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お説教
m123
あんなことやこんなこと…はされない。
放課後の教室は、夕方のオレンジ色の光に包まれていた。窓の外からは運動部の掛け声が遠くに聞こえるが、この教室の中だけは、重苦しいほどの静寂と、どこか熱を帯びた空気が漂っている。
「……ねえ、そんなに震えてるの?」
冷ややかな、けれどどこか楽しげな声が響いた。
床に倒れ伏した男子生徒の視界には、自分の顔をじっと見下ろす学級委員の女子の姿があった。彼の両手は背中に回され、強力なガムテープでしっかりと拘束されている。
「……っ、やめろよ……」
「やめる? 何をね。まだ特別指導は始まったばかりだよ?」
彼女はそう言って、わざとゆっくりと体重を預け、彼の顔を床に押しつけた。コンクリートの冷たさと、彼女の靴の感触が混ざり合う。男子は苦しげに顔を歪ませるが、逃げる術はない。
「先生から頼まれたんだよ。『授業中に騒いでばかりいる彼をしっかり指導してほしい』ってね。だから私は、正当な権限でこれをしてあげてるの」
彼女は屈み込み、彼の耳元で囁いた。その距離の近さに、男子の心臓が跳ね上がる。
「……だって、あんなに騒いでたから。みんなの集中を削ぐようなことばかりするんだもん」
「わかってるよ……。でも、そんなに怒らなくてもいいだろ……」
彼女はふっと微笑み、さらに強く顔を踏みつけた。男子の視界が揺れる。
「ねえ、知ってる? 授業中、君は私のことを見てたよね。特に、私の脚をじーっと見てたでしょ?」
その言葉に、男子の背筋に冷たいものが走った。動揺を隠しきれない彼の顔が赤く染まる。
「……っ! な、何のことだよ!」
「嘘つかないで。君の視線、すごく正直だったよ。だからね……こうやって素足で踏まれてるのも、実は興奮してるんじゃない? 自分の欲望に負けて、私にこんなことされてるのを喜んでるんだよね」
彼女の言葉は鋭いナイフのように彼のプライドを切り刻む。男子は絶望的な表情で顔を上げた。拘束されているせいで自由な動きはできないが、その動揺は全身から溢れ出していた。
「……っ、違う……そんなこと……!」
「本当? じゃあ、証明してよ」
彼女はさらに追い打ちをかけるように、彼の頬に自分の足の裏を押し当てた。男子は数秒間、絶望と羞恥の中で悶えた後、ついに声を絞り出した。
「……ごめん……本当に、ごめん……! 全部、反省してる……!」
彼は涙目で懇願した。その必死な謝罪に、彼女の表情から鋭さが消え、代わりにいたずらっぽい笑みが浮かんだ。
「……ふふっ、いいよ。そんなに反省してるなら、許してあげる」
彼女は身を翻し、手際よくガムテープを引き剥がした。
拘束から解放された男子の腕は力なく床に投げ出される。彼は肩で息をしながら、自分の情けない姿を振り返ることができなかった。
彼女は彼を見下ろしながら、最後にもう一度だけ釘を刺すように言った。
「次からは、もううるさくしないでね? 約束だよ」
男子は震える声で、しかし力強く頷いた。
「……ああ、約束する。もう二度と、あんなことしない……」
夕暮れの教室に、彼の消え入るような誓いの言葉だけが残った。彼女は満足そうに髪をかき上げると、まるで何もなかったかのように、静かに教室のドアへと向かった。
楽しんでいただけましたか。また次回までお楽しみに。