中村はクズ男

編集者:司
創作BLです
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目次

    再会

    突然、彼女の電話が鳴った。画面には、なにやら旧友らしい人の名前があった。 「ごめん電話、出てもいい?」 彼女が申し訳なさそうな顔でそう言うので 「どうぞー」 と軽い調子でこたえた。そうすると、彼女は席を外して少し遠くの方で電話に出た。 「もしもーし!」 「久しぶりだねー!てか、あんたからかかってくるとか珍しーね!」 「うんうん、あーわかる慣れた頃にさ寂しくなんのよ〜〜!」 「うんうん!え?………感激して泣いちゃったん?へへへ」 「っ……うん………そうかー」 「えー?あー言われちゃったかー」 「影で?それとも聞こえるところで?」 「あー……」 「あんた、モテてたもんねーあの頃。そりゃびっくりするよねー」 「うん……うーん、ん?えそれさ悪口言ってる方が悪いんじゃない?」 「絶対そうだよ!!悪口言う奴なんてね大抵ド級のブスしかいないんだから!!」 声を大きくして彼女が言った。 これだけ離れていても、店内は静かだし、人も少ない上に彼女の声はよく通るので、丸聞こえだった。 まあ、声の大きさはともかく、そんな偏った意見を意図せず言ってしまう彼女の豪胆さに少しだけ、笑いがこみあげてきた。 「……あんたが一々、気にするこたないって!!そんなブス達放っといてさ!今度、気晴らしにでも一緒にあそぼーよ!」 彼女の友達にまっすぐ向き合うような人柄は高校時代から変わらない。そんな彼女がみんな好きで、大事なんだ。 きっと電話口の子も彼女と長らくの仲なんだろう。何があったかはわからないが、僕はその人に今後いい事が起こりますようにとささやかながら願った。