決めてください。僕に時間がないんですよ」 は？時間ないんなら告白するなよ。 私、少しイライラしてきた。

缶郎「返事が遅すぎます。もう行きますね」 結人「明日には返事くださいよっ」 いきなり告白されていきなり答えるなんて無理だよ 瑠衣子「はぁー」 晴斗「瑠衣子さん、どうしたんだい？ため息なんかついて」 晴斗さんだ。相談に乗ってくれるかな 瑠衣子「あの、晴斗さん」 晴斗「どうしたの？」 瑠衣子「ちょっと相談があって.....」 晴斗「答えられないこともあるかもしれないけど、できることならするよ」 瑠衣子「ありがとうございます！あの、さっき二人に告白されて、」 晴斗「二人に⁉」 瑠衣子「はい。で、その二人に明日までに返事を考えてこいって言われたんです。どうすればいいでしょうか」 晴斗「僕は、恋愛経験ゼロだから、答えられないな。もし知ってたとしても決めるのは瑠衣子さんだから...」 瑠衣子「そっか。相談に乗ってくれてありがとうございます！」 晴斗「じゃあ、僕は行くね」 瑠衣子「はい、さようなら」 とことこ 私が決める、か。二人と恋する.....のはだめだよね。二股ってことになるし うーん。やっぱ恋って難しいな

はあ……。 ホントにどうしよう。 二人の事好きじゃないから、はっきり断ればいいんだろうけれど、優柔不断な私じゃできないよぉ。 はあ……。 ドンッ！ 下向いて歩いてたから誰かとぶつかっちゃった。 顔を上げると、そこには私の好きな人がいた。 名前は、｜山口優斗《やまぐちゆうと》。 優しくて、私が困っているときによく助けてくれる。 そこが、好きになった理由的なものだ。 優斗君と目が合った。 今にでも飛びつきたいががまんしなくては。 嫌われてしまってはどうしようもなくなってしまう。 「あ、ごめんなさい」 とりあげず謝ると、優斗君はニコッと笑った。 「大丈夫。こちらこそごめんね。ケガしなかった？」 「は、はい」 そう答えると、優斗君はじゃあねと手を振って去っていった。 やっぱり、好き。 私はそう思ったのであった。

--- 次の日 --- 学校に来てみても..... 瑠衣子「告白してきた二人、学校来てないじゃーん」 大声で叫ぶと、となりの佐納ちゃんがギョッとした顔で私を見てきたんだよ。ポッカ―ンってしてるね 佐納「え？瑠衣、告白されたの？」 瑠衣子「__うん。結人君と缶郎君にね__」 佐納「え、よかったじゃーん」 瑠衣子「でも、私には好きな人がいるのに.....」 佐納「ふーん、ちょっと放課後に話してみなよ、私に」 瑠衣子「え⁈佐納ちゃんに？」 佐納ちゃんには申し訳ないけど、話したらみんなに広まりそうだな..... 佐納「なによ。私に相談したらみんなに広まるみたいに言わないでよっ」 瑠衣子「え、図星だよ」 佐納「ちょっと、私これでもお悩み相談係なんだよっ」 瑠衣子「あ、ごめーん」 このクラスには、係がある。それぞれ好きな係に入って、活動をするのだ。で、その中の一つがお悩み相談係。悩みに沿って解決策を考えてくれる係だ。でも重い悩みは無理らしいけどね 瑠衣子「あ、そういえば私学級委員の仕事が放課後にあるんだった！」 佐納「あ、そうだったね。ごめん」 --- 放課後 --- 瑠衣子「んー、挨拶をしよう運動のポスター、どんなデザインにしようかな.....」 この学校には、挨拶をしよう運動がある。で、私はそのポスターを今作っているのだ。 晴斗「紺城さん、デザインで悩んでいるの？よかったらだけど、この学校のシンボルの動物を入れてみたらどうかな」 瑠衣子「はい！ありがとうございます」 晴斗「いえいえ。学級委員長として、当然のことをしただけだよ」 私の学校のシンボルは、虎。たくましく生きてほしいって意味らしい うーん、1つのことから色々大変な展開になってきちゃったよ