公開中
第二話 「神の養女になりました」
「はぁ……。」
私は、どうしたものか。とでも言いたそうなようにため息をついた。
なぜなら、草薙にやたらと気に入られてしまったらしいのだ。
私は平凡な日常を送りたかった。が、今の状況は平凡には程遠い。
すると草薙が近づいてきた。
そして、
「真芽。私の養女にならないか?」
とめちゃくちゃなことを言ったのだ。
私は一瞬頭が混乱で真っ白になった。だが、しばらくすると冷静に考えられるようになった。
私はそもそも親がいない。捨てられて、施設に引き取られたのだ。
そして施設から逃げ出し、ここの宮司である加田(かだ)さんに頼み込んで巫女として働かせてもらえることになったのだ。
私はしばらく考えた末、それを了承した。
そして草薙に、
「苗字はこれからどうすれば良いのか。」
と聞くと、草薙は、
「決まっているだろう。これからお前は草薙真芽だ。」
ときっぱりと言い放った。
私はこれからの自分の人生がどうなるのか頭の中で想像し、仕事や家はどうなるのだろうかと考えた。
草薙はまるで私の思考を読み取ったかのように、
「お前の仕事は巫女。そして家は、この神社に変わる。当たり前だろう、この神社が私の家なのだから。」
と答えた。
……この神社でこれから生活することになるのを、神が実際に見えない加田さんにどう説明しようか。
当たり前なんだろうが、神の養女としてやっていくのはなかなか大変なことなんだと実感した。
どうやら、草薙が私の借りているアパートの部屋から荷物を神社に移動させてくれるらしいので引越し業者に頼む必要はないみたいだ。
草薙は家事ができる……のかな?
全部任されちゃうかもな……。
そう心の中で言いながら、草薙の転送によって内装が変わって行く神社の中を見つめた。
……ほんとに、加田さんにどう説明しよう。