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ノンブレス・オブリージュ
使わせて頂いた楽曲 ノンブレス・オブリージュ
ピノキオピー様
晴瀬です。
息が続かない少年の話です。
世界中のすべての人間に好かれるなんて気持ち悪いよ。
でも、君だけには好かれていたい。
1つになれない世界で君とたった2人で生きていきたいの。
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数で押す暴力には初めから戦おうとせず白旗を上げて降参した。
でも君は戦っていた。
嫉妬妬み憎悪後悔嫌悪悪意、そんな悪感情を殺して笑顔を作って、王者に媚びを売って。
でも君は自分を貫いていた。
策の詳細や客観的な事実よりも個人的信条や感情へのアピールが重視され、世界が作られる。
そんなおかしな世界を、甘く甘く包めて正しいとされていた。それを誰も疑わず、声を上げず見過ごした。
でも君は声を上げていた。
大人の欲望で言いくるめられた歪んだ愛と平和に引き攣ってでも笑って見せた。
でも君は笑っていなかった。
自己中心的な考えで人を殺して傷つけて、被害者を多く出した強者たちを誰も咎めようとはしなかった。
意味はないのに。
人を傷つけることに意味がないと分かっているんだ、強者だって。
それでも、人を傷つけることをやめようとはしなかった。
それすらも高級に作られた殺しの許可状を振りかざして、弱者を虐めた。
楽しく遊ぼうと思ったら分断が生まれる。
無痛分娩で授かることができる可愛い子供はどんな大人に育てられどんな大人になるのだろうか。
そんな、壮大な内輪ノリを皆"歴史"と呼んだ。
生きたいときに死ねと言われ、死にたいときに生きろと言われ。
幸せ自慢はダメ?不幸を嘆いてもダメ?
だったら、僕らは何をすればいい?
どう、人に"僕"を伝えればいい?
図々しい言葉を避け明るい未来のために我慢して、耐えて。
正しい大人にさんはい、と声を揃えて言わされる。
『この世には息もできない人が沢山いるんですよ』
だから、息をできる貴方達は幸せ者。
それは、本当か。僕たちは息ができているのか。そんなの誰にも分からない。
争うことを知らない人達もいずれ気付く。
あちらが立てばこちらが立たない。
相手を優先させるか自分を優先させるか。
譲って奪って守って、行き違って争いを避けて走り逃げた先に地雷原を見つけはと思い出す。
このまま進めば、全てが無くなるのだと。
だったら、自分が我慢しよう。
自分が我慢すれば人が助かるのだから。
大人しく犬になって「ワン」
息ができない息ができない息ができない息ができない。
もう皆、愛してるよ、
そう嘘ついて。
息苦しい水面下で静かに煙る血の花。
それを綺麗だと思ってしまう僕らはもう、。
僕らはコンプレックスを武器に醜く争ってそれぞれの都合と自由のため強者は弱者の息を止めること強制する。
息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる
生きたいが死ねと言われ死にたいが生きろと言われて。
生きたい人に死ねというのは悪なのに
死にたい人に生きろというのは善なんだ。
どっちも苦しいのに。
正当防衛と言って自分に甘くして、人を傷つけるためのチェンソーを振り回すまともな人達が怖いよ。
愛のように光り輝いて、春の花のように綺麗なものだと言われていた大事なものが日々だんだん消えていくよ。
愛は、消えない永遠のものじゃなかったの?
さんはい、『この世には愛も知らない人が沢山いるんですよ』
だから、愛を知ることができた貴方達は幸せ者。
僕が触れたこれは、愛なんだろうか。
共感羨望嫉妬逆恨み。
真黒な一見汚れた涙が零れ落ち醜い感情が吹き出し、皮肉にも白くなっていく。
こうして、真っ白い鳥になるんだな。
息ができない息ができない息ができない息ができない。
愛してる、はずだよね。
氷点下の水の中でも絶対に凍らない深海魚と泳いで、見上げれば届くはずのないザラメのような星があって。
僕らは直接、直接は手を下さないまま想像力と判断力を奪う液晶越しに誹謗中傷して、息の根を止めてそこでやっと安心する。
息ができない息ができない息ができない息ができない。
愛したいよ。
それぞれの都合と自由のため息を止めること強制する。
息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる
苦しい。
このまま、苦しいままなら。
諦めて息を止めた。
息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める息を止める
そんなとき、君が謳った。
僕を抱き締めて名前を呼んだ。
久し振りに人の温もりを感じた。
人は、温かかった。
大丈夫じゃないのに君は大丈夫だと僕に笑いかけて、心配しかないのに心配ないと僕の背中を擦った。
僕は、泣いた。
息が詰まる息が詰まる
大好きだよ。
僕は、君がいる世界なら生きていける。
それぞれの好きを守るため、君と僕を守るための防空壕で息を吸った。
息ができる。
涙が流れた。
僕と君の呼吸する音が、こだました。
ノンブレス・オブリージュ/ピノキオピー
https://m.youtube.com/watch?v=lw7pcm1W5tw