公開中
命という砂時計は 第2話
教室に入ってくる。
むわっ…
うわ、言霊で溢れてるな。浄化しないと。
「これは秘密だよ。私の好きな人は…」
おっと、これは見てはいけないな。
すぐに青色のペンの中に吸い込んで捨てる。
「田中先生って趣味盆栽らしいぜ」
こういう個人情報も捨てる。
「ここのボタンタップすると新機能が使えるんだぜ」
お、こういうのは売れる。
今度はピンク色のペンの中に吸い込んでとっておく。
しばらくしてまあまあ言霊が片付いた。
ペン先を押して、すぐに言霊質屋さんに送りつける。
言霊が売れれば自分のスキルが上がる。
スキルっていうのは、言霊を浄化する依頼がよくくるってこと。
あとは、見える言霊の種類が増えるってのもある。
いま私が見えるのは、「趣味玉」と、「秘密玉」と、「便利玉」と「愚痴玉」。
趣味玉は、趣味の話題が見えて、
秘密玉は、秘密の話題が見えて、
便利玉は、便利な方法の話題が見えて、
愚痴玉は、その人がぼやいた愚痴が見える。
一番見えるのが嫌なのは愚痴玉だ。
だから、そこそこ綺麗になったこの空間にも、おそらく、いや必ずまだ言霊がある。
ちなみに、秘密玉、趣味玉は売ることは不可能だが、消した数でランクアップする場合もある。
キーンコーンカーンコーン…
授業が、始まる。
---
教室に入ってきた先生。名は平野 萌。
ふう、体の周りで言霊がぐるぐる回ってる。
見てみよう。
(先生、このプリントお願いできます?…いいですけど。)
ああ、先生の表情が嫌そう。ちょっと眉間にしわが乗ってると思ったら、このせいか。
まあ、高く売れなさそうだし消そう。
でも、先生の言霊はこれだけじゃなかった。
---
「せんせーい、ここの方程式わかりませーん」
あ、言霊だ!
(もう、なんでわからないの。このくらいわかって当然なのに。どうせ塾とかも入ってないでゲームばかりなんでしょ。)
ありゃ。なんで言霊なのにこんなことが?
言霊は言葉の中に紛れ込む霊だから、思っていることは見えないんだけど…
よく先生を観察すると、口が微妙に動いている。
先生って、小言で愚痴を言うんだな…
そっからも先生の愚痴玉は止まらなかった。
「じゃあ、丸山さん。この問題の答えは?」
「え…わかりません」
(なんでわからないの?聞いてないの!?もう、嫌だわ。塾に行ってなさい。こんな新米教師にこんな思いをさせるなんて、校長も最悪ね。)
「じゃあ担任から配られているはずのプリントを出して」
「え?配られてませんよ?」
(は?もう、藤原先生!頼んだのに忘れやがって!でも相手が先輩だから何も言えないわ…)
もう頭がガンガンしてきた…
キーンコーンカーンコーン…
やっと終わった!
(もう、B組はダメな子ばかりね。次までには完璧にしてきなさいよ!)
ひい、やだなぁ!
結局言霊は「ここのボタンタップすると新機能が使えるんだぜ」っていうやつしか売れませんでした。
お値段は700円。どうやらコンピューター好きの人に売れたそうです。
ファンレター待ってます!
1話はこちらより↓
https://tanpen.net/novel/0a5d2464-00a3-4f75-9d9d-7bffc55b1e78/