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13 ある夜のこと
結局、アーゼンとはそのまま何も話さないまま1日経った。
「ルーフェリア様が思っているだけで、アーゼン様のただの嫉妬かもしれませんよ?」
「そう、思いたいけれど……」
私はアミュリに髪を洗ってもらいながら答える。
「アミュリ、いつもありがとね」
「どうしたんですか、急に。別にあれは私の憶測ってだけで、すぐに人間が魔王城に来るわけではありませんよ」
アミュリのその言葉に確かに、と息を吐く。
「アーゼン様がたまたまそう言っただけかもしれないでしょう?」
「そう、ね」
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「おやすみ、アミュリ」
「おやすみなさい、ルーフェリア様」
アミュリは私の枕元の椅子に座ってにこりとほほ笑む。
(アーゼンが護衛になってから、もう約1年……早かったわ)
私は絶対にこの……楽しい日々が壊れぬよう強く祈ると、すっと深い眠りに落ちていった。
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朝起きると、なぜだか、魔王城内がしーんとしていた。
嫌な予感がして、起き上がったまま動けない。
心臓がバクバク言い、冷や汗が止まらない。
金縛りのように体が動かなくて、ぎゅっと目をつぶる。
(昨日話したように、本当に人間が来てしまったの……?)
はぁはぁ、と呼吸が荒くなり、過呼吸になる。
ぎゅっと歯を食いしばんで、こぶしを握る。
(……苦しいっ……)
怖さ、苦しさ、辛さ……。
色々な負の感情から涙が出てくる。
誰か、誰か助けて。
アミュリのことを起こさなければいけないのに、体が動かない。
「……アー……ゼン……」
その瞬間、バン!! と大きな音を立てて誰かが飛び込んできた。
アミュリが起き上がって「何事ですか!?」と叫ぶ。
「ルーフェリアに持たされた魔石が割れたから何かあったのかと……」
「助……けて……」
私が精いっぱいの声を出すと、アミュリとアーゼンが駆け寄ってくる。
「申し訳ありません、ルーフェリア様っ!」
「過呼吸だ。ルーフェリア、目を開けて、俺を見て」
「はぁっはぁ……」
「そのまま鼻で息をして。ゆっくり」
アーゼンとアミュリが手を握ってくれて、やっと収まってくる。
「ご、ごめんなさい、二人とも」
「謝るな」「謝らないでください!」
二人に気おされてビクッとする。
「謝らなきゃいけないのは私のほうです、ずっと気づかなくて……」
そこでピタッとアミュリが言葉を止めた。
見ると、アーゼンがまだ私の手を握ったまま眉をひそめていた。
普段の無表情とは違う。
明らかに怒っている。
「誰も悪くない。だから謝るな」
その言葉にぼろっと涙が出た。
「ありがとう……アーゼン、アミュリ」