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きゅうくらりん 歌詞パロ
「ちゅうやぁー」
「ンだよ、太宰」
私は君の名前を呼ぶのが好きだ
返事が返ってくることを確かめる度に、心が暖かくなる
私はこの感情の名前がよくわからない
少し違うが、似たような感情を、私は他の者にも抱いたことがあった
殺さずのマフィアを貫こうとした彼を思い出す
(似たような、ということは、君も彼のように私の手からいなくなってしまうのかい?)
ああ失うのが辛いな
ふと、そんなことを思った
「? 如何したんだよ?」
気がつくと、目の前に中也がいた
「ううん、何でもない」
笑って見せると、彼はまだ怪しんではいたものの一先ずは置いておいてくれた
何時もはいらないところまで突っ込んで来る癖に、こういう所だけは空気を読む
ねえ、中也。私は君のことが多分、好きなんだ
陽の光を思わせる髪の色も、昊を映した瞳も、悪態をつく唇の端まで
君のその瞳を、手を、哀しみで歪ませてしまったら
君にこんな感情を抱いてしまった罰を受けるから
マフィアなのに、甘さを捨てきれない
そんな君は柔らかくて、離れ難い
腕をそっと背に回す
彼方もおずおずと首に手を回してきて、笑みが溢れた
(いつか罰を受けるから──今は、一緒にいて欲しい)
理由もないけれど、泣きたくなるようなこの感情
暖かいなあ、そんなことを思いながら、私は《《瞼を開いた》》
先程までの情景と感覚は、跡形もなく消え去り、目の前には白と黒の二人の顔があった。
私としたことが。
軽く白昼夢を見ていたようだった。
幸せで、憎悪で殺したくなるほどに贅沢な何処かの私。
さあ、これが今回の目玉。
《《此処の》》私の一世一代の見せ場だ。
意識を失う前、一瞬だけ、何時もより澄みきった空が見えた。
眠り姫です
珍しく恋愛ものかきました。
といっても作品数が少ないので何ともいえませんが
きゅうくらりん聴いてて思ったんですよ、最後のところで。これを。
自分で書いといてなんですが……つったない文だな!!真面で!
では、こんな拙い文を読んでくれたあなたに、幸福が届きますように