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勝斗視点 俺にシリアスは似合わない #3
いやぁ、2話ちょっと重すぎたかな?と思いました。
三話です。
話し終わった母親はきゅっと顔を歪めた。
途中、場の空気に耐えられなくなったのか医者は静かに去っていった。
おい、この空気の中に置いてくな。帰ってこいと思った。
「今のあなたに言うのもおかしな話だけど、ごめんなさい。」
深い深い懺悔の言葉に俺はとうとういたたまれなくなった。
大体、俺はそういう真面目な話は向いてない。
喧嘩しか能が無いのだ。おい泣くな。
にしても、いじめか。俺はいじめとは無縁の人間だった。
嫌がらせされたら倍で返した後、殴るような奴だ。
誰も好き好んでいじめたりはしないのだろう。
そう思ってはたと気づく。
そうか。俺が美春の代わりにたっぷりお礼をすればいいんだ。
俺は今までされなかったいじめを体験できる。
美春と家族は復讐できる。いいことづくめだ。
なんて素晴らしい案なのだろうか。我ながら天才だ。
「学校行きたい!」
「うぇ!?」
急な俺の申し出に母親が裏返った声を出す。
ついでに涙も止まったようだ。良かった良かった。
辛気臭いのは苦手なんだ。
「どうして?さっき聞いてたでしょ?あなたいじめられてるのよ?」
「わかってるよ母親さん。でも、行きたいんだよ。な?いいだろ?」
「母親さん⋯。⋯あなたがいいなら⋯いや、やっぱりだめよ。」
「なんでだよ?」
「なんでって⋯!あなた、いじめってわかる?」
「わかるよ。そこまで馬鹿じゃない。」
「馬鹿って言ったわけじゃ⋯あなたを危険な目には合わせられないわ。」
こんな調子で俺と母親さんは面会時間ギリギリまで話し合い、
俺は見事に学校行きをもぎ取った。
執念の勝利だ。
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次の日。ベッドで寝ていると昨日の医者がシャッとカーテンを開けた。
昨日は良くも逃げやがったな?
医者はニコリと爽やかに笑いかけてくる。
「やぁ、美春ちゃん。よく眠れたかい?」
「あぁ。病院食はマズいけどな」
医者は俺の返しに苦笑している。
「今日は色々検査をさせてね。」
「おう。よろしくな」
ベッドから飛び起きた俺を見て「元気だね」と苦笑いしつつ、案内を始める医者。
にしても、身長が低いな。目線が下すぎてすごい違和感だ。
おとなしくついて行くと、廊下で誰かとすれ違った。
何気なく顔を見て―――絶句する。
俺だ。いや、俺の体だ。
「っ!お、おい!お前!」
慌てて呼び止める。俺の体はゆっくりこっちを振り返り―――固まる。
医者たちは怪訝そうな顔をしているが、そんなことは今は全く気にならない。
俺等は互いに見つめ合い⋯互いに理解した。
入れ替わっているのだ、と。
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇえええええ!?」」
ようやく美春が出てきました。
後、教えてほしいのですが、文字数はこれぐらいでいいですか?
多い、少ない、ちょうどいい。教えていただけると嬉しいです。