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第2話 漂流
何処かも分からぬ大洋の上に浮かぶ六芒星、それが「疎開島」だった。
目を開けると、見知らぬ海岸が見えた。
私は……
……あ…そうだ。ハナ国……。
しかし、後ろを振り返っても何も見えなかった。
(かなり遠くまで流されちゃったのかな…)
立ち上がって、身体中に付いた白砂をはらい落とす。
足元を見ると、海上に私が映っていた。
砂で白く汚れた赤いワンピースに青緑色のリボンが輝いている。茶色の腰までの巻き毛に、頭には白色のハイビスカス。
(あ、まだ服汚れてる……)
水で洗い流そうと島に背を向けた時。
「……誰だ」
「ひゃぁっっ!??」
振り返ると、先ほどまで誰もいなかった場所に、一人の男性が立っていた。紺色の肩ぐらいまでの髪で、青色の襟のセーラー服を着ている。
「……名を言え」
「いや、急に何なんですか!??」
そこまで言って、私は青年が手に持っている物に気づいた。
……尖った…枝?それを私に突きつけながら、じりじりと迫って来る。彼の青い目がかすかに光ったように見えた。
「答えないなら……刺す」
「え、ちょっと待って待って待って!!」
どうしよう、せっかく一命をとりとめたばっかりなのに、こんな死に方……!
私は一息深く吸って、自己紹介をした。
「…えー…、ティア・ハイビスカスです、で、その……その枝、下ろしてくれますか?」
そう言って、頭を下げる。
「………」
…無言。
「えぇっと……お願い、だから、刺すのは……」
「………」
「……あ、あのっ、……!」
沈黙に耐えきれなくなって、私は少しだけ顔を上げた。
「…あれっ……?」
…そこには、誰もいなかった。
「……?」
さっきまで、確かにいたのに……?
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それから、私は島を探索することにした。
ちなみに、今わかったこと。
その一、この島は何とは分からないが、特殊な形をしている。
その二、島にはまるで生き物がいない。
その三、島に生えてる木の実は大体食用。
その四、島の真ん中に湖があって、そこの水は飲める、安全な水。あと、その湖の真ん中になぜか何かの装置?みたいなものがある。
その五、島の気候はとてもちょうどいい。暑くも、寒くも無い。
そして、あと……
「…あ、」
「……!」
さっき枝を突きつけてきた人に会った。
島に生えている一本の木の下に座ってた。どうやら、ふっと消えたりふっと現れたりしてたのは、普通に島の森の中に入ったり海岸に出てきてただけっぽい。
「さっきの人…」
「……」
ふいと顔を横に向ける。そこで私は大事なことをひとつだけ思い出した。
「あ!そういえば、あなた!まだ名乗ってないじゃん!」
向こうから「名乗れ」とか言ったくせに、私この人の名前知らないんだけど。
「…名乗る義理は、無い」
「…えっ?」
え、あれだけ私の名前は聞いてきたのに、自分の名前は言わないの?
…変なの。
「ねぇ、なんで名前言わないのー?」
少しだけ、近寄ってみる。
「…寄るな!」
…飛び退かれた。ちょっと、悲しい、かも。
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それから、私たちは基本、それぞれ別々で行動をしていた。というより、普段あまり見かけない。少なくとも日中は全く見たことがない。
だけど、たまに話したりする機会はある。よく大抵は睨まれるか、無視されるかのどっちかだけど…。
そして、今日。島にきて1週間ぐらいがたった。水と食べ物があるから、なんとか生きれてる。
洗顔をしていると、不意に背後に気配を感じた。振り向くと、やっぱり彼が立っていた。初めて会ったときも、後ろにいたんだよね…。
「?どうしたの?」
「……」
無言で果物を数個差し出してくる。
「くれるの?ありがとう!」
「…………」
「…どうしたの?」
「……」
「…俺……」
「…?」
少し俯いて、か細い、それでもはっきりとした声で彼は話した。
「…俺は……|白海大河《しらみたいが》……、」
「…大河くん?」
小さく頷く。
「大河くん!よろしくね!」
この時、私は知らなかった。
彼がまだ、たくさんのことを隠していることについて……
ほんと可愛いよねー、こーくん!(言っちゃった…)
最初は、はーちゃんのことをすっごい警戒してたんだよー!
続きをお楽しみに!