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4 ⋯謝罪相手来ちゃった。
「毒スライムはこの辺にして⋯早速ボス部屋行こっか!」
治癒魔法をかけ終えた俺は、クルッと振り返りカメラに満面の笑みを向けた。
【コメント欄】
コメント:まだ雑魚狩りしかしてないぞ?
コメント:もうわかったから帰ろ?
コメント:コイツなんでこんな笑顔なんだよ
コメント:医者行って頭診てもらえよ
コメント:10層の毒持ちって毒は強いけど動きはまぁまぁだよな
コメント:Cランクの俺からしたら結構速いけどな?
「ボス部屋に向かうまで雑談しよっか⋯あ、毒カマキリ」
途中現れたのは鎌に毒があるカマキリのモンスターだ。
動きはそこそこ速く、一回でも鎌に触れると最悪死ぬ。しかし、防御力はほぼない。
「まぁ素手で行くんだけどね」
グシャッと拳をめり込ませる。
コメント:このモンスター結構強い奴のはずなんだけどな?
コメント:あれ?おかしいな⋯素手で殺せてる⋯?
コメント:コイツやっぱおかしいよ
コメント:うわ!?まだいる!
コメント:量多くね?
ゾロゾロと出てくるカマキリ達。
「そういえば、カマキリが卵から出てくる所見たことある?」
コメント:まさか本当に雑談を⋯?
コメント:カマキリ殺しながら言う事?
コメント:まぁ見たことはないけどさぁ
コメント:画面グロい
グッシャグッシャとカマキリが拳によって潰れていく
「すごい数のカマキリが出てきて本当にキモいんだよね」
コメント:お前の能力ほどではない
コメント:今の惨情のほうがキモい
コメント:絶対今言う事じゃない
コメント:いいから進めよ
コメント:何この人⋯怖い
相変わらず酷いリスナーだなぁ。けど、この話はお気に召さなかったのか⋯。
「⋯カスタネットって、名前負けしてるよね」
コメント:は?
コメント:ん?なんて?
コメント:急な話題転換
コメント:そんなこと考えたことねーよ
コメント:カスタネットに謝れ
仕方なく話題を変えたというのにやっぱり酷いリスナーだ。
「いやさ、たかがパカパカと音を出す楽器ごときにカスタネットってかっこよすぎない?」
グチョグチョとカマキリを殺しながらリスナーに問いかけてみる。
コメント:名前負けとかねーだろ
コメント:そんな馬鹿なこと言いながら殺される毒カマキリの気持ちにもなってやれよ
コメント:カスタネットに謝れ
コメント:カマキリ可哀想だろ
コメント:頭おかしいんじゃねーの
これもお気に召さなかったらしい。他に何か―――
話題を必死に考えていると、ポイズンマウスが現れた。
ポイズンマウス、攻撃も防御も半端な魔物だ。正直ここで一番の雑魚だろう。
コメント:出た
コメント:ひぇぇ
コメント:こいつが一番厄介だよな。群れるし。
コメント:この前もどっかの配信者がやられてたよな
コメント:これ、素手でいけるのか?
みんなたかがネズミに大げさだなぁ。
「まー。ボスも近いし何匹かやっとくか」
俺はネズミをむんずと掴んで潰す。
コメント:ひぇ
コメント:お前が一番怖えよ
コメント:リンゴは絶対潰せるよな、こいつ
コメント:ゴリラかよ
コメント:マウス可哀想⋯
酷い言われようだね?さて、もう一匹⋯ん?
後ろから急接近してくる気配が一つ。恐らくまぁまぁ強い。素手では勝てると思うけど⋯
くるっと背後を警戒する。
コメント:?
コメント:え?どうした?
コメント:なにかあったのか?
すごい速さだ⋯これは。
「あの!来栖萌花です!誠意はわかりましたから、もうやめてくださいぃぃいい!!」
コメント:!?
コメント:萌花ちゃん!?
コメント:まぁ、優しいあの子がこんな配信放っとけるわけないか
コメント:やった!萌花ちゃんきた!!
コメント:俺は二窓してたから知ってた
コメント:面白くなってきたなw
なるほど。モンスターかと思ったら。道理で強いわけだ。
泣きそうな表情でこちらに向かってくる来栖さん。俺は思わず天を仰いだ。
⋯謝罪相手来ちゃった。