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12 言いたいこと
「何、アーゼン。何か言いたいことでもあるの? そういえばいいのに。父様、感づいてたわよ」
「流石魔王様だな」
「で、言いたいこと、あるんでしょ? 何かしら?」
私が問うと、アーゼンはすっと目を細めた。
こういうところ、父様に育てられただけあるわ。
「リュカと話すな」
アーゼンはただ、それだけ言うと去っていく。
私がぽかんと立っていると、不意に後ろに誰かいるのに気が付いた。
「ああ、アミュリ。何かあったの?」
「いやぁ、今何をお話しされていたんですか? もしかして、告白っ! だったりしてぇ!?」
「違うわよ」
私が即答すると、いつもとは違う気配を感じたのか、アミュリは「何をおっしゃっていたのです?」と真顔で聞いてきた。
「リュカ君と話すな、だって」
ふふっと私が笑うと、アミュリは顔をしかめた。
「ですよねぇ……」
「何か知ってるの?」
「フェンリルって、結構人間の従魔だったりします。だから、人間とつながっているフェンリルと連絡をされている可能性があることを指しているのではないでしょうか?」
「それって……!」
バタン、と私は手に持っていた魔導書を落とす。
「お父様がもうすぐ……死ぬって言ってたのって……リュカ君が……?」
「ル、ルーフェリア様ぁ~、お部屋に戻りましょう……?」
「そ……そうね。取り乱してしまってごめんなさい」
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まず、アミュリの話からすると、フェンリルは人間の従魔になることが多く、人間界によく住み着いている。
そのフェンリルたちとリュカ君がつながっていて、連絡をしている。
それはつまり。
(魔王城に人間がさらわれているから、助けてあげてくれ、っていえばいわゆる聖女とか勇者が正義を前に父様やアーゼン達……。魔族みんなを……殺せる)
私は机に頬杖をついた。
「はぁ……」
「今考えてもしょうがないですよ」
アミュリの顔をちらりと見ると、私は「アミュリ、紅茶をお願いできる?」とため息とともにお願いした。