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勝斗視点 悪魔に対抗するのは天使か悪魔か #10
10話です。
俺は無様に逃げる奴をあえて見送りつつ、周りの奴らを縄で縛る。
にしても。この体は操りづらい。俺はつい先程の喧嘩を振り返った。
一人目。肩を手で掴みやがったから砲丸投げの容量で投げようとした。
が、圧倒的に筋肉が足りない。仕方なく、背負投げに切り替えたが。
やっぱり威力が弱い。あと1メートルほど飛ばしてやりたかった。
つづいて5人ほどが一斉に飛びかかってきた。
こんな可憐な少女に過剰戦力じゃねぇか?
とりあえず、この体で全員を一辺には無理なので、一人ずつ倒していく。
二人目。腹に左拳。顎に右拳をそれぞれ一発ずつ入れた。
本当は上に吹っ飛んでいくはずなのだが、如何せん筋肉がない。
相手は崩れ落ちるように倒れた。
三人目。手はあんましなので回し蹴りを決める。
手よりは威力があったが、あまり飛ばない。
相手は白目を剥いて気絶する。
四人目。回し蹴りも威力がイマイチなので飛び蹴りをかます。
が、体重も軽いらしく、これまた威力にかける。
相手は顔を腫らして気絶。
五人目。この威力のなさをどう埋めようか考えているうちに突っ込んでくる。
仕方ないので足払いをして転ばせた後、地面に伏せた頭を持ち上げ打ち付ける。
気絶はしてないが、すぐには起きられないだろうと判断して次の相手を見る。
六人目。低めの体制で突撃してくる。
ひらりと飛び乗り肩車の状態になったので、足で首を絞め上げる。
相手がダウンしたところで、起きそうになっていた五人目の上に勢いよく着地。
五人を戦闘不能にさせたところで最初の一人を見る。
が、あろうことか逃げ出した。
まぁ、いっか。《《追いかけっこは相手が遠くに逃げた方が楽しいし》》。
「3,2,1⋯ゼロ♡」
俺は相手が逃げた方へ向かう。
さぁ、楽しい楽しい狩りの時間だ。
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「どこにいるの〜?返事して〜?」
ひとまずここらへんで声をかけて耳を潜める。
すると、何かがカサッと身動ぎする音がした。
なるほど。この体は耳がいいらしい。
そういえば視力もかなりいいし。
なんだ。この体にも良い所いっぱいあるじゃねぇか。
俺は音のした方へゆっくり向かう。
ガラッと体育倉庫を開ける。
相手は跳び箱の影にいた。
あまり隠れられていない気もするが、そういう演出だろうか?
俺はニンマリと笑って唄うように言う。
「みぃつけたっ♡」
「ひぃっ!」
顔面蒼白とはまさにこのことだろう。
滑稽だな。俺はニヤニヤしつつ、まるでダンスに誘うように手を差し出す。
「|一曲いかがですか?《けんかしましょ?》|王子様♡《くそやろう》」
俺の上品な申し出に相手はワナワナと体を震わせて手を振り払う。
「ふざけるな⋯ふざけるな!悪魔め!」
悪魔?悪魔、か。俺はクククッと喉を震わせる。
「たった一人のか弱い女の子をこれだけの人数でいじめる貴方達こそ悪魔なんじゃない?」
「うるさい!」
癇癪を起こしたかのように相手は理性なく突っ込んで来る。
俺はそんな馬鹿を殴りつける。
「ぐっ!」
さて。先程あんなに威力不足と言っていたのに殴ったのはなぜか?
そんなの、長く楽しむために決まっているよな?
俺は、誰にも邪魔されぬよう、扉に内側から鍵をかけた。
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体育館倉庫は体育館が使われなければ誰も立ち入らない。
そして、校舎からはまぁまぁ離れている。
故に午後から体育館が使用されない今日、
竜馬の叫び声は誰にも聞かれることなく、昼休み中ずっと響き渡った。
あとがき
なんかやりすぎな気もしますが、ま、いっかの精神です。
ちなみに取り巻きたちは縛られたまま放置されています。
きちんと布で口を覆っているので、保護されるにはしばらく時間がかかりそうですね。
この後、竜馬もこの状態で放置です。