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2.メール
レイ
時刻は午後23時を迎えて直ぐ。仕事仕事で忘れていたが、そういえばまだ内見を済ましていないと思い、メールを送ることにして、鞄の中からスマホを取り出そうとするが、いつもの癖で間違えて社用携帯を手に取った。
「いや仕事に囚われすぎだろ」と自分で自分にツッコミを入れて、ちゃんとプライベート用のスマホを取り出した。
「こんな時間にメールを送るとかいう非常識極まりない社不行為すぎるけど……」
メールを送って五分も経ってないうちに返信が来た。
<『ご連絡くださり有難うございます。内見は|明日《あす》からでも可能ですので、お手数おかけしますがお暇な時に都合の良い日程をご連絡ください。』
「明日からでも可能」?!?!そんなことがあるのか、この世……
都合のいい日、といざ言われると思い浮かばないので困ってしまう。毎日毎日仕事尽くしでもう自認がそういうAIだからな……
予想外の返信の内容に気分が上がっているのも束の間、頭を抱えてしまうほどの問題に直面してしまう、
「都合のいい日」、つまり数十分、場所によっては1時間弱は時間を取られる内見……そんなに仕事をしなくても良い日が藤内の中では存在していないのである。
「あ、そういえば。」
今朝会社に着いた時、上司からさっさと有休消化しろってこっぴどく怒られてたな。
いっその事無視して社内調査に持ち込んでやろうかと思ってたが、こうとなれば話は別。いやまあ住居と転職の可能性を天秤に掛けたらかなりギリギリ転職できる可能性を取ってしまうが……できたとしてもその間家賃を払えず追い出されたら元も子もない。
まずは先に住居を決めてから辞職…いいやストライキだ。そうしよう。
「まずは上司に連絡するところからかぁ……。 明日やろう。」
そうしてスマホを鞄に戻し、帰路についた。