人間心理調査用ロボット『SIN』は、とある科学者と心理学者の手によって作られた感情を持つ中学生男児型ロボット。
ある日、SINは作り手の心理学者に思春期の学生の心の動きを調べるようにと命じられ、転校生の伊吹 慎として中学に潜入する事になる。同じクラスになった桃縄花枝は、クールだけど笑顔の素敵な少女。僕は次第に惹かれていって…。
調査の為に作られた僕が、恋なんてして良いのだろうか。
これは、決まった未来が近づく中、本当の自分を探す物語。
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目次
#1 人間心理調査用ロボット、SIN 【重大発表も!最後まで見てね!】
シリーズ3個目!楽しんでね!
ジーーッ…ジーーッピピピピッピピピピッ
目覚まし時計の音が鳴り響く。今日もつまらない一日が始まるぞ。。。
まずやるのは充電器を外す作業。ちなみにこれは、スマホとかタブレットとかパソコンの充電じゃ無い。
え、じゃあなんの充電か、って?まぁそれは後々わかるよ。
僕が朝起きて次に行うのは、ある人の部屋に行くこと。とっても大事な人のね。
コンコン、ガチャ
「失礼しまーす」
「あぁ、SINくん。起きたんだ。おはよう」
「おはようございます神山さん。」
大事な人っていうのは、この神山さんって人だ。
えっ、君の世界では有名じゃ無いの?えぇっ、名前すら出ていないって!?そっか…。
「SINくん今日は早起きだね。昨日早く寝たの?」
「はい。疲れたので…。でも今日早く起きれたんで、よかったです」
「ははは、そうだね。」
神山さんは穏やかな表情の温和な人。とても良い話し相手だ。
「…じゃあ早速、情報を教えてくれるかい?」
すぐにキリリとした仕事向けの顔になる神山さん。つられて僕も冷静になる。
「はい。昨日は、ある老人の心の動きについて調べて…」
昨日会った事を話す。
「…ほう、興味深いな。ありがとうSINくん。《《さすが僕の作ったロボットだ》》。やっぱり君は見込みがあるね。」
「ありがとうございます!じゃあ、また明日に。」
足早に部屋を出ようとする僕を、「え、待って」と神山さんが呼び止めた。
「SINくん今日も調査行くの?たまには休んでも良いと思うんだけど。」
「えー、大丈夫ですよ!調査自体楽しいので、問題ないですっ。」
「そうか…」観察するような目でこっちを見る神山さん。
「神山さん、僕になにか付いてますか?」
僕が聞くと神山さんはすぐにいつもの穏やかな目に戻り、
「ううん、なんでもない。じゃあ、調査がんばれ」
と言って部屋を出て行った。
…そろそろ、僕が何か分かってきたよね?
そう、僕はロボット。詳しく言えば《《感情を持った人間心理調査用ロボット》》だ。
分かりやすくすれば、人の心の動きを調べるために作られたロボット。
僕は神山さんに…いや、正確には神山さんが政策を頼んだ科学者によって作られた。
ここまで、長い経緯がある。
---
神山さんは、偉大な心理学者だった。
調べたい感情があったら、突き詰め、必ず結果を出していた。
そんな神山さんが、どうしても調べられない感情があった。それは、
“思春期の学生の心の動き”だ。
それを調べるためには、どうしても同い年の人間が必要だった。
もちろん人脈の広い神山さんだから教師として潜り込む事が一番手っ取り早かった。
だけど神山さんは、やっぱり本心を見せるのは友達だろう、教師にはきっと誰であれそれらしく振る舞ってしまうだろうと考えたんだ。
だから神山さんはある科学者にこんなお願いをした。
『中学生男児型の、感情を持ったロボットを作って欲しい』と。
最初それを言われた科学者側は驚き、流石に無理だ、人工的に感情をつけることは不可能と断った。だけど神山さんはめげずに頼み通した。
数日後、神山さんの心構えに感心した科学者らは、神山さんと自分たちの名に傷が付くリスクを背負いながら、僕を制作をし始めた。
そして数十年後、葛藤の末ついに人間心理調査用ロボットが誕生した。
---
それが、僕。
簡単に僕の設定を言うと、名前⇨SIN 肉体年齢(金属年齢)⇨15歳 って感じ。
ちなみにSINって名前は、心理調査⇨心⇨しん⇨SIN っていう経緯でなったんだって。
女の子だったらCOCOROだったらしいよ(いや読みにくすぎだろ)。
…ヤベ、脳内読者様に解説してたらもう10時だ。
僕の仕事は街中で最低1人の感情の動きを調べること。そろそろ公園に人が集まるから行かないといけぬ!
「うわああああヤバイ!があああああ!」
死に物狂いで施設を出る僕を、影から神山さんが見ていた。
「〜〜〜〜〜〜っ!!終わったあああ!」
感激の雄叫びをあげる。現在時刻は6時。あー、仕事が終わるのはやっぱり気持ちいい。
今回の収穫は、3歳くらいの男の子が癇癪を起こすまでの心の動きの結果だ。
意外すぎて草。(こう思うのも、僕の感情。)
いや、今日のはすごかったなぁ。鳥肌たった。
いつもならお風呂に入ってタブレットで動画を見て(オイ)寝てるんだけど、今日はもう1度神山さんの部屋に行く。
調査報告は次の日の朝にやってるんだけど、今日のは忘れそうだから今行かなきゃ。
トントン、ガチャリ
「失礼しまっす」
シーン…
部屋には誰も居ない。
「あれぇ?神山さん?」
声を上げるが、返事が無い。
「あれぇ、おっかしいなぁ。いつもはいるのに…」
と部屋をあちこちさがしてると、
「なにやってるの?」
という声が聞こえた。振り返ると…
「ぴぎゃあああああああっ!!!!!」
「うわあああああああああああ!!」
同時に悲鳴をあげる。声の主は…
「はー、なんだ神山さんか、ビックリしましたよ急に来ると思わなかったから!」
「いやいやビックリはこっちの方。なにそのぴぎゃああって。鳥みたいだね。」
「ツッコミの入れ方」
「あはははは!」
もー、本当にビビったんですからね?
神山さんは社長が座りそうな椅子に座ると、改めてこっちを向いて、
「えっと、、、なんでSINくんはここにいたの?」
と聞いた。
「今日の収穫は思いがけないものだったので、早く伝えちゃおうって思って。」
少し早口で言った。
「そっか。じゃ、教えて?」
「はい、えっと、今日…」
ピンポンパンポーン
「…はぁ、すごいね。」
「ですよね、人間の心って。」
「え?いやいやそっちじゃ無くて。」
「へ?」そっちの意味じゃ無いとな?
「SINくんだよ。この短時間でよくそんな調べられるなって。」
面と向かって言われた褒め言葉。改めて聞くとちょっと照れくさいな…。
「あ、ありがとうございます。嬉しいです。」素直に頭を下げてお礼を言う。
「そっか…」
反応が薄いな…と思って顔を上げると、神山さんは朝一瞬だけ見せたあの観察するような目で僕を見た。だけど朝の通り、すぐに元に戻した。
何か考え込んでいるようにも見える。
「あの、神山さん。何かあったら言って下さいね?聞きますよ。」
「ああ、ありがとう。…じゃあ、早速いいかな?」
「え?あ、はい。」いや早すぎー。
「いいかな?…君は、どうやって君が作られたのかは知ってるよね?」
「はい。一応は…」ついさっき話してたやつだよね。
「それで、君を作った理由は何か、何が必要だったか覚えているかい?」
理由と、必要だったもの?えっと、ええっと…
「理由は思春期の学生の心の動きを調べるためで、必要なものは同い年の人間ですよね?」
「そう、大当たり。それで、同い年の人間っていうのはさ…君の事なんだ。SINくん。」「…え?」
「僕は結婚していないし、養子も取れなかったからさ。だから君を作ってもらったの。分かってくれてる?」
いや全く。え、まってよ。それって、すごーく不吉な予感が…
「だからさ。」神山さんは言葉を区切った。そして、言った。
「経緯の目標通り、SINくんには転校生として中学校に行ってもらって、同級生たちの心の動きを調べてきて欲しいんだ。」
と。
…へ?ちょっと、待て。え、え、え、え、えええええええ!?!?!?
ちゅ、中学校!?急に!?え、なんで!?聞きたいこといっぱいあるんだけど!
「あーあーあー、ちょっとまだテンパってるよね。まぁ、一から説明するから落ち着いて。」
必死に宥めようとしてくれる神山さん。おかげで少し落ち着いてきました。
一息ついて…と。
「質問いいですか?まず、中学校に行かなければならない。その事実は後々慣れてくると思うんですけど、勉強面はどうするんですか?僕小学校とかいうものにも行ってないですから、そこまでの範囲の勉強は分かりませんよ。」
長文で話す。神山さんはこの質問に対して、
「それは問題ないよ。諸学校で習う範囲全ての答えと解答方法が組み込まれたチップをSINくんが寝てる間に仕込んでおくよ。」
「それはそれで怖いです…。あ、あと二つ目。友達とかはどうするんですか?作られてこの方友達作った事ないですよ。」
まぁいいか。これも神山さんがなんとかしてくれるはず…という僕の期待は砕かれた。
「あ、それは無理。SINくんが頑張って。」
「えええええ…!?」
無理だよそれこそ!死亡フラグ立った!フラグちゃあああん(泣)
「大丈夫大丈夫!転校生とかは逆に話しかけまくられるようになるから、ぼっちは避けられるはずだよ!」
「ならいいんですけどね💢」
誰が仕組んだ罠だと思ってるんですか…💢
「まぁまぁそんな怒らないでよ。あ、あと《《5日》》で行くから、心の準備しといてねー。」
と言って部屋を楽しげに出ていく神山さん。…って!
「い、い、5日後!?」
4んじゃうって僕!どうするんだぁ…。
1人で頭を抱えた僕でした。
重大発表!な、な、なんと…同クラ役で短編カフェユーザーを募集します!
期限は7月23日23時59分まで!ファンレターで送って欲しいことは、
・名前(短編カフェ利用時の名前と小説の時の名前が必要)
・性別
・性格
を書いて送ってください!特に男子いい応募してくれえええ!(女の子でも全然OK!)
応募、待ってます⭐️
#2 初めての友達 【小説参加メンバーも発表!】
はーい2個目です!
あ、小説参加メンバー応募ありがとうございます!
感謝感謝ああああ!!
という訳で発表!
一人目
名前:華川梨香子(ハナカワリカコ) ユザネ:りぃり 性別:女子 性格:明るい天然バカ
二人目
名前:桐崎彩夢(キリサキアヤメ) ユザネ:彩夢 性別:女子 性格:マイペース、おっとり
です!
りぃりさんは勝手に苗字を決めちゃいました💦すみません💦
では、小説本編スタートッ!
「___では、転校生を紹介する。入ってこい。」
「はい」
がらがらがら
「今日からここのクラスになります、|伊吹 慎《いぶき しん》です。人付き合いは苦手です。一年間よろしくお願いします」
小さくペコっと礼をする。
『あの人、ちょっとかっこよくない?』『たしかにー!』と言う声が聞こえたり、
盛大な拍手に包まれたりした。が、それをつまらなそうに見ている一人の女子がいた。
---
3日前
「神山さん、本当に行かなきゃいけないんですか?」
「あぁ、そうだよ。なに、心配いらないよ!」
「そこが逆に心配です…」
僕の名前はSIN。この人は神山さんっていう心理学者だ。
ここで言うけど… 僕の正体は、感情を持った人間心理調査用ロボットなんだ。
僕が作られたのはこんな理由があって…
心理学者の神山さんが、どうしても調べられない感情があった。それは、
“思春期の学生の心の動き”だ。
それを調べるためには、どうしても中学生と同い年の人間が必要だった。
もちろん人脈の広い神山さんだから教師として潜り込む事が一番手っ取り早かったよ。
だけど神山さんは、やっぱり本心を見せるのは友達だろう、教師にはきっと誰であれそれらしく振る舞ってしまうだろうと考えたんだ。
だから神山さんはある科学者にこんなお願いをした。
『中学生男児型の、感情を持ったロボットを作って欲しい』と。
最初それを言われた科学者側は驚き、流石に無理だ、人工的に感情をつけることは不可能と断った。だけど神山さんはめげずに頼み通した。
数日後、神山さんの心構えに感心した科学者らは、神山さんと自分たちの名に傷が付くリスクを背負いながら、僕を制作をし始めた。
そして数十年後、葛藤の末ついに人間心理調査用ロボットが誕生しんだ。
そ、それが僕。
で、ちょうど今、神山さんに作られた目的の“中学校に行く”っていうのを実行するはずなんだけど…
僕学校行ったことないから、絶賛反論中!
それにさぁ、あと2日で行くんだよ!?2日だよ!?頭おかしいよねぇ!?
なのに…神山さんは『なんとかなる、大丈夫』の一点張り。
こっちの身にもなっとくれ、本気で。
でも、そんな抵抗も虚しく…。
僕は、学校に行くことになってしまった。
---
そして、今。
神山さんに教えてもらった通学路を30分かけて進み、来なれない制服を破り捨てたいのを必死に我慢して、あくびが出そうなほど長い校長と教師の話を聞き、教室の廊下についた。
…でも、なんだかんだ言って人付き合いは初めてだな…浮かないか、心配だ。
「____今日は、転校生が___」
僕を紹介する声が聞こえる。
面倒くせぇ…話が合う人、いたらいいな。
そんな事を考えていると、教室のドアが開いた。
「入ってこい。」
教師が言っている。やれやれ、まぁいいか。神山さんに言われた通りの自己紹介をしておこう。。。
「今日からここのクラスになります、伊吹 慎です。人付き合いは苦手です。一年間よろしくお願いします。」
礼をすると、拍手や女子とか言う人間の話し声が聞こえてきた。
顔を上げ、ふと教室のはじを見る。
そこには、つまらなそうな表情をして外を見ている女子がいた。
「お前ら、静かにしろー。転校生の伊吹だ。仲良くしてやれよ。なにか伊吹に質問ある奴いるか?そのときは名前も言えよ。」
教師が言う。すると、ハイハイハイハイハイハイ!と、一際元気な声を張り上げてる女子がいた。
「お、華川じゃないか。」
どうやら、その女子は華川という苗字らしい。覚えておこう。
「私は|華川梨香子《はなかわりかこ》です!あの、慎くんは前の学校はどこだったんですか?」
その女子…華川さんが聞く。無邪気そうな子だなーと思うのも束の間、ヤバいことに気付いた。…どうしよ。前の中学校、なんていう設定だったっけ。
僕がしばらく黙っていると、ようやくクラスがざわつき始めた。
『前の学校も言えないってどゆこと?』『絶対なんかあるよね…』
どうしよう…ヤバい、ヤバい…なにか、言葉を…
こんな感情になったのは初めてだ。汗が頬を伝う。
その時…
「ねぇ、みんな。ちょっと黙らない?転校生なんだし」
そんな救いの声をあげたのは___さっき外を見つめてた女子。
その女子は、「わざわざ騒がないで欲しい。迷惑。」
と、ピシャリと言った。
一瞬クラスはシーンとし、そしてまた騒ぎ始めた。
『アイツ…また無駄なこと言ってる』『迷惑はそっち!www』
どうやらあの女子を批判しているようだ。でも、アイツのお陰で助かった。
すると教師が、
「はいはい、みんな静かに。そんなに騒がないで下さい。今回ばかりは、桃縄さんの言う通りですよ。それに今は伊吹の質問中でしょう?」
その言葉に生徒一同は黙った。恐るべし、教師の力…。
「あ、伊吹の席は、桃縄の隣な。」
教師が指さしたのは、俺を助けてくれた女子の隣の席。すると、
キーンコーンカーンコーンとチャイムとかいうのが鳴った。
教師は、「HRは終わりです。では。」と言って出て行った。
ひとまず席に着く。僕は荷物を置き、隣の桃縄とか言う女子にお礼を言おうとした。
「あのさ、さっきは、ありがt…」
「ねぇねぇ!!」
僕の言葉を、誰かが遮った。えっと、この声は…
「あっと…華川さん、だっけ?さっきはゴメン。」
素直に頭を下げる僕。すると華川さんは、
「え、何で謝る必要があるの?いーよ別に!ねぇ、彩夢?」
華川さんは後ろに立っている女子に話しかける。
「んー?確かにねー。」
どこか明々後日の方向を見ている彩夢さん(?)はそう言った。
「あ、ゴメンね。この子そういう性格だからさ。ほら、自己紹介して!」
華川さんは彩夢さんを前に突き出す。
「あー、初めまして。|桐崎彩夢《きりさきあやめ》です。あの…誰でしたっけ?」
平然と言う彩夢さん。…って、えええ!?覚えてないの!?ついさっきに!
華川さんも僕同様驚いている。
「な…!彩夢、転校生の人!話聞いてた!?」
どうやら焦っているようだ。「え?そうだっけ…」と彩夢さんは言っている。
あの様子じゃ、本気で覚えていないらしい。。
「はは、マイペース…とか言うのかな。大丈夫だよ。あ、僕は伊吹 慎。よろしく」
「そっか。じゃあ、伊吹くん。よろしくねぇ。」
「よろしく慎くん!」
「うん。よろしく。」
2人はわちゃわちゃと席に戻って行く。
元気な人たちだなぁ…
すると、他の男子3人が集まってくる。
「なぁ、お前、伊吹だよな?」
「…さっき言いましたけど?そうだよ、伊吹慎ですが。まず名乗って?」
「いいだろう。俺は|寺山皇子《てらやまおうじ》だ。」
「…まんまキラキラネームじゃん、おつ。」
「何か言ったか?」
「うん、言ったよ?www」
「テメェ…💢」
「あ、そこの2人はなんて言うの?」
皇子を完全にスルーし、後ろに話しかける。似た顔をした二人組。双子かな?
「あ、えっと…ボクは、|黒宮啓太《くろみやけいた》です。あの、よろしくね。」
おどおどしてる男子。…ん?啓太のポケットから、何か光るものが…
「啓太、ポケットに何入れてるn…」
僕が言い切る前に、啓太は光の速さでポケットの中に入ってるものを取り出し、近くにあった道具袋を刺した。持ってるのは…カッター!?
「これ以上何か言ったら、慎くんも同じ事がされたいって認識しますよ…?ニコッ」
いや、怖い怖い怖い怖い!ヤバい、4にゅ!
「なんでもない!なんでもないよ!うん!」とか言っとかないと、56されそう…
「ですよね!なら良かったです♪」
わーぉ…コイツが世にいう所のナチュラルサイコパスだ…。
「んっと、もう1人の君は?」
もう1人に聞く。
「オレは|黒宮瑛太《くろみやえいた》なんだ!よろしくなんだ!」
特徴強いやつ来たー!黒宮兄弟ヤバいな…。
「おk。皇子、啓太、瑛太だな。よろしく!」
「おう/うん!/わかったのだ!」
キャラの強い3人組だなー…ん、何か忘れてるような…。
「あっ!あの女子!」
俺を助けてくれた女子にお礼言いに行かないと!
だけど…隣には居ない。
教室を見回すが居なくなってる…どこだ?
すると、僕に机に紙切れが置いてあることに気づいた。そこには、
“私がいないときはだいたい屋上にいる”
と殴り書きしてあった。
あの人が伝えたい事は、遠回しだけど分かった。
僕は早足に、屋上へ向かった。
書き終わりました!なんとか募集してくれた方を出せました!
さて、助けてくれた女子、桃縄(?)なんですが…私の投稿シリーズ“簡易契約の死神ちゃん”を読んでいる人なら分かると思うんですけど…。
実は、桃縄はその“簡易契約の死神ちゃん”に出てくるキャラクター『桃縄花枝』なんです!
分かった人や、質問がある人、感想がある人など、ファンレターよろしくね!では⭐️
#3 桃縄さんの過去
えー…前回応募してくれて方々、ありがとうなんですが、今回は大体桃縄さんと主人公のシーンが多くなります…ごめんしゃい。
では、本編どぞ!
トン、トン、トン…
新築だからだろうか…階段を登る音がやけに響く。
僕は、人間心理調査用ロボット、SIN。僕の仕事は名前の通り人の心の動き…心理を調査すること。今は中学生の心の動きを調査するために、転校生“|伊吹 慎《いぶき しん》”として中学校に通っているんだ。
僕は今、屋上に向かっている。それは、ある人の紙切れの影響だ。そこには、
“私がいないときはだいたい屋上にいる”と殴り書きしてある。
…あ、もう、屋上だ。
キィ…と、きしんだドアの音がする。
すると…向こう側の柵に、見覚えのあるピンク色の髪が靡いていた。あれは…
「桃縄さん!」
僕は桃縄さんに呼びかける。すると、ずっと向こうを向いていた桃縄さんはゆっくり振り向いた。僕の方を見た桃縄さんは一言、
「来たんだ」
この紙切れの差出人は、この桃縄さんだ。
「あのさ、桃縄さん。さっきは、ありがとう。巻き込んじゃって、ごめん。」
僕はすかさず頭を下げながら礼を言う。すると、
「…え?」
という、少し戸惑ったような声が聞こえた。恐る恐る顔を上げると、笑うのを必死に我慢しているような表情の桃縄さんが居た。桃縄さんは遂にプハッと吹き出し、
「プッ…アッハッハッハッハ!はははは…あははっ!」
と、大きな声をたてて笑い出した。
「う、うるさい…。」思わず耳を塞ぐ。
だけどそれも束の間。急に真面目な顔に戻った桃縄さんは、ハッとした。
「桃縄さん、えっと…どうしたの?」僕が聴くと、桃縄さんはぽつんと呟いた。
「…こんなに笑ったのって、いつぶりだっけ。」
「へ?」
「…私、最近笑う事が少なくてさ。だから、もういつぶりかな、って。」
桃縄さんはそう言う。テンションの上がり下がりが…あ、もしかして。
「桃縄さんが話してた時にクラスの人にぶつぶつ言われてたけど…あれシカトとか言うやつ?」
僕は聞く。神山さんが言うに、シカトとか言うのは無視とかの事なんだって。
「そう、かもねぇ。なんでかな?ハハッ…」
桃縄さんは苦笑した。…なんか、複雑。
桃縄さんは僕の方に向き直り、手を差し出した。
「じゃ、改めて。私は|桃縄花枝《ももなわはなえ》。よろしくね。」
ニコッと笑うと、耳に着けてた校則違反のピアスが揺れる。
「え、あ、えっと…あぁぁ、慎です。よろしく…。」
「ふふ、慎くんかぁ…私の事は花枝って呼んでね。」
「え!?」
女子を呼び捨てした事がない僕はあたふたと焦る。
だけどその次の瞬間、桃縄さんはニヤッといたずらっ子のような笑みを浮かべ、
「じょーだんだよ、冗談。好きによんでいいよwww」
と笑い混じりに言う。
こんなに楽しそうに笑う桃縄さんを見て、僕は最初に見た時と全然雰囲気が違うと思った。僕はどうしてもその事が気に掛かって、桃縄さんに聞いてみる事にした。
「ねぇ、桃縄さん。何で桃縄さんはそうやって笑って元気でいられるのに、教室ではあんな態度を取ってるの?そのままでいいと思うのに…。」
「あぁ、えっとね…」
桃縄さんは少し深刻な顔をしながら、絞るように話し始めた。
---
桃縄side
?「本当無愛想な子よね…」?「そうだ。姉さんとは大違いだよ。。。」
私の親は、私と姉の差別が酷かった。
私は幼い頃から口数が少なく、感情表現が出来なかった。
だけど私の姉は、真逆で言う事はハッキリ言う賢い子。
それに比べ扱いが面倒な私は、グズグズしてると無視をされた。
そんな環境のせいか、小学校の低学年は全く友達が出来なかった。
だけど、小5のある日。転校生が来たんだ。よく笑って、よく話す女の子が。
私の事を空気の様に扱うクラスメイトを横目に、その子は、
『花枝ちゃん、これからよろしくね!』
と、今まで見た事ないくらいの大きな笑顔で言ったのだ。
私は一瞬ビックリしたけど、これは、積極的になれるチャンスかもしれないと思って、『うん。よろしくね。』と答えた。
それから私は暫くその子と遊んだり一緒に帰ったりしていたけど、なぜかある日、
「あんまり近寄らないでよ!もう迷惑なの!!」
と言われ、肩を突き飛ばされた。
驚いて顔を上げると、皮肉そうに顔を歪めたその子が居た。
他のクラスメイト達はクスクス笑いながら全員教室を出て行った。
『____ちゃん、なんで、こんな事…』
私が言いかけたその時、その子を呼ぶ声が聞こえた。
その子は返事をすると、私の肩を叩くと同時に、服の中に何かを入れた。
その子が去ってから見てみると、それは一つの“紙切れ”だった。そこには、
“私が無視をするときには、必ず理由があるから安心してね”
とあの子特有の几帳面な字で書いてあった。
決して裏切った訳じゃ無いんだと、安堵した。
だけどそれも束の間、数日後悲劇が巻き起こったんだ。
その子が、交通事故で亡くなった。
その事をお母さんから知らされた時には、暫く放心状態に落ち行った。
何も考えられなくて、目を見開いたままその日は過ごした。
数日後、その子のお葬式が行われた。
私はたまたま行けなかったけれど、その日は黒い喪服を着ていた。少しでも寄り添いたかったから。そのお陰で、もうこの世にあの子はいないんだと確信出来た。
後日、その子のご両親が家に来た。ご両親達は私にあの子の遺書を持ってきてくれた。
慎重なあの子のことだから、いつ亡くなっても大丈夫な様に書いてたんだって。
自分の部屋に行って内容を見てみると、そこにはクラスメイトそれぞれに向けたメッセージがびっしりと書いてあった。習い事やネットの友達にも向けてもね。
私に向けた文はあるか探していたら、ページの間に手紙が挟まっていた。そこには、
“花枝ちゃんへ
今まで仲良くしてくれてありがとう。
実はね、わたしも転校するまでは無視されたりしてたんだ。
だからこの学校でもいじめられるんじゃ無いかって不安だったの。
だけど、花枝ちゃんはわたしを受け入れてくれた。
しかも同じ境遇同士。
すごく嬉しかった。
あの時は、いじめてごめん。
やっぱりわたしは弱かった。
でも、あの手紙を見てくれてたなら。
もう、言い残す事はないかな。
あ、でもあと一つ、大事な事を言っておくね。
自分の、好きに生きていいんだよ。
_____より”
と書いてあった。
本当の本当に、最後まで私の事を考えてくれてて嬉しかった。
そんな人が、なんで死んじゃうんだ。
どうせなら、悪に塗れた奴らが死ねばよかったのに…
そう思ったけど、あの子の『好きに生きていい』って言葉を思い出すと、これが自分のやりたい生き方じゃ無いって思えるから。
ありのままで生きようって、決めたの。
なのに。
中学校で、ノリが悪いとか何とかでシカトされる様になった。
なんで?
周りに合わせないとダメなの?
それを正しいって言い続けなきゃいけないの?
そうしないと死んじゃうの?
自分の意見を留めて強い奴らに従わないといけないの?
私はこいつらじゃやっていけないって思った。
だから誰も信じずに、あんな性格で生きてきたんだ。
---
「だけど、君は違う。」
桃縄さんはさっきまでの深刻な雰囲気を吹き飛ばす様に明るく言った。
「こんな私の話を、最後まで聞いていくれた。それに、他の人とは違う感じがするの。君だけには、心を開ける気がする。」
そう言った桃縄さん。
「でもさ、、、僕なんかでいいの?だって、何も言ってあげられない…」
「ううん、そんな事ないよ。だって、私はただ話を聞いて欲しいだけだから。」
あ、そうだ。と、桃縄さんは手を打った。
「これから放課後にさ、こんな感じに屋上で話そうよ。」
「いいね!」
「それに、君は使えそうだしwww?」
意地悪そうな顔で言う桃縄さん。
「もー、辞めてくださいよ!」
「ハハッww」
ずっとこんな顔でいてくれたらいいのになぁ。
「あ、そういえば。わざわざ紙切れで屋上にいる事伝えてくれたのはこれの影響?」
「へ?…んー、特に意識してなかったかな。なんとなく…?」
恐るべし無意識。すると。
「おーい!慎くん!早く来てよ!授業始まっちゃうよ!…あ、桃縄さん。」
と言う声が聞こえる。華川さんかな?
「分かった、今行くから待っててー!」
僕もそう返すと、
「じゃ、放課後に集まろう。」
と言った。桃縄さんは満足そうに、
「りょーかい。」
と言った。
終わりました!今回はほぼ桃縄さんの回想ww💦
あ、桃縄さんのビジュアル公開しまーす!
https://d.kuku.lu/437642130
上:裏のいたずらっ子笑顔の桃縄さん 下:表のクール桃縄さん
次もよろしく!