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愛アレルギー
いなさそうでいそうですよね。
私は愛が嫌いだ。
人からの愛が嫌いだ。
ペットからの愛も、
機械音声が発する寄り添いの言葉すらも、寒気がする。
大好きだよって言われても
その時点で私は大っ嫌い。
優しい目で近寄られたって、
私は冷たい目でしかいられない。
さすがです。すごいね。一人じゃないよ。
そんな褒め言葉、励ましの言葉も私は要らない。
ある日、一人で病院に行った。
医師からは愛アレルギーだと言われ、
一週間カウンセリングに通うことになった
それすら、私は嫌だった。
病院に、,,来てくれた,,私を,,治そ,,うとするその気持ちが、心底私には苦痛だった。
案の定私は,,治,,らなかったし、
,,直,,らなかった。
一週間後、何も変わっていない私。
頭を抱える医師たち。
それ以来私の足は病院に向かなくなった。
皆のことを思っているようで、何も考えてないんだね。
人でなし。 塩対応。
お友達と仲良く出来るかな?
まさにクラスの廃棄物だな。ぶへへっ。
私のことが嫌いなの?
形だけのクズ。心が腐ってる。
愛がないとかひどすぎでしょ。一生結婚できないんじゃない? あははっ。
大嫌い。
自分が泣いていることに気づいて、
やっと過去の暴力が冷めた。
何も愛せない私は、
家に着いても泣いていた。
何をするでもなく。何もできずに。
今まで何も感じなかった。
感じようとしてこなかった。
私は自分すらまともに愛せなかった。
夕食をとろうにも
涙が溢れ、お腹は鳴らず、
食べたいのたの字も、
心は呟かなかった。
もう、死のう。
そう思った時にはもう、
涙は枯れ、手もそれを持っていた。
もういいんだ。もう。
今更震える私に、
心が泣きながら語りかける。
一人で死ぬのが寂しくなった。
テレビを付ける。
心はもう何も言わない。
手もそれを落とさない。
幸運にも私が好きな番組がやっていた。
画面を通してたくさんの人たちが笑いあっているのが見える。
あぁ、これで死ねる。
そう思った矢先、番組が中途半端なところでCMに変わった。
「他の人たちにも、自分にも興味を持ってみよう。少し優しくなろう。自分にも。大丈夫。俺たち、きっとうまくやれてる。」
そう聞こえた。
思えば、あの時の私はおかしかったのかもしれない。
何のCMかは分からなかった。
そもそもCMなんてなかったのかもしれない。
ただ、その時、いろんなことを思い出して。
ただ、すごく、すごく泣きたくなって。
いろんなことを思って、私は泣いた。
いろんな人がいたから私は泣けた。
大丈夫。きっとなんとかなる。
だってあなたはいつも一生懸命戦ってるんだもの。
あの優しいカウンセラーを思い出す。
名前も覚えていない。
あの時は苦痛で、嫌でたまらなかった。
でも、もう痛くない。
もう、怖くない。
人に愛されることも、
人を、自分を愛すことも。
私は克服したんだ。
医師も治せなかった病院を。
誰もがけなすひどい病院を。
そう思うと、涙はおさまった。
私は今
生きている。
私は今
戦えている。
窓を見ると、さっきの夜空が明るくなってきていた。
心も悲しみから出てきて、
手のそれはとっくに消え、
生きるための肥料にも見えるほどだった。
もう一度あそこへ行こう。
私は晴れやかな気持ちで
外ヘ出た。
ふとテレビを見ると
何があったのかは分からないが、
出演者の人たちが優しく微笑んでいた。
企画∶アレルギーの人の小説ちょうだいん