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縁結び屋 氷の縁結び娘は初恋に出会う。②〜初めての二人でのお客様〜
九条藍李です!
今回は、拓海が美氷に「落ちこぼれじゃない」と肯定しているシーンから始まります!
「えっ?」
美氷は、耳を塞いでいた手を離し、拓海の方を向いた。
私は、落ちこぼれじゃないの…?
「落ちこぼれって思ってる方がおかしいぞ。どーなってんだ、兎糸の家系ってのは」
まあ全知全能の神様みたいな家系だからしょうがないかー、と拓海はため息をつく。
「わ、私が落ちこぼれじゃないっていう証拠は無いでしょ…」
「ある」
拓海が、煌めく海のような瑠璃色の瞳をこちらに寄せた。
「お前、雪下舐めてるのか?兎糸みたいに先天的な能力を持って生まれてくる子はたかがしれてる。兎糸が石の能力を見極めるのが早いように、雪下は先天的な能力を見極めるのが早い」
(極秘情報喋っちゃっていいのかな?)
一応美氷は「兎糸の人」なのである。
そのような心配は一切していないような拓海は、イタズラっぽく目を細めて言った。
「ここまで極秘情報喋ってやったからな」
「へ?」
「お前、俺の仕事手伝え。縁結びの糸が絡まってたら、直してやるからさ」
にやっと笑ってる拓海とは裏腹に、美氷は反りがまったく合わなそうな拓海を見て、頭を抱えた。
だけど、少しだけ大丈夫だと安心した。
根拠がない安心だった。
ー翌日
「あ、あの…縁結び屋って…ここ、ですか?」
「あ、は、はい」
向日葵色のワンピースがよく似合う茶髪の女性だった。どちらかと言うと、恋する乙女と分かりにくいような、静かな雰囲気をまとっている。
失礼だが、誰かが好き、という感じはない。
「誰かが好きっていう雰囲気はないなー」
(黙れい)
美氷はお客の見えないところで思いっきり拓海を蹴った。
「った…」
言い出しっぺは拓海のくせに、と美氷は苦笑い、いや腹黒い笑みに近い笑みを浮かべる。
「あ、あのぅ…」
「失礼いたしました。今日はどのようなご用件でいらしたのですか?」
それとお名前も教えて下さい、と言う。
「わ、私は園田夏美です。え、えっと、好きな人が居るって言ったら、友人がスマホで探してくれて…満足度が五つ星の5.0だったので…」
(うわあ、初々しい)
これは初恋の匂いがする。
「それで、どの方とご縁を結びたいんですか?」
かあっと夏美の顔が赤くなる。
(恋愛経験ないんか、この人)
なかなかの美人なので、恋愛経験やモテ歴はあるのだと思う。(※個人の感想です。)
「こ、この方です…」
夏美が差し出したのは、一人の男の写真だった。
不細工、と言うわけでも無ければ、イケメン、と言うわけでもなかった。
つまり、普通の男である。
と言う前に、
「なんで写真持ってるんですか…?」
「あ、えっと、幼馴染で…」
ほっと息を吐いた。恋する女は怖い。ストーカーでもしたのかと思った。
「じゃあ、行きますか」
「行くか」
「え?へ?」
困惑して状況が分かっていない夏美を置いて、拓海と美氷はスタスタと歩いて行った。
こんにちはあ、九条藍李でっす!(妙にテンション高くてメンゴ)
次回縁結び屋は、拓海と美氷が異例の連携プレーを見せる(ハズ)回なので、お楽しみに!