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★第二話 お試し程度にやってみよう★
「しっしっ!さっさと幻覚は消えてってば!」
手で追い払っても、こいつは消えてくれなかった。
「む、幻覚じゃないもん!ちゃんとここにいるもん!」
妖精(?)はパタパタと羽を動かして自分の存在をアピールした。
「はぁ.....飛び降りる気も失せた。」
私は歩道橋の手すりからゆっくりと橋に戻った。
「じゃ。」
とりあえずさっさとこの場から去りたい....
そんな事を思いながら早歩きで家へ向かった。
「ちょっとまってよーぅ!」
「はぁ......」
しつこいなぁ幻覚.....
その日からというもの......
授業中、黒板の字をノートに写している時......
「ねぇ!魔法戦士になってよ!ね!!!」
私はまた変な目で見されないよう精一杯無視。
それを貫き通した。
家で用を足している時も......
「キミの力が必要なんだよ!!」
「今はやめて!!トイレだから!!!」
コンビニで夕食を買う時も....
「ちょっとは魔法戦士になろうと考えてくれた?!」
「考えてない。」
「そのおにぎり、一口ちょうだい?」
「あげない。」
布団を用意し寝ようとしたら.....
「お願いだから魔法戦士に…」
私は怒りが限界を超え、枕を勢いよく叩いた。
「だからさぁっ!!!魔法戦士魔法戦士ってうるさいんだって!!!そーもそーも!!幻覚の癖にちまちま付いてくんなよ?!幻覚の癖に!」
妖精の目には涙がにじんでいた。いや、私もか。
「って....ハハッ....幻覚にこんな事言っても意味ないよね......!?私バカみたい......」
妖精は涙を堪えながら、黙りこんだ。
私は、自分が馬鹿馬鹿しくなって、
黙りこんだ。
「........」
長い沈黙を破ったのは妖精の声だった。
「あ、あのね…っ!」
「確かに、ボクがここに本当に存在するかなんて、存在する術はないし、幻覚かもしれない。」
「でもね、知ってるんだよ。キミが、ずっとおかしなやつだって言われて傷ついたこと、誰も信じてくれなくて一人で泣いてたこと。」
「ボクは知ってるんだ、ずっと、見てたから。」
妖精は真剣な顔で私を見た。
「お願い、信じてたくれなんて言わない、でも、ほんの少しだけ、ボク達が見えるキミの力を、『特別な力』を、貸してくれないかな....?」
言葉が胸に刺さる。
もし幻覚だとしても.....でも......!!
私は小さく口を開いた
__「お試し。」__
「え?」
妖精はポカンとした。
「ちょっと力を貸すぐらいなら、いいよ。」
妖精の顔はパァーっと明るくなった
「本当に?!やったあっ!」
「ボクの名前はレテ!キミの名前は?」
「......|鎖倉《さくら》アスカ。」
ボソリと名乗ると、レテは満面の笑みを浮かべた。
**「よろしくね!アスカ!!」**
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それが、私と の、 な の
始まりだった。この時私は、この が、
なんて、 かった。