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固有スキル『翻訳』で魔物たちと、共存生活!! 「第五話」
俺__佐藤健太は街の入り口に立ち尽くす俺たちの周りを、獣人たちが奇異な目で見ている。そりゃそうだ。ボロボロのスーツを着たおじさんが、巨大な狼の背中から降りてきたんだからな。タマはこの獣人からの目線を気にせず、相変わらず俺の足元で「腹減った」と鼻を鳴らしている。
サトウ「さて・・・・・まずは情報収集だな!タマ。お前その姿で大丈夫なのか?」
タマ「グルル・・・・・(俺は『魔獣』だ。この街の連中が俺を恐れるのは当然だ。だが、この門を潜ったら、俺の『殺気』が抑えられた。この街には魔獣を制御する何らかの結界があるな)」
サトウ「ふーん。ハイテクだな!・・・・・ん?結界?」
俺が首を傾げていると、この街の門番らしき人物がこちらに歩み寄ってきた。そいつは、身長は2mくらいあり、頭には立派な牛の角が生えている。・・・・・ファンタジー小説とかでいうと、牛頭の獣人かな?筋肉の鎧みたいな体格に、俺は思わず腰をさすった。また、腰が痛くなっちまうよ・・・・・!
門番「おいそこの人間。・・・・・いや、異界の旅人か?珍しい格好をしているな。それにその魔獣を連れているのか?」
サトウ「あ。どうも。えーっと佐藤健太です。こいつはまぁ・・・・・相棒みたいなもんで」
門番は俺を値踏みするようにすると、ふっと鼻で笑った。
ガルト「『サトウ』か。俺はここの門番長のガルトだ。この街『獣の都・ガルム』へようこそ。・・・・・で、旅人さんよ。お前、金は持ってるか?この街に入るには『入国税』が必要なんだが」
金かぁ。俺はポケットを探る。社員証・名刺入れ・さっきのチョコパイ2個が入っていた。
サトウ「あの、日本円って使えますか?」
ガルト「日本円?何だそれ。食えるのか?」
サトウ「食えません。・・・・・ですよねぇ」
俺は絶望的な気分で天を仰いだ。異世界転生早々、無一文で路頭に迷うのか?その時、タマが俺のズボンの裾を軽く噛んだ。え?破れてないよね?
タマ「グル・・・・・(サトウ。あれを見ろ。あそこの屋台だ)」
タマが顎でしゃくった先には、串焼きを売っている屋台があった。香ばしい匂いが漂ってくる。そして、その屋台の店主は、俺の持っている『チョコパイ』の袋をじっと見ていた。
店主「おい、あんた。手に持っている『銀色の包み紙』・・・・・それはなんだ?妙に甘い、いい匂いがするぞ」
ガルト「そうだな。いい匂いがする・・・・・。俺に一個食わせてくれるなら、この街に入ることを許可しよう」
え?チョコパイをこの門番のガルトさんに食べさせるだけで、街に入れるの?金よりも得じゃん。
サトウ「はい。ガルトさん、あげますから街に入らせてくださいね?」
ガルト「約束だから、入らせるよ!」
そうしてガルトさんはチョコパイを一口で食べた。やっぱり魔獣とか獣人って口がデカいのかな?俺はチョコパイを一口で食べたことないんだけど。そうして俺は、タマと一緒に街に入ることができたのであった。
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