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笑顔を集める魔法店✨
月
お母さんが元気になってから数日後。ルナちゃんは『笑顔をあつめる魔法店』を本格的にオープンさせました。ドキドキしながらお店番をしていると、カランコロンとドアのベルが鳴って、ひとりの優しそうなおじいさん、ジェームズさんがやってきました。ジェームズさんは「お父さんからもらった、大切な思い出のオルゴールを無くしてしまったんだ」と悲しそうに話します。ルナちゃんは「よし、魔法で助けてあげよう!」と、お母さんの魔法の本を開いて、探している宝物が立てる『小さな音』が耳に届くようになる『みつけてハーブティー』を作りました。自信満々でジェームズさんにお茶を飲んでもらいましたが……ジェームズさんは首を傾げます。「おや……何も聞こえないぞ? ポカポカもしないなぁ」魔法はまさかの大失敗!ジェームズさんはがっかりして、トボトボとお家に帰ってしまいました。「なんで!? 本の通りにちゃんと作ったのに!」ルナちゃんはお店でひとり、頭を抱えました。材料も分量も間違えていないはずです。「なんで魔法がうまくいかなかったんだろう……」悩むルナちゃんの頭の中に、お母さんを助けたときの記憶がよみがえりました。あの一瞬、ルナちゃんは涙を流しながら、「お願い、本当にお母さんを救いたい!絶対に助けたい!」って、心の底から、必死に祈るような気持ちで魔法を使っていました。でも、今回はどうだったでしょう?「おじいさんのオルゴールだし、命に関わるわけじゃない。そんなに急がなくてもいいや」「これくらいの魔法なら、簡単にできるでしょ」そんな風に、どこか油断して、本気でおじいさんの悲しみに向き合えていなかったことに気づいたのです。魔法の力は、使う人の「心」の強さで変わるものでした。「私、なんてことをしちゃったんだろう。おじいさん、あんなに悲しんでいたのに……!」ルナちゃんは自分の冷たさを反省して、きゅっと拳を握りしめました。「今度は違う。おじいさんのあの寂しそうな顔を、絶対に笑顔に戻したい!」ルナちゃんはもう一度、今度は一文字一文字に「おじいさんを助けたい!」という強い願いを込めながら、丁寧に丁寧にお茶を淹れ直しました。金色にキラキラと輝くハーブティーを持って、ルナちゃんはジェームズさんのお家へと走ります。「ジェームズさん、さっきはごめんなさい!もう一度だけ、このお茶を飲んでみてください!」ルナちゃんの真剣な目を見て、ジェームズさんは微笑んでお茶を飲み干しました。すると次の瞬間! ジェームズさんの耳の奥に「チリン……トントン……♪」と、懐かしい優しい音が響いてきました。「聞こえる、聞こえるよルナちゃん!」音をたどって本棚の裏をのぞくと、ずっと探していた大切なオルゴールが無事に見つかりました。ネジを巻くと、お部屋いっぱいに美しいメロディが流れます。おじいさんは涙を流して大喜びしてくれました。おじいさんの最高の笑顔を見たとき、ルナちゃんは魔女として一番大切な「まごころ」を学びました。お店の「笑顔の小瓶」の中に、前回よりもずっと大きく、まばゆい光がシュワシュワと溜まっていくのでした。