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AgelessLife 2話ー同族ー
「僕はフリス。異能者だ」
・・・え?い、異能者・・・?
完全にその言葉の意味を理解するのに5秒かかった
異能者ってことは、才能を持っているってこと
つまりは自分と同族みたいなものだ
「?何かおかしなことでも言ったか?」
困惑してあたふたしていた自分をみて少女・フリスは言った
そりゃそう言うだろうなぁ
急に目の前であったばかりの人がプルプル震えてるんだし
「あ、いやおかしなことは言ってません、よ?」
なぜか言葉が途切れ途切れになった
今まで会ってきた人の中で、異能者は1人もいなかった
それだけ異能者の数が少ないからだ
だから、なぜか少しだけ感動していた
「あの、もしよかったら、よかったらでいいんですけど、どんな才能を持っているんですか・・・?」
数分沈黙していた自分は、こう言った
他の異能者は、どんな才能を持っているのか知らなかったから、どうせなら知りたかった
聞いた後、おそるおそるフリスの顔を見た
その時のフリスの顔は、どこか寂しそうな顔をしながらこちらをみていた
自分は、咄嗟に「あっ!変なことを聞きました、か?」と言った
そう言うとフリスは「いや、別に」と答えた
「僕が今まで会ってきた異能者はまぁまぁいるが、そいつらに僕の才能のことを言ったら、全員離れていった。お前さんもおそらくそうなる」
青い視線を自分から離さずにフリスは言った
全員離れていく・・・?
才能が凶暴だから、とか?
「それでも、お前さんは聞くのか?」
考えていると、フリスが言った
少し考えた後、自分は「聞きます」と言った
その後に「どんな才能だとしても、その後に、自分の才能も教えます。それならフェアだと思って」と付け足した
フリスは考えた後に「わかった」と言った
「それじゃ、まずは僕の才能を教えるよ。僕は『暗殺者』の才能を持っている」
フリスが表情を変えずに自分に言った
『暗殺者』・・・
だからあんなに運動神経が良かったりするのか・・・
でもそのせいで他の異能者は離れていってしまう・・・
自分と同じだ
要は裏社会でしか使えない才能
自分の『ハッカー』もそうだ
表社会のような平和な場所では、ただの犯罪者だ
でも、平和とは逆にある裏社会なら当たり前のように使うことができる
フリスの『暗殺者』も同じだ
「どうだ?離れたくなっただろ?」
フリスはまた悲しそうな顔をして、そう言った
「いや、そんなことは思ってないです」
自分は正直に答えた
その時、フリスは少し驚いた顔をしていた
「じゃあ自分の才能も教えます。自分は、ハッカーの才能を持っています」
そう言うとフリスは「あぁ、そう言うことか・・・」と納得した
「じゃ、お前さんは僕と同じような類の才能を持ってるってことだな」
「そう言うことです」
「なるほど・・・フッ」
ん?今フッって聞こえたような・・・
そう思ってフリスを見る
すると、フリスはさっきまでの無表情が嘘みたいに、顔に笑みを浮かべていた
うっすらだけど・・・
「どうしたんです?」
笑った意味はわかっているけど、とりあえずきいた
「いや、なんだかお前さんとは気が合いそうな気がしたんでね」
フリスはそう答えた
自分はそれを聞いた時、笑ってた
「自分も同じ気持ちです。友達になれそうな気がします・・・」
でも、無理だろうな・・・
自分にはさほどコミュニティー力がないからフリスと友達になれないだろう
そう思ったが・・・
「じゃあ、なってみるか?」
フリスが口を開いた
「・・・え!?」
思わず素っ頓狂な声をあげた
「ほ、ほんとですか・・・?」
「なんだ?いやだったか?」
・・・どうしよう。
めっちゃくちゃ嬉しい・・・!
「い、いえっ!いいのならぜひ!!」
「フッ、そうか。ならよろしく。アルス」
「よろしくお願いします、フリス・・・!」
「別にタメ口でもいいぞ?」
「わ、わかった・・・!」
こうして、自分の新しい友達ができたのだった
はいこんにちはあさかです。今回の話は考えてはボツにして考えてはボツにしてを繰り返してようやくできたお話です。頑張りました。とは言えども、僕の作品はやはり最後がしっくりこないんですよね、はい。あとがきってさほど書くことないので困っていました。
それでは次話にまた会いましょう。