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部隊スペードの決闘 第4話
林沢レオ
前回のあらすじ
宮城・藤浪・大葉の三人は武器を購入した。
次の日。
「初めて一緒に仕事するね」
大葉さんはそう言って笑った。今日は藤浪さんが諸事情で来られないとかなんとか。大葉さんの腕前はこの目で見ているけど、昨日初めて会った人との仕事はやっぱり心配だ。
「じゃ、行こうか」
彼女の声色が驚くほど変わった。
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店員に案内された椅子にはもう男が座っていた。
「こんにちは。木村さんに、藤浪洋一郎さんですね」
そう声が掛かったが、警戒しておくべきだと感じる。日犯団は敵対組織だし、優佳ちゃんはどっちの陣営ともつかないスタンスなのだ。
「藤浪です。今日はどういった要件で?」
「藤浪さん、やめてよ」
優佳ちゃんが制止する。ただこっちも何かされるわけにはいかないのだ。
「あなたの所属しているJCIPAですが、トップの浅野弘幸が危篤だそうじゃないですか」
「それが何かしましたか。私たちはあなたたちに同情されたいとはこれっぽっちも思っていない」
「…実は、うちのトップがあなたたちを買収しようとしています。一緒に悪事を働こうと」
初耳である。だがなぜそんなことを俺に?
「藤浪さん、私は日犯団に誇りを持っている。永年のライバルとして立ちはだかってきたあなたたちとグルになり金を手に入れるくらいなら、そんな組織潰した方がマシだ」
確かに、この塚本という男の言うことは一理ある。だが、浅野さんがこの要望に応えるわけがない。
「浅野さんはそんな誘いに乗るような人じゃありま」
「浅野修。浅野弘幸の息子だ。JCIPAの次期トップでもある」
俺が言い終わる前に彼は口を開いた。そうだ。
浅野修。どこまでも金に目がない男で、父のことなどどうとも思っていないという噂を聞いたことがある。彼なら買収の話に乗るかもしれない。
「それで…?」
「さっき私が言ったこと、覚えていますか?この組織を潰した方がマシ。なら、潰しちゃいましょう」
「は!?」
優佳ちゃんと俺は同時に声を漏らした。そんなこと思ったこともない。
「塚本さん、いくらなんでもそれはなかろうもん?」
「わかってます。だから藤浪さんにアドバイスを求めた。どうです?」
「いや…ええ?」
混乱で声が出てこない。
「返事は後でもいいです。次また別の用事があるので私は行きます。」
塚本が席を立ち、入り口に向かう。
「あ、そうだ。藤浪さんの後輩のふたり、狙われてるかもしれないので、お気をつけて。んじゃ」
まずい!!