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A template different world reincarnation story where the garbage skill “farmer” kicks out the enemy
タイトルが長い!!!
こんにちは、お知らせの直後、新規さんがいるかもしれないのに長編をぶっこむ轍刹沌です。長編と言っても総集編ということで…
今まで書いた小説をコピペ!
短くして、話をつなげて、添削して…
完成!
普段ではあり得ない文字数を見ました…
それでは本編どうぞ!!
「俺は、本当に……」
「特にやることないし、ゲーセンでも行くか…」
俺は大曲辰家、中学3年生、15歳。
父親は蒸発、母親は、3歳下の弟にべったりで、俺に興味どころか、敵意すら向けてくる。学校では俗に言う’モブ’。そんなんだから居場所もなく夏休みでも寂しく一人でゲーセンへと向かっているというわけだ。
はいはいそーです!オレはボッチです!!!
「チッ」
半ばヤケになっていると眼前の信号が赤に。流石に信号無視するほど馬鹿ではないので大人しく止まる。
「新作のピックマン、今日は空いてるかなぁ?」
ゲーセンで何やろうかなどとくだらんことを考えていると、
「うわっ!びっくりした!!」
11、12歳ぐらいの子供が隣をすり抜けていった。
そして車道から走ってくる当たったらタダじゃ済まなそうなトラック。
自分の性格は轢かれそうになっている子供をほっとけるほど冷酷ではない。
「きゃーーー!」
その悲鳴と同時に、
「おらぁぁあああ!!!」
強引に子供を押し飛ばし、トラックと、子供の間に身を入れる。
「俺が死んだらHDDを…確かそんなかんじだよな?」
転生したら〜の漫画のセリフを思い出す。
こんな状態なのに笑えてくる。
死んでもおかしくない。
…というか何かが起きない限り確実に死ぬ。でも何故だろうか、この状況がとてもおかしく、そして、とても気持ちよく感じた。
強い衝撃が自分の身体を駆け抜けていく。
「ウッ、、、グハッ!!」
. . . .
この世界での最後の記憶は、口をあんぐり開けている子供を微笑んで見ている自分だった。
ーーー死ぬんだな。ーーー
意識が飛んだ。
--- 黒… ---
--- 黒… ---
「んっ?」
おきた。
起きた?
「お目覚めになられましたか?」
知らない人の声。
「あれ?俺は死んだんじゃ?」
「え?路上で倒れていらっしゃったから、上位魔法”エヴォヒール”で治療を…」
あぁ、交通事故で倒れて、病院に運ばれたのか。
そして、上級魔法の、”エヴォヒール”で…
“えゔぉひーる?”
なんだそれ?頭の理解が追いつかない。
あれ?もしかして…
「この世界って魔法とかあったりします?」
「はい。ありますよ。」
もしや、
俺は、本当に…
「異世界転生したーーーーー!」
「その反応を見る限りどうやら転生してしまったようですね〜。」
俺を治してくれた19〜20の年頃の女性が言う。そういえば俺この人の名前知らないな。
「あ、はい。転生してしまったようでして…ちなみにあなたのお名前教えていただいても…」
コミュ力のなさが露呈している。
「あ、私、ノクリア・ハイドランジアと言います。」
ハイドランジア。
確か英語でアジサイっていう意味だった気がする。
なかなかいい名前だな〜と、どの口が言ってんだみたいなことを考えていると、
「あの、あなたのお名前も教えていただけると嬉しいのですが……」
そうか、自分も名乗らなきゃと思い、
「あっ、タツヤと申します…」
「あの、下のお名前は…あっ、別に言いたくないなら全然いいんですけど…」
確かに英語圏っぽいから、名乗るなら“タツヤ・オオマガリ”になる。なぜ英語圏で英語赤点の俺が会話できているかは知らん。
というか…
「あの、これから何されるんですか?」
そうですよね!これから何すんだって話ですよね!お世話になるわけにもいかないし!
「あの…よければ私の所で働きませんか?」
そうですよね!そんな就職先が早くに決まるなんてこと…
え?
いまなんて?
ハタラキマセンカ?
「え、い、い、い、いいんですか!?」
「はい、うちの所は働き手不足でして…」
……マジか!!!
「ぜ、是非働かさせてください!!」
「わかりました。では早速職場へご案内しましょう。」
「マジか…」
ノクリアさんに連れられきた職場とは、大きなギルドだった。
流石に異世界転生してすぐだから事務とかかな?
「タツヤさんにはここで冒険者として働いてほしいのですが…」
やだ。だって死ぬもん。
「このギルドは受注制で簡単なものから高難易度のものまであるので、自分に合ったものを選べるのですよ。」
「あの、他に人はいないんですか?」
「ここは田舎でいかんせん人が少ないんですよ。ここは治療した見返りと言ってはなんですが、お願いできませんかね〜?」
「いやー事務とかならやるんですけど…」
「転生された方には、固有スキルというものがあって、強力なものもあるのですよ。
なのでお願いできませんかね…もちろん報酬は弾みますし、ご飯や寝床も確保しますが…」
なるほど、情報と引き換えということか。確かに情報は欲しいんだけど、いまいちメリットが薄い気がするんだよな〜。
「もう少しなんとかなりませんかね…?」
「わかりました。本当なら5000ソルのレクチャーを無料にしましょう。そうすればクエストの成功率も上がるでしょうしね。」
5000ソルがいくらかわからんが、レクチャーを受けれるならばまぁ………
「ん〜〜。よし、やるだけやってみます。」
「ほ、ほんとですか?ありがとうございます!では早速レクチャーといきましょう!」
==========================================================
ーそれではレクチャーを始めますー
ノクリアさんの声が響く。これは、ノクリアさんの魔導具、「イヤホニウム」という双方向に声が繋がるイヤホンだ。
冒険者になると言うや否やイヤホニウムを持たされ、レクチャーが始まった。
ーまずは、この国はヨルムルンド大陸のエリトネア王国です。中心部はあなたが倒れていた都市、ノディーがあり、ここが、西方の辺境都市ミハゼです。ここは、魔乱の森が近く、魔物がよく出るので、あまり住民はおらず、魔物の強さが両極端すぎて冒険者が来ないためギルドも大変なんです。ー
なるほど、住民は危険だから来ないし、普通の冒険者が来るのには、簡単すぎるor強すぎると言うことなんだろう。この国の地理的情報を片っ端から聞いていく。
・この国の北はアウェラヴェ帝国。軍国主義でエリトネアの大敵。
・西から南にかけてはライヤスネ亜国。温暖で、この国とも帝国とも協定を結んでいる。大体どの国とも敵対していない。亜人が多い。
・東はヴィスティカ聖国。魔法に強く、ライヤスネとは違い、全く干渉しない中立を保つ。
・ライヤスネの先に、コリン共和国があり、ライヤスネ、コリン、エリトネアで西南央三国同盟を結んでいる。
・魔乱の森は、浅部《ライトフォレスト》、深部《ダークフォレスト》、最深部の、真紅の森《クリムゾンフォレスト》がある。真紅の森に行くほど南下していく形になる。
・真紅の森は、初級冒険者が入ったらまず間違いなく死ぬ。また、真紅の森の中心部に、外敵を拒む魔物が作った都市、真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》があると言われている。
というか、ノクリアさん…
説明が長い!!
何せこの説明に1時間はかかっている。
んなことを思っていると、ノクリアさんの声が。
ー大体終わりましたかね?それではいよいよ、ー
ーステータスを確認しましょうー
「ついにステータス確認か…」
と独りごちる。転生した人には固有スキルがあるらしいけどそれをどのくらい使いこなせるかだってわからない。何ていうか、見たいような、見たくないような気分。
ーそんなに緊張しなくてもいいですよー
ノクリアさんの優しい言葉が染みるよ。
「お気遣いありがとうございます。それで、ステータスとはどうやって見るものなんですか?」
ー「オープンステータス」と詠唱するだけで大丈夫ですよ。ー
やるか。
ついに冒険者としての新しい生活がはじまるんだな。
「オープンステータス」
詠唱した瞬間、淡い白い光と共にホログラムのような感じで俺のステータスが出現した。
「おー!」
どれどれ、早速確認してみるかな?
名前:タツヤ・オオマガリ lv,1
称号:転生者
加護:なし
体力:1000
攻撃力:130
防御力:260
スタミナ:340
素早さ:95
賢さ:150
保有魔素量:75000
魔力還元率:0.01%
色素:緑
EXスキル:なし
固有スキル:《複合》農家Lv,1
スキル権能:権能菜園|《スキルガーデン》(仮想空間)へ入り込む能力。そこへは、植物の力が強いものしか持っていけない。その空間は、発動者が、気温、地形、湿度を改変することができる。発動中、現実の発動者は昏睡状態へ陥る。
無限種袋|《シードパック》を出す能力。その袋は、権能菜園内で使用でき、75魔素をこめることで、作物を魔導具化させ出現させることができる。なお、出現可能作物は、lvが上がるごとにランダムで解放。
魔法:能力開示…オープンステータス 消費魔素…0
Rank:D-
--- これは… ---
--- ランクと効果から察するに… ---
--- ゴミスキル&ゴミステータスでは? ---
どっどうなんだろう。もしかしたらa〜zまでのD-かもしれないし(幻想)。
「あのー、ノクリアさん…」
ーどうされました?ー
「参考までにノクリアさんのステータス教えてもらえませんかねぇ」
他の人はもっと低いと言う望みに賭ける。
ーいいですよー。ー
まとめると、
名前:ノクリア・ハイドランジア lv,22
称号:ギルド支部長
加護:紫陽石の加護
体力:1000(誰も大体同じらしい)
攻撃力:370
防御力:420
スタミナ:260
素早さ:130
賢さ:175
保有魔素量:2000
魔力還元率:10%
色素:紫
EXスキル:整理整頓 lv,10…現在の仕事やものをリスト化、最優先事項の提示
紫陽斬 lv,2…魔素を使った斬撃、相手に継続ダメージ。
固有スキル:思念通話 lv,10…思念を繋いだ相手との双方向通話、強制切断。
魔法:能力開示…オープンステータス 消費魔素…0
上級回復…エヴォヒール 消費魔素…100
壊毒…ネルムンガド 消費魔素…199
Rank:C
事務員さんより弱い冒険者っているのかな?俺やっぱ冒険者向いていないのでは?
ー大したステータスじゃないんですけどね…ー
その言葉、刺さるよノクリアさん…
俺は素直に自分のステータスを話した。
ーあら、正直知ってる中で一番低いステータスですね…でっ、でもスキルに使い道があるかもしれないですし…ー
気遣ってくれるノクリアさん優しい。
嘆いていても仕方ないので質問を。
・称号は役職的なもの。加護は圧倒的なものとの信頼関係。加護はバフが乗るらしい。ランクは基礎の能力を総合的に見た評価で、変わることはない。
・色素は、自分のスキルや魔法特性によって判別されるエレメント的なもの。
・EXスキルは、自分の技や経験をスキルにしたもの。固有スキルは、元々与えられているスキル。
・保有魔素量はいわば”mp”、そしてそれを魔力還元率で割る。結局割られた”魔力”が魔法の威力や効果に関わってくる。つまり、魔力還元率が高いと、威力は大きくなるが、保有魔素量が少ないと、高魔素の魔法は使えない。逆にいっぱい魔素を持っていても魔力還元率が小さいと、低威力になってしまう。後者が俺型だな。
この説明で二時間かかった。疲れた。しかも自分がゴミというのだから救われない。
ーとっ、とりあえず明日の狩猟祭に向けて頑張りましょう!!ー
ん?
狩猟祭?
「狩猟祭ってなんですか?」
ーえっ?ー
「えっ?」
………………
えっ、俺何も知らんよ?
俺のステータスが微妙と言うことが判明してから30分。今はちょうどスキルの確認を終えたところだ。結論から言うと「戦闘向きではない」。意識を犠牲にし入り込む権能菜園《スキルガーデン》には、整備された畑があり、そこへ、魔力を75消費して無限種袋《シードパック》から、現在唯一出すことのできる“マクワウリ“なる野菜の種を植える。
ちなみにスキルの中だと、魔力還元率はかからないらしい。つまり後、999個マクワウリの種を出せることになるけど…
いらない!!
魔物を中に入れて気温変動で殺すってこともそもそも魔物を入れれないから使えない…
--- なんて不便なスキル!! ---
あっ、あと完璧に外界からは遮断されるためノクリアさんの声も聞こえない。
狩猟祭の説明忘れて、イヤホニウムの電源(魔力で動いているから魔源?)切らずに大慌てで調べたりなんだりしてるノクリアさんの声も聞こえない。
まっ、ここにいても暇だし、いったん戻るか…
「ただいま戻りました〜。」
ー戻られましたか。では、早速狩猟祭の説明を始めます。ー
一旦ギルドに帰り、ギルドでノクリアさんの狩猟祭についての説明を聞く。
「狩猟祭とはギルド主催の魔物を狩るお祭りで狩った数と魔物の強さによってポイントがもらえます。そして、そのポイントが一番高かった者の優勝。その人が、所属届を出したギルドにはボーナスも出るんだとか…まあ、私のギルドには無縁の話なんですけどね…」
「ちなみに自分は……」
「はいもちろん私のギルド所属にさせてもらってます!「え、そr」あ、あと狩った魔物の証拠を出さないとカウントされませんから気をつけてくださいね!はい!それではここまで!おやすみなさい!」
話を逸らされた気がするがもう夜も遅い時間になっていたので寝て、朝……
何かめっちゃ忙しい!!
[悲報]ノクリア氏 誤って起床時間を1時間遅く伝える。
朝ご飯食べて、装備に着替えて、武器持って、出発!!
マジでバタバタだった。そうこうしているうちに魔乱の森に到着。うちのギルドの所属は俺の他に、昨日の夜分に来た、C級冒険者と、午後から来る予定の冒険者の2人だ。
C級冒険者は俺のことめっちゃ見下してきた。絶対こいつには負けないとの決意を固める。
「うわーーーーー」
噂をすればでそのC級冒険者が森の先から焦りながら走ってきた。
「どうしたんですか?」
無視&スルーとはいい度胸じゃねーか。
C級冒険者は、鉄装備一式+鉄の剣だから俺よりも強いのに逃げていった。
かなり強い魔物がいるっぽい。警戒しながらも前進する。と、
ぷよよん ぷよよん
ん?こいつ魔物界最弱のスライムじゃね?
俺の装備は馬のレザー装備一式に、ブロンズの剣。強いとは言えないからなぁ…
ここは慎重に、慎重に…
「はぁっ!!」
ブロンズの剣を振る。
ぷにょん
衝撃は吸収されたものの、ダメージは入っていそうだ。
もう一撃入れればやられるってとこか。もう一度構えなおs
「おりゃぁぁぁぁあああ!!!」
ぐしゃっ
あの逃げていたC級冒険者が戻ってきて、とどめを刺したのだ。
「よっっっっしゃーーーーーー!」
「はぁ?俺が先に攻撃しただろ!?」
「スライムを一撃で倒せないお前が悪いんだよ!」
「お前だってびびって逃げてたじゃないかよ!」
「黙れ低級冒険者!」
「C級のくせに低級に助けてもらわないとスライムも倒せない弱虫が!」
「まぁ、この俺にかかれば優勝も夢じゃないんでね。僻まれるのも仕方ないか。じゃ、せいぜいがんばれ、低、級、冒、険、者!フフフフフ」
そういいながら元来た道を引き返していくC級冒険者。
ふざけんなよあいつ。勝手にとどめ刺してよぉ。どっかで魔物に襲われてくたばっちまえよ!
ーどうですか?狩りの調子は?ー
「いやぁ、今、トドメを他の冒険者に刺されてしまって…」
ノクリアさんの声が聞こえて冷静になる。
ーまぁ、狩った証拠を出せれて仕舞えば拒否することができないですからねぇ。ー
狩った証拠か…
あっ!あいつスライムから剥ぎ取りしてねぇ!
ー剥ぎ取りして仕舞えばこっちのもんですよ。あいつ私のことも見下してきたんです。今度から出禁にします!ー
出禁にしたらますます人減るんじゃぁとか思いつつ急いでスライムのところへ戻り、”水色のジェル”を入手する。
やったー!横取り阻止!!ざまあみろC級冒険者!!
「ぎゃーーーーー」
またこっちに向かって走ってくるC級冒険者。
ここは煽ってやろう。
「あれー?剥ぎ取らないとポイントにはならないんだよ〜。そんなことも知らないの〜?」
ほぉ、二度目の無視&スルーか。いい度胸だ。ただここは追撃の煽りをかましたい!
「おい、聞いてんのかC級!」
ガサッ
C級冒険者が来た方の道の奥の森から草を薙ぎ倒す音が。
「ん?」
ぎぃぃぃぃやあああぁぁぁぁあぅぅぅうううん
奇妙な鳴き声と共に、翼を持った竜が現れた。
ーあっ、あれは!!ー
魔物らしからぬ淡麗な顔立ちの竜の眼が俺を見つめる。
「あれはなんですか?」
ーあれは風翼竜 ミロガルディ。普段はこんな浅い森に出没しない強力な魔物です!おそらく太刀打ちができないので逃げてください!!ー
逃げたいよ。逃げたいけど!!
俺は今、俺の真後ろで腰を抜かしたC級冒険者と、木の幹が邪魔で動けない。
なんなら、C級冒険者は泡吹いてぶっ倒れてる。
俺は、仕方なく風翼竜の方へ向き直る。俺は弱い。だから、引きつけるしかあるまい。引きつけて、引きつけて、他の冒険者やギルド、軍を待つしかない。
つまり自分は”囮”となろう。
「ノクリアさん、援軍ってきたりします?」
「早くて……30分はかかるかと……」
うん。かなりキツい。と言うかほぼ無理。
と思考していたら、風に乗ってきた風翼竜の爪の引っ掻きが。
これを出来る限り体を縮ませ、ギリギリで回避する。自分へのダメージはないが、胸当てをかすめ、胸当てをちぎる。
風翼竜の引っ掻きが、木を抉り、そこから素早く反転し鱗を飛ばす。
鱗は風翼竜と同じ綺麗な青緑色で、先っぽは尖っている。弾丸のような速さで飛んでくるそれに当てれば、まず間違いなく動きが鈍る。致命傷になりかねない。
速く、強い。しかも搦手まで使ってくる。その状況で30分は厳しい。
逃げるか。
倒すか。
一瞬の隙を見て、C級冒険者を森の中へ隠す。その際ちゃっかり鉄の剣をいただいておく。先程とは、風翼竜と自分の位置関係が反転したため、自分はノクリアさんのギルドを後ろに守る形だ。後ろと言っても100mは離れているので、とんでもない攻撃が来ない限りは…
風翼竜が滑空して突進。これを右翼の下に潜ってかわす。
「うぉう、危ねぇ!」
と、安心したのも束の間、右翼を軸に回転したのち、尾を叩きつけてくる。
これは避けきれず、剣で受ける。
「くっそ」かなり後退させられる。
仕留めきれないことにイライラしたのか2度目の咆哮。
「うわっ!びっくりした!」
咆哮に驚いた俺の隙を見逃さず翼で鱗と共に強烈な風を放つ。弾けるものは弾いたが、2、3発被弾。
ここからさらに攻め込めると思った風翼竜は風を纏いさらにスピードを上げてくる。
上昇気流を生み出し天高く舞い上がる風翼竜。からの急降下突進。
最初の突進とはけたが違う威力の突進。急いで森の中に逃げてやり過ごす。
ドゴォォォォオオ
突進が地を穿ち、大きな穴を作る。まるでクレーター。こんなん当たったらおわりだな。しかも墜落した魔物も衝撃は受けるはずなのに無傷で立ちあがる風翼竜。
「こんな強く地面に激突しても無傷とか、やべぇだろ」
ーはい、あいつはヤバイ魔物です。なので逃げてください。ー
「でも目の前に大穴が…」
道を寸断された。しかも、突進で俺よりギルド側に移動しているから、ギルド方向へ行く=風翼竜の方へ行くと言うことになっている
なにこの地獄。
どうしようか。
フッ
ーどうされました?ー
「すいません、つい。」
ー?ー
「気にしないでください。」
笑った。なんでこんなことになったんだ。
--- せめて一太刀 ---
その考えがよぎったときにはもう動き出していた。
おそらく相手は油断している。嬲って殺そうとしてくると思う。
それを崩したい。完全に無謀。それでも。
「ハッ」
気合一閃
キィィィィン
弾…かれ…た。
もはやこれまで。
実力差はあると思っていた。俺ゴミステータスだし。ただ、ほんの少しやれると思っていた自分がいた。
風翼竜が振り払うように体を回転させる。
「ぐはぁぁ」
10mは吹き飛ばされたか。
次がトドメか…
風翼竜が体を回転させる。
体を回転させる。
回転。
回転。
ビュォォォォォォォォォ
完成したのは俺に向かってくる竜巻。
「くそっ」
仕方なく逃げる。が、
ギャァルゥゥゥゥウウウヴン
けたたましい鳴き声と共に俺の前に風翼竜。
前から風翼竜、後ろから竜巻。
「おりゃぁぁああ!!」
迷わず風翼竜へ向かう。そして斬撃を放t
ビタァァン
完全な死角からの尾での一撃。
そして吹っ飛ばされた俺は、
ビュロォォォォゴォォォ
竜巻に巻き込まれギルドとは逆方向へ吹っ飛ばされた。
高度は約100mってところか。死ぬな。
「ノクリアさん、お世話になりました。ありがとうございました。」
ーいえ、タツヤさん。こちらこそありがとうございました。最後に一つだけ。
--- 生きてくださいー ---
少し声が震えていた気がする。
ノクリアさんの言葉を聞くと、俺は落下していった。
生存率をほんのわずかでも上げるために木の下に落ちるべく、角度を調整する。
木と地面が迫る。
ズシャァァァァァ どっコォぉおおおん
ボフッッ
「無事だ…」
俺は物凄く衝撃吸収性のあるキノコの下に落ちた。と言っても、落ちた瞬間は気を失っていておぼえていないのだが。
ーお目覚めになられましたか?ー
ん、そのセリフ前にも聞いたぞ?
まぁいっか。
「はい、何かよくわからないキノコの上に落ちて無事でした!」
ーそれはよかったです。そのキノコというのはどのような物なんですか?ー
「えっと、赤くてとても柔らかいです。衝撃を受けると胞子を出しますね…」
ーなるほど…そのようなキノコは知らないですね…赤色ですか………ー
「どうしたんですか?聞きたいことがあれば聞いてもらっても…」
・・・・・・・・
ー周りの植物や木も赤色だった場合、魔乱の森の最深部の可能性があります…ー
「えっ、レクチャーの時に教わった初心者が必ず死ぬって言う……ん?じゃあなんで俺襲われてないんだ?」
初心者冒険者が必ず死ぬのに、倒れていて半ば”食糧”だった俺は喰われなかったんだ?と言う疑問が、独り言めいて口をつく。
ーはい、それは私も疑問に思っておりました。そして私が知りうる中で条件に当てはまる地は一つ。
--- 真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》 ---
タツヤさんはそこへ飛ばされてしまったのではないのでしょうか?ー
ノクリアさんの長い解説の断片を思い出す。確か”外敵を拒む魔物の都市”とかだった気がする。つまりここは、「その魔物の領地ではあるが、都市ではない」地域なのではないかと思う。確かに他の魔物の領地なら、その魔物以外は入らないだろう。
もう一つ気になっていることがある。意外と物知りなノクリアさんが知らないキノコだ。かなりのレア物の可能性がある。
俺のスキルは”農家”だ。
採集していけば栽培させられるのでは?
そしてそれを商人か何かに売ればお金になるのでは?
さらに素材収集のためノクリアさんのギルドまで道を通せばギルドが有名になるのでは?
いや、もう”外敵を拒む魔物”と交渉してしまえば……
多分俺ができるのはせいぜい一番上だけだろう。コミュ力無いのに交渉なんかできん。そもそもギルドがどっちかわからん。てか商人もおらん。
野望は膨らみ、そして弾ける。
「とりあえず近くを探索、素材を採集しながらその”都市”を探してみます。」
ーなんかタツヤさん…冒険者っぽくなりましたね。ー
「そうですかね?」
ーえぇ、そう思いますよ。ー
「そうですか…」
嬉しいような、嫌なような変な感じ。
まあ、そんなこと考えていても仕方ないので採集。
まずは、赤いキノコ。これは赤い木にいっぱい引っ付いている。なんか赤赤うるさいけど、空以外はほんとに赤色。草も花も土までも赤色だ。とりあえずこのキノコをまとまった数を採ると、
「一瞬意識失いまーす」
権能菜園《スキルガーデン》にキノコを保管。ひとつキノコを植えようとしたが、
///キノコ科は、なんらかの”原木”が必要になります///
と、初めてスキル側からの応答が。何か科によって違うのかもしれない、後で調べなきゃなと思いつつ意識を取り戻し、草を刈り始める。流石に木は切れないんでね…
サクサク切れるから、気づいたら自分の背を超えるぐらいの草の山が。
「これ、抱えて権能菜園《スキルガーデン》使えんのかな…?」
ヒュン
「できたな…」
おそらく体に触れていれば一緒に転移できるんだろう。これも保管。花が咲いているやつも同じように保管していく。そして意識を戻す。
そんな感じで採集していたらなんか見えてきた。
「あの…赤黒い外壁を持った要塞?城?みたいなものが見えたんですけど、ノクリアさんなんか知ってます?」
ー何もわからないですね…でもおそらくは
--- 外敵を拒む魔物の都市でしょうねー ---
--- 「ですよねー」 ---
「どうしましょうか…堂々と侵入してみます?」
ーいえ、それは避けた方が良いかと…ー
ノクリアさんによると、昔真紅の森まで辿り着いた冒険者が都市へ入ったところ、行方がわからなくなったらしい。数日後川から、見るも無惨なその冒険者の死骸が流れてきたんですと。
こわっ!!
「確かに下手に刺激するのはやめておいた方がいいかもしれませんね…」
ーはい、そう思います…ー
「じゃあ、迂回して探索を続けます。」
ー了解しました。私はあなたの件をギルド本部へ報告するため少し出かけます。くれぐれもお気をつけて。ー
イヤニホニウムに音声を流す発信機は固定機なので動かすことができないため、少しの間留守に。
「お手を煩わせてしまい申し訳ありません。そちらこそ気をつけてくださいね。」
ーはっ、はいっー
ん?ノクリアさんちょっと鼻声だったかな?にしても1人になると心ぼそいな…
ギリッ ギリギリッ
んっ、嫌な予k
「貴様は誰だ!」
矢をつがえた魔物が、こっちに狙いを定めつつ向かってくる。俺は多分逃げきれない。というか…
フラグ回収早いな!!というか何あの魔物、異世界生活が短いからどの種族かわからん!!でも殺されるの嫌だからとりま交渉!!
「あ、あの冒険者のタツヤ・オオマガリと申します。えっと、あの、戦う意思はありません!持ってる武器全部置きます。」
少し惜しいが鉄の剣と、ブロンズの剣を地面に置いて手をあげ敵意はないとアピール。
「ほう、敵意はないと見た。が、捕らえられる魔物はとらえ王様に献上するのが掟…
大人しく手を鎖に繋がれろ。足と口は自由にしておいてやる。ただ、もし反抗しようものなら…
--- そこに待つのは…死だ。」 ---
迫力がえぐい!!怖い!!
ここは大人しく連行されよう。
鎖をつけられ前進させられる。こっちは城の方だ。
しばらく移動すると、人?魔物?影が見えた。
「よう、どうだ捕獲対象はしっかり捕らえたか?」
「はい、大将!ここに捕獲対象を持って参りました!!」
でかい斧持ったいかにも戦士みたいな人?魔物?誰?
「俺か?俺はアレイン・シュラクミィルだ。そしてここに連行してきたのは、少将のジャビィ。立場は低くないが礼儀を重んじるドワーフらしく、立場が上の者には態度が硬化するんだよ。」
あぁ、そうなんだ。ドワーフか…
ん?
--- 俺、声発してないよ? ---
「フハハハハ。申し訳ない。あまりにも敵意が見られないのでからかってみたくなった…じゃなくて、ためしたんだよ。俺はな、読心人《マインドリード》っていうEXスキルを持ってて、魔素を消費して心を読めるんだよ。」
大将って言われてたけど陽気な人だな。隣の斧が物騒だけど。
「大将、敵かもわからない奴にスキルなんか教えていいんですか?」
「フハハ。大丈夫だジャビィ、こいつからそんな敵意は感じられない。あと対象はこいつじゃない。まぁ、もしこのドワーフ共和国に牙を剥くようだったら
--- 殺すまでだ。 ---
フフ、ちょっとビビらせちまったかな。おい野郎どもぉお!!もうすぐ城だ!!準備はできてんだろうな!!」
「おぉぉぉぉぉお!!」
……驚くほど声のトーンが変わった。
殺気に溢れる声になった。恐怖で一言も発せられなかった。圧倒的な強者の声。
かと思えば。士気を上げる統率者としての声に。
というか俺対象じゃないの?こいつらほんとに何者だ?
・・・
「おい、城に着いたぞタツヤ。お前はこれから王の間で王様に謁見し、裁きを受ける。と言っても俺の伝令がもう行ってるからお前は解放されるだろうがな。あと、お前まず魔物であることを否定しろ。人間じゃないと思われるぞ。じゃ、俺は用事があるんで、これで。」
人間か否かって自己申告制なの?
というかまた心を読まれている。
「あっ、ありがとうございました。」
「ハッ、連行されたのにありがとうございましたと来たか。つくづく面白いやつだな。じゃあ最後に一つ。王は、俺よりも優しく、俺よりも厳しい。まぁ、つまり嘘はつかないことだな。俺よりも見破る精度が高い。」
「はいっ!わかりました!」
「いい返事だ。またどこかで会おう。じゃあな」
行ってしまった。
敵っちゃあ敵なはずなのにいなくなると喪失感を感じさせるような人だ。
すごい優しくて、すごい強くて、すごく頼りがいのある人だと思う。
俺にはないものを持っているな〜と、人間観察していると、
「おい、王の間へ行くぞ。ついてこい人間。」
「わかりました。」
大将とは真逆の冷淡なジャビィの声が響く。
そして城に入って正面、大きな部屋、おそらく王の間に通される。
入ってみると意外にも質素な作りで、真ん中には王座があり、それを囲むように円卓が置かれている。
「こやつが我らの領地に入った人間か…」
「はい、ただ、アレイン様は敵意を感じないとおっしゃっておりまして…」
「ほう、そうか。わかった。ありがとうジャビィ。下がれ。」
「はっ」
ジャビィがどこかへ行く。そしてこの部屋には…
「そちと我、二人きりで話そうじゃないか」
「はい、わかりました」
目の前にはドワーフ共和国の王様が。
「まず聞く。なぜそちはここにきた?」
「風翼竜に飛ばされてここにきました。」
「…嘘ではない…か。次だ。そちの身分と名前を言え」
「人間のギルドの冒険者、タツヤ・オオマガリと申します。」
「ほう、本当に敵意や嘘は感じられないな…では次。
--- 自分の処罰、どうして欲しい?」 ---
「自分の処罰、ですか…」
プレッシャーすごいな…
「死ぬのは嫌です!!…」
「ほう、命乞いか…」
ちょっと癪に触ったか?
「さっぱりしていて嫌いではない。」
よかったー!この人嫌いな人はとことん嫌いそう…
「捕虜は無理だな…我が国には今余裕がない。というのも強大な魔物が出ていてな…… そうだ、そちは冒険者と言っていたな…」
「は、はい。でも、全然駆け出しなんで、そんな魔物と戦うなんて…」
「そうか…じゃああの魔物と戦うのは厳しいか、ではドワーフに一切危害を与えないことを誓うならば解放してやろう」
まじか!!意外と早く解放してもらえそう!解放されてもどうすればいいかわかんないけど!
「はい、誓います!」
--- キュィィィィイイン ズシャシャシャーン ---
ん?
「何、心配することはない。我のスキル宣誓者《スェアラー》によってそちがドワーフに逆らえなくなっただけだ。」
ヤバ、、、
演出かっこよ!!国王から光が出たと思ったら、その光が鎖状になって俺に刺さって紋章が出てきた!!かっけー!これぞ異世界!!俺のスキルとは違う!!
「そち、スキルを見て驚いているところを見ると本当に駆け出しなのだな。しかも純粋な思念しか抱いておらん…気に入った。そちは強い冒険者になるであろうよ。我になんでも質問するが良い。」
なんか俺めっちゃ気に入られてるー!
「ありがとうございます!ではまず…ここはどこで、どのように生活しているのか教えてください!」
「ほう、本当に風翼竜に飛ばされてきたようなことを言うな…ここは、真紅の森《クリムゾンフォレスト》の中央部、真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》に位置するドワーフ共和国だ。と言ってもそちらのような人間はドワーフが住むとは知らないと思うがな…ここでは、そこここに生えているキノコを食べたり、毒キノコの毒を矢に纏わせ、魔物を狩って食べたりする。」
ノクリアさんと比べ圧倒的簡潔!!
「先程、大将のような方をお見受けしたのですが、あの方の持っている斧は人間界ではとても良品だと思うのですが…やはりドワーフは鍛冶が上手なのですか?」
「あぁ、鍛冶は全体的に得意だ。彼奴の持っている斧は2000年前の鍛治士が作った錆知らずの金属が刃身に用いられているドワーフ兵団の大将に受け継がれし戦斧”ドワルドゴーン”だな。その2000年前の鍛冶士がドワーフの始祖となり、今の王家の元にあたる。鍛冶もその者が伝えて行ったらしいな。ただ斧に目をつけるとは、そち、その目は価値あるものを見分けられるようだな…」
なんか最後めっちゃ褒められた。
だいぶ好かれてるみたいだし、自分の聞いてみたかったこと聞いてみるか…
「なぜここの住民は人を拒むと言われているのですか?」
「……………ん?、そうなのか?」
「えっ、じゃあ…」
「そちと同じように人が来たら丁寧に接していたぞ。そもそも人間はなかなか来ないのだが…」
あっ!たしかに「人だから」と言う理由では何も咎められていない!
じゃあ人間の勘違いってこと?でも、
「あの、ここに来た冒険者が無惨な形で川から流れてきたって…」
「ふぅん、この近くの川というと森紅川か……… !そういえば10年ほど前、我の国のドワーフ兵団が川から襲われた人が流れていて、それを辿っていくと魔物に出会ったと言う報告があったな…思えばそれが今戦っている魔物との戦いの火蓋だったか…」
「つまり…」
「ああ、我が兵団はそのような残虐なことはしない。第一する理由がない。とすると、おそらく…」
人間を騙すための嘘か…
「そうだな。」
心読まれてる〜!!
「でも、どんな人間がそんなことを…」
「おそらく、亜魔駆逐連合だろう。亜人、魔物、転生者など、’この世界の人間以外’を駆逐する団体だ。我が国の周りの国…つまりそちがいたエリトネアの国でも結構蔓延っているのかもしれんな。我らの仲間も、何名どころではなく、何十名、何百名とやられている。」
転生者。
それは俺も該当する種族だ。警戒しないとな…
「何っ、そちは転生者なのか!となるとそちは転生スキルを持つ転生の冒険者…どうか頼む、魔物討伐を手伝ってはくれぬか?」
いや、転生者にも色々いるんだよ。
「いや〜、貢献できるならしたいですけどね…自分、転生スキルが農家というスキルで…」
「…なるほど、そうか戦闘向きではないか…そう言うスキルもあるから気にするでない。事実、読心人とか言うスキルを持っている奴が我が兵団の大将になっているからな。」
「そうですね。なんか、励ましてもらえて嬉しいです。ありがとうございます。」
こんなとこかな、と思ったが…そういえば夢物語だと思っていた一案があるっ!
「あの、私これでもギルドの冒険者です。私のギルドにはその亜魔駆逐連合というものはいないと言い切れます。なので、
--- 私のギルドと交易してくださいませんか?」 ---
「フハハハハハハ………急に口調が変わったから何だと思ったら、我が生涯で聞いたことのうち一番面白いことを言いよった。邪念も感じられん。いいだろう。ドワーフ共和国の国王、ハイルツェン・ドルクベルクは
--- タツヤ・オオマガリの所属するギルドと交易関係を結ぶ!」 ---
ハイルツェン・ドルクベルクって言うんだ…
知らなかった!
「そうだなそういえば名乗っていなかったな。まあ長いから「ハイル」とでも呼んでくれ。」
「わk「ちょっとお待ちください陛下!こんなどこの馬の骨かもわからないものと公約を結ぶなんて!もう少し考えなければ!」
扉の裏で聞いていたのだろうジャビィが飛び込んできた。
「いや、これは国王決定だ。すぐ書類と公布の準備をしろ。この戦いが終わったらすぐ公布をする。大将たちにも言っておけ。ところでそち、交易関係を結ぶのは良いが…
--- どうやってそのギルドに帰るのだ?」 ---
た・し・か・に!
その後、俺は客を迎える部屋に通されくつろいでいた。
「ふわぁぁ〜暇だし散歩するか…」
俺は向こうのギルドへ行く手立てが出るまで解放されていた。特にやることもないのでお手伝いという名の見張り、堅苦しくて距離感の微妙なジャビィと共に散歩へ行く。そして…
「これはフレイムキノコというもので火を出せるな、それからこっちはラヴァゴケという名の溶岩ゴケの一種だ。」
「おぉ、マジか!えっ、じゃあこの赤地に黄色いボツボツのやつは?」
「おい!それはベニコガネタケじゃないか!それは《炎雷》を発生させる希少種だぞ!よくみつけたな!」
めっちゃ意気投合した。
ジャビィは元々この森の植物に興味があったらしく、めちゃめちゃ詳しい。俺はスキルで栽培する可能性があるから、情報を集めているのだが…
植物がめっちゃかっこいい!
キノコは原木がないと栽培できないけど、原木は無限種袋《シードパック》から出た苗木じゃないとダメっぽい。種袋に苗木というところに突っ込んではいけない。
突っ込むの、ダメ。ゼッタイ。
ベニコガネタケを回収して一旦城に帰る。俺も真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》の植物は一通り回収した(と思われる)からな。
そんなこんなの帰り道の途中。
「よう、調子はどうだ、タツヤ?」
「あっ、アレインさん!」
歩いていた道の左、15m程上からアレインさんが見下ろしていた。
「こんなところで何してるんですか?」
「んあ?ちょうどさっきまで土赤熊《グレボファ》って言う赤くてでっけー熊と戦ってたんだがよ、、どこ行ったんだ?」
「地に潜っているところでしょうか?」
「ああそうだろうな…」
どうやらその熊は、赤く、地面に潜るらしい。いくらドワーフの兵団とはいえ地面に潜ると手出しできないだろうからな…
もしかしてあの魔物か?
「その熊が森紅川の近くで人間を……?」
「いや、容姿はよく似ているが、今狩っている魔物は比較的弱い。しかもあいつの肉はうめえってそれは関係ないな。」
一息置いてからアレインさんがつづける。
「川の近くでヒトを殺したのは紅怒熊《アグリスファ》だな。強さももちろん違うし、赤みが強いため別個体だと言われている。」
なるほどねぇ。今狩っているのは弱いんだ…
赤い熊、怖いけどなぁ…
「大将、報告が。」
「おう、どうしたジャビィ?」
「そちらのタツヤとキノコ狩り…いえキノコの調査へ行きましたところ、こちらのベニコガネタケを見つけまして…」
いつのまにかジャビィが上に登っている。俺も登ろう。と。
グラグラグラ……ズシャァァァアアアア
俺がジャビィたちの方へ行くために登るはずだった壁から、紅い大きな…
熊。
絶対今話題に上がった熊じゃん!!
今いた道のようなところは、左側は15m上がっているが、右側は崖っぽくなっている。
土赤熊とかいう熊に突き落とされた俺は吹っ飛んで、その崖に吸い込まれていく。
「権能菜園《スキルガーデン》!!」
素早く権能菜園《スキルガーデン》に入り込むと、「ヤワラカホウシタケ」というものを手に取る。これは俺が風翼竜に飛ばされた時に…ってそんな場合じゃねぇ!
スキルを解除しヤワラカホウシタケを下に敷いて落ちる。お陰で落下死は免れたが…
グルァァァァァァ
おそらく、『お前の肉を食わせろ!』とさけんでいるだろう土赤熊が目の前に。
「すまない、どうにかして回避してくれ!こちらもすぐにそちらへ向かう!」
自分の(C級冒険者の)鉄剣は没収されたままなので武器は真紅の憩い場《クリムゾンオアシス》の植物だな。つまり一応は反撃はできる。
一応。
「うわぁああああああ」
ただ、その植物たちを出すためには、一旦昏睡しなければならない。したがって逃げるしかなく、間抜けな声を上げながらどんどん道から離れる方向に走り続けている。
「おっと!」
自分の左側に爪が振られる。地面が抉られボコボコになるが、
「風翼竜ほどではないな…」
俺は武器も(ほぼ)持っていなければ、装備もなく、スキル、魔法も使えない。だが、風翼竜からは(偶然)逃げられた。つまりこいつからも…
土赤熊が地中に潜り、自分の左側からとびだしてくる。
仕方なく右に進むが、
「やべぇ!」
正面に石の崖がそびえ立っていた。
まずい。すぐそこにはあの熊が。
あっ!いいこと思いついた!
「来いよバカグマ!」
崖の前で反転し自分の方へ引き付け、土赤熊と正面から向き合う。
土赤熊は全力で突進してくる。当たったら間違いなくぺちゃんこだ。ただ、回避できるギリギリの瞬間。
「当たるかぁああ」
こちらも全力で回避する。すると、
ズゥウウウン ゴロッ ゴロロッガラガラガラガラ
崖に全力で突っ込ませて頭を攻撃するという策に思いっきりハマってくれた。崖から石も落ちてきたのでさらにダメージは入っているだろう。この間に俺は、
「権能菜園ッ《スキルガーデン》!」
本日二度目のスキル使用。一旦昏睡しつつ、目の前に壁のように積まれ、奥の畑が見えない程の植物のうち2、3種を手に取って意識を戻す。
ヴァァァァァアアアアアアンッッ
さっきの熊がもう意識を取り戻している。
ん?
なんかさっきいた魔物と違うぞ?て言うか特徴から察するにアレ…
紅怒熊じゃね?
「うわぁぁああああああ」
本日二度目の悲鳴と共にまたまた逃走。
「ドワーフたちは別個体って言ってたけどな…」
というかそれよりも…
「キリがねェな…よし、さっき出したヤツ使うか…」
走りつつ跳躍。真下にラヴァゴケを投げつける。
この苔は溶岩ゴケの…とか言ってたからダメージが少しくらい入るんじゃないか?
ギャジュゥゥゥゥン
紅怒熊がラヴァゴケを踏む。高熱の溶岩が紅怒熊をおそ…
襲わない。正確には襲ったが効いていない。
「どうすんだよ…」 ・・
火効かねぇのかよ!俺が持っているのは火を出す植物ばっか。おそらくほぼ全て効果がない。
とその時。
パキューーン パキューーン
「大丈夫かタツヤ!」
「はい、なんとか!」
崖の上から、見知ったドワーフたちが。どうやら一周して落ちたところに戻ってきていたようだ。
さらにアレインさんの指揮によって一斉に放たれた矢が紅怒熊に命中する。しかし、
ガキキキキン
全て弾かれた。
「あぁ!?アレ紅怒熊じゃねぇか!」
「なんか追われてる途中に…って悠長に話してる暇はないんですよ!矢を喰らっても微動だにしていないじゃないですか!」
事実、30mほど離れたところにいる紅怒熊はピクリともしない。
「ああ、あの矢にはベニコガネタケの力を付与してある。弾かれても、少し効果時間が短いが痺れている筈だ。」
なんか話が噛み合ってない…ん!?
「え!今あいつ動けないんですか!?じゃあちょっと失礼します!
--- 権能菜園《スキルガーデン》」 ---
入るとやはりうすだかく積まれた植物が。だが、
「おりゃー!」 ・・
その植物たちには目もくれず、とある植物を収穫し、意識を戻す。
目の前には動けるようになった紅怒熊が。
ドワーフたちも二発目の矢をつがえているが矢は弾かれ効き目がないためほぼ一対一の状態だ。
紅怒熊は、大きく右足を後ろに下げると、地面を蹴り突進してくる。
土赤熊とは攻撃力も硬さも速度も桁違いだ。
「うぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!」
真正面から切り札を持って突進と相対する。そして…
「うぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!」
俺が今片手に持っているのはテストで植えていたマクワウリ。というかマクワウリの形をした魔導具だ。
現在こっちに突っ込んできている紅怒熊には火が効かない。このマクワウリ|《切り札》の効果が火系ではなく、かつ俺が紅怒熊に当てなければ効果はない。そして同時に俺の命もない。
とてつもないスピードの紅怒熊の突進を迎え撃つ。
スピードと威力は凄まじいが怒りに我を忘れ、本能だけで動いているため少し横にずれただけで回避することは可能だ。
だが、
「そりゃぁあああ!」
真っ向から迎え撃つ。命中率が一番高いと踏んだからだ。
一瞬の後、突進が当たる前触れとも言わんばかりの風が体に吹き付ける。
その瞬間跳躍する。
「とりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!」
ぎゃるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅううううん!
咆哮、そして交錯。
ドンッ グシャリッ
突進はかすった。が、マクワウリをヒットさせることには成功している。あとはマクワウリの効果を祈るのみ。
ドォゴォォォォォォオォォン
金色のエネルギーが迸る。
それはとても純粋なエネルギー。そしてそれは爆発的に紅怒熊を襲う。
ドカァアズドォォドシュゥゥンズガァアン
そして、これでとどめだと言わんばかりの大きな爆発が起きる。
ドゴォォォォォォォオオオオオン
会心の一撃と共に紅怒熊が散る。
それを合図に、
「「「うぉぉぉぉおおおおおおおおお!!」」」
ドワーフからの割れんばかりの喝采が。
そして、
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《イワトウガン》が作成できるようになりました。 ---
おぉ!やったー!
この世界に来て初めてレベル上がったー!そして新作物!これはイワトウg
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《スピードハヤトウリ》が作成できるようになりました。 ---
お!あの魔物結構な経験値を持ってたんだな。お次はスピードハヤトウリねぇ…
ウリばっk
--- レベルが上がりました。 ---
:
:
:
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《ヤリパラガス》が作成できるようになりました。 ---
やっと終わった。
具体的に言うと1lvにつき5秒かかり、132lv上がったから…
11分!oh my god!レベルアップの演出が続いていたわけだ!
ただ、その分育てることのできる作物も増えたしな…
--- スキルレベルがアップしました。 ---
まだ終わってなかったか。
あの魔物実はヤベェーイ!!じゃねえか………ステータス見てみよ。
「オープンステータス」
さっ、どんぐらい成長してるかな…?
名前:タツヤ・オオマガリ lv,133
称号:紅怒熊狩り
加護:なし
体力:1000
攻撃力:130
防御力:260
スタミナ:340
素早さ:95
賢さ:150
保有魔素量:75000
魔素還元率:0.01%
色素:緑
EXスキル:なし
固有スキル:《複合》農家Lv,2
スキル権能:権能菜園|《スキルガーデン》(仮想空間)へ入り込む能力。そこへは、植物の力が強いものしか持っていけない。その空間は、発動者が、気温、地形、湿度を改変することができる。発動中、現実の発動者は昏睡状態へ陥る。
無限種袋:|《シードパック》を出す能力。その袋は、権能菜園内で使用でき、75魔素をこめることで、作物を魔導具化させ出現させることができる。なお、出現可能作物は、lvが上がるごとにランダムで解放。
NEW! 植物図鑑:|《プラントピクトリアル》を閲覧する能力。自身が出現させることのできる作物及び自身が視認、接触したことのある作物を一覧にしたもので、その作物の科目や能力をしることができる。また、自身の記憶にある作物を検索することができる。
NEW! 作物肥箱:|《プラントコンポスター》を権能菜園内に自由に設置、撤去する能力。設置した箱に作物を入れることで有機肥料を生成する能力。その肥料は、成長時間を大幅に短縮する。
魔法:能力開示…オープンステータス 消費魔素…0
Rank:D-
ステータス変化はないが、スキルの変化は……使えてるスキルなのかな?
じゃ、新作物育てに行きますか!Let’s go!
「すいません意識失いま〜す」
バタッ
「おいタツヤ!いや、脈はあるな…疲れちまったんだろう。にしても…
--- なんか不穏な風だ…」 ---
ここで俺の意識は切れた。そして…
「すげー!これ全部育つの!?じゃあ一旦5つずつ植えて……お!もう育ったのがある!
なになに〜、これは《ザッソウ》って言うのか…雑草じゃん!HAHAHA!」
テンションをバグらせながら研究していた。
「成る程、これで肥料ができるのか!じゃあこれを量産して肥料をいっぱい作ってもう一回量産してってOTTO!もう魔素がないのか…魔素を回復する野菜はないのかな?っとここで発動!植物図鑑《プラントピクトリアル》!うーん?これか?マジカルモロヘイヤ!おぉ!魔力全回復!これで無限に作物育てられるじゃん!じゃもっかい全部植えて…もう一回植物図鑑《プラントピクトリアル》!紅怒熊を倒したのは…ピュアマクワって言うんだ!効果:発動した人のピュアパワーを使って攻撃する。発動後1時間テンションがおかしくなる。なるほど!だから俺はテンション爆上がり状態なのか!ピュアマクワの分類は…なにこれ深緑瓜類?ピクト〜これどう言うこと教えて〜」
長文の独り言の後、スキルに話しかける始末だ。プラントピクトリアル略して「ピクト」…これはひどいな…
///そちらは分類となっております。分類の一覧を表示しますか?///
「うん表示して〜」
///分類の一覧です。[]がついているものは解放済みです///
他分類…キノコ類、海藻類、山菜類、香草類、[食種類]
食葉花目…特異作物、虹色花類、[緑黄葉類]
食根茎目…特異作物、[薄白茎類]、[土白根類]
食実果目…紺紫茄類、[翡翠豆類]、[深緑瓜類]
全く…スキルに話しかけても返事なんか…来るわけ……
ん゛?
返事どころか分類まで出てきてるぞ?
///驚かせてしまって申し訳ありません。しかし主の呼びかけには応じなければならないので…///
女性の声がする。言うなればSiri。というかほぼSiri。
///私は農家のスキルの一部である、図鑑核《ピクト》と申します。///
す、すげぇ!よくわからんけど!何ができるんだろ?
///検索の補助、スキルの管理、及びスキル内事象の通知が可能です。///
すげぇえええ!チートだぁあああ!これが異世界!これぞ異世界!
///ちなみに現在スキルの統廃合によってスキル 農家 の進化が可能です。いかが致しましょう?///
是非!と言いかけてふと我に帰る。
「いや、いい。あんまし長く気絶してると心配されちゃうからな。」
そう言って6種程植物を持ち意識を戻す。小1時間気絶していたからスキル外も久々だ。
キャァァァアア ビュゥウウウウウン ウワァアアアア
ドワーフ共和国はとある魔物によって壊滅寸前まで追い込まれていた。
そしてその魔物はゆっくりとこちらを向き、
ピュォォオオオオオオ
「挨拶がわりの突風かよ…
--- 風翼竜。再戦の刻だな。」 ---
ちょっとカッコつけて言っているものの内心ガクフルである。
「にしても俺がスキルの中に行ってる間にこっぴどくやられたな…」
事実ドワーフ王国は甚大な被害を受けており、周りの民家はほぼほぼ壊滅、城も辛うじて立っているものの屋根の飾りは根元から取れて道路に転がっている。そしてその大きな理由が風翼竜の…
「身に纏ってる竜巻だな。」
「うわっ!急に話しかけて来ないでくださいよアレインさん!」
「いや、アレインでいいよ。お前は紅怒熊を倒した英雄じゃねぇか。」
英雄ねぇ、悪くない…ってそんなこと言ってる場合じゃないんだよ!
「住民の避難は風翼竜が竜巻を纏っている間に済ませてある。俺らの矢は風に煽られて効かねぇ。ちょうど城も建て替えを考えてた頃だ、派手にかましてくれよ。」
「俺と風翼竜の攻撃を建て替えに使わないでくださいよ!っと、そんなこと話してたら…
--- 来たな風翼竜。」 ---
自分は基本的に助けることのできる人に対してはできる限り手を伸ばす主義だ。だからこの世界に来る時もトラックから子供を庇ったわけだ。
ただ今回はいくら関係ないからってかなりの大人数が住んでいたので住民について気になってはいた。その疑念が晴れた以上後は…
「ん?切れたな…」
ピュアマクワの精神異常効果も完全に切れた。
風翼竜はこちらを向いてきりもみ回転しながら突進してくる。
それを見つつ呟く。
「何が”気にはなっていた”だよ。忘れてたくせに。住人のことなんかこれっぽっちも覚えてなかったくせに。」
本当は。
住民のことなんてすっかり忘れてた。
無傷だったとはいえ助けることのできる力があったのに助けなかった懺悔。
精神異常があったとはいえ自分や人を欺いた。そのことへの…
--- “償いを。” ---
そう決まったなら後は。
--- 「ぶっ放すだけだぁぁああああ!!」 ---
想いの咆哮。そしてそれと同時に突進が襲いかかる。
まず《バリアノザワナ》を展開し突進を防ぐ。名前の通りに出てきたバリアは強い衝撃を受け砕けてしまう。ただ俺が宣言したのは「ぶっ放す」。自分も次々と野菜を出していかないとやられる。
カウンターの様に《ツルギミツバ》を出現させる。飛ぶ斬撃を放つ三叉剣を振る。しかし尾に少しダメージを入れた程度で、風翼竜は気にもせずそのまま回転し鱗を飛ばす。
「邪魔ぁあ!」
鱗が邪魔で追撃できないため自分も後ろへ下がり仕切り直しの形に。
「バケモンだろこいつ…」
言葉とは反対に前方向へ一歩踏み出し《ボムペポ》を投擲する。ペポというのはペポカボチャのことで…ってそんなことを考えているとボムペポが命中した音がする。
命中しただけ?そう思うだろう。あくまでもボムなので、
「《メラビーツ》!!」
火を与えれば、
ドゴォォォォォォォォオオオオオオン
「これでいったろ…」
ド派手に爆発する。が、
ギャるぅうぉおおおおオン
「爆発効かないの!?」
聞こえてきた咆哮と風翼竜の影に焦る。
「ヤバい、手駒が足りん!」
次々と植物を出したために残る植物は2種。1種はマクワウリでもう一種は…
「《スイミンレタス》!!」
一旦眠らせるが、これもいつ解けるかわからないのでスキルの中に入ろうとする。
「権能菜…!アレインさん?どうしたんですか?」
が、急に斧を携えたアレインさんが走りよってきた。
「奴の弱点は雷属性らしい。」
「あっ、ありがとうございます!…権能菜園《スキルガーデン》(ぼそっ
会話中にスキルを発動させ植物を取るという荒技。
「って感じでな、ジャビィが調べてくれたんだ。」
意識を戻したときにはなんか言ってたけど気づかれてなさそうだな。
「何を気づいてないって?」
アレインさん心読めるんだったー!まあ、それより攻略法が大事なんだけど…
「はいっ!すみません!……で、アレインさんも戦うんですか?」
「あぁ、俺も斧取ってきたから戦わせてもらうよ。」
「ありがとうございます!では、」
ウヴァァァァァアアアアアアア
「行きますか!」
「おぉ!」
起床した風翼竜の右脚の方向へアレインさんが斧を振る。風翼竜は翼を振るいアレインさんを振り払おうとする。が、
「《イナズマライス》!」
ガラ空きの左翼へ稲妻を帯びる稲穂をぶつけ、スパークさせる。こちらを向いた風翼竜だったが、
「セイッ!!」
アレインさんが斧をぶん回して攻撃する。それなりのダメージが入っていると思われるにも関わらず風翼竜は一回転し、尾でアレインさんと俺をすっ飛ばす。受け身は取るものの
「グハッ」 「ゴフッ」
地に打ちつけられる。だが、
「負けるわけには!!」
自分の言葉にアレインさんが続く。
「いかねぇんだよ!!」
ただ、気合だけでなんとかなる相手ではないのは自分もアレインさんも百も承知。
「俺が引きつける。最大級の|技《野菜》頼んだぞ。」
「はい、ご注文は承りました!」
自分は隙を探しつつ、植物で陣形を組んでいく。
ぎゃぅゥウうィオぉん「ううぉ!」「そぉいやぁあ!!」ギゃリュぁうォおぉォおぉん
嵐のような噛みつきを、斧で防ぎ、カウンターを放つも、風を裂く引っ掻きで合わせる
超高速の攻防の中。
「菜弩和威!《ベジドレスバリスタ》!」
《イワトウガン》に《ボムペポ》《ハレツモロコシ》を《オオユミササゲ》につがえて放つ。着弾したら大きな…
躱された。
そのまま風翼竜は空へ舞い上がり竜巻を纏う。爪の斬撃も加わりそれは正に嵐。勢いそのまま地へと迫る。何度も見、何度も食らったあの突進だ。回避も間に合わない。
アレインさんの絶望した顔が見える。そして俺は…
--- フッ ---
笑う。
ただ今回は|自嘲る《わらう》んじゃ無い。|勝者の笑み《わらう》。
・
先刻放った技は、最後の1文字にもあるように威嚇用で、着弾すると大きな音が鳴る。
そしてそれを回避する事まで読んだ…
--- 俺の勝ちだ、風翼竜。 ---
風翼竜は突進をやめない。そして地面に触れる直前。
--- 「雷霆ノ菜盛《ケラウノサラダ》 ---
ゴロゴロ ピカっ ヴァルリィィィィイイ
《ヤリパラガス》に《イナズマライス》、《プラズマクワイ》を、再び《オオユミササゲ》を基に組み合わせ放つ。
稲妻が迸り、翼鱗の一つ一つまで電気が流れる。
体が痺れ、突進していた風翼竜が墜ちて行く。
ズガァァァアアン
「やったな、タツヤ!お疲れさん。」
そんな労いの言葉をかけてくれるアレインさんの言葉も聞こえないくらい自分は…
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《トゲクロゴマ》が作成できるようになりました。 ---
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《タイケンナタマメ》が作成できるようになりました。 ---
--- レベルが上がりました。 ---
:
:
:
アレに悩まされていた。
--- スキルレベルがアップしました。 ---
「ふぅ、やっと終わったな…」
「あぁ、俺らの戦いにお前は終止符を打ったんだよ…」
なんか微妙に話が噛み合ってn
「ん、ん〜ってここどこ!?なんで寝てるの!?」
「おい、慌てんな。お前はあの後倒れてたんだよ。」
一瞬焦ったが隣から聞こえるアレインさんの声に安心する。
「それで、ここは…?」
「あぁ、これから始まるのはお前の
--- 戴冠式だよ。」 ---
スクロールとてもお疲れ様です!!
こんなに長いのに最後まで読んでくれて感謝しかありません!
執筆記録がコピペした日だけエグいことになってた…
1万字なんて初めて見ました。コピペって偉大。
普段3桁行くか行かないかで書いてるからなぁ……頑張ります。
1章6話にコメントいただきました!ありがとうございます!
皆様からのコメントも是非是非まっています!
それではまた次回!!