公開中
またあなたと友達に戻れるように。
一応注意!
恋愛系だけど『失恋』メインです!
波の音と、私の掠れた声だけが耳に聞こえる。
水みたいな少し強い風がこの腕を湿らす。
砂が、私の足を覆って汚す。
「やっぱり、私なんかっ…!」
はっきり言うと、失恋してしまった。
好き…今は違う。好きだった男友達に告白して、
「俺にとって|瑞稀《みずき》は友達以上じゃないから。」って言われてしまった。
そんな気はした。
他に女子と仲良いとか、誰かが恋愛的な意味で好きそうとか、
そういうことじゃなくて、ただ|理人《りひと》が恋愛に疎いような感じ。
だったら、何で私はあのタイミングで告白してしまったの。
文化祭が終わった後の、片付けをしてる夕方の中で。
私は、友達以上親友未満くらいの関係で満足してたんじゃなかった?
これから私はどうやって過ごせばいい?
気まずくなって、もう友達としても居られなくなりそうで怖い。
…私のせいだけど。
学校から、家から、逃げ込むように海にやってきた。
海は昔からずっと私の居場所で、友達だ。
美しいこの自然を友達と呼ぶなんて、おかしいかもしれない。
だけど海は、私の全てを受け入れてくれる。
だったら、私が海に入ることも許してくれるよね?
海の強い風に吹かれて、私の体は自然と前に進んでいた。
気づいた頃には、体の半分が海水に浸かっていた。
ああ、これじゃあ本当にショックが理由で死んでしまう。
それは違う。けど、まだ助かる?この制服のままで泳げる?
「あ、あはは…?」
もっとちゃんと考えればよかったのに。
そうしたら死ぬこともなかったんじゃない?
っていうか、失恋1つでこんなになってる私、おかしいでしょ?
笑うようにして心を落ち着かせようとした。
もうきっと助からないのに。
「怖いなぁ…」
もうすぐ日が沈む。
そうなったらもう本当に誰も助けに来てくれないまま死ぬよ?
私が諦めて目を閉じて体の力を抜いた、その時。
「みず、k…お前!バカかよっ!?」
知っている人の大声が耳に届いた。
ああ、これは幻聴?もう死ぬかな?
と、思ったら、どんどん誰かが私の方にやってくる。
「お前、生きてるか?何で、こんなとこにいんだよっ…!」
私の視界に映ったのは、本物の理人だった。
「何でここにいるの!?理人、あんたもここにいたら死んじゃう!」
「お前こそ!…死ぬのだけはやめとけ、早く!泳いで!」
「…怖い、泳げない…!」
「…もうっ!ほら、俺の手掴め!足に力入れろ!歩け!」
「う、うぅ…!」
何で助けに来てくれたのが理人なの。
私、今日理人に迷惑しかかけてないのに。
情けなさと死ななかったという安心感といろんな感情が混ざって涙が止まらない。
「とりあえず、今日はもう帰っとけ。詳しいことはまた今度な。」
「…ごめん。あと、助けてくれて本当にありがとう。」
「友達がピンチだったら助けるなんて、当たり前だろ。」
理人は私のことを友達って思ってた…
“友達を助けるなんて当たり前“とか…もう、最高の告白の振り台詞じゃん。
何だか、心がスッキリした。
今更だけどやっぱり、友達のままが一番楽しいや。
さよなら、海。
私は全てを受け入れてくれる海を友達だと思ってたけれど、
今の私は、そんなこと思っていたらよくないね。
だから、綺麗な気持ちで関われるまで、少し待っててね。
タイトルの意味が、2つあることに気づいたら天才!
夏の終わりにぴったりな海のエピソードをお届けしました!