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エピソード2 後編 別れのときが、近づいてくる
あーる
「「「「え……?」」」」
私は、お父さんの言葉が信じられなかった。
4人、別々に暮らす……?
「お前達のおばさん、おじさんに引き取ってもらう。出発は明後日だ。準備しておけ」
明後日?
明後日には、私達バラバラになっちゃうの?
「どうして!?」
私は耐えきれず言葉を発した。
すると3人も口を開いた。
「なんで!?」
「しかも、こんなにいきなり……」
「あたしはイヤよ!絶対に」
そうだよ。イヤだよ。
私達、4人いなくちゃ。
4人集まらないと、私は「千春」にはなれない。
みんながいるから、私は「千春」になれるんだよ。
あぁ、なんか涙が溢れてくる。
「絶対に、離れない。絶対、別々になんて暮らさない」
「うん、あたし達、バラバラになるくらいならこの家出ていく!」
え、なつ?
お父さんはなつの言葉に驚いたよう。
でも、すぐさっきの顔に戻った。
「フッ」
「「「「!?」」」」
「わかった。お前達だけで暮らすと良い。今すぐこの家から出ていけ!!」