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地下牢で逆さ吊り・2
「……よし。もういい」
「はーー……はーー……」
エースの顔がマレウスの股間から離された。
こうしてマレウスが勃起して、股間をくつろげるまでに、実際はどれほどの時が経ったのか。達せないまま苦しむエースには数えられなかった。
自身から出ていた先走り液と、マレウスの舌先からしたたり落ちていた唾液と、新しい汗や鼻水などで、またエースの顔面が濡れている。あまった体液が髪を伝いおりて、スツールの座面を濡らす。マレウスにしがみつく体力もなくなり、垂れ下がった両手の指先からもポタポタと床に落ちていく。
服から解放されたペニスがエースの頬をたたく。
「くわえろ」
マレウスに命令されたとおりに、エースは口を大きく開く。吊るされて自分からは動けないエースのために、マレウスが自ら口内に入れていく。
のどの奥を、ぐーーーー……と押し込まれたエースの体が震える。窒息する前に、ペニスがのどから離れた。
「ごふっ。ごほっ。ごほっ」
口内に居座ったままのペニスの先端に、エースのむせた息がまともにかかった。
生暖かい息を感じて、マレウスはくつくつと笑う。
「気持ちいいな、エース」
「ご、ぼ」
また奥に押し込まれたエース。窒息寸前に離されて、押し込まれてを繰り返される。
六回目を始める直前で、エースはペニスを吐き出して、泣き声をあげた。
「ううぅ〜〜っ! もうやだあ。お願いだからっ。ベッドで! ベッドでやるからあ! もう吊るすのやめてよおおっ」
「床ではなく、ベッドと来たか」
「床! 床でやるからあ……! うえええええ……」
エースは子どものように泣きじゃくる。マレウスは少しひるむ。
「……わかった。これが終わったらベッドに連れていってやる」
「う、ううっ、うえええ……」
「もう二度と僕に逆らわないと誓えるな?」
「誓う。誓うから。もう家に帰れなくてもいいから」
「……言ったな?」
思わぬ副産物を得られた。
妖精の国で暮らす報告のために、一度は家に帰すつもりだったのに、それをエース自らつぶしたのだ。
これまでの失態を帳消しにしてもいいと思えるほどの宣誓だった。
「あと一回で終わらせてやろう。そのときに──」
わざと言葉を区切り、エースの爆発寸前のペニスに触れる。不意打ちを食らったエースは「いひっ」とよがった。
さすさすと竿を軽くなぞりながら、マレウスは続きを言う。
「ここを、果てさせる」
マレウスは自身のペニスをエースの口の中に突っ込む。同時に背を曲げて、エースのペニスの半分を口の中に含んだ。
「ごぶううっ」
真下で聞こえてきたエースのうめき声をよそに、マレウスは口に入れていない根元を、指の輪っかでぎゅうと強めにしぼる。ぎゅちぎゅち、と半分の竿にそって激しくしごく。口の中にあるもう半分は、丸い先端ごと、舌で絡めてやわらかくしごく。
急に強くなった刺激に、エースは目を白黒させる。
「おごっ。おごおっ! あが……ごぼっ」
のどの締まりがよくなり、マレウスのペニスもますます膨れる。後頭部を強くわしづかまれて、奥をガンガン突かれて、エースはまた泣きだす。もう止めてはくれない。
エースの体が大きく跳ねて、天井の鎖がガチャンと揺れた。
マレウスが射精する前に、エースがマレウスの口内で射精した。
どぷどぷとあふれてくる精液を、マレウスは飲んでいく。のどに引っかかる感覚も、ストレスを与えられてまた苦くなった味も、あますことなく。その間、マレウスはずっと、エースののどの奥をペニスでふさいでいた。
達している最中に呼吸を制限されて、深い快楽に堕とされたエースは白目を剥いている。ガクンガクンと全身をけいれんさせた後、ふつりと脱力した。
「はああぁ……」
大きくため息をつきながら、マレウスはペニスをエースの口から抜く。ペニスはまだ勃起したまま。達する前に気絶されたのだ。
「僕がまだなんだが……ベッドで起こせばいいか」
スツールから立ち上がる。スツールを消してから、乱れた衣服をかんたんに直す。エースの両足から枷を取る。自由になったエースの体を横抱きにしたマレウスは、自室に転移した。
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数時間後。マレウスにとっては程よい時間に、マレウスも無事、エースの口の中で射精した。
ベッドの中でのシックスナインはたいそう気持ちよくて、仕置きなど関係なく、数日後にまたやりたいとマレウスは思った。
「は……ふ……っ。もう……むり……」
追加で数回、マレウスの口内で射精させられたエースの心を置いて。