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エピソード1 私達、四つ子です
あーる
「ふぅ」
朝。
心地良い眠りから目覚めた私、千春は、隣に寝ている次女の千夏の方をみてみた。
するとなつも目が覚めていたようで、ぱっちりと目が合った。
びっくりしたけど、とりあえず挨拶かなと思い、なつに向かって口を開いた。
「ふふ、おはよ、なつ」
「な~んだ。はる起きてたんだ」
なつはとっても元気で生意気。
「あ、2人も起きたの?」
声がして顔をあげると、四女の千冬がもう着替えていた。
ふゆはすごく冷静で賢いの。
「あれー?あきは?」
「わ、わたしもいるよ!」
なつの言葉に返事をして、ふゆの後ろから顔を覗かせたのは、三女の千秋。
落ち着いていて、恥ずかしがり屋なんだ。
「おー、そこにいたのか!」
「2人もさっさと着替えたら?お父さんに呼ばれてたでしょ?」
あ、そっか!昨日の夜ご飯の時間、呼ばれたんだった!
わたしはなつと一緒にベッドをおり、着替えを始めた。
私達は、四つ子。
生まれた時からずっと一緒。
それはこれまでだけじゃなく、これからも!
この時の私は、そんなことを思っていた。
4人はずっと一緒にいる。それが当たり前だと思っていた。
これから、地獄のような日々が始まるとも知らずに-