公開中
空に浮いたら。16
「.....今日もやること多すぎ....てか俺なんでこっちの世界で普通に仕事してんだよ....」
(何で戻りたいって思わないんだ...?)
ふぅ、とため息をつき、自分の部屋に戻った。
「.....ただいま........」
部屋の中には何かをしている日和が居た。
「..っ!?」
俺が戻ってきたと気づいた瞬間、日和は『なにか』を隠して言った。
「おかえりなさいませ、タケル様!今日もお疲れですね.....」
「.......」
麗王はその瞬間気づいた。
(.....は!?)
日和の頬に絆創膏らしきものがついてた。
「......なるほど。」
麗王は、自分に優遇されているからいじめられているのだろうと察してしまった。
「日和。今日は俺大丈夫だから。帰っていいよ。」
「は、はい....」
---
(俺は知らぬ間に日和を傷つけていたのか..?)
(きっと日和は俺のせいではないと言うんだろうな....)
(でも事実として俺のせいで日和は.......)
麗王はその夜考えた。
そして決意した。
---
「タケル様!おはようございます。昨晩は疲れを取ることができましたか?」
「.........」
「タケル様?」
(ごめん。これからも迷惑かけるな。)
「タケル様〜!!!朝ごはんーーー!!!!!」
「.....」
(日和.......ごめん。)
「タケルさ..........」
「お前うるさい。もういいから俺の前から消えてくんない?」
「え?」
日和の顔からすべての色が消え失せた。
「何その青ざめた顔。俺の地位奪いきだったの?」
「た、タケル様日和は.......」
「はぁ........もう言い訳とかいいから。消えろつってんだろ?」
「........................................................................」
「申し訳ありません。今までありがとうございました。失礼します。」
「あぁ。早くどっか行ってくれ」
(ごめん。でも俺は。お前のことが)
(タケル様.......日和はただあなたのことが)
((大好き))
日和はふと振り向いた。麗王の顔は..........
涙で水色。目元は赤く染まっていた。
(日和のために......!!!!!!!)
日和は音を出さないように泣いた。その日はずっと泣いていた。
---
『空に.........浮くことです。』
あの日の日和の言葉が繰り返される。
「彩花..........会いたい...」
日和のせいで忘れていた。日和は彩花で、彩花は日和。でも麗王が好きになったのは彩花だ。
(どうやったら戻れるんだ......??)
日和のおかげで忘れられていた不安と恐怖が蘇る。
(彩花を助けないと........でも戻り方分からねえ.......)
「.....っ」
---
『俺も同じ。空に浮きたい。』
(タケル様......日和と同じ夢......日和はあなたと一緒に居たいだけなのに.......)
昨日のあのことから、全くもって仕事に手が付かない。
そんなとき、すぐそこに見知らぬ男が居た。そのおとこはこんなことを言った。
「道具!道具はいりませんか!?空に浮くことができる、魔法の道具です!」
(空に浮くことができる.........道具........??)
「少しお高いが気になったあなた!!話だけでも!!聞きませんか!?」
少し気になってダメだと思いならも理性が押し潰されて話を聞きに行ってしまった。
「空に浮くことができる道具ってどういう意味ですか?高いってどのくらい...?」
見知らぬ男は不思議な雰囲気で、ニヤリと笑って言った。
「空に浮く。それだけですよ。お値段が高いっていうのは....」
(....)
日和はゴクリと息を呑む。
「お値段はあなたの命です。」
「...は?命?」
「そうですね。命です。誰かに送る、ギフトみたいなものです。」
「命を犠牲にしてそれをギフトに.....!?」
(こいつ.....バグってる.....命を犠牲にしたものをギフトなんて軽々と...!!!!)
「.....っ..」
「まあ自分は数週間ここにいる予定なんで。覚悟決まったら声かけてください〜」
(た、タケル様のお願い事.....でもタケル様は私が死んだら...)
麗王はなんで彩花のこと忘れてたんだ....?
みなさんお知らせ!病み期突入s(((殴
ファンレターたくさんちょうだい!!