編集者:マ゙⁴ゐ
※この物語はフィクションです※
という出だしが多いが、言ってしまえばこの世界のすべてがフィクションだ。
都合の悪いものはフィクションにしてしまえば問題ないだろう。
つまるところ、私はこの世界の“フィクション”のなかの殺し屋だ。
死神なんて呼ばれるが、君の主観に過ぎない。
殺し屋というのも自称であって、世界は私を殺人鬼と呼ぶだろう。
私が殺した彼女の日記を、私と一緒に見て欲しい。
結局のところ、一人で見る勇気がないだけなんだがね。
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目次
彼女を殺した日の日記。
ちょっとだけ待って欲しい。
勇気が出ないんだ。
「もういいかな、いい加減。待ち飽きたよ。」
あと一分。いや、やっぱりあと一日伸ばそう。
「はあ?殺し屋を名乗るくせに。」
いやはや全く、そのとおりだ。今、私は君からの依頼を全うすることにしたよ。
「…一分だけ、待ってあげるよ。」
そうか、では私も。一分で完璧な準備を整えよう。
「ごめん、三分経った。これ、書いてた。私が死んだら見てよ。」
これはなんだ。日記か?
「そう。日記。ちなみに、前向きなことは書いてない。」
そんなもの、なぜわざわざ見ないといけないんだ。それに、自分が殺した相手の身の上話なんて、気が狂いそうさ。
「読み終わったら、殺してよかったって思えるよ。新しいのから遡って読んで。」
ああ、わかった。私は君を今から殺す。苦しくないように、確実に。私が捕まったら、君のせいにすることにしよう。それくらい、この苦痛を耐えるのだから許してくれるだろう。
「許さないけどね。」
何、笑っている。お前は今から私に殺されるんだぞ。
「遺言。その日記、4日分しか書いてないです。じゃあ、殺して。」
なんどストップを言うんだ。いい加減、心が弾けそうだ。
「早く、殺してよ。」
今、私は君の依頼を完遂したよ。
---
20xx年x月x日
「今から私は、殺し屋に殺してもらう。」
なんて呑気な出発だろう。今から殺されると言っているのに、まるで天気の話でもするようだ。晴天だった。
「そして、殺し屋に告白しようと思う。」
そんな話は知らないぞ。さっきまでの一連の過程で、告白なんて一文字も出なかっただろう。愛の言葉を聞いたら、殺すなんてできないだろう。話が違う。君を殺して良かったことなんて、一つもないじゃないか。
「貴方が大嫌いです。」
驚いた。この子は、愛の告白ではなく、汚れた心を吐き出すことを**告白**と呼んだのか。それは非常に美しく、非常に残酷ではないのか。
「貴方は優しくて、幸せそう。」
君にはそう見えたのかもしれない。結局は、私は温度のない殺し屋にはなれなかったんだ。生半可な気持ちで人を殺し、それを正義だと騙った。許してくれ。私は君に恋情を抱いていたのだ。君が愛しいのだから、殺せてたまるものか。君といる間は幸せだったよ。皮肉な話だ、本当に。
「だから貴方は大嫌いです。」
それでいい。殺して良かった。自分の恋情を隠せたのだから、それでいい。君の死体は私が存分に可愛がるさ。君は、私のもとで死体のまま幸せになればそれでいいのだ。