ゴミスキル「農家」が敵を蹴散らすテンプレ異世界転生物語
編集者:轍刹沌
中学3年生の夏ーー俺、大曲辰家は、ひょんなことからスキルやら魔法やらが存在する世界へ転移してしまった。そしてその世界で俺が得たスキルは「農家」…
明らかなゴミスキルで辰家はどのように敵を蹂躙するのか?
そして辰家は元の世界に戻ることができるのか?
乞うご期待です!!
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目次
0章1話 “prologue”
こんにちは、今回は自分の小説を読んでくださりありがとうございます。轍刹沌です。
ちなみに読み方は「てっせつとん」です。自分は、今回初めて小説を書くので文章がつたなかったり、読みづらかったりするかもしれないけどどうか最後までお付き合いください!それでは本編どうぞ!!
「俺は、本当に……」
「特にやることないし、ゲーセンでも行くか…」
俺は大曲辰家、中学3年生、15歳。
父親は蒸発、母親は、3歳下の弟にべったりで、俺に興味どころか、敵意すら向けてくる。学校では俗に言う’モブ’。そんなんだから居場所もなく夏休みでも寂しく一人でゲーセンへと向かっているというわけだ。
はいはいそーです!オレはボッチです!!!
「チッ」
半ばヤケになっていると眼前の信号が赤に。流石に信号無視するほど馬鹿ではないので大人しく止まる。
「新作のピックマン、今日は空いてるかなぁ?」
ゲーセンで何やろうかなどとくだらんことを考えていると、
「うわっ!びっくりした!!」
11、12歳ぐらいの子供が隣をすり抜けていった。
そして車道から走ってくる当たったらタダじゃ済まなそうなトラック。
自分の性格は轢かれそうになっている子供をほっとけるほど冷酷ではない。
「きゃーーー!」
その悲鳴と同時に、
「おらぁぁあああ!!!」
強引に子供を押し飛ばし、トラックと子供の間に身を入れる。
「俺が死んだらHDDを…確かそんなかんじだよな?」
転生したら〜の漫画のセリフを思い出す。
今の局面に笑いが込み上げてくる。
死んでもおかしくない。
…というか何かが起きない限り確実に死ぬ。でも何故だろうか、この状況がとてもおかしく、そして、とても気持ちよく感じた。
強い衝撃が自分の身体を駆け抜けていく。
「ウッ、、、グハッ!!」
何かは、起きなかった。
. .
この世界での最後の記憶は、口をあんぐり開けている子供を微笑んで見ている自分だった。
ーーー死ぬんだな。ーーー
意識が飛んだ。
--- 黒… ---
--- 黒… ---
「んっ?」
おきた。
起きた?
「お目覚めになられましたか?」
知らない人の声。
「あれ?俺は死んだんじゃ?」
「え?路上で倒れていらっしゃったから、上位魔法”エヴォヒール”で治療を…」
あぁ、交通事故で倒れて、病院に運ばれたのか。
そして、上級魔法の、”エヴォヒール”で…
“えゔぉひーる?”
なんだそれ?頭の理解が追いつかない。
あれ?もしかして…
「この世界って魔法とかあったりします?」
「はい。ありますよ。」
もしや、
俺は、本当に…
「異世界転生したーーーーー!」
最後までお読みいただきありがとうございます。
このサイトの仕様がわからず3回ほど書き直しております。
大変だったー!
まだまだ至らない点あると思いますが、楽しんでいただけたならとても嬉しいです。
次回は、明日か明後日投稿すると思います。
どうか楽しみに待ってもらえると嬉しいです。
それではまた次回!!
0章2話 “reincarnation”
こんにちはの人はこんにちは。
初めましての人は初めまして。そして、1話から読んだ方がわかりやすいと思います。
正しいパスワードとuserIDを入れても入れなかったので、バグか?と思ったら、パスワードとuserIDが逆でした。馬鹿すぎる。早くこの小説のシステムにも慣れていきたいということで本編どうぞ。(入り方雑!)
前回のあらすじ
交通事故にあった大曲辰家。このまま死ぬかと思われたが、転生し、魔法やら何やらがある世界へ転生してしまった?
「その反応を見る限りどうやら転生してしまったようですね〜。」
俺を治してくれた19〜20の年頃の女性が言う。そういえば俺この人の名前知らないな。
「あ、はい。転生してしまったようでして…ちなみにあなたのお名前教えていただいても…」
コミュ力のなさが露呈している。
「あ、私、ノクリア・ハイドランジアと言います。」
ハイドランジア。
確か英語でアジサイっていう意味だった気がする。
なかなかいい名前だな〜と、どの口が言ってんだみたいなことを考えていると、
「あの、あなたのお名前も教えていただけると嬉しいのですが……」
そうか、自分も名乗らなきゃと思い、
「あっ」
ビビッ
これ、名乗っていい奴か?
普通に考えたらなのるだろう、ただしかしここは異世界、何があるかわからない。
ここは偽名で…いや、そんなこっちが偽名使うような人が倒れてる人見て助けるか?
ここは正直に…でも…うーん………
「あの?どうされました?」
「は、はいっ!」
ヤベェ困らせちまった。とっさ、中途半端に本名を言う卑怯を思いつき名前を言う。
「あっ、タツヤと申します…」
特徴的な「おおまがり」を避けられただけ良いか…
「あの、下のお名前は…あっ、別に言いたくないなら全然いいんですけど…」
二行上が特大フラグだったことを知る。確かに英語圏っぽいから、名乗るなら
“タツヤ・オオマガリ”になる。なぜ英語圏で言葉が通じているかは知らん。
とりあえずお言葉に甘えて、
「まだ、素性がしれない相手に本名を明かすのは…」
というかこんなことして…
「あの、これから何されるんですか?」
そうですよね!これから何すんだって話ですよね!お世話になるわけにもいかないし!
「あの…よければ私の所で働きませんか?」
そうですよね!そんな就職先が早くに決まるなんてこと…
え?
いまなんて?
ハタラキマセンカ?
「え、い、い、い、いいんですか!?」
「はい、うちの所は働き手不足でして…」
……マジか!!!
「ぜ、是非働かさせてください!!」
「わかりました。では早速職場へご案内しましょう。」
俺はこの時知らなかった。
この職場で働くことになったのが原因で、
あんなことになるなんて。
スクロールお疲れ様でした。
前回の小説に、コメントをいただきました!
初めての小説なので、反応をもらえると思わず、とても嬉しかったです!
次回にひっぱりたいなと思ってこの書き方にしたんですが、今日か明日には投稿できそうです。次回も読んでくれると嬉しいです。ではまた次回!!
0章3話 “adventurer of guild”
本日2話目の投稿です。
流石に2話投稿はきついですね〜。
前話で出てきたヒロイン、「ノクリア」をググると、エアコンが出てきました。
振り絞って出てきたのはここからだったか…
では、本編どうぞ!
前回のあらすじ
自己紹介&就職先が決定!?
「マジか…」
ノクリア…なんか呼び捨てにしずらいな。
ノクリアさんに連れられきた職場とは、大きなギルドだった。
流石に異世界転生してすぐだから事務とかかな?
「タツヤさんにはここで冒険者として働いてほしいのですが…」
いや、きついね。俺、武術とかやってないし。もちろん死ぬ可能性だってあるし、死んだら転生できるかだってわからない。
「このギルドは受注制で、クエストを受ける→達成→報酬という流れなんですよ。簡単なものから高難易度のものまであるので、自分に合ったものを選べるのですよ。」
「あの、他に人はいないんですか?」
「ここは田舎でいかんせん人が少ないんですよ。ギルド本部からもそろそろ潰すぞ的なお達しが来てまして…ここは治療した見返りと言ってはなんですが、お願いできませんかね〜?」
「いやー事務とかならやるんですけど…」
「転生された方には、固有スキルというものがあって、強力なものもあるのですよ。
そういう諸々も報酬をすこーし、すこーーし払ってもらえれば…」
なるほど、情報と引き換えということか。確かに情報は欲しいんだけど、いまいちメリットが薄い気がするんだよな〜。
「もちろん報酬は弾みますし、ご飯や寝床も確保しますが…」
「もう少しなんとかなりませんかね…?」
値切りか!と自分にツッコミを入れる。
「わかりました。本当なら5000ソルのレクチャーを無料にしましょう。そうすればクエストの成功率も上がるでしょうしねぇ〜。」
5000ソルがいくらかわからんが、レクチャーを受けれるならばまぁ………
「ん〜〜。よし、やるだけやってみます。」
「ほ、ほんとですか?ありがとうございます!では早速レクチャーといきましょう!」
==========================================================
ーそれではレクチャーを始めますー
ノクリアさんの声が響く。これは、ノクリアさんの魔導具、「イヤホニウム」というイヤホンだ。本当にワイヤレスイヤホンみたいな見た目だが、唯一違うところといえば…
「お願いします」
双方向に声が届くところだ。
冒険者になると言うや否やノクリアさんに訓練用クエストを受注させられ、イヤホニウム持たされ、レクチャーが始まった。
ーまずは、この国はヨルムルンド大陸のエリトネア王国です。中心部はあなたが倒れていた都市、ノディーがあり、ここが、西方の辺境都市ミハゼです。ここは、魔乱の森が近く、魔物がよく出るので、あまり住民はおらず、魔物の強さが両極端すぎて冒険者が来ないためギルドも大変なんです。ー
なるほど、住民は危険だから来ないし、普通の冒険者が来るのには、簡単すぎるor強すぎると言うことなんだろう。にしても、
途中からノクリアさんの私情が挟まっている気がする。
とりあえずこの国のことで気になることを片っ端から聞いていく。
・この国の北はアウェラヴェ帝国。軍国主義でエリトネアの大敵。
・西から南にかけてはライヤスネ亜国。温暖で、この国とも帝国とも協定を結んでいる。大体どの国とも敵対していない。亜人が多い。
・東はヴィスティカ聖国。魔法に強く、ライヤスネとは違い、全く干渉しない中立を保つ。
・ライヤスネの先に、コリン共和国があり、ライヤスネ、コリン、エリトネアで西南央三国同盟を結んでいる。
・魔乱の森は、浅部《ライトフォレスト》、深部《ダークフォレスト》、最深部の、真紅の森《クリムゾンフォレスト》がある。真紅の森に行くほど南下していく形になる。
・真紅の森は、初級冒険者が入ったらまず間違いなく死ぬ。また、真紅の森の中心部に、外敵を拒む魔物が作った都市、真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》があると言われている。
・”ソル”は通貨で、100ソルで100円ぐらい。
というか、ノクリアさん…
説明が長い!!
何せこの説明に1時間はかかっている。
んなことを思っていると、ノクリアさんの声が。
ー大体質問は終わりましたかね?それではいよいよ、ー
ーステータスを確認しましょう。ー
いやーお疲れ様でした。
今回は、タツヤのギルド加入+説明編前編でした。
自分は人が説明している文を書くのが苦手で…
あとルビの振り方がわからん。二重カッコで囲われるのが正解なのか、文字の上に出るのが正解なのか…
頑張ります。
次回、次々回は、明日投稿で次々回には、0章完結、いよいよタイトルを回収しにいきたいと思います。
投稿ペースも上げていきたいと思っているのでよろしくお願いします。ではまた次回!
0章4話 “status“
こんにちは、轍刹沌です。
今回やっと、やっとタツヤのステータスの酷さを書けます。もう今からワクワクしておりまする。
ところで、この小説知名度がないので、どうにかしたいと思っているのですが、いい案が思いつきません。なんか思いついたらコメントで、教えてください。できるものはやります。それでは本編どうぞ!
前回のあらすじ
タツヤが冒険者ギルドの冒険者に&社会科のお勉強
ーステータスを確認しましょうー
俺、大曲辰家は今日から田舎ギルドの冒険者として働くことになった。そして今は初心者冒険者用のレクチャーを受講中だ。
「ついにステータス確認か…」
と独りごちる。転生した人には固有スキルがあるらしいけどそれをどのくらい使いこなせるかだってわからない。何ていうか、見たいような、見たくないような気分。
ーそんなに緊張しなくてもいいですよー
ノクリアさんの優しい言葉が染みるよ。
「お気遣いありがとうございます。それで、ステータスとはどうやって見るものなんですか?」
ー「オープンステータス」と詠唱するだけで大丈夫ですよ。ー
やるか。
ついに冒険者としての新しい生活がはじまるんだな。
「オープンステータス」
詠唱した瞬間、淡い白い光と共にホログラムのような感じで俺のステータスが出現した。
「おー!」
どれどれ、早速確認してみるかな?
名前:タツヤ・オオマガリ lv,1
称号:転生者
加護:なし
体力:1000
攻撃力:130
防御力:260
スタミナ:340
素早さ:95
賢さ:150
保有魔素量:75000
魔力還元率:0.01%
色素:緑
EXスキル:なし
固有スキル:《複合》農家Lv,1
スキル権能:権能菜園|《スキルガーデン》(仮想空間)へ入り込む能力。そこへは、植物の力が強いものしか持っていけない。その空間は、発動者が、気温、地形、湿度を改変することができる。発動中、現実の発動者は昏睡状態へ陥る。
無限種袋|《シードパック》を出す能力。その袋は、権能菜園内で使用でき、75魔素をこめることで、作物を魔導具化させ出現させることができる。なお、出現可能作物は、lvが上がるごとにランダムで解放。
魔法:能力開示…オープンステータス 消費魔素…0
Rank:D-
--- これは… ---
--- ランクと効果から察するに… ---
--- ゴミスキル&ゴミステータスでは? ---
どっどうなんだろう。もしかしたらa〜zまでのD-かもしれないし(幻想)。
「あのー、ノクリアさん…」
ーどうされました?ー
「参考までにノクリアさんのステータス教えてもらえませんかねぇ」
他の人はもっと低いと言う望みに賭ける。
ーいいですよー。ー
まとめると、
名前:ノクリア・ハイドランジア lv,22
称号:ギルド支部長
加護:紫陽石の加護
体力:1000(誰も大体同じらしい)
攻撃力:370
防御力:420
スタミナ:260
素早さ:130
賢さ:175
保有魔素量:2000
魔力還元率:10%
色素:紫
EXスキル:整理整頓 lv,10…現在の仕事やものをリスト化、最優先事項の提示
紫陽斬 lv,2…魔素を使った斬撃、相手に継続ダメージ。
固有スキル:思念通話 lv,10…思念を繋いだ相手との双方向通話、強制切断。
魔法:能力開示…オープンステータス 消費魔素…0
上級回復…エヴォヒール 消費魔素…100
壊毒…ネルムンガド 消費魔素…199
Rank:C
事務員さんより弱い冒険者っているのかな?俺やっぱ冒険者向いていないのでは?
ー大したステータスじゃないんですけどね…ー
その言葉、刺さるよノクリアさん…
俺は素直に自分のステータスを話した。
ーあら、正直知ってる中で一番低いステータスですね…でっ、でもスキルに使い道があるかもしれないですし…ー
気遣ってくれるノクリアさん優しい。
嘆いていても仕方ないので質問を。
・称号は役職的なもの。加護は圧倒的に強いものか、圧倒数の物からの信頼や、関係。加護はバフが乗るらしい。ランクは基礎の能力を総合的に見た評価で、変わることはない。
・色素は、自分のスキルや魔法特性によって判別されるエレメント的なもの。
・EXスキルは、自分の技や経験をスキルにしたもの。固有スキルは、元々与えられているスキル。
・保有魔素量はいわば”mp”、そしてそれを魔力還元率で割る。結局割られた”魔力”が魔法の威力や効果に関わってくる。つまり、魔力還元率が高いと、威力は大きくなるが、保有魔素量が少ないと、高魔素の魔法は使えない。逆にいっぱい魔素を持っていても魔力還元率が小さいと、低威力になってしまう。後者が俺型だな。
・スキル、魔法以外のステータスは、増えないが、加算することはできる。つまり、1000を1200に変えることはできないけど、バフかなんかで1200に増やすことはできるってことだと思う。
この説明で二時間かかった。疲れた。しかも自分がゴミというのだから救われない。
ーとっ、とりあえず明日の狩猟祭に向けて頑張りましょう!!ー
ん?
狩猟祭?
「狩猟祭ってなんですか?」
ーえっ?ー
「えっ?」
………………
えっ、俺何も知らんよ?
お疲れ様でございました!!
今日2話投稿はきつそうです。やるだけやってみます。
執筆中に応援コメントいただきました。もちろん約束は守るので踊っていた(プロフィールご覧ください)ら、おっかさんに「何してんの?」っていわれました。いやーこれには深いわけが…
次回は、0章完結+狩猟祭です。何も知らされていないタツヤと、知らせたと思っていたノクリアのすれ違いをもう少し書きたいとおもっています。
タツヤは狩猟祭で結果を出せるのか?
と言うか生き残れるのか?お楽しみに!!
0章5話 “hunting festival”
お久しぶりです。そしてすみません、予想よりも投稿が遅れてしまいました。ごめんなさい。
少し予定が入りまして…と言うのも言い訳ですね。
ただ、何もやっていなかったと言うわけではなく、1話から4話までを見直しうっすら表現を変えたり、情報を追加したところがあります。ほぼ気づかないと思うのですが、気づいたらコメントで教えてくれると嬉しいです。
では本編どうぞ!!
前回のあらすじ
ステータス確認&狩猟祭?
俺のステータスが微妙と言うことが判明してから30分。今はちょうどスキルの確認を終えたところだ。結論から言うと「戦闘向きではない」。意識を犠牲にし入り込む権能菜園《スキルガーデン》には、整備された畑があり、そこへ、魔力を75消費して無限種袋《シードパック》から、現在唯一出すことのできる“マクワウリ“なる野菜の種を植える。
ちなみにスキルの中だと、魔力還元率はかからないらしい。つまり後、999個マクワウリの種を出せることになるけど…
いらない!!
しかも発育が遅い!!
なんかもっと
ブワァァァァァァァッッッ
って生えるもんだと思っていた。地味だな。
ちなみに気温、湿度、地形改変は無上限かつ一部地域にだけ適応みたいなこともできるっぽくて、植物の生えない灼熱にも、植物の生えない極寒にも、植物の生えない乾燥地帯にも、植物の生えない険しい崖にもできた。
植物生えないけど。生えなかったらこのスキルの意味ないけど。
まあまず人やら獣やら魔物は生き残れない環境にまでできると言うことだ。魔物を入れて、そこの地点を灼熱地獄にするみたいなこととかのんびりできる気候で酪農とか…
できないけど。理想だけど。人、動物、魔物全て連れ込めないけど。
--- なんて不便なスキル!! ---
あっ、あと完璧に外界からは遮断されるためノクリアさんの声も聞こえない。
狩猟祭の説明忘れて、イヤホニウムの電源(魔力で動いているから魔源?)切らずに大慌てで調べたりなんだりしてるノクリアさんの声も聞こえない。
まっ、ここにいても暇だし、いったん戻るか…
「ただいま戻りました〜。」
ー戻られましたか。では、早速狩猟祭の説明を始めます。ー
ここで、あることに気づく。
「あの、今外にいるんですけど、外にいる意味ってあります?」
ー……………ないですね。ギルドに戻ってきても大丈夫ですよ。ー
俺、結局レクチャー中何もしないまま屋内へ。
そしてギルドでノクリアさんの狩猟祭についての説明を聞く。
「狩猟祭とはギルド主催の魔物を狩るお祭りで狩った数と魔物の強さによってポイントがもらえます。そして、そのポイントが一番高かった者の優勝。その人が、所属届を出したギルドにはボーナスも出るんだとか…まあ、私のギルドには無縁の話なんですけどね…」
「ちなみに自分は……」
「はいもちろん私のギルド所属にさせてもらってます。」
無! 許! 可!
なんとか取り消してもらえないか頼んだが、
「いやーちょっとめんど…ギルドの決まり的に無理ですね。」
やる気がないのが丸見えですよ、ノクリアさん。
「あ、あと狩った魔物の証拠を出さないとカウントされませんから気をつけてくださいね。」
話を逸らされた気がするがもう夜も遅い時間になっていたので寝て、朝……
何かめっちゃ忙しい!!
[悲報]ノクリア氏 誤って起床時間を1時間遅く伝える。
朝ご飯食べて、装備に着替えて、武器持って、出発!!
マジでバタバタだった。そうこうしているうちに魔乱の森に到着。うちのギルドの所属は俺の他に、昨日の夜分に来た、C級冒険者と、午後から来る予定の冒険者の2人だ。
C級冒険者は俺のことめっちゃ見下してきた。絶対こいつには負けないとの決意を固める。
「うわーーーーー」
思い出していたらそのC級冒険者が森の先から焦りながら走ってきた。
「どうしたんですか?」
無視&スルーとはいい度胸じゃねーか。
C級冒険者は、鉄装備一式+鉄の剣だから俺よりも強いのに逃げていった。
かなり強い魔物がいるっぽい。警戒しながらも前進する。と、
ぷよよん ぷよよん
ん?こいつ魔物界最弱のスライムじゃね?
俺の装備は馬のレザー装備一式に、ブロンズの剣。強いとは言えないからなぁ…
ここは慎重に、慎重に…
「はぁっ!!」
ブロンズの剣を振る。
ぷにょん
衝撃は吸収されたものの、ダメージは入っていそうだ。
もう一撃入れればやられるってとこか。もう一度構えなおs
「おりゃぁぁぁぁあああ!!!」
ぐしゃっ
あの逃げていたC級冒険者が戻ってきて、とどめを刺したのだ。
「よっっっっしゃーーーーーー!」
「はぁ?俺が先に攻撃しただろ!?」
「スライムを一撃で倒せないお前が悪いんだよ!」
「お前だってびびって逃げてたじゃないかよ!」
「黙れ低級冒険者!」
「C級のくせに低級に助けてもらわないとスライムも倒せない弱虫が!」
「まぁ、この俺にかかれば優勝も夢じゃないんでね。僻まれるのも仕方ないか。じゃ、せいぜいがんばれ、低、級、冒、険、者!フフフフフ」
そういいながら元来た道を引き返していくC級冒険者。
ふざけんなよあいつ。勝手にとどめ刺してよぉ。どっかで魔物に襲われてくたばっちまえよ!
ーどうですか?狩りの調子は?ー
「いやぁ、今、トドメを他の冒険者に刺されてしまって…」
ノクリアさんの声が聞こえて冷静になる。
ーまぁ、狩った証拠を出せれて仕舞えば拒否することができないですからねぇ。ー
狩った証拠か…
あっ!あいつスライムから剥ぎ取りしてねぇ!
最後まで読んでくれてありがとうございました。
今回、エピソードを練るうちに書きたいものが増えて、今話では0章を終わらせられませんでした。ごめんなさい。
実は主人公があんなに執着していたC級冒険者も、元々はない設定でした。
次回は同時に0章の完結を投稿しています。次々回1章も開幕へんも今日投稿したいです。1章も5〜6話で終わる予定なので、どうか楽しみに待ってくださると嬉しいです。
0章6話 “wing pterosaurs”
こんにちは。今回は前回と、ほぼひとつづきのお話です。
制作時も一話で済まそうとしたら、無駄に長くなってしまったのでコピペでこっちに貼りました。だから同時投稿になっています。
このお話で0章完結となります。今日もう一話投稿しようと思っています。それでは本編どうぞ!!
前回のあらすじ
スキルの確認&狩猟祭
ー剥ぎ取りして仕舞えばこっちのもんですよー
急いでスライムのところへ戻り、”水色のジェル”を入手する。
やったー!横取り阻止!!ざまあみろC級冒険者!!
「ぎゃーーーーー」
またこっちに向かって走ってくるC級冒険者。
ここは煽ってやろう。
「あれー?剥ぎ取らないとポイントにはならないんだよ〜。そんなことも知らないの〜?」
ほぉ、二度目の無視&スルーか。いい度胸だな。ただここは追撃の煽りをかましたい!
「おい、聞いてんのかC級!」
ガサッ
C級冒険者が来た方の道の奥の森から草を薙ぎ倒す音が。
「ん?」
ぎぃぃぃぃやあああぁぁぁぁあぅぅぅうううん
奇妙な鳴き声と共に、翼を持った竜が現れた。
ーあっ、あれは!!ー
魔物らしからぬ淡麗な顔立ちの竜の眼が俺を見つめる。
「あれはなんですか?」
ーあれは風翼竜 ミロガルディ。普段はこんな浅い森に出没しない強力な魔物です!おそらく太刀打ちができないので逃げてください!!ー
逃げたいよ。逃げたいけど!!
俺は今、俺の真後ろで腰を抜かしたC級冒険者と、木の幹が邪魔で動けない。
なんなら、C級冒険者は泡吹いてぶっ倒れてる。俺は知らないから怖くないけど知ってるC級冒険者の方がちょっと賢いのかもしれない。
ちょっとだけ。
俺は、仕方なく風翼竜の方へ向き直る。俺は弱い。だから、引きつけるしかあるまい。引きつけて、引きつけて、他の冒険者やギルド、軍を待つしかない。
ならば自分は”囮”となろう。
と思考していたら、風に乗った風翼竜の爪の引っ掻きが。
これを出来る限り体を縮ませ、ギリギリで回避する。自分へのダメージはないが、胸当てをかすめる。胸当てはビリビリにちぎれてしまった。もう使えなさそうだ。
「チッ、ノクリアさん、援軍ってきたりします?」
「早くて……30分かと……」
うん。かなりキツい。と言うかほぼ無理。
風翼竜の先の引っ掻きが、木を抉り、そこから素早く反転し鱗を飛ばす。
鱗は風翼竜と同じ綺麗な青緑色で、先っぽは尖っている。弾丸のような速さで飛んでくるそれに当てれば、まず間違いなく動きが鈍る。致命傷になりかねない。
速く、強い。しかも搦手まで使ってくる。その状況で30分は厳しい。
逃げるか。
倒すか。
一瞬の隙を見て、C級冒険者を森の中へ隠す。その際ちゃっかり鉄の剣をいただいておく。先程とは、風翼竜と自分の位置関係が反転したため、自分はノクリアさんのギルドを後ろに守る形だ。後ろと言っても100mは離れているので、とんでもない攻撃が来ない限りは…
風翼竜が滑空して突進。これを右翼の下に潜ってかわす。
「うぉう、危ねぇ!」
と、安心したのも束の間、右翼を軸に回転したのち、尾を叩きつけてくる。
これは避けきれず、剣で受ける。
「くっそっ」かなり後退させられる。
仕留めきれないことにイライラしたのか2度目の咆哮。
「うわっ!びっくりした!」
咆哮に驚いた俺の隙を見逃さず翼で鱗と共に強烈な風を放つ。弾けるものは弾いたが、2、3発被弾。
ここからさらに攻め込めると思った風翼竜は風を纏いさらにスピードを上げてくる。
上昇気流を生み出し天高く舞い上がる風翼竜。からの急降下突進。
最初の突進とはけたが違う威力の突進。急いで森の中に入ってやり過ごす。
ドゴォォォォオオオ
突進が地を穿ち、大きな穴を作る。まるでクレーター。こんなん当たったらおわりだな。しかも発動した魔物も衝撃は受けるはずなのに無傷で立つちあがる風翼竜。
「こんな強く地面に激突しても無傷とか、ヤベェだろ」
ーはい、あいつはヤバイ魔物です。なので逃げてください。ー
「あの…逃げたいんですけど、目の前に大穴が…」
道を寸断された。しかも、突進で俺よりギルド側に移動しているから、ギルド方向へ行く=風翼竜の方へ行くと言うことになっている
なにこの地獄。
どうしようか。
フッ
ーどうされました?ー
「すいません、つい。」
ー?ー
「気にしないでください。」
笑った。なんでこんなことになったんだ。
--- せめて一太刀 ---
その考えがよぎったときにはもう動き出していた。
おそらく相手は油断している。嬲って殺そうとしてくると思う。
それを崩したい。完全に無謀。それでも。
「ハッ」
気合一閃
キィィィィン
弾…かれ…た。
もはやこれまで。
実力差はあると思っていた。
俺ゴミステータスだし。
ただ、ほんの少し
やれると思っていた自分がいた。
風翼竜が振り払うように体を回転させる。
「ぐはぁぁ」
10mは吹き飛ばされたか。
次がトドメか…
風翼竜が体を回転させる。
体を回転させる。
回転。
回転。
ビュォォォォォォォォォ
完成したのは俺に向かってくる竜巻。
「くそっ」
仕方なく逃げる。が、
ギャァルゥゥゥゥウウウヴン
けたたましい鳴き声と共に俺の前に風翼竜。
前から風翼竜、後ろから竜巻。
「おりゃぁぁああ!!」
迷わず風翼竜へ向かう。そして斬撃を放t
ビタァァン
完全な死角からの尾での一撃。
そして吹っ飛ばされた俺は、
ビュロォォォォゴォォォ
竜巻に巻き込まれギルドとは逆方向へ吹っ飛ばされた。
高度は約100mってところか。死ぬな。
「ノクリアさん、お世話になりました。ありがとうございました。」
ーいえ、タツヤさん。こちらこそありがとうございました。最後に一つだけ。
--- 生きてくださいー ---
気のせいか、少し声が震えていた気がする。
ノクリアさんの言葉を聞くと、俺は落下していった。
生存率を0.1%でも上げるために木の下に落ちるべく、角度を調整する。
木と地面が迫る。
ズシャァァァァァ
ボフッッ
最後まで読んでくださりありがとうございました。
この話で0章完結なのですが、
最後が効果音?
絶対に次章を読ませようとしていますです。
その次章の1話も、今日投稿できたらいいなと思っておりますので楽しみにしていてください。それではまた次章でお会いしましょう!
1章1話 “crimson oasis”
こんにちは。今話から1章の〇〇〇〇編に入ります。
残念ながら日を跨いでしまったので一日3本投稿はできませんでした。ごめんなさい。
この話では、〇〇〇〇はわからないと思います。なんならその単語すら出てきません。
次回では、その辺にも関わってくると思います。
前回吹っ飛ばされてしまったタツヤはどうなっているのか?それでは本編どうぞ!!
前章のあらすじ
異世界転移してしまった大曲辰家は、ノクリア・ハイドランジアと出会い、ノクリアのギルドに身を寄せることとなる。しかし、初めての冒険で、強力な魔物が現れて…
「無事だ…」
俺は物凄く衝撃吸収性のあるキノコの下に落ちた。と言っても、落ちた瞬間は気を失っていておぼえていないのだが。
ーお目覚めになられましたか?ー
ん、そのセリフ前にも聞いたぞ?
まぁいっか。
「はい、なんかよくわからないキノコの上に落ちて無事でした!」
ーそれはよかったです。ところで、そのキノコというのはどのような物なんですか?ー
「えっと、赤くてとても柔らかいです。衝撃を与えると、胞子を出しますね…」
ーなるほど…そのようなキノコは知らないですね……赤色ですか…あの……いや、なんでもないです…うーん…ー
「どうしたんですか?歯切れが悪いですよ…聞きたいことがあればきいてもらっても…」 ・・・・・・・・
ー周りの植物や木も赤色だった場合、魔乱の森の最深部の可能性があります…ー
「えっ、レクチャーの時に教わった初心者が必ず死ぬって言う……ん?じゃあなんで俺襲われてないんだ?」
初心者冒険者が必ず死ぬのに、意識がない半ば”食糧”は喰われなかったんだ?と言う疑問が、独り言めいて口をつく。
ーはい、それは私も疑問に思っておりました。そして私が知りうる中で条件に当てはまる地は一つ。
--- 真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》 ---
タツヤさんはそこへ飛ばされてしまったのではないのでしょうか?ー
ノクリアさんの長い解説の断片を思い出す。確か”外敵を拒む魔物の都市”とかだった気がする。つまりここは、「その魔物の領地ではあるが、都市ではない」地域なのではないかと思う。確かに他の魔物の領地なら、その魔物以外は入らないだろう。
もう一つ気になっていることがある。ノクリアさんが知らなかったキノコだ。穏やかでおっとりしていて、少しおっちょこちょいだけど物知りそうなギルド支部長のノクリアさんが知らないキノコなら、他の人も知らないのでは?
ーん?今私のことちょっとディスりました?ー
「………いえ、決してそんなことは。」
気を取り直して。
俺のスキルは”農家”だ。
採集していけば栽培させられるのでは?
そしてそれを商人か何かに売ればお金になるのでは?
さらに素材収集のためノクリアさんのギルドまで道を通せばギルドが有名になるのでは?
いや、もう”外敵を拒む魔物”と交渉してしまえば……
多分俺ができるのはせいぜい一番上だけだろう。コミュ力無いのに交渉なんかできん。そもそもギルドがどっちかわからん。てか商人もおらん。
野望は膨らみ、そして弾ける。
「とりあえず近くを探索、素材を採集しながらその”都市”を探してみます。」
ーなんかタツヤさん…冒険者っぽくなりましたね。ー
「そうですかね?」
ーえぇ、そう思いますよ。ー
「そうですか…」
嬉しいような、嫌なような変な感じ。
まあ、そんなこと考えていても仕方ないので採集。
まずは、赤いキノコ、これは赤い木にいっぱい引っ付いている。なんか赤赤うるさいけど、空以外はほんとに赤色。草も花も土までも赤色だ。
とりあえずこのキノコをまとまった数を採ると、
「一瞬意識失いまーす」
権能菜園《スキルガーデン》にキノコを保管。ひとつキノコを植えようとしたが、
///キノコ科は、なんらかの”原木”が必要になります///
と、スキルが喋ってきた。ここにきて初めて。
何か科によって違うのかもしれない、後で調べなきゃなと思う。
意識を取り戻すと、次に草を刈り始める。流石に木は切れないんでね…
残念ながらお役御免となっていたブロンズの剣でザクザク、ザクザク…
気づいたら自分の背を超えるぐらいの草の山が。
「これ、抱えて権能菜園《スキルガーデン》まで行けるのかな…」
ヒュン
「行けたな…」
おそらく体に触れていれば一緒に転移できるんだろう。これも保管。花が咲いているやつも同じように保管していく。
そして意識を戻す。
それを繰り返しているうちになんか見えてきた。
「あの…赤黒い外壁を持った要塞?城?みたいなものが見えたんですけど、ノクリアさんなんか知ってます?」
ー何もわからないですね…でもおそらくは
--- 外敵を拒む魔物の都市でしょうねー ---
--- 「ですよねー」 ---
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は、真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》探検編でした。次回はいよいよ人を拒む魔物の都市に乗り込んでいくと思います。そして、その魔物の正体が明らかになる次回は、今日8/29に投稿したいと思います。それでは次のお話で会いましょう、バイバイ!
1章2話 “carnelian citadel”
本日2話目の小説です。
今回はタツヤが魔物の巣窟へ乗り込んでいきます。
ちなみに、タイトルの“carnelian”は色名を、“citadel“は、城塞という意味を表しています。“carnelian“は赤色一覧から引っ張ってきました。適当につけてるわけじゃないんですよ。
それでは本編どうぞ!!
前回のあらすじ
真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》付近を探検&あやしい城?を発見
「どうしましょうか…堂々と侵入してみます?」
ーいえ、それは避けた方が良いかと…ー
ノクリアさんによると、昔そこそこ強かった冒険者が都市へ入って行ったところ、行方がわからなくなったらしい。数日後川から、見るも無惨なその冒険者の死骸が流れてきたんですと。
こわっ!!
「確かに下手に刺激するのはやめておいた方がいいかもしれませんね…」
ーはい、そう思います…ー
「じゃあ、迂回して探索を続けます。」
ー了解しました。私はあなたの件をギルド本部へ報告するため少し出かけます。くれぐれもお気をつけて。ー
イヤニホニウムに音声を流す発信機は固定機なので動かすことができない。
「お手を煩わせてしまい申し訳ありません。そちらこそ気をつけてくださいね。」
ーはいっー
ん?ノクリアさんちょっと鼻声だったかな?にしても1人になると心ぼそいな…
ギリッ ギリギリッ
んっ、嫌な予k
「貴様は誰だ!」
矢をつがえた魔物が、こっちに狙いを定めつつ向かってくる。ステータスが低い俺は速度も遅いため多分逃げきれない。というか…
フラグ回収早いな!!というか何あの魔物、異世界生活が短いからどの種族かわからん!!でも殺されるの嫌だからとりま交渉!!
「あ、あの冒険者のタツヤ・オオマガリと申します。えっと、あの、戦う意思はありません!持ってる武器全部置きます。」
少し惜しいが鉄の剣と、ブロンズの剣を地面に置いて手をあげ敵意はないとアピール。
「ほう、敵意はないと見た。が、捕らえられる魔物はとらえ王様に献上するのが掟…
大人しく手を鎖に繋がれろ。足と口は自由にしておいてやる。ただ、もし反抗しようものなら…
--- そこに待つのは…死だ。」 ---
迫力がえぐい!!怖い!!
ここは大人しく連行されよう。
鎖をつけられ前進させられる。こっちは城の方だ。
「そうだ、その耳につけている魔導具を外せ。」
え、やだ。ノクリアさんと通信できなくなるもん。
「いや、この魔導具は、聴力の補助をしてくれているんですよ。だから、外すと何も聞こえなくなってしまうんです。ちょっとこれだけは…」
「ほう、確かに攻撃の術式は見られないな…ただ、この能力はステータス強化系でもない…これは本当に聴力の補助をするのか?」
「はい、しますって!自分、魔法には疎いのですが、本当にこれをつけるともう…」
「わかった、もういい。時間がないんだ。行くぞ。」
そう言って剣を回収し、進み始めた。
なんだよ、人の話ぶった切りやがって。
しかも鎖をつけてるからか歩きづらいな…
すると、
「よう、どうだ捕獲対象はしっかり捕らえたか?」
「はい、大将!ここに捕獲対象を持って参りました!!」
うわ、俺を捕まえた人って立場低めの人なの!?
と言うかこのでかい斧持ったいかにも戦士みたいな人?魔物?誰?
「俺か?俺はアレイン・シュラクミィルだ。そしてここに連行してきたのは、少将のジャビィ。立場は低くないが礼儀を重んじるドワーフらしく、立場が上の者には態度が硬化するんだよ。」
あぁ、そうなんだ。ドワーフか…
ん?
--- 俺、声発してないよ? ---
「フハハハハ。申し訳ない。あまりにも敵意が見られないのでからかってみたくなった…じゃなくて、ためしたんだよ。俺はな、読心人《マインドリード》っていうEXスキルを持ってて、魔素を消費して心を読めるんだよ。」
うん、からかったよね。
にしてもさっき大将って言われてたけど陽気な人だな。
隣の斧が物騒だけど。
「大将、敵かもわからない奴にスキルなんか教えていいんですか?」
「フハハ。大丈夫だジャビィ、こいつからそんな敵意は感じられない。あと対象はこいつじゃない。まぁ、もしこのドワーフ共和国に牙を剥くようだったら
--- 殺すまでだ。 ---
フフ、ちょっとビビらせちまったかな。おい野郎どもぉお!!もうすぐ城だ!!準備はできてんだろうな!!」
「おぉぉぉぉぉお!!」
……驚くほど声のトーンが変わった。
殺気に溢れる声になった。
恐怖で一言も発せられなかった。
圧倒的な強者の声。
かと思えば。
士気を上げる統率者としての声に。
というか俺対象じゃないの?
こいつほんとに何者だ?
・・・
「おい、城に着いたぞタツヤ。お前はこれから、王の間で王様に謁見し、裁きを受ける。と言っても俺の伝令がもう行ってるから、お前は解放されるだろうがな。あと、お前まず魔物であることを否定しろ。人間じゃないと思われるぞ。じゃ、俺は用事があるんで、これで。」
人間か否かって自己申告制なの?
というかまた心を読まれている。
「あっ、ありがとうございました。」
「ハッ、連行されたのにありがとうございましたと来たか。つくづく面白いやつだな。じゃあ最後に一つ。王は、俺よりも優しく、俺よりも厳しい。まぁ、つまり嘘はつかないことだな。俺よりも見破る精度が高い。」
「はいっ!わかりました!」
「いい返事だ。またどこかで会おう。じゃあな」
行ってしまった。
敵っちゃあ敵なはずなのにいなくなると喪失感を感じさせるような人だ。
すごい優しくて、すごい強くて、すごく頼りがいのある人だと思う。
俺にはないものを持っているな。
逆に少将のジャビィとか言う奴は冷淡な感じがする。掟やらしきたりやらの類はガチガチに守るタイプだろうなと思う。
と、人間観察していると、
「おい、王の間へ行くぞ。ついてこい人間。」
「わかりました。」
とりあえず淡白な回答をして従っておく。
城に入って正面、大きな部屋、おそらく王の間に通される。
入ってみると意外にも質素な作りで、真ん中には王座があり、それを囲むように円卓が置かれている。
「こやつが我らの領地に入った人間か…」
「はい、ただ、アレイン様は敵意を感じないとおっしゃっておりまして…」
「ほう、そうか。わかった。ありがとうジャビィ。下がれ。」
「ははぁっ」
ジャビィがどこかへ行く。そしてこの部屋には…
「そちと我、二人きりで話そうじゃないか」
「はい、わかりました」
目の前にはドワーフ共和国の王様が。
「まず聞く。なぜそちはここにきた?」
「風翼竜に飛ばされてここにきました。」
「…嘘ではない…か。次だ。そちの身分と名前を言え」
「人間のギルドの冒険者、タツヤ・オオマガリと申します。」
「ほう、本当に敵意や嘘は感じられないな…では次。
--- そちの処罰、どうして欲しい?」 ---
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今日はしっかり2本投稿の約束を守ることができた…
いつもはなんだかんだで2本投稿できなかったりするのでよかったです。結構2本投稿するのキツい…
次回は、明日できたら2話投稿します。
多分しな(殴 が、がんばります……
ではまた次回!
1章3話 “dialogue with the king”
こんにちは。
前回か前々回に、〇〇〇〇編的なことを言っていましたが、確かドワーフ編だった気がします。記憶が曖昧です。覚えとけよ自分。
今日同時2話投稿してると思います。なんかモチベーションが上がらず投稿できませんでした。ごめんなさい。
もう学校始まってるんで投稿ペース落ちると思います。二週間で一章終わらせるペースで行こうと思っていますのでよろしくお願いします。
それでは本編どうぞ!
前回のあらすじ
ドワーフの兵に捕まる&王の間に通され王と会話
「自分の処罰、ですか…」
俺は今、ドワーフ共和国の兵に捕まり、共和国の王様の元へ連れてかれ、その王様に自分の処遇をどうして欲しいか聞かれている。
プレッシャーすごい…
「死ぬのは嫌です!!…」
「ほう、命乞いか…」
ちょっと癪に触ったか?
「さっぱりしていて嫌いではない。」
よかったー!この人嫌いな人はとことん嫌いそう…
「ただ、捕虜というのは無理だな…今、我が国には余裕がない。というのもすこし魔物が出ていてな…… そうだ、そちは冒険者と言っていたな…」
「は、はい。でも、全然駆け出しなんで、そんな魔物と相対するなんて…」
「そうか…じゃああの魔物と戦うのは厳しいか、ではドワーフに一切危害を与えないことを誓うならば解放してやろう」
まじか!!意外と早く解放してもらえそう!解放されてもどうすればいいかわかんないけど!
「はい、誓います!」
キュィィィィイイン ズシャシャシャーン
ん?
「何、心配することはない。私のスキル宣誓者《スェアラー》によってそちがドワーフに逆らえなくなっただけだ。」
ヤバ、、、
演出かっこよ!!!王様から光が出たと思ったら、その光が当たり判定のない鎖になって俺に刺さったらこっちに紋章が出てきた!!
かっけー!これぞ異世界!!俺のスキルとは違う!!
「そち、スキルを見て驚いているところを見ると本当に駆け出しなのだな。しかも純粋な思念しか抱いておらん…気に入った。そちは強い冒険者になるであろうよ。我になんでも質問するが良い。」
なんか俺めっちゃ気に入られてるー!しかも好きなことなんでも質問してもいいって言う(おそらく)破格の高待遇ー!
「ありがとうございます!ではまず…ここはどこで、どのように生活しているのか教えてください!」
「ほう、本当に風翼竜に飛ばされてきたようなことを言うな…ここは、真紅の森《クリムゾンフォレスト》の中央部、真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》に位置するドワーフ共和国だ。と言ってもそちらのような人間はドワーフが住むとは知らないと思うがな…ここでは、そこここに生えているキノコを食べたり、毒キノコの毒を矢に纏わせ、魔物を狩って食べたりする。」
ノクリアさんと比べ圧倒的簡潔!!
「先程、大将のような方をお見受けしたのですが、あの方の持っている斧は人間界ではとても良品だと思うのですが…やはりドワーフは鍛冶が上手なのですか?」
自分の持っている唯一のドワーフの知識を、ご機嫌取りも含めてぶつけてみる。
「あぁ、鍛冶は全体的に得意だ。彼奴の持っている斧は2000年前の鍛治士が作った錆知らずの金属が刃身に用いられているドワーフ兵団の大将に受け継がれし戦斧”ドワルドゴーン”だな。その2000年前の鍛冶士がドワーフの始祖となり、今の王家の元にあたる。鍛冶もその者が伝えて行ったらしいな。ただ斧に目をつけるとは、そち、その目は価値あるものを見分けられるようだな…」
なんか最後めっちゃ褒められた。
だいぶ好かれてるみたいだし、自分の聞いてみたかったこと聞いてみるか…
「なぜここの住民は人を拒むと言われているのですか?」
「……………ん?、そうなのか?」
「えっ、じゃあ…」
「そちと同じように人が来たら丁寧に接していたぞ。そもそも人間はなかなか来ないのだが…」
あっ!たしかに「人だから」と言う理由では何も咎められていない!
じゃあ人間の勘違いってこと?でも、
「あの、ここに来た冒険者が無惨な形で川から流れてきたって…」
「ふぅん、この近くの川というと森紅川か……… !そういえば10年ほど前、我の国のドワーフ兵団が川から襲われた人が流れていて、それを辿っていくと魔物に出会ったと言う報告があったな…思えばそれが今戦っている魔物との戦いの火蓋だったか…」
「つまり…」
「ああ、我が兵団はそのような残虐なことはしない。第一する理由がない。とすると、おそらく…」
人間の騙すための嘘か…
「そうだな。」
心読まれてる〜!!
「でも、どんな人間がそんなことを…」
「おそらく、亜魔駆逐連合だろう。亜人、魔物、転生者など、’この世界の人間以外’を駆逐する団体だ。我が国の周りの国…つまりそちがいたエリトネアの国でも結構蔓延っているのかもしれんな。我らの仲間も、何名どころではなく、何十名、何百名とやられている。」
転生者。
それは俺も該当する種族。
警戒しないとな…
「何っ、そちは転生者なのか!となるとそちは転生スキルを持つ転生の冒険者…どうか頼む、魔物討伐を手伝ってはくれぬか?」
いや、転生者にも色々いるんだよ。
「いや〜、貢献できるならしたいですけどね…自分、転生スキルが農家というスキルで…」
「…なるほど、そうか戦闘向きではないか…そう言うスキルもあるから気にするでない。事実、読心人とか言うスキルを持っている奴が我が兵団の大将になっているからな。」
「そうですね。なんか、励ましてもらえて嬉しいです。ありがとうございます。」
ただ、このままでは終われない。俺には、夢物語だと思っていた一案があるっ!
「あの、私これでもギルドの一冒険者です。私のギルドには、その亜魔駆逐連合というものはいないと言い切れます。なので、
--- 私のギルドと交易してくださいませんか?」 ---
「フハハハハハハ、ハハハハハハァ………急に口調が変わったから何だと思ったら、我が生涯で聞いたことのうち一番面白いことを言いよった。しかも純情。いいだろう。ドワーフ共和国の国王、ハイルツェン・ドルクベルクは
--- タツヤ・オオマガリの所属するギルドと交易関係を結ぶ!」 ---
ハイルツェン・ドルクベルクって言うんだ…
知らなかった!
「そうだなそういえば名乗っていなかったな。まあ長いから「ハイル」とでも呼んでくれ。」
「わk
「ちょっとお待ちください陛下!こんなどこの馬の骨かもわからないものと公約を結ぶなんて!もう少し考えなければ!」
扉の裏で聞いていたのだろうジャビィが飛び込んできた。
「いや、これは国王決定だ。すぐ書類と公布の準備をしろ。この戦いが終わったらすぐ公布をする。大将たちにも言っておけ。ところでそち、交易関係を結ぶのは良いが…
--- どうやってそのギルドに帰るのだ?」 ---
た・し・か・に!
スクロールお疲れ様でした。そして最後までお読みいただきありがとうございました。
だんだん文字数も増えてきましたね…最終的には3000文字ぐらいで安定させたいと思っております。
次回は今日か明日1話投稿、次々回は明明後日にも1話投稿をしたいと思っています。
はたしてタツヤはどうなってしまうのか?
しっかり投稿できるのか?
真相は闇の中…ではまた次回!!
1章2.5話 “Nocria hydrangea”
本日投稿の2話目で、外伝的なやつです。今回はギルドへ出向くノクリアさん視点となっております。時間軸的には前話のノクリアさんが通信を切った時からですね。初めて別の視点で書くのでミスがあるかもしれません。というかあります。
ところで、前話で出てきたジャビィさん、野球の巨人のマスコットキャラクターらしいです。何も被りのない名前を捻り出すのは難しい。
それでは本編どうぞ!!
「そちらも気をつけてくださいね」
そう言って私は魔源を切った。
「ちょっと嘘ついちゃったけど…仕方ないですよね。」
いつものギルドの制服から夏らしい白地に紫のダリア柄のワンピースを着替える。脚に深いスリットの入ったワンピースは目立たないことはないが、隠したいことは気配ではないので問題ない。ささっと着終えるとぱっと目についた黄色のバッグを手に取り、その中に必要なものを入れる。
そのまま玄関へ向かいくるっと姿見の前で一回転する。濃い紫の髪に紫のダリア柄。そこに差し色の黄色バッグ。
「なかなかいいじゃないですか。」
そんなことを言いながらギルドを後にする。と正面に手配しておいた馬車が。
「ノクリア様、本日はどこまででございましょうか?」
「今日は王国ギルド本部へお願いします。」
「わかりました。」
「ありがとうございます。いつも助かっておりますセルディアさん。」
馬車を運転しているのはセルディア・ライフォス。彼は王族騎兵隊の一員で主に要人の護送をしている。いかにも好青年といった感じの風合いだ。
「ノクリア様のところに入ってきた新入りはどんな風なんで?」
「いや、その新入りのことをギルドの支部長として伝えに行くのですよ…実は新入りさんが狩猟祭で風翼竜と邂逅しまして…それで、どうも真紅の森《クリムゾンフォレスト》方向に飛ばされたようなんですよ。」
「あー…初心者なんですよね?」
「はい、初心者も初心者、しかも私が見た中で最弱のステータスという…私は彼が死ぬところを聴きたくないからイヤホニウムの魔源を切ったんですよ…」
沈黙
「すいませんね、気まずい話題をふっちまって。でもまだわからないじゃないですか。うまくやっていることを祈りましょうや。」
「はい……そうですね。」
心なしか自分の声が涙声になっている気がする。
多くの冒険者が死んでしまうのを聞いた経験はある。
なんなら見たことまである。
でも何故だろう。
苦しい。
胸が苦しい。
色々あったが、特に最期の一言
「そちらこそ気をつけてくださいね。」
自分を気遣ってくれる人もおらず一人でギルドを切り盛りしてきた。
ここまで気を張っていたが、感情が溢れ出した。
「あれ、寝てしまっていましたか?」
「あぁ。それはもうぐっすり。もうすぐ着くから準備しておきなされ。」
「ありがとうございます。」
そう言って荷物を整える。
「着きましたよ。気をつけて降りなさいね。」
「はい。ありがとうございます。」
そう言って馬車を降り、王城と隣接する王国ギルド本部へ向かう。
「落ち込んでちゃいられない。頑張らないと。」
「御免くださ〜い。ミハゼギルドの、ノクリア・ハイドランジアです。」
「はいっ!ギルド担当のチェリです!本日のご用件は!?」
「フフ、チェリさんはいつも元気ですね。こちらも元気をもらえます。今回はかくかくしかじかでして…」
「なるほど!報告ですね!上の者に伝えておきます!」
「はい、ありがとうございます。では。」
あの子は受付嬢のチェリさん。いつも元気で少しうるさいけど、今回ばかりは元気をもらった気がする。
そして歩みを進めるは…
--- 王城 ---
入口から入ると、右手に進む。人目につかないことを確認し、紫陽花の加護を使い封印を解く。そして…
「転移」
光に包まれ転移された先には…
私。
その私に声をかける。
「いつもありがとうございます、アザー・ノクリア。」
彼女はもう一人のノクリア|《アザー・ノクリア》
王都や王城で私になってくれている、要は影武者。ただその関係は影武者と主人なんてものではなく、親友同士のようなものだ。
「いえ、そんなお褒めいただけることなど何もしておりませぬ、ノクリア様。」
「いいや、あなたは王都で完璧に私をこなしてくれているじゃないですか。」
「ありがとうございます。そうだ、ノクリア様。」
「ええ、分かっています。」
今は盗み聞きされる恐れがあるので私語を交わすことさえ叶わない。
王族やら貴族やらはなんでもするから怖いのだ。
私は私を演じている友とプライベートな話をする間も無く、また、冒険者に心の中で別れを告げるまもなく本題へ立ち向かう。
今日私がここにきたのは国王の誕生日を祝うため。はっきり言って国王や姫は嫌いだ。と言っても向こうは無関心だが。王は元々転生者で、固有スキル”龍胆華撃”を使って魔物を撃破し人気を得てきた。だから、このエリトネアは”スキル至上主義の社会”になっているのだろう。
人気を得るために、友好的な魔物はおろか、自分と同じ転生者まで駆逐し、果てには前王の禁止していた対魔物、対亜人、異世界人の戦闘団体を作る始末。
また、その周りのお偉いさんたちも、私は苦手だ。
例えば、汚い手、非情な手を使っても権力を手に入れようとするところ。
私は6男8女の14兄弟の7女に生まれて、直前と直後に可愛がられる定めを背負っている(と思う)末っ子の6男と8女が産まれたため、可愛がられずに育ってきた。
その中、《アザー・ノクリア》と出会った。彼女は、私の悩みや不満を聞いてくれる唯一の友達で、私が何をするにも助けてくれた。
そんな環境によって他の兄弟とは違う考えを持ったのかもしれない。今ではそれが幸せだと思っている。
回想を巡らせているうちに、会場「王の間」についた。豪華絢爛を尽くしたようなデザインになっている。真ん中にはぽつんと王座が一つ。その後ろには他の王族が座る椅子がある。
いよいよこの時が来た。
この時しかないのだ。
《アザー・ノクリア》扮する執事が言う。
「エリトネア王ハイドランジア家の7女、ノクリア・ハイドランジア姫入られま〜す。」
スクロールお疲れ様でした!
今回は伏線もりもり&次のお話との対比もりもりになっております。
終わり方も微妙な終わり方にしました。
その次のお話というのは今日、同時に投稿されておりますので、よければご覧ください。
それではまた次回!
1章4話 ”angry bear”
お久しぶりです。忙しすぎて全然投稿できませんでした。
ごめんなさい。
まあ、言うて結構投稿し、して……9日?
部活に授業に立て込んで、時間があっても構想が浮かばず……ごめんなさい!
引っ張りに引っ張った1章4話、本編どうぞ!!
前回(3話)のあらすじ
タツヤ、王と対話しタツヤの所属するギルドと公約を結ぶ。
「ふわぁぁ〜」
俺はドワーフの王に邪念なく接したことで信用を勝ち取り、今は客を迎える部屋へ通されている。
「じゃあ散歩するか…」
俺は向こうのギルドへ行く手立てが出るまで解放されていた。特にやることもないのでお手伝いという名の見張り、少し堅苦しくて距離感の微妙なジャビィと共に散歩へ行く。
そして…
「これはフレイムキノコというもので火を出せるな、それからこっちはラヴァゴケという名の溶岩ゴケの一種だ。」
「おぉ、マジか!えっ、じゃあこの赤地に黄色いボツボツのやつは?」
「おい!それはベニコガネタケじゃないか!それは《炎雷》を発生させる希少種だぞ!よくみつけたな!」
めっちゃ意気投合した。
ジャビィは元々この森の植物に興味があったらしく、めちゃめちゃ詳しい。俺はスキルで栽培する可能性があるから、情報を集めているのだが…
植物がめっちゃかっこいい!
キノコは原木がないと栽培できないけど、原木は無限種袋《シードパック》から出た苗木じゃないとダメっぽい。種袋に苗木というところに突っ込んではいけない。
突っ込むの、ダメ。ゼッタイ。
ベニコガネタケを回収して一旦城に帰る。俺も真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》の植物は一通り回収した(と思われる)からな。
そんなこんなの帰り道の途中。
「よう、調子はどうだ、タツヤ?」
「あっ、アレインさん!」
歩いていた道の左、15m程上からアレインさんが見下ろしていた。
「こんなところで何してるんですか?」
「んあ?ちょうどさっきまで土赤熊《グレボファ》って言う赤くてでっけー熊と戦ってたんだがよ、、どこ行ったんだ?」
「地に潜っているというところでしょうか、大将?」
「ああそうだろうな…」
どうやらその熊は、赤く、地面に潜るらしい。いくらドワーフの兵団とはいえ地面に潜ると手出しできないだろうからな…
もしかしてあの魔物か?
「その熊が森紅川の近くで人間を……?」
「いや、容姿はよく似ているが、今狩っている魔物は比較的弱い。しかもあいつの肉はうめえってそれは関係ないな。」
一息置いてからアレインさんがつづける。
「川の近くでヒトを殺したのは紅怒熊《アグリスファ》だな。強さももちろん違うし、赤みが強いため別個体だと言われている。」
なるほどねぇ。今狩っているのは弱いんだ…
赤い熊、怖いけどなぁ…
「大将、報告が。」
「おう、どうしたジャビィ?」
「そちらのタツヤとキノコ狩り…いえキノコの調査へ行きましたところ、こちらのベニコガネタケを見つけまして…」
いつのまにかジャビィが上に登っている。俺も登ろう。と。
グラグラグラ……ズシャァァァアアアア
俺がジャビィたちの方へ行くために登るはずだった壁から、紅い大きな…
熊。
絶対今話題に上がった熊じゃん!!
今いた道のようなところは、左側は15m上がっているが、右側は崖っぽくなっている。
土赤熊とかいう熊に突き落とされた俺は吹っ飛んで、その崖に吸い込まれていく。
「権能菜園《スキルガーデン》!!」
素早く権能菜園《スキルガーデン》に入り込むと、「ヤワラカホウシタケ」というものを手に取る。これは俺が風翼竜に飛ばされた時に…ってそんな場合じゃねぇ!
スキルを解除しヤワラカホウシタケを下に敷いて落ちる。お陰で落下死は免れたが…
グルァァァァァァ
おそらく、『お前の肉を食わせろ!』とさけんでいるだろう土赤熊が目の前に。
「すまない、どうにかして回避してくれ!こちらもすぐにそちらへ向かう!」
アレインさんが、無茶振りを寄越す。
自分の(C級冒険者の)鉄剣は没収されたままなので武器は真紅の憩い場《クリムゾンオアシス》の植物だな。つまり一応は反撃はできる。
一応。
「うわぁああああああ」
ただ、その植物たちを出すためには、一旦昏睡しなければならない。したがって逃げるしかなく、間抜けな声を上げながらどんどん道から離れる方向に走り続けている。
「おっと!」
自分の左側に爪が振られる。地面が抉られボコボコになるが、
「風翼竜ほどではないな…」
俺は武器も(ほぼ)持っていなければ、装備もなく、スキル、魔法も使えない。だが、風翼竜からは(半強制的に)逃げられた。つまりこいつからも…
土赤熊が地中に潜り、自分の左側からとびだしてくる。
仕方なく、進路を若干右に取る。が、
「やべぇ!」
正面に石の崖がそびえ立っていた。
まずい。すぐそこにはあの熊が。
あっ!いいこと思いついた!
「来いよバカグマ!」
咄嗟に思いついた策のため崖の前で反転し自分の方へ引き付け、土赤熊と正面から向き合う。
土赤熊は全力で突進してくる。当たったら間違いなくぺちゃんこだ。ただ、回避できるギリギリの瞬間。
「当たるかぁああ」
こちらも全力で回避する。すると、
ズゥウウウン ゴロッ ゴロロッガラガラガラガラ
崖に全力で突っ込ませて頭を攻撃するという策に思いっきりハマってくれた。崖から石も落ちてきたのでさらにダメージは入っているだろう。この間に俺は、
「権能菜園ッ《スキルガーデン》!」
本日二度目のスキル使用。一旦昏睡しつつ、目の前に壁のように積まれ、奥の畑が見えない程の植物のうち2、3種を手に取って意識を戻す。
ヴァァァァァアアアアアアンッッ
さっきの熊がもう意識を取り戻している。
ん?
なんかさっきいた魔物と違うぞ?て言うかアレ…
紅怒熊じゃね?
「うわぁぁああああああ」
本日二度目の悲鳴と共にまたまた逃走。
「ドワーフたちは別個体って言ってたけどな…」
というかそれよりも…
「キリがねェな…よし、さっき出したヤツ使うか…」
走りつつ跳躍。真下にラヴァゴケを投げつける。
この苔は溶岩ゴケの…とか言ってたからダメージが少しくらい入るんじゃないか?
ギャジュゥゥゥゥン
紅怒熊がラヴァゴケを踏む。高熱の溶岩が紅怒熊をおそ…
襲わない。正確には襲ったが効いていない。
「どうすんだよ…」 ・・
火効かねぇのかよ!俺が持っているのは火を出す植物ばっか。おそらくほぼ全て効果がない。
とその時。
パキューーン パキューーン
「大丈夫かタツヤ!」
「はい、なんとか!」
崖の上から、見知ったドワーフたちが。どうやら一周して落ちたところに戻ってきていたようだ。
さらにアレインさんの指揮によって一斉に放たれた矢が紅怒熊に命中する。しかし、
ガキキキキン
全て弾かれた。
「あぁ!?アレ紅怒熊じゃねぇか!」
「なんか追われてる途中に…って悠長に話してる暇はないんですよ!矢を喰らっても微動だにしていないじゃないですか!」
事実、30mほど離れたところにいる紅怒熊はピクリともしない。
「いや、あの矢にはベニコガネタケの力を付与してある。弾かれても、少し効果時間が短いが痺れている筈だ。」
「え!今あいつ動けないんですか!?じゃあちょっと失礼します!
--- 権能菜園《スキルガーデン》」 ---
入るとやはりうすだかく積まれた植物が。だが、
「おりゃー!」 ・・
その植物たちには目もくれず、とある植物を収穫し、意識を戻す。
目の前には動けるようになった紅怒熊が。
ドワーフたちも二の矢をつがえているが直接攻撃ができず矢も弾かれ効き目がないため一対一の状態だ。
紅怒熊は、大きく右足を後ろに下げると、地面を蹴り突進してくる。
土赤熊とは攻撃力も硬さも速度も桁違いだ。
「うぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!」
真正面から切り札を持って突進と相対する。そして…
最後まで読んでいただきありがとうございます!
いつか、人気を上げるために何かしたいと言ったのを思い出しました。
多分戦闘シーン少なめ&わかりづらいで人気がないんだと思いますが…
2つほど「企画」的なものを考えてきましたのでご覧くださいませ。
1、1章完結でリク箱設置!
もう見たまんまですね。一応これからどんどん作物や魔物出していく予定なのでそれのリクエスト箱と、100%書く小説箱を作りたいと思います。
2、2or3章完結で最大文字数まで書く「『ゴミ農』図鑑」執筆!
まず『ゴミ農』というのは、この小説のことです。長いんで略しました。
これはかなりの鬼畜で、初の小説以外&タイトル100+前書き2000+本文70000+後書き2000全てしっかり文章(箇条書きですが…)で埋めようと言うものです。
現在最高文字数が 謹賀鐡道の拠る様の「月の月面ハイブリッドフューチャー都都逸速報」という作品です。これを超え、さらに誰にも超えられないようにしようと思っているのですが…懸念点としてその期間全く投稿しなくなると言うのとシリーズの名前の長さで抜かれるということがあるのですが…
結構発表盛りだくさんでしたが、次回は明後日に、2本投稿したいと思っています。
次回はしっかり投稿します…多分
それではまた次回!
1章5話 “rematch”
こんにちは。
まーた遅れた。と言っても今回は…
ににに、にじゅうごにち!(狂気)
今回はどうしても同時投稿が良かったもので…すいません。
こちらは早めに書き切ったのですが6話の構成が…次回頑張ります!
それでは超低浮上者の小説、本編どうぞ!!
前回のあらすじ
土赤熊と戦闘&紅怒熊と邂逅、相対する!
「うぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!」
俺が今片手に持っているのはテストで植えていたマクワウリ。というかマクワウリの形をした魔導具だ。
現在こっちに突っ込んできている紅怒熊には火が効かない。このマクワウリ|《切り札》の効果が火系ではなく、かつ前提としてゴミステータスの俺が紅怒熊に当てなければ効果はない。そして同時に俺の命もない。
とてつもないスピードの紅怒熊の突進を迎え撃つ。
スピードと威力は凄まじいが怒りに我を忘れ、本能だけで動いているため少し横にずれただけで回避することは可能だ。
だが、
「そりゃぁあああ!」
真っ向から迎え撃つ。命中率が一番高いと踏んだからだ。
一瞬の後、突進が当たる前触れとも言わんばかりの風が体に吹き付ける。
その瞬間跳躍する。
「とりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!」
ぎゃるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうううん!
咆哮、そして交錯。
ドンッ グシャリッ
突進はかすった。が、マクワウリをヒットさせることには成功している。あとはマクワウリの効果を祈るのみ。
ドォゴォォォォォォオォォン
金色のエネルギーが迸る。
それはとても純粋なエネルギー。そしてそれは爆発的に紅怒熊を襲う。
ドカァアズドォォドシュゥゥンズガァアン
そして、これでとどめだと言わんばかりの大きな爆発が起きる。
ドゴォォォォォォォオオオオオン
会心の一撃と共に紅怒熊が散る。
それを合図に、
「「「うぉぉぉぉおおおおおおおおお!!」」」
ドワーフからの割れんばかりの喝采が。
そして、
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《イワトウガン》が作成できるようになりました。 ---
おぉ!やったー!
この世界に来て初めてレベル上がったー!そして新作物!これはイワトウg
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《スピードハヤトウリ》が作成できるようになりました。 ---
お!あの魔物結構な経験値を持ってたんだな。お次はスピードハヤトウリねぇ…
ウリばっk
--- レベルが上がりました。 ---
:
:
:
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《ヤリパラガス》が作成できるようになりました。 ---
やっと終わった。
具体的に言うと1lvにつき5秒かかり、132lv上がったから…
11分!oh my god!レベルアップの演出が続いていたわけだ。ただ、その分育てることのできる作物も増えたしな…
--- スキルレベルがアップしました。 ---
まだ終わってなかったか。
あの魔物実はヤベェんじゃねえか………ステータス見てみよ。
「オープンステータス」
さっ、どんぐらい成長してるかな…?
名前:タツヤ・オオマガリ lv,133
称号:紅怒熊狩り
加護:なし
体力:1000
攻撃力:130
防御力:260
スタミナ:340
素早さ:95
賢さ:150
保有魔素量:75000
魔素還元率:0.01%
色素:緑
EXスキル:なし
固有スキル:《複合》農家Lv,2
スキル権能:権能菜園|《スキルガーデン》(仮想空間)へ入り込む能力。そこへは、植物の力が強いものしか持っていけない。その空間は、発動者が、気温、地形、湿度を改変することができる。発動中、現実の発動者は昏睡状態へ陥る。
無限種袋:|《シードパック》を出す能力。その袋は、権能菜園内で使用でき、75魔素をこめることで、作物を魔導具化させ出現させることができる。なお、出現可能作物は、lvが上がるごとにランダムで解放。
NEW! 植物図鑑:|《プラントピクトリアル》を閲覧する能力。自身が出現させることのできる作物及び自身が視認、接触したことのある作物を一覧にしたもので、その作物の科目や能力をしることができる。また、自身の記憶にある作物を検索することができる。
NEW! 作物肥箱:|《プラントコンポスター》を権能菜園内に自由に設置、撤去する能力。設置した箱に作物を入れることで有機肥料を生成する能力。その肥料は、成長時間を大幅に短縮する。
魔法:能力開示…オープンステータス 消費魔素…0
Rank:D-
ステータス変化こそなかったが、スキルの変化は…どうなんだろ。使えんのかな?
じゃ、新しい作物育てに行きますか!Let’s go!
「すいません意識失いま〜す」
バタッ
「おいタツヤ!いや、脈はあるな…疲れちまったんだろう。にしても…
--- 不穏な風だ…」 ---
ここで俺の意識は切れた。そして…
「すげー!これ全部育つの!?じゃあ一旦5つずつ植えて……お!もう育ったのがある!
なになに〜、これは《ザッソウ》って言うのか…雑草じゃん!HAHAHA!」
テンションをバグらせながら研究していた。
「成る程、これで肥料ができるのか!じゃあこれを量産して肥料をいっぱい作ってもう一回量産してってOTTO!もう魔素がないのか…魔素を回復する野菜はないのかな?っとここで発動!植物図鑑《プラントピクトリアル》!うーん?これか?マジカルモロヘイヤ!おぉ!魔力全回復!これで無限に作物育てられるじゃん!じゃもっかい全部植えて…もう一回植物図鑑《プラントピクトリアル》!紅怒熊を倒したのは…ピュアマクワって言うんだ!効果:発動した人のピュアパワーを使って攻撃する。発動後1時間テンションがおかしくなる。なるほど!だから俺はテンション爆上がり状態なのか!ピュアマクワの分類は…なにこれ深緑瓜類?ピクト〜これどう言うこと教えて〜」
長文の独り言の後、スキルに話しかける始末だ。プラントピクトリアル略して「ピクト」…これはひどいな…
///そちらは分類となっております。分類の一覧を表示しますか?///
「うん表示して〜」
///分類の一覧です。[]がついているものは解放済みです///
他分類…キノコ類、海藻類、山菜類、香草類、[食種類]
食葉花目…特異作物、虹色花類、[緑黄葉類]
食根茎目…特異作物、[薄白茎類]、[土白根類]
食実果目…紺紫茄類、[翡翠豆類]、[深緑瓜類]
全く…スキルに話しかけても返事なんか…来るわけ……
ん゛?
返事どころか分類まで出てきてるぞ?
///驚かせてしまって申し訳ありません。しかし主の呼びかけには応じなければならないので…///
機械的な女性の声がする。言うなればSiri。というかほぼSiri。
///私は植物図鑑《プラントピクトリアル》のスキルの一部、核の部分である、図鑑核《ピクト》と申します。///
す、すげぇ!よくわからんけど!何ができるんだろ?
///検索の補助、スキルの管理、及びスキル内事象の通知が可能です。///
すげぇえええ!チートだぁあああ!これが異世界!これぞ異世界!
///ちなみに現在スキルの統廃合によってスキル 農家 の進化が可能です。いかが致しましょう?///
是非!と言いかけてふと我に帰る。
「いや、いい。あんまし長く気絶してると心配されちゃうからな。」
そう言って6種程植物を持ち意識を戻す。小1時間気絶していたからスキル外も久々だ。
キャァァァアア ビュゥウウウウウン ウワァアアアア
ドワーフ共和国はとある魔物によって壊滅寸前まで追い込まれていた。
そしてその魔物はゆっくりとこちらを向き、
ピュォォオオオオオオ
「挨拶がわりの突風かよ…
--- 風翼竜。再戦の刻だな。」 ---
最後まで読んでいただきありがとうございました!
最後の方に出てきた図鑑核の設定なんかはまんまスライムが無双するお話に似てて怖いです。気をつけます。
この小説と同時に1章6話、リク箱も設置したと思います。
リクエスト箱はこの小説についてのものに加え、100%書く小説リクも受け付けております。R18は書かないですが…(100%とは)
結局文字数は400字にしました。なんでってほら…あの…えっと…そう原稿用紙!原稿用紙一枚分だからです(胸張り&ドヤ顔)
是非是非リク箱及びコメントお願いします!
それではまた次回!
おまけ〜「それでは」を誤字りまくった人〜
そrwdrわ
1章6話 “settlement”
本日二本目の投稿となります。
今回で1章完結となります。次は2章…の前に1個挟みたいと思っています。
ただ、いつもと違う作り方をしたり、1章も見直さなきゃなので…1週間!1週間のうちには投稿するようにします。
それではドワーフ編最終話本編どうぞ!
前回のあらすじ
紅怒熊を討伐しレベルアップ&風翼竜と再戦
「風翼竜…再戦の刻だな。」
ちょっとカッコつけて言っているものの内心ガクフルである。
「にしても俺がスキルの中に行ってる間にこっぴどくやられたな…」
事実ドワーフ王国は甚大な被害を受けており、周りの民家はほぼほぼ壊滅、城も辛うじて立っているものの屋根の飾りは根元から取れて道路に転がっている。そしてその大きな理由が風翼竜の…
「身に纏ってる竜巻だな。」
「うわっ!急に話しかけて来ないでくださいよアレインさん!」
「いや、アレインでいいよ。お前は紅怒熊を倒した英雄じゃねぇか。」
英雄ねぇ、悪くない…ってそんなこと言ってる場合じゃないんだよ!
「住民の避難は風翼竜が竜巻を纏っている間に済ませてある。俺らの矢は風に煽られて効かねぇ。ちょうど城も建て替えを考えてた頃だ、派手にかましてくれよ。」
「俺と風翼竜の攻撃を建て替えに使わないでくださいよ!っと、そんなこと話してたら…
--- 来たな風翼竜。」 ---
自分は基本的に助けることのできる人に対してはできる限り手を伸ばす主義だ。だからこの世界に来る時もトラックから子供を庇ったわけだ。
ただ今回はいくら関係ないからってかなりの大人数が住んでいたので住民について気になってはいた。その疑念が晴れた以上後は…
「ん?切れたな…」
ピュアマクワの精神異常効果も完全に切れた。
風翼竜はこちらを向いてきりもみ回転しながら突進してくる。
それを見つつ呟く。
「何が”気にはなっていた”だよ。忘れてたくせに。住人のことなんかこれっぽっちも覚えてなかったくせに。」
本当は。
住民のことなんてすっかり忘れてた。
無傷だったとはいえ助けることのできる力があったのに助けなかった懺悔。
精神異常があったとはいえ助けようとしたかのように欺いた。そのことへの…
--- “償いを。” ---
そう決まったなら後は。
--- 「ぶっ放すだけだぁぁああああ!!」 ---
想いの咆哮。そしてそれと同時に突進が襲いかかる。
まず《バリアノザワナ》を展開し突進を防ぐ。名前の通りに出てきたバリアは強い衝撃を受けると砕けてしまう性質のようで、一瞬で砕けてしまった。ただ俺が宣言したのは「ぶっ放す」。自分も次々と野菜を出していかないとやられる。
カウンターの様に《ツルギミツバ》を出現させる。飛ぶ斬撃を放つ三叉の剣を振るう。しかし尾に少しダメージを入れた程度で、風翼竜は気にもせず攻撃を続ける。風翼竜はそのまま回転し鱗を飛ばす。
「邪魔ぁあ!」
鱗が邪魔で追撃できないため自分も後ろへ下がり仕切り直しの形に。
「バケモンだろこいつ…」
言葉とは裏腹に前方向へ一歩踏み出す。そして《ボムペポ》を投擲する。ペポというのはペポカボチャのことでってそんなことを考えているとボムペポが命中した音がする。
命中しただけ?そう思うだろう。あくまでもボムなので、
「《メラビーツ》!!」
火を与えれば、
ドゴォォォォォォォォオオオオオオン
「これでいったろ…」
ド派手に爆発する。が、
ギャルぅううぉおおおおオン
「爆発効かないの!?」
聞こえてきた咆哮および風翼竜の影に焦る。
「ヤバい、手駒が足りん!」
次々と植物を出したために残る植物は2種。1種はマクワウリでもう一種は…
「《スイミンレタス》!!」
一旦眠らせるが、これもいつ解けるかわからないので素早くスキルの中に入る。
「権能菜…!アレインさん?どうしたんですか?」
が、急に斧を携えたアレインさんが走り寄ってくる。
「奴に火属性は効かないらしい。雷属性で攻めろ。」
「あっ、ありがとうございます!…権能菜園《スキルガーデン》(ぼそっ
会話中にスキルを発動させ植物を取るという荒技。
「って感じでな、ジャビィが調べてくれたんだ。」
なんか言ってたけど気づかれてなさそうだな。
「何を気づいてないって?」
アレインさん心読めるんだったー!まあ、それより攻略法が大事なんだけど…
「はいっ!すみません!……で、アレインさんは戦うんですか?」
「あぁ、俺も斧取ってきたから戦わせてもらうよ。」
「ありがとうございます!では、」
ギャァゥウ? ウヴァァァァァアアアアアアア
「行きますか!」
「おぉ!」
起床した風翼竜の右脚の方向へアレインさんが先陣を切る。風翼竜は翼を振るいアレインさんを振り払おうとする。が、
「《イナズマライス》!」
ガラ空きの左翼へ稲妻を帯びる稲穂をぶつけ、スパークさせる。こちらを向いた風翼竜だったが、
「セイッ!!」
アレインさんが斧をぶん回して攻撃する。それなりのダメージが入っていると思われるにも関わらず風翼竜は一回転し、尾でアレインさんと俺をすっ飛ばす。受け身は取るものの
「グハッ」 「ゴフッ」
地に打ちつけられる。だが、
「負けるわけには!!」
自分の言葉にアレインさんが続く。
「いかねぇんだよ!!」
ただ、気合だけでなんとかなる相手ではないのは自分もアレインさんも百も承知。
「俺が引きつける。最大級の|技《野菜》頼んだぞ。」
「はい、ご注文は承りました!」
自分は隙を探しつつ、植物で陣形を組んでいく。
ぎゃぅゥウうィオぉん「ううぉ!」「そぉいやぁあ!!」ギゃリュぁうォおぉォおぉん
嵐のような噛みつきを、斧で防ぎ、カウンターを放つも、風を裂く引っ掻きで合わせる
超高速の攻防の中。
「菜弩和威!《ベジドレスバリスタ》!」
《イワトウガン》に《ボムペポ》《ハレツモロコシ》を《オオユミササゲ》につがえて放つ。着弾したら大きな…
躱された。
そのまま風翼竜は空へ舞い上がり竜巻を纏う。さらに爪の斬撃も加わりそれは正に嵐。
そしてそのまま地へと迫る。
何度も見て何度も食らったあの突進だ。回避も間に合わない。
アレインさんの絶望した顔が見える。そして俺は…
--- フッ ---
笑う。
ただ今回は|自嘲る《わらう》んじゃ無い。|勝者の笑み《わらう》。
・
先刻放った技は、最後の1文字にもあるように威嚇用で、着弾すると大きな音が鳴る。
そしてそれを回避する事まで読んだ…
--- 俺の勝ちだ、風翼竜。 ---
風翼竜は突進をやめない。そして地面に触れる直前。
--- 「雷霆ノ菜盛《ケラウノサラダ》 ---
ゴロゴロ ピカっ ヴァルリィィィィイイ
《ヤリパラガス》に《イナズマライス》、《プラズマクワイ》を、再び《オオユミササゲ》を基に組み合わせ放つ。
稲妻が迸り、翼鱗の一つ一つまで電気が流れる。
体が痺れ、突進していた風翼竜が堕ちて行く。
ズガァァアアン
「やったな、タツヤ!お疲れさん。」
そんな労いの言葉をかけてくれるアレインさんの言葉も聞こえないくらい自分は…
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《トゲクロゴマ》が作成できるようになりました。 ---
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《タイケンナタマメ》が作成できるようになりました。 ---
--- レベルが上がりました。 ---
:
:
:
アレに悩まされていた。
--- スキルレベルがアップしました。 ---
「ふぅ、やっと終わったな…」
「あぁ、俺らの戦いにお前は終止符を打ったんだよ…」
なんか微妙に話が噛み合ってn
「ん、ん〜ってここどこ!?なんで寝てるの!?」
「おい、慌てんな。お前はあの後疲れてちょっとばかしおねんねしてたんだよ。」
一瞬焦ったが隣から聞こえるアレインさんの声に安心する。
「それで、ここは…?」
「あぁ、これから始まるのはお前の
--- 戴冠式だよ。」 ---
ということで、だいぶ間開きましたが1章完結です!
疲れた〜!!
途中久々の応援コメントいただきました!
マジで元気出た!!コメントの力は偉大だ!
……ぜひコメントを(小声)
次回は案外すぐに出せるかもです。2章1話は…いつになるかな?
投稿不定期低浮小説家の異世界転生物語、お楽しみいただけると幸いです。
それではまた次回!!
A template different world reincarnation story where the garbage skill “farmer” kicks out the enemy
タイトルが長い!!!
こんにちは、お知らせの直後、新規さんがいるかもしれないのに長編をぶっこむ轍刹沌です。長編と言っても総集編ということで…
今まで書いた小説をコピペ!
短くして、話をつなげて、添削して…
完成!
普段ではあり得ない文字数を見ました…
それでは本編どうぞ!!
「俺は、本当に……」
「特にやることないし、ゲーセンでも行くか…」
俺は大曲辰家、中学3年生、15歳。
父親は蒸発、母親は、3歳下の弟にべったりで、俺に興味どころか、敵意すら向けてくる。学校では俗に言う’モブ’。そんなんだから居場所もなく夏休みでも寂しく一人でゲーセンへと向かっているというわけだ。
はいはいそーです!オレはボッチです!!!
「チッ」
半ばヤケになっていると眼前の信号が赤に。流石に信号無視するほど馬鹿ではないので大人しく止まる。
「新作のピックマン、今日は空いてるかなぁ?」
ゲーセンで何やろうかなどとくだらんことを考えていると、
「うわっ!びっくりした!!」
11、12歳ぐらいの子供が隣をすり抜けていった。
そして車道から走ってくる当たったらタダじゃ済まなそうなトラック。
自分の性格は轢かれそうになっている子供をほっとけるほど冷酷ではない。
「きゃーーー!」
その悲鳴と同時に、
「おらぁぁあああ!!!」
強引に子供を押し飛ばし、トラックと、子供の間に身を入れる。
「俺が死んだらHDDを…確かそんなかんじだよな?」
転生したら〜の漫画のセリフを思い出す。
こんな状態なのに笑えてくる。
死んでもおかしくない。
…というか何かが起きない限り確実に死ぬ。でも何故だろうか、この状況がとてもおかしく、そして、とても気持ちよく感じた。
強い衝撃が自分の身体を駆け抜けていく。
「ウッ、、、グハッ!!」
. . . .
この世界での最後の記憶は、口をあんぐり開けている子供を微笑んで見ている自分だった。
ーーー死ぬんだな。ーーー
意識が飛んだ。
--- 黒… ---
--- 黒… ---
「んっ?」
おきた。
起きた?
「お目覚めになられましたか?」
知らない人の声。
「あれ?俺は死んだんじゃ?」
「え?路上で倒れていらっしゃったから、上位魔法”エヴォヒール”で治療を…」
あぁ、交通事故で倒れて、病院に運ばれたのか。
そして、上級魔法の、”エヴォヒール”で…
“えゔぉひーる?”
なんだそれ?頭の理解が追いつかない。
あれ?もしかして…
「この世界って魔法とかあったりします?」
「はい。ありますよ。」
もしや、
俺は、本当に…
「異世界転生したーーーーー!」
「その反応を見る限りどうやら転生してしまったようですね〜。」
俺を治してくれた19〜20の年頃の女性が言う。そういえば俺この人の名前知らないな。
「あ、はい。転生してしまったようでして…ちなみにあなたのお名前教えていただいても…」
コミュ力のなさが露呈している。
「あ、私、ノクリア・ハイドランジアと言います。」
ハイドランジア。
確か英語でアジサイっていう意味だった気がする。
なかなかいい名前だな〜と、どの口が言ってんだみたいなことを考えていると、
「あの、あなたのお名前も教えていただけると嬉しいのですが……」
そうか、自分も名乗らなきゃと思い、
「あっ、タツヤと申します…」
「あの、下のお名前は…あっ、別に言いたくないなら全然いいんですけど…」
確かに英語圏っぽいから、名乗るなら“タツヤ・オオマガリ”になる。なぜ英語圏で英語赤点の俺が会話できているかは知らん。
というか…
「あの、これから何されるんですか?」
そうですよね!これから何すんだって話ですよね!お世話になるわけにもいかないし!
「あの…よければ私の所で働きませんか?」
そうですよね!そんな就職先が早くに決まるなんてこと…
え?
いまなんて?
ハタラキマセンカ?
「え、い、い、い、いいんですか!?」
「はい、うちの所は働き手不足でして…」
……マジか!!!
「ぜ、是非働かさせてください!!」
「わかりました。では早速職場へご案内しましょう。」
「マジか…」
ノクリアさんに連れられきた職場とは、大きなギルドだった。
流石に異世界転生してすぐだから事務とかかな?
「タツヤさんにはここで冒険者として働いてほしいのですが…」
やだ。だって死ぬもん。
「このギルドは受注制で簡単なものから高難易度のものまであるので、自分に合ったものを選べるのですよ。」
「あの、他に人はいないんですか?」
「ここは田舎でいかんせん人が少ないんですよ。ここは治療した見返りと言ってはなんですが、お願いできませんかね〜?」
「いやー事務とかならやるんですけど…」
「転生された方には、固有スキルというものがあって、強力なものもあるのですよ。
なのでお願いできませんかね…もちろん報酬は弾みますし、ご飯や寝床も確保しますが…」
なるほど、情報と引き換えということか。確かに情報は欲しいんだけど、いまいちメリットが薄い気がするんだよな〜。
「もう少しなんとかなりませんかね…?」
「わかりました。本当なら5000ソルのレクチャーを無料にしましょう。そうすればクエストの成功率も上がるでしょうしね。」
5000ソルがいくらかわからんが、レクチャーを受けれるならばまぁ………
「ん〜〜。よし、やるだけやってみます。」
「ほ、ほんとですか?ありがとうございます!では早速レクチャーといきましょう!」
==========================================================
ーそれではレクチャーを始めますー
ノクリアさんの声が響く。これは、ノクリアさんの魔導具、「イヤホニウム」という双方向に声が繋がるイヤホンだ。
冒険者になると言うや否やイヤホニウムを持たされ、レクチャーが始まった。
ーまずは、この国はヨルムルンド大陸のエリトネア王国です。中心部はあなたが倒れていた都市、ノディーがあり、ここが、西方の辺境都市ミハゼです。ここは、魔乱の森が近く、魔物がよく出るので、あまり住民はおらず、魔物の強さが両極端すぎて冒険者が来ないためギルドも大変なんです。ー
なるほど、住民は危険だから来ないし、普通の冒険者が来るのには、簡単すぎるor強すぎると言うことなんだろう。この国の地理的情報を片っ端から聞いていく。
・この国の北はアウェラヴェ帝国。軍国主義でエリトネアの大敵。
・西から南にかけてはライヤスネ亜国。温暖で、この国とも帝国とも協定を結んでいる。大体どの国とも敵対していない。亜人が多い。
・東はヴィスティカ聖国。魔法に強く、ライヤスネとは違い、全く干渉しない中立を保つ。
・ライヤスネの先に、コリン共和国があり、ライヤスネ、コリン、エリトネアで西南央三国同盟を結んでいる。
・魔乱の森は、浅部《ライトフォレスト》、深部《ダークフォレスト》、最深部の、真紅の森《クリムゾンフォレスト》がある。真紅の森に行くほど南下していく形になる。
・真紅の森は、初級冒険者が入ったらまず間違いなく死ぬ。また、真紅の森の中心部に、外敵を拒む魔物が作った都市、真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》があると言われている。
というか、ノクリアさん…
説明が長い!!
何せこの説明に1時間はかかっている。
んなことを思っていると、ノクリアさんの声が。
ー大体終わりましたかね?それではいよいよ、ー
ーステータスを確認しましょうー
「ついにステータス確認か…」
と独りごちる。転生した人には固有スキルがあるらしいけどそれをどのくらい使いこなせるかだってわからない。何ていうか、見たいような、見たくないような気分。
ーそんなに緊張しなくてもいいですよー
ノクリアさんの優しい言葉が染みるよ。
「お気遣いありがとうございます。それで、ステータスとはどうやって見るものなんですか?」
ー「オープンステータス」と詠唱するだけで大丈夫ですよ。ー
やるか。
ついに冒険者としての新しい生活がはじまるんだな。
「オープンステータス」
詠唱した瞬間、淡い白い光と共にホログラムのような感じで俺のステータスが出現した。
「おー!」
どれどれ、早速確認してみるかな?
名前:タツヤ・オオマガリ lv,1
称号:転生者
加護:なし
体力:1000
攻撃力:130
防御力:260
スタミナ:340
素早さ:95
賢さ:150
保有魔素量:75000
魔力還元率:0.01%
色素:緑
EXスキル:なし
固有スキル:《複合》農家Lv,1
スキル権能:権能菜園|《スキルガーデン》(仮想空間)へ入り込む能力。そこへは、植物の力が強いものしか持っていけない。その空間は、発動者が、気温、地形、湿度を改変することができる。発動中、現実の発動者は昏睡状態へ陥る。
無限種袋|《シードパック》を出す能力。その袋は、権能菜園内で使用でき、75魔素をこめることで、作物を魔導具化させ出現させることができる。なお、出現可能作物は、lvが上がるごとにランダムで解放。
魔法:能力開示…オープンステータス 消費魔素…0
Rank:D-
--- これは… ---
--- ランクと効果から察するに… ---
--- ゴミスキル&ゴミステータスでは? ---
どっどうなんだろう。もしかしたらa〜zまでのD-かもしれないし(幻想)。
「あのー、ノクリアさん…」
ーどうされました?ー
「参考までにノクリアさんのステータス教えてもらえませんかねぇ」
他の人はもっと低いと言う望みに賭ける。
ーいいですよー。ー
まとめると、
名前:ノクリア・ハイドランジア lv,22
称号:ギルド支部長
加護:紫陽石の加護
体力:1000(誰も大体同じらしい)
攻撃力:370
防御力:420
スタミナ:260
素早さ:130
賢さ:175
保有魔素量:2000
魔力還元率:10%
色素:紫
EXスキル:整理整頓 lv,10…現在の仕事やものをリスト化、最優先事項の提示
紫陽斬 lv,2…魔素を使った斬撃、相手に継続ダメージ。
固有スキル:思念通話 lv,10…思念を繋いだ相手との双方向通話、強制切断。
魔法:能力開示…オープンステータス 消費魔素…0
上級回復…エヴォヒール 消費魔素…100
壊毒…ネルムンガド 消費魔素…199
Rank:C
事務員さんより弱い冒険者っているのかな?俺やっぱ冒険者向いていないのでは?
ー大したステータスじゃないんですけどね…ー
その言葉、刺さるよノクリアさん…
俺は素直に自分のステータスを話した。
ーあら、正直知ってる中で一番低いステータスですね…でっ、でもスキルに使い道があるかもしれないですし…ー
気遣ってくれるノクリアさん優しい。
嘆いていても仕方ないので質問を。
・称号は役職的なもの。加護は圧倒的なものとの信頼関係。加護はバフが乗るらしい。ランクは基礎の能力を総合的に見た評価で、変わることはない。
・色素は、自分のスキルや魔法特性によって判別されるエレメント的なもの。
・EXスキルは、自分の技や経験をスキルにしたもの。固有スキルは、元々与えられているスキル。
・保有魔素量はいわば”mp”、そしてそれを魔力還元率で割る。結局割られた”魔力”が魔法の威力や効果に関わってくる。つまり、魔力還元率が高いと、威力は大きくなるが、保有魔素量が少ないと、高魔素の魔法は使えない。逆にいっぱい魔素を持っていても魔力還元率が小さいと、低威力になってしまう。後者が俺型だな。
この説明で二時間かかった。疲れた。しかも自分がゴミというのだから救われない。
ーとっ、とりあえず明日の狩猟祭に向けて頑張りましょう!!ー
ん?
狩猟祭?
「狩猟祭ってなんですか?」
ーえっ?ー
「えっ?」
………………
えっ、俺何も知らんよ?
俺のステータスが微妙と言うことが判明してから30分。今はちょうどスキルの確認を終えたところだ。結論から言うと「戦闘向きではない」。意識を犠牲にし入り込む権能菜園《スキルガーデン》には、整備された畑があり、そこへ、魔力を75消費して無限種袋《シードパック》から、現在唯一出すことのできる“マクワウリ“なる野菜の種を植える。
ちなみにスキルの中だと、魔力還元率はかからないらしい。つまり後、999個マクワウリの種を出せることになるけど…
いらない!!
魔物を中に入れて気温変動で殺すってこともそもそも魔物を入れれないから使えない…
--- なんて不便なスキル!! ---
あっ、あと完璧に外界からは遮断されるためノクリアさんの声も聞こえない。
狩猟祭の説明忘れて、イヤホニウムの電源(魔力で動いているから魔源?)切らずに大慌てで調べたりなんだりしてるノクリアさんの声も聞こえない。
まっ、ここにいても暇だし、いったん戻るか…
「ただいま戻りました〜。」
ー戻られましたか。では、早速狩猟祭の説明を始めます。ー
一旦ギルドに帰り、ギルドでノクリアさんの狩猟祭についての説明を聞く。
「狩猟祭とはギルド主催の魔物を狩るお祭りで狩った数と魔物の強さによってポイントがもらえます。そして、そのポイントが一番高かった者の優勝。その人が、所属届を出したギルドにはボーナスも出るんだとか…まあ、私のギルドには無縁の話なんですけどね…」
「ちなみに自分は……」
「はいもちろん私のギルド所属にさせてもらってます!「え、そr」あ、あと狩った魔物の証拠を出さないとカウントされませんから気をつけてくださいね!はい!それではここまで!おやすみなさい!」
話を逸らされた気がするがもう夜も遅い時間になっていたので寝て、朝……
何かめっちゃ忙しい!!
[悲報]ノクリア氏 誤って起床時間を1時間遅く伝える。
朝ご飯食べて、装備に着替えて、武器持って、出発!!
マジでバタバタだった。そうこうしているうちに魔乱の森に到着。うちのギルドの所属は俺の他に、昨日の夜分に来た、C級冒険者と、午後から来る予定の冒険者の2人だ。
C級冒険者は俺のことめっちゃ見下してきた。絶対こいつには負けないとの決意を固める。
「うわーーーーー」
噂をすればでそのC級冒険者が森の先から焦りながら走ってきた。
「どうしたんですか?」
無視&スルーとはいい度胸じゃねーか。
C級冒険者は、鉄装備一式+鉄の剣だから俺よりも強いのに逃げていった。
かなり強い魔物がいるっぽい。警戒しながらも前進する。と、
ぷよよん ぷよよん
ん?こいつ魔物界最弱のスライムじゃね?
俺の装備は馬のレザー装備一式に、ブロンズの剣。強いとは言えないからなぁ…
ここは慎重に、慎重に…
「はぁっ!!」
ブロンズの剣を振る。
ぷにょん
衝撃は吸収されたものの、ダメージは入っていそうだ。
もう一撃入れればやられるってとこか。もう一度構えなおs
「おりゃぁぁぁぁあああ!!!」
ぐしゃっ
あの逃げていたC級冒険者が戻ってきて、とどめを刺したのだ。
「よっっっっしゃーーーーーー!」
「はぁ?俺が先に攻撃しただろ!?」
「スライムを一撃で倒せないお前が悪いんだよ!」
「お前だってびびって逃げてたじゃないかよ!」
「黙れ低級冒険者!」
「C級のくせに低級に助けてもらわないとスライムも倒せない弱虫が!」
「まぁ、この俺にかかれば優勝も夢じゃないんでね。僻まれるのも仕方ないか。じゃ、せいぜいがんばれ、低、級、冒、険、者!フフフフフ」
そういいながら元来た道を引き返していくC級冒険者。
ふざけんなよあいつ。勝手にとどめ刺してよぉ。どっかで魔物に襲われてくたばっちまえよ!
ーどうですか?狩りの調子は?ー
「いやぁ、今、トドメを他の冒険者に刺されてしまって…」
ノクリアさんの声が聞こえて冷静になる。
ーまぁ、狩った証拠を出せれて仕舞えば拒否することができないですからねぇ。ー
狩った証拠か…
あっ!あいつスライムから剥ぎ取りしてねぇ!
ー剥ぎ取りして仕舞えばこっちのもんですよ。あいつ私のことも見下してきたんです。今度から出禁にします!ー
出禁にしたらますます人減るんじゃぁとか思いつつ急いでスライムのところへ戻り、”水色のジェル”を入手する。
やったー!横取り阻止!!ざまあみろC級冒険者!!
「ぎゃーーーーー」
またこっちに向かって走ってくるC級冒険者。
ここは煽ってやろう。
「あれー?剥ぎ取らないとポイントにはならないんだよ〜。そんなことも知らないの〜?」
ほぉ、二度目の無視&スルーか。いい度胸だ。ただここは追撃の煽りをかましたい!
「おい、聞いてんのかC級!」
ガサッ
C級冒険者が来た方の道の奥の森から草を薙ぎ倒す音が。
「ん?」
ぎぃぃぃぃやあああぁぁぁぁあぅぅぅうううん
奇妙な鳴き声と共に、翼を持った竜が現れた。
ーあっ、あれは!!ー
魔物らしからぬ淡麗な顔立ちの竜の眼が俺を見つめる。
「あれはなんですか?」
ーあれは風翼竜 ミロガルディ。普段はこんな浅い森に出没しない強力な魔物です!おそらく太刀打ちができないので逃げてください!!ー
逃げたいよ。逃げたいけど!!
俺は今、俺の真後ろで腰を抜かしたC級冒険者と、木の幹が邪魔で動けない。
なんなら、C級冒険者は泡吹いてぶっ倒れてる。
俺は、仕方なく風翼竜の方へ向き直る。俺は弱い。だから、引きつけるしかあるまい。引きつけて、引きつけて、他の冒険者やギルド、軍を待つしかない。
つまり自分は”囮”となろう。
「ノクリアさん、援軍ってきたりします?」
「早くて……30分はかかるかと……」
うん。かなりキツい。と言うかほぼ無理。
と思考していたら、風に乗ってきた風翼竜の爪の引っ掻きが。
これを出来る限り体を縮ませ、ギリギリで回避する。自分へのダメージはないが、胸当てをかすめ、胸当てをちぎる。
風翼竜の引っ掻きが、木を抉り、そこから素早く反転し鱗を飛ばす。
鱗は風翼竜と同じ綺麗な青緑色で、先っぽは尖っている。弾丸のような速さで飛んでくるそれに当てれば、まず間違いなく動きが鈍る。致命傷になりかねない。
速く、強い。しかも搦手まで使ってくる。その状況で30分は厳しい。
逃げるか。
倒すか。
一瞬の隙を見て、C級冒険者を森の中へ隠す。その際ちゃっかり鉄の剣をいただいておく。先程とは、風翼竜と自分の位置関係が反転したため、自分はノクリアさんのギルドを後ろに守る形だ。後ろと言っても100mは離れているので、とんでもない攻撃が来ない限りは…
風翼竜が滑空して突進。これを右翼の下に潜ってかわす。
「うぉう、危ねぇ!」
と、安心したのも束の間、右翼を軸に回転したのち、尾を叩きつけてくる。
これは避けきれず、剣で受ける。
「くっそ」かなり後退させられる。
仕留めきれないことにイライラしたのか2度目の咆哮。
「うわっ!びっくりした!」
咆哮に驚いた俺の隙を見逃さず翼で鱗と共に強烈な風を放つ。弾けるものは弾いたが、2、3発被弾。
ここからさらに攻め込めると思った風翼竜は風を纏いさらにスピードを上げてくる。
上昇気流を生み出し天高く舞い上がる風翼竜。からの急降下突進。
最初の突進とはけたが違う威力の突進。急いで森の中に逃げてやり過ごす。
ドゴォォォォオオ
突進が地を穿ち、大きな穴を作る。まるでクレーター。こんなん当たったらおわりだな。しかも墜落した魔物も衝撃は受けるはずなのに無傷で立ちあがる風翼竜。
「こんな強く地面に激突しても無傷とか、やべぇだろ」
ーはい、あいつはヤバイ魔物です。なので逃げてください。ー
「でも目の前に大穴が…」
道を寸断された。しかも、突進で俺よりギルド側に移動しているから、ギルド方向へ行く=風翼竜の方へ行くと言うことになっている
なにこの地獄。
どうしようか。
フッ
ーどうされました?ー
「すいません、つい。」
ー?ー
「気にしないでください。」
笑った。なんでこんなことになったんだ。
--- せめて一太刀 ---
その考えがよぎったときにはもう動き出していた。
おそらく相手は油断している。嬲って殺そうとしてくると思う。
それを崩したい。完全に無謀。それでも。
「ハッ」
気合一閃
キィィィィン
弾…かれ…た。
もはやこれまで。
実力差はあると思っていた。俺ゴミステータスだし。ただ、ほんの少しやれると思っていた自分がいた。
風翼竜が振り払うように体を回転させる。
「ぐはぁぁ」
10mは吹き飛ばされたか。
次がトドメか…
風翼竜が体を回転させる。
体を回転させる。
回転。
回転。
ビュォォォォォォォォォ
完成したのは俺に向かってくる竜巻。
「くそっ」
仕方なく逃げる。が、
ギャァルゥゥゥゥウウウヴン
けたたましい鳴き声と共に俺の前に風翼竜。
前から風翼竜、後ろから竜巻。
「おりゃぁぁああ!!」
迷わず風翼竜へ向かう。そして斬撃を放t
ビタァァン
完全な死角からの尾での一撃。
そして吹っ飛ばされた俺は、
ビュロォォォォゴォォォ
竜巻に巻き込まれギルドとは逆方向へ吹っ飛ばされた。
高度は約100mってところか。死ぬな。
「ノクリアさん、お世話になりました。ありがとうございました。」
ーいえ、タツヤさん。こちらこそありがとうございました。最後に一つだけ。
--- 生きてくださいー ---
少し声が震えていた気がする。
ノクリアさんの言葉を聞くと、俺は落下していった。
生存率をほんのわずかでも上げるために木の下に落ちるべく、角度を調整する。
木と地面が迫る。
ズシャァァァァァ どっコォぉおおおん
ボフッッ
「無事だ…」
俺は物凄く衝撃吸収性のあるキノコの下に落ちた。と言っても、落ちた瞬間は気を失っていておぼえていないのだが。
ーお目覚めになられましたか?ー
ん、そのセリフ前にも聞いたぞ?
まぁいっか。
「はい、何かよくわからないキノコの上に落ちて無事でした!」
ーそれはよかったです。そのキノコというのはどのような物なんですか?ー
「えっと、赤くてとても柔らかいです。衝撃を受けると胞子を出しますね…」
ーなるほど…そのようなキノコは知らないですね…赤色ですか………ー
「どうしたんですか?聞きたいことがあれば聞いてもらっても…」
・・・・・・・・
ー周りの植物や木も赤色だった場合、魔乱の森の最深部の可能性があります…ー
「えっ、レクチャーの時に教わった初心者が必ず死ぬって言う……ん?じゃあなんで俺襲われてないんだ?」
初心者冒険者が必ず死ぬのに、倒れていて半ば”食糧”だった俺は喰われなかったんだ?と言う疑問が、独り言めいて口をつく。
ーはい、それは私も疑問に思っておりました。そして私が知りうる中で条件に当てはまる地は一つ。
--- 真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》 ---
タツヤさんはそこへ飛ばされてしまったのではないのでしょうか?ー
ノクリアさんの長い解説の断片を思い出す。確か”外敵を拒む魔物の都市”とかだった気がする。つまりここは、「その魔物の領地ではあるが、都市ではない」地域なのではないかと思う。確かに他の魔物の領地なら、その魔物以外は入らないだろう。
もう一つ気になっていることがある。意外と物知りなノクリアさんが知らないキノコだ。かなりのレア物の可能性がある。
俺のスキルは”農家”だ。
採集していけば栽培させられるのでは?
そしてそれを商人か何かに売ればお金になるのでは?
さらに素材収集のためノクリアさんのギルドまで道を通せばギルドが有名になるのでは?
いや、もう”外敵を拒む魔物”と交渉してしまえば……
多分俺ができるのはせいぜい一番上だけだろう。コミュ力無いのに交渉なんかできん。そもそもギルドがどっちかわからん。てか商人もおらん。
野望は膨らみ、そして弾ける。
「とりあえず近くを探索、素材を採集しながらその”都市”を探してみます。」
ーなんかタツヤさん…冒険者っぽくなりましたね。ー
「そうですかね?」
ーえぇ、そう思いますよ。ー
「そうですか…」
嬉しいような、嫌なような変な感じ。
まあ、そんなこと考えていても仕方ないので採集。
まずは、赤いキノコ。これは赤い木にいっぱい引っ付いている。なんか赤赤うるさいけど、空以外はほんとに赤色。草も花も土までも赤色だ。とりあえずこのキノコをまとまった数を採ると、
「一瞬意識失いまーす」
権能菜園《スキルガーデン》にキノコを保管。ひとつキノコを植えようとしたが、
///キノコ科は、なんらかの”原木”が必要になります///
と、初めてスキル側からの応答が。何か科によって違うのかもしれない、後で調べなきゃなと思いつつ意識を取り戻し、草を刈り始める。流石に木は切れないんでね…
サクサク切れるから、気づいたら自分の背を超えるぐらいの草の山が。
「これ、抱えて権能菜園《スキルガーデン》使えんのかな…?」
ヒュン
「できたな…」
おそらく体に触れていれば一緒に転移できるんだろう。これも保管。花が咲いているやつも同じように保管していく。そして意識を戻す。
そんな感じで採集していたらなんか見えてきた。
「あの…赤黒い外壁を持った要塞?城?みたいなものが見えたんですけど、ノクリアさんなんか知ってます?」
ー何もわからないですね…でもおそらくは
--- 外敵を拒む魔物の都市でしょうねー ---
--- 「ですよねー」 ---
「どうしましょうか…堂々と侵入してみます?」
ーいえ、それは避けた方が良いかと…ー
ノクリアさんによると、昔真紅の森まで辿り着いた冒険者が都市へ入ったところ、行方がわからなくなったらしい。数日後川から、見るも無惨なその冒険者の死骸が流れてきたんですと。
こわっ!!
「確かに下手に刺激するのはやめておいた方がいいかもしれませんね…」
ーはい、そう思います…ー
「じゃあ、迂回して探索を続けます。」
ー了解しました。私はあなたの件をギルド本部へ報告するため少し出かけます。くれぐれもお気をつけて。ー
イヤニホニウムに音声を流す発信機は固定機なので動かすことができないため、少しの間留守に。
「お手を煩わせてしまい申し訳ありません。そちらこそ気をつけてくださいね。」
ーはっ、はいっー
ん?ノクリアさんちょっと鼻声だったかな?にしても1人になると心ぼそいな…
ギリッ ギリギリッ
んっ、嫌な予k
「貴様は誰だ!」
矢をつがえた魔物が、こっちに狙いを定めつつ向かってくる。俺は多分逃げきれない。というか…
フラグ回収早いな!!というか何あの魔物、異世界生活が短いからどの種族かわからん!!でも殺されるの嫌だからとりま交渉!!
「あ、あの冒険者のタツヤ・オオマガリと申します。えっと、あの、戦う意思はありません!持ってる武器全部置きます。」
少し惜しいが鉄の剣と、ブロンズの剣を地面に置いて手をあげ敵意はないとアピール。
「ほう、敵意はないと見た。が、捕らえられる魔物はとらえ王様に献上するのが掟…
大人しく手を鎖に繋がれろ。足と口は自由にしておいてやる。ただ、もし反抗しようものなら…
--- そこに待つのは…死だ。」 ---
迫力がえぐい!!怖い!!
ここは大人しく連行されよう。
鎖をつけられ前進させられる。こっちは城の方だ。
しばらく移動すると、人?魔物?影が見えた。
「よう、どうだ捕獲対象はしっかり捕らえたか?」
「はい、大将!ここに捕獲対象を持って参りました!!」
でかい斧持ったいかにも戦士みたいな人?魔物?誰?
「俺か?俺はアレイン・シュラクミィルだ。そしてここに連行してきたのは、少将のジャビィ。立場は低くないが礼儀を重んじるドワーフらしく、立場が上の者には態度が硬化するんだよ。」
あぁ、そうなんだ。ドワーフか…
ん?
--- 俺、声発してないよ? ---
「フハハハハ。申し訳ない。あまりにも敵意が見られないのでからかってみたくなった…じゃなくて、ためしたんだよ。俺はな、読心人《マインドリード》っていうEXスキルを持ってて、魔素を消費して心を読めるんだよ。」
大将って言われてたけど陽気な人だな。隣の斧が物騒だけど。
「大将、敵かもわからない奴にスキルなんか教えていいんですか?」
「フハハ。大丈夫だジャビィ、こいつからそんな敵意は感じられない。あと対象はこいつじゃない。まぁ、もしこのドワーフ共和国に牙を剥くようだったら
--- 殺すまでだ。 ---
フフ、ちょっとビビらせちまったかな。おい野郎どもぉお!!もうすぐ城だ!!準備はできてんだろうな!!」
「おぉぉぉぉぉお!!」
……驚くほど声のトーンが変わった。
殺気に溢れる声になった。恐怖で一言も発せられなかった。圧倒的な強者の声。
かと思えば。士気を上げる統率者としての声に。
というか俺対象じゃないの?こいつらほんとに何者だ?
・・・
「おい、城に着いたぞタツヤ。お前はこれから王の間で王様に謁見し、裁きを受ける。と言っても俺の伝令がもう行ってるからお前は解放されるだろうがな。あと、お前まず魔物であることを否定しろ。人間じゃないと思われるぞ。じゃ、俺は用事があるんで、これで。」
人間か否かって自己申告制なの?
というかまた心を読まれている。
「あっ、ありがとうございました。」
「ハッ、連行されたのにありがとうございましたと来たか。つくづく面白いやつだな。じゃあ最後に一つ。王は、俺よりも優しく、俺よりも厳しい。まぁ、つまり嘘はつかないことだな。俺よりも見破る精度が高い。」
「はいっ!わかりました!」
「いい返事だ。またどこかで会おう。じゃあな」
行ってしまった。
敵っちゃあ敵なはずなのにいなくなると喪失感を感じさせるような人だ。
すごい優しくて、すごい強くて、すごく頼りがいのある人だと思う。
俺にはないものを持っているな〜と、人間観察していると、
「おい、王の間へ行くぞ。ついてこい人間。」
「わかりました。」
大将とは真逆の冷淡なジャビィの声が響く。
そして城に入って正面、大きな部屋、おそらく王の間に通される。
入ってみると意外にも質素な作りで、真ん中には王座があり、それを囲むように円卓が置かれている。
「こやつが我らの領地に入った人間か…」
「はい、ただ、アレイン様は敵意を感じないとおっしゃっておりまして…」
「ほう、そうか。わかった。ありがとうジャビィ。下がれ。」
「はっ」
ジャビィがどこかへ行く。そしてこの部屋には…
「そちと我、二人きりで話そうじゃないか」
「はい、わかりました」
目の前にはドワーフ共和国の王様が。
「まず聞く。なぜそちはここにきた?」
「風翼竜に飛ばされてここにきました。」
「…嘘ではない…か。次だ。そちの身分と名前を言え」
「人間のギルドの冒険者、タツヤ・オオマガリと申します。」
「ほう、本当に敵意や嘘は感じられないな…では次。
--- 自分の処罰、どうして欲しい?」 ---
「自分の処罰、ですか…」
プレッシャーすごいな…
「死ぬのは嫌です!!…」
「ほう、命乞いか…」
ちょっと癪に触ったか?
「さっぱりしていて嫌いではない。」
よかったー!この人嫌いな人はとことん嫌いそう…
「捕虜は無理だな…我が国には今余裕がない。というのも強大な魔物が出ていてな…… そうだ、そちは冒険者と言っていたな…」
「は、はい。でも、全然駆け出しなんで、そんな魔物と戦うなんて…」
「そうか…じゃああの魔物と戦うのは厳しいか、ではドワーフに一切危害を与えないことを誓うならば解放してやろう」
まじか!!意外と早く解放してもらえそう!解放されてもどうすればいいかわかんないけど!
「はい、誓います!」
--- キュィィィィイイン ズシャシャシャーン ---
ん?
「何、心配することはない。我のスキル宣誓者《スェアラー》によってそちがドワーフに逆らえなくなっただけだ。」
ヤバ、、、
演出かっこよ!!国王から光が出たと思ったら、その光が鎖状になって俺に刺さって紋章が出てきた!!かっけー!これぞ異世界!!俺のスキルとは違う!!
「そち、スキルを見て驚いているところを見ると本当に駆け出しなのだな。しかも純粋な思念しか抱いておらん…気に入った。そちは強い冒険者になるであろうよ。我になんでも質問するが良い。」
なんか俺めっちゃ気に入られてるー!
「ありがとうございます!ではまず…ここはどこで、どのように生活しているのか教えてください!」
「ほう、本当に風翼竜に飛ばされてきたようなことを言うな…ここは、真紅の森《クリムゾンフォレスト》の中央部、真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》に位置するドワーフ共和国だ。と言ってもそちらのような人間はドワーフが住むとは知らないと思うがな…ここでは、そこここに生えているキノコを食べたり、毒キノコの毒を矢に纏わせ、魔物を狩って食べたりする。」
ノクリアさんと比べ圧倒的簡潔!!
「先程、大将のような方をお見受けしたのですが、あの方の持っている斧は人間界ではとても良品だと思うのですが…やはりドワーフは鍛冶が上手なのですか?」
「あぁ、鍛冶は全体的に得意だ。彼奴の持っている斧は2000年前の鍛治士が作った錆知らずの金属が刃身に用いられているドワーフ兵団の大将に受け継がれし戦斧”ドワルドゴーン”だな。その2000年前の鍛冶士がドワーフの始祖となり、今の王家の元にあたる。鍛冶もその者が伝えて行ったらしいな。ただ斧に目をつけるとは、そち、その目は価値あるものを見分けられるようだな…」
なんか最後めっちゃ褒められた。
だいぶ好かれてるみたいだし、自分の聞いてみたかったこと聞いてみるか…
「なぜここの住民は人を拒むと言われているのですか?」
「……………ん?、そうなのか?」
「えっ、じゃあ…」
「そちと同じように人が来たら丁寧に接していたぞ。そもそも人間はなかなか来ないのだが…」
あっ!たしかに「人だから」と言う理由では何も咎められていない!
じゃあ人間の勘違いってこと?でも、
「あの、ここに来た冒険者が無惨な形で川から流れてきたって…」
「ふぅん、この近くの川というと森紅川か……… !そういえば10年ほど前、我の国のドワーフ兵団が川から襲われた人が流れていて、それを辿っていくと魔物に出会ったと言う報告があったな…思えばそれが今戦っている魔物との戦いの火蓋だったか…」
「つまり…」
「ああ、我が兵団はそのような残虐なことはしない。第一する理由がない。とすると、おそらく…」
人間を騙すための嘘か…
「そうだな。」
心読まれてる〜!!
「でも、どんな人間がそんなことを…」
「おそらく、亜魔駆逐連合だろう。亜人、魔物、転生者など、’この世界の人間以外’を駆逐する団体だ。我が国の周りの国…つまりそちがいたエリトネアの国でも結構蔓延っているのかもしれんな。我らの仲間も、何名どころではなく、何十名、何百名とやられている。」
転生者。
それは俺も該当する種族だ。警戒しないとな…
「何っ、そちは転生者なのか!となるとそちは転生スキルを持つ転生の冒険者…どうか頼む、魔物討伐を手伝ってはくれぬか?」
いや、転生者にも色々いるんだよ。
「いや〜、貢献できるならしたいですけどね…自分、転生スキルが農家というスキルで…」
「…なるほど、そうか戦闘向きではないか…そう言うスキルもあるから気にするでない。事実、読心人とか言うスキルを持っている奴が我が兵団の大将になっているからな。」
「そうですね。なんか、励ましてもらえて嬉しいです。ありがとうございます。」
こんなとこかな、と思ったが…そういえば夢物語だと思っていた一案があるっ!
「あの、私これでもギルドの冒険者です。私のギルドにはその亜魔駆逐連合というものはいないと言い切れます。なので、
--- 私のギルドと交易してくださいませんか?」 ---
「フハハハハハハ………急に口調が変わったから何だと思ったら、我が生涯で聞いたことのうち一番面白いことを言いよった。邪念も感じられん。いいだろう。ドワーフ共和国の国王、ハイルツェン・ドルクベルクは
--- タツヤ・オオマガリの所属するギルドと交易関係を結ぶ!」 ---
ハイルツェン・ドルクベルクって言うんだ…
知らなかった!
「そうだなそういえば名乗っていなかったな。まあ長いから「ハイル」とでも呼んでくれ。」
「わk「ちょっとお待ちください陛下!こんなどこの馬の骨かもわからないものと公約を結ぶなんて!もう少し考えなければ!」
扉の裏で聞いていたのだろうジャビィが飛び込んできた。
「いや、これは国王決定だ。すぐ書類と公布の準備をしろ。この戦いが終わったらすぐ公布をする。大将たちにも言っておけ。ところでそち、交易関係を結ぶのは良いが…
--- どうやってそのギルドに帰るのだ?」 ---
た・し・か・に!
その後、俺は客を迎える部屋に通されくつろいでいた。
「ふわぁぁ〜暇だし散歩するか…」
俺は向こうのギルドへ行く手立てが出るまで解放されていた。特にやることもないのでお手伝いという名の見張り、堅苦しくて距離感の微妙なジャビィと共に散歩へ行く。そして…
「これはフレイムキノコというもので火を出せるな、それからこっちはラヴァゴケという名の溶岩ゴケの一種だ。」
「おぉ、マジか!えっ、じゃあこの赤地に黄色いボツボツのやつは?」
「おい!それはベニコガネタケじゃないか!それは《炎雷》を発生させる希少種だぞ!よくみつけたな!」
めっちゃ意気投合した。
ジャビィは元々この森の植物に興味があったらしく、めちゃめちゃ詳しい。俺はスキルで栽培する可能性があるから、情報を集めているのだが…
植物がめっちゃかっこいい!
キノコは原木がないと栽培できないけど、原木は無限種袋《シードパック》から出た苗木じゃないとダメっぽい。種袋に苗木というところに突っ込んではいけない。
突っ込むの、ダメ。ゼッタイ。
ベニコガネタケを回収して一旦城に帰る。俺も真紅の森の憩い場《クリムゾンオアシス》の植物は一通り回収した(と思われる)からな。
そんなこんなの帰り道の途中。
「よう、調子はどうだ、タツヤ?」
「あっ、アレインさん!」
歩いていた道の左、15m程上からアレインさんが見下ろしていた。
「こんなところで何してるんですか?」
「んあ?ちょうどさっきまで土赤熊《グレボファ》って言う赤くてでっけー熊と戦ってたんだがよ、、どこ行ったんだ?」
「地に潜っているところでしょうか?」
「ああそうだろうな…」
どうやらその熊は、赤く、地面に潜るらしい。いくらドワーフの兵団とはいえ地面に潜ると手出しできないだろうからな…
もしかしてあの魔物か?
「その熊が森紅川の近くで人間を……?」
「いや、容姿はよく似ているが、今狩っている魔物は比較的弱い。しかもあいつの肉はうめえってそれは関係ないな。」
一息置いてからアレインさんがつづける。
「川の近くでヒトを殺したのは紅怒熊《アグリスファ》だな。強さももちろん違うし、赤みが強いため別個体だと言われている。」
なるほどねぇ。今狩っているのは弱いんだ…
赤い熊、怖いけどなぁ…
「大将、報告が。」
「おう、どうしたジャビィ?」
「そちらのタツヤとキノコ狩り…いえキノコの調査へ行きましたところ、こちらのベニコガネタケを見つけまして…」
いつのまにかジャビィが上に登っている。俺も登ろう。と。
グラグラグラ……ズシャァァァアアアア
俺がジャビィたちの方へ行くために登るはずだった壁から、紅い大きな…
熊。
絶対今話題に上がった熊じゃん!!
今いた道のようなところは、左側は15m上がっているが、右側は崖っぽくなっている。
土赤熊とかいう熊に突き落とされた俺は吹っ飛んで、その崖に吸い込まれていく。
「権能菜園《スキルガーデン》!!」
素早く権能菜園《スキルガーデン》に入り込むと、「ヤワラカホウシタケ」というものを手に取る。これは俺が風翼竜に飛ばされた時に…ってそんな場合じゃねぇ!
スキルを解除しヤワラカホウシタケを下に敷いて落ちる。お陰で落下死は免れたが…
グルァァァァァァ
おそらく、『お前の肉を食わせろ!』とさけんでいるだろう土赤熊が目の前に。
「すまない、どうにかして回避してくれ!こちらもすぐにそちらへ向かう!」
自分の(C級冒険者の)鉄剣は没収されたままなので武器は真紅の憩い場《クリムゾンオアシス》の植物だな。つまり一応は反撃はできる。
一応。
「うわぁああああああ」
ただ、その植物たちを出すためには、一旦昏睡しなければならない。したがって逃げるしかなく、間抜けな声を上げながらどんどん道から離れる方向に走り続けている。
「おっと!」
自分の左側に爪が振られる。地面が抉られボコボコになるが、
「風翼竜ほどではないな…」
俺は武器も(ほぼ)持っていなければ、装備もなく、スキル、魔法も使えない。だが、風翼竜からは(偶然)逃げられた。つまりこいつからも…
土赤熊が地中に潜り、自分の左側からとびだしてくる。
仕方なく右に進むが、
「やべぇ!」
正面に石の崖がそびえ立っていた。
まずい。すぐそこにはあの熊が。
あっ!いいこと思いついた!
「来いよバカグマ!」
崖の前で反転し自分の方へ引き付け、土赤熊と正面から向き合う。
土赤熊は全力で突進してくる。当たったら間違いなくぺちゃんこだ。ただ、回避できるギリギリの瞬間。
「当たるかぁああ」
こちらも全力で回避する。すると、
ズゥウウウン ゴロッ ゴロロッガラガラガラガラ
崖に全力で突っ込ませて頭を攻撃するという策に思いっきりハマってくれた。崖から石も落ちてきたのでさらにダメージは入っているだろう。この間に俺は、
「権能菜園ッ《スキルガーデン》!」
本日二度目のスキル使用。一旦昏睡しつつ、目の前に壁のように積まれ、奥の畑が見えない程の植物のうち2、3種を手に取って意識を戻す。
ヴァァァァァアアアアアアンッッ
さっきの熊がもう意識を取り戻している。
ん?
なんかさっきいた魔物と違うぞ?て言うか特徴から察するにアレ…
紅怒熊じゃね?
「うわぁぁああああああ」
本日二度目の悲鳴と共にまたまた逃走。
「ドワーフたちは別個体って言ってたけどな…」
というかそれよりも…
「キリがねェな…よし、さっき出したヤツ使うか…」
走りつつ跳躍。真下にラヴァゴケを投げつける。
この苔は溶岩ゴケの…とか言ってたからダメージが少しくらい入るんじゃないか?
ギャジュゥゥゥゥン
紅怒熊がラヴァゴケを踏む。高熱の溶岩が紅怒熊をおそ…
襲わない。正確には襲ったが効いていない。
「どうすんだよ…」 ・・
火効かねぇのかよ!俺が持っているのは火を出す植物ばっか。おそらくほぼ全て効果がない。
とその時。
パキューーン パキューーン
「大丈夫かタツヤ!」
「はい、なんとか!」
崖の上から、見知ったドワーフたちが。どうやら一周して落ちたところに戻ってきていたようだ。
さらにアレインさんの指揮によって一斉に放たれた矢が紅怒熊に命中する。しかし、
ガキキキキン
全て弾かれた。
「あぁ!?アレ紅怒熊じゃねぇか!」
「なんか追われてる途中に…って悠長に話してる暇はないんですよ!矢を喰らっても微動だにしていないじゃないですか!」
事実、30mほど離れたところにいる紅怒熊はピクリともしない。
「ああ、あの矢にはベニコガネタケの力を付与してある。弾かれても、少し効果時間が短いが痺れている筈だ。」
なんか話が噛み合ってない…ん!?
「え!今あいつ動けないんですか!?じゃあちょっと失礼します!
--- 権能菜園《スキルガーデン》」 ---
入るとやはりうすだかく積まれた植物が。だが、
「おりゃー!」 ・・
その植物たちには目もくれず、とある植物を収穫し、意識を戻す。
目の前には動けるようになった紅怒熊が。
ドワーフたちも二発目の矢をつがえているが矢は弾かれ効き目がないためほぼ一対一の状態だ。
紅怒熊は、大きく右足を後ろに下げると、地面を蹴り突進してくる。
土赤熊とは攻撃力も硬さも速度も桁違いだ。
「うぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!」
真正面から切り札を持って突進と相対する。そして…
「うぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!」
俺が今片手に持っているのはテストで植えていたマクワウリ。というかマクワウリの形をした魔導具だ。
現在こっちに突っ込んできている紅怒熊には火が効かない。このマクワウリ|《切り札》の効果が火系ではなく、かつ俺が紅怒熊に当てなければ効果はない。そして同時に俺の命もない。
とてつもないスピードの紅怒熊の突進を迎え撃つ。
スピードと威力は凄まじいが怒りに我を忘れ、本能だけで動いているため少し横にずれただけで回避することは可能だ。
だが、
「そりゃぁあああ!」
真っ向から迎え撃つ。命中率が一番高いと踏んだからだ。
一瞬の後、突進が当たる前触れとも言わんばかりの風が体に吹き付ける。
その瞬間跳躍する。
「とりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!」
ぎゃるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅううううん!
咆哮、そして交錯。
ドンッ グシャリッ
突進はかすった。が、マクワウリをヒットさせることには成功している。あとはマクワウリの効果を祈るのみ。
ドォゴォォォォォォオォォン
金色のエネルギーが迸る。
それはとても純粋なエネルギー。そしてそれは爆発的に紅怒熊を襲う。
ドカァアズドォォドシュゥゥンズガァアン
そして、これでとどめだと言わんばかりの大きな爆発が起きる。
ドゴォォォォォォォオオオオオン
会心の一撃と共に紅怒熊が散る。
それを合図に、
「「「うぉぉぉぉおおおおおおおおお!!」」」
ドワーフからの割れんばかりの喝采が。
そして、
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《イワトウガン》が作成できるようになりました。 ---
おぉ!やったー!
この世界に来て初めてレベル上がったー!そして新作物!これはイワトウg
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《スピードハヤトウリ》が作成できるようになりました。 ---
お!あの魔物結構な経験値を持ってたんだな。お次はスピードハヤトウリねぇ…
ウリばっk
--- レベルが上がりました。 ---
:
:
:
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《ヤリパラガス》が作成できるようになりました。 ---
やっと終わった。
具体的に言うと1lvにつき5秒かかり、132lv上がったから…
11分!oh my god!レベルアップの演出が続いていたわけだ!
ただ、その分育てることのできる作物も増えたしな…
--- スキルレベルがアップしました。 ---
まだ終わってなかったか。
あの魔物実はヤベェーイ!!じゃねえか………ステータス見てみよ。
「オープンステータス」
さっ、どんぐらい成長してるかな…?
名前:タツヤ・オオマガリ lv,133
称号:紅怒熊狩り
加護:なし
体力:1000
攻撃力:130
防御力:260
スタミナ:340
素早さ:95
賢さ:150
保有魔素量:75000
魔素還元率:0.01%
色素:緑
EXスキル:なし
固有スキル:《複合》農家Lv,2
スキル権能:権能菜園|《スキルガーデン》(仮想空間)へ入り込む能力。そこへは、植物の力が強いものしか持っていけない。その空間は、発動者が、気温、地形、湿度を改変することができる。発動中、現実の発動者は昏睡状態へ陥る。
無限種袋:|《シードパック》を出す能力。その袋は、権能菜園内で使用でき、75魔素をこめることで、作物を魔導具化させ出現させることができる。なお、出現可能作物は、lvが上がるごとにランダムで解放。
NEW! 植物図鑑:|《プラントピクトリアル》を閲覧する能力。自身が出現させることのできる作物及び自身が視認、接触したことのある作物を一覧にしたもので、その作物の科目や能力をしることができる。また、自身の記憶にある作物を検索することができる。
NEW! 作物肥箱:|《プラントコンポスター》を権能菜園内に自由に設置、撤去する能力。設置した箱に作物を入れることで有機肥料を生成する能力。その肥料は、成長時間を大幅に短縮する。
魔法:能力開示…オープンステータス 消費魔素…0
Rank:D-
ステータス変化はないが、スキルの変化は……使えてるスキルなのかな?
じゃ、新作物育てに行きますか!Let’s go!
「すいません意識失いま〜す」
バタッ
「おいタツヤ!いや、脈はあるな…疲れちまったんだろう。にしても…
--- なんか不穏な風だ…」 ---
ここで俺の意識は切れた。そして…
「すげー!これ全部育つの!?じゃあ一旦5つずつ植えて……お!もう育ったのがある!
なになに〜、これは《ザッソウ》って言うのか…雑草じゃん!HAHAHA!」
テンションをバグらせながら研究していた。
「成る程、これで肥料ができるのか!じゃあこれを量産して肥料をいっぱい作ってもう一回量産してってOTTO!もう魔素がないのか…魔素を回復する野菜はないのかな?っとここで発動!植物図鑑《プラントピクトリアル》!うーん?これか?マジカルモロヘイヤ!おぉ!魔力全回復!これで無限に作物育てられるじゃん!じゃもっかい全部植えて…もう一回植物図鑑《プラントピクトリアル》!紅怒熊を倒したのは…ピュアマクワって言うんだ!効果:発動した人のピュアパワーを使って攻撃する。発動後1時間テンションがおかしくなる。なるほど!だから俺はテンション爆上がり状態なのか!ピュアマクワの分類は…なにこれ深緑瓜類?ピクト〜これどう言うこと教えて〜」
長文の独り言の後、スキルに話しかける始末だ。プラントピクトリアル略して「ピクト」…これはひどいな…
///そちらは分類となっております。分類の一覧を表示しますか?///
「うん表示して〜」
///分類の一覧です。[]がついているものは解放済みです///
他分類…キノコ類、海藻類、山菜類、香草類、[食種類]
食葉花目…特異作物、虹色花類、[緑黄葉類]
食根茎目…特異作物、[薄白茎類]、[土白根類]
食実果目…紺紫茄類、[翡翠豆類]、[深緑瓜類]
全く…スキルに話しかけても返事なんか…来るわけ……
ん゛?
返事どころか分類まで出てきてるぞ?
///驚かせてしまって申し訳ありません。しかし主の呼びかけには応じなければならないので…///
女性の声がする。言うなればSiri。というかほぼSiri。
///私は農家のスキルの一部である、図鑑核《ピクト》と申します。///
す、すげぇ!よくわからんけど!何ができるんだろ?
///検索の補助、スキルの管理、及びスキル内事象の通知が可能です。///
すげぇえええ!チートだぁあああ!これが異世界!これぞ異世界!
///ちなみに現在スキルの統廃合によってスキル 農家 の進化が可能です。いかが致しましょう?///
是非!と言いかけてふと我に帰る。
「いや、いい。あんまし長く気絶してると心配されちゃうからな。」
そう言って6種程植物を持ち意識を戻す。小1時間気絶していたからスキル外も久々だ。
キャァァァアア ビュゥウウウウウン ウワァアアアア
ドワーフ共和国はとある魔物によって壊滅寸前まで追い込まれていた。
そしてその魔物はゆっくりとこちらを向き、
ピュォォオオオオオオ
「挨拶がわりの突風かよ…
--- 風翼竜。再戦の刻だな。」 ---
ちょっとカッコつけて言っているものの内心ガクフルである。
「にしても俺がスキルの中に行ってる間にこっぴどくやられたな…」
事実ドワーフ王国は甚大な被害を受けており、周りの民家はほぼほぼ壊滅、城も辛うじて立っているものの屋根の飾りは根元から取れて道路に転がっている。そしてその大きな理由が風翼竜の…
「身に纏ってる竜巻だな。」
「うわっ!急に話しかけて来ないでくださいよアレインさん!」
「いや、アレインでいいよ。お前は紅怒熊を倒した英雄じゃねぇか。」
英雄ねぇ、悪くない…ってそんなこと言ってる場合じゃないんだよ!
「住民の避難は風翼竜が竜巻を纏っている間に済ませてある。俺らの矢は風に煽られて効かねぇ。ちょうど城も建て替えを考えてた頃だ、派手にかましてくれよ。」
「俺と風翼竜の攻撃を建て替えに使わないでくださいよ!っと、そんなこと話してたら…
--- 来たな風翼竜。」 ---
自分は基本的に助けることのできる人に対してはできる限り手を伸ばす主義だ。だからこの世界に来る時もトラックから子供を庇ったわけだ。
ただ今回はいくら関係ないからってかなりの大人数が住んでいたので住民について気になってはいた。その疑念が晴れた以上後は…
「ん?切れたな…」
ピュアマクワの精神異常効果も完全に切れた。
風翼竜はこちらを向いてきりもみ回転しながら突進してくる。
それを見つつ呟く。
「何が”気にはなっていた”だよ。忘れてたくせに。住人のことなんかこれっぽっちも覚えてなかったくせに。」
本当は。
住民のことなんてすっかり忘れてた。
無傷だったとはいえ助けることのできる力があったのに助けなかった懺悔。
精神異常があったとはいえ自分や人を欺いた。そのことへの…
--- “償いを。” ---
そう決まったなら後は。
--- 「ぶっ放すだけだぁぁああああ!!」 ---
想いの咆哮。そしてそれと同時に突進が襲いかかる。
まず《バリアノザワナ》を展開し突進を防ぐ。名前の通りに出てきたバリアは強い衝撃を受け砕けてしまう。ただ俺が宣言したのは「ぶっ放す」。自分も次々と野菜を出していかないとやられる。
カウンターの様に《ツルギミツバ》を出現させる。飛ぶ斬撃を放つ三叉剣を振る。しかし尾に少しダメージを入れた程度で、風翼竜は気にもせずそのまま回転し鱗を飛ばす。
「邪魔ぁあ!」
鱗が邪魔で追撃できないため自分も後ろへ下がり仕切り直しの形に。
「バケモンだろこいつ…」
言葉とは反対に前方向へ一歩踏み出し《ボムペポ》を投擲する。ペポというのはペポカボチャのことで…ってそんなことを考えているとボムペポが命中した音がする。
命中しただけ?そう思うだろう。あくまでもボムなので、
「《メラビーツ》!!」
火を与えれば、
ドゴォォォォォォォォオオオオオオン
「これでいったろ…」
ド派手に爆発する。が、
ギャるぅうぉおおおおオン
「爆発効かないの!?」
聞こえてきた咆哮と風翼竜の影に焦る。
「ヤバい、手駒が足りん!」
次々と植物を出したために残る植物は2種。1種はマクワウリでもう一種は…
「《スイミンレタス》!!」
一旦眠らせるが、これもいつ解けるかわからないのでスキルの中に入ろうとする。
「権能菜…!アレインさん?どうしたんですか?」
が、急に斧を携えたアレインさんが走りよってきた。
「奴の弱点は雷属性らしい。」
「あっ、ありがとうございます!…権能菜園《スキルガーデン》(ぼそっ
会話中にスキルを発動させ植物を取るという荒技。
「って感じでな、ジャビィが調べてくれたんだ。」
意識を戻したときにはなんか言ってたけど気づかれてなさそうだな。
「何を気づいてないって?」
アレインさん心読めるんだったー!まあ、それより攻略法が大事なんだけど…
「はいっ!すみません!……で、アレインさんも戦うんですか?」
「あぁ、俺も斧取ってきたから戦わせてもらうよ。」
「ありがとうございます!では、」
ウヴァァァァァアアアアアアア
「行きますか!」
「おぉ!」
起床した風翼竜の右脚の方向へアレインさんが斧を振る。風翼竜は翼を振るいアレインさんを振り払おうとする。が、
「《イナズマライス》!」
ガラ空きの左翼へ稲妻を帯びる稲穂をぶつけ、スパークさせる。こちらを向いた風翼竜だったが、
「セイッ!!」
アレインさんが斧をぶん回して攻撃する。それなりのダメージが入っていると思われるにも関わらず風翼竜は一回転し、尾でアレインさんと俺をすっ飛ばす。受け身は取るものの
「グハッ」 「ゴフッ」
地に打ちつけられる。だが、
「負けるわけには!!」
自分の言葉にアレインさんが続く。
「いかねぇんだよ!!」
ただ、気合だけでなんとかなる相手ではないのは自分もアレインさんも百も承知。
「俺が引きつける。最大級の|技《野菜》頼んだぞ。」
「はい、ご注文は承りました!」
自分は隙を探しつつ、植物で陣形を組んでいく。
ぎゃぅゥウうィオぉん「ううぉ!」「そぉいやぁあ!!」ギゃリュぁうォおぉォおぉん
嵐のような噛みつきを、斧で防ぎ、カウンターを放つも、風を裂く引っ掻きで合わせる
超高速の攻防の中。
「菜弩和威!《ベジドレスバリスタ》!」
《イワトウガン》に《ボムペポ》《ハレツモロコシ》を《オオユミササゲ》につがえて放つ。着弾したら大きな…
躱された。
そのまま風翼竜は空へ舞い上がり竜巻を纏う。爪の斬撃も加わりそれは正に嵐。勢いそのまま地へと迫る。何度も見、何度も食らったあの突進だ。回避も間に合わない。
アレインさんの絶望した顔が見える。そして俺は…
--- フッ ---
笑う。
ただ今回は|自嘲る《わらう》んじゃ無い。|勝者の笑み《わらう》。
・
先刻放った技は、最後の1文字にもあるように威嚇用で、着弾すると大きな音が鳴る。
そしてそれを回避する事まで読んだ…
--- 俺の勝ちだ、風翼竜。 ---
風翼竜は突進をやめない。そして地面に触れる直前。
--- 「雷霆ノ菜盛《ケラウノサラダ》 ---
ゴロゴロ ピカっ ヴァルリィィィィイイ
《ヤリパラガス》に《イナズマライス》、《プラズマクワイ》を、再び《オオユミササゲ》を基に組み合わせ放つ。
稲妻が迸り、翼鱗の一つ一つまで電気が流れる。
体が痺れ、突進していた風翼竜が墜ちて行く。
ズガァァァアアン
「やったな、タツヤ!お疲れさん。」
そんな労いの言葉をかけてくれるアレインさんの言葉も聞こえないくらい自分は…
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《トゲクロゴマ》が作成できるようになりました。 ---
--- レベルが上がりました。 ---
--- 新しい作物《タイケンナタマメ》が作成できるようになりました。 ---
--- レベルが上がりました。 ---
:
:
:
アレに悩まされていた。
--- スキルレベルがアップしました。 ---
「ふぅ、やっと終わったな…」
「あぁ、俺らの戦いにお前は終止符を打ったんだよ…」
なんか微妙に話が噛み合ってn
「ん、ん〜ってここどこ!?なんで寝てるの!?」
「おい、慌てんな。お前はあの後倒れてたんだよ。」
一瞬焦ったが隣から聞こえるアレインさんの声に安心する。
「それで、ここは…?」
「あぁ、これから始まるのはお前の
--- 戴冠式だよ。」 ---
スクロールとてもお疲れ様です!!
こんなに長いのに最後まで読んでくれて感謝しかありません!
執筆記録がコピペした日だけエグいことになってた…
1万字なんて初めて見ました。コピペって偉大。
普段3桁行くか行かないかで書いてるからなぁ……頑張ります。
1章6話にコメントいただきました!ありがとうございます!
皆様からのコメントも是非是非まっています!
それではまた次回!!
2章1話 “crowning”
こんにちは、轍刹沌です。
シリーズ画面の順番が
3話
↓
2.5話
↓
4話
↓
6話
↓
5話
になっていることが気になります。治し方わかる方、コメントお願いします。
この章は新設定が死ぬほど出てくる(予定)です。この章が終わったら用語集も作ろうと思っているので是非お付き合いください。
それではどうぞ!!
前章のあらすじ
ある魔物の攻撃でドワーフの国に飛ばされたタツヤ。その地で紅怒熊、そして更なる強敵とも戦う事になり…!?
「なんで俺はこうも何も言われず参加させられるかな…」
俺は今、風翼竜を討伐した後の戴冠式なるものに出ている。冠をもらえるらしいけどそれ以外は何も知らされていない。
「汝、冠を授ける。前へ出ろ。」
俺のことかな?と思いつつ前に出る。
「貴君には英勇の冠を授け、我が国との同盟を命ずる。また、風翼竜と紅怒熊を倒した功績を認め、貴君には盟将の称号を与える。」
なんて言えばいい?
「あ、ありがたき幸せだと存じます。」
「うむ、それでは後ろを向け。」
好反応だったのでよかったなと思いながら後ろを向く。と、
「では、ドワーフに向けてスピーチを。」
--- はぁ!? ---
そこからの記憶は定かではない。しどろもどろになりつつスピーチを終え、顔を真っ赤にしながら戴冠式は終わった。そして家に帰って寝た。起きた後国王に会いに行くと…
「そちのスピーチ、とても素晴らしかったぞ!!」
絶賛された。
なぜ!?
「いやぁ、もうしどろもどろで…」
「ん?理路整然としたスピーチだったがなぁ?」
「え?」
「ふぅん、自覚がないか…スキルの影響とも考えずらいしなぁ。」
その言葉を聞いて、ステータスを確認しようと思った。
「あっ、ステータス確認してみますね! オープンステータス 」
名前:タツヤ・オオマガリ lv,218
称号:風紅双討/王ノ素質
加護:ドワーフ盟将
体力:1000
攻撃力:130
防御力:260
スタミナ:340
素早さ:95
賢さ:150
保有魔素量:75000
魔素還元率:0.01%
色素:緑
EXスキル:なし
固有スキル:《複合》農家Lv,3
スキル権能:権能菜園|《スキルガーデン》(仮想空間)へ入り込む能力。そこへは、植物の力が強いものしか持っていけない。その空間は、発動者が、気温、地形、湿度を改変することができる。発動中、現実の発動者は昏睡状態へ陥る。
NEW! 水、天候季節を生成することができる。
無限種袋:|《シードパック》を出す能力。その袋は、権能菜園内で使用でき、75魔素をこめることで、作物を魔導具化させ出現させることができる。なお、出現可能作物は、lvが上がるごとにランダムで解放。
植物図鑑:|《プラントピクトリアル》を閲覧する能力。自身が出現させることのできる作物及び自身が視認、接触したことのある作物を一覧にしたもので、その作物の科目や能力をしることができる。また、自身の記憶にある作物を検索することができる。
NEW!魔素を消費し、現世で収穫した作物を権能菜園《スキルガーデン》内に転送する。
作物肥箱:|《プラントコンポスター》を権能菜園内に自由に設置、撤去する能力。設置した箱に作物を入れることで有機肥料を生成する能力。その肥料は、成長時間を大幅に短縮する。
野菜調理:|《スキルクックナー》を行う能力。作物の魔導具で陣形を組ませ、技を繰り出す。また、権能菜園内で魔導具の状態を変化させた場合、その状態を保って陣形を組む。
魔法:能力開示…オープンステータス 消費魔素…0
Rank:D-
新スキルで陣形を組むのを自動化してくれるのありがたいな!
「…おそらくは王ノ素質という称号が働いたのだろうな。確か王ノ素質は印象補正があったはずだしな…」
なぜ王ノ素質が宿ったどうかは置いといて、便利な称号だな。
「話は変わるのだが、そちは転生前の世界に戻ろうとは思わないのか?」
「はい、思いません。」
特にいい思い出もないしね。
「そうか…ならこの世界でそちは何をしたいんだ?」
「俺は……力も得てきたんで助けることのできる人を助けたいです。自分の手の届く人や守りたい人を守りたいです。」
「これがそちの称号、王ノ素質の効果じゃないか?」
そっか!
…ん?これを調べるためにこの質問を?
「いや、それだけではない。そちが倒した魔物でかなり強い装備ができるのだが、本当に必要なのかを見極めようと思ってな…」
優しい!!………のか?
「優しいだろ!!まぁいい。じゃあ街の方へ行くか。」
しれっと王様が街にでていくが、街の人々も普通に接している。
「おぉ、ここが鍛冶場だったな。そちが狩った魔物の素材はここに入れてあるぞ。」
「へい王様!と、おお!これは《英勇盟将》タツヤ様ではないですか!どうぞこちらへ!」
知らぬ間に二つ名がついとる。カッコいいのでスルー。
そして案内されるまま中へ通されると…
「おぉ!すげぇ!!」
俺が戦って倒した相手、風翼竜と紅怒熊の素材がたんまり。
鱗、甲殻、爪、翼、牙など一通りの素材が揃っており、中には一際違う鱗なんかも。
「おお、名乗りそびれたな。おいらはモルグ・ケイカーだ。鍛冶士と解体師をやってるぞ。で、今日は何を作りにきたんだい?」
「え!国王!作っていいんですか?」
「ああ、もちろんだ。」
「おっと、翼はおいらが使いたいからちょっと取っといてもらっていいかな?」
ということで、甲殻、鱗、牙を使って装備を、爪、鱗を使って剣と斧を作ってもらうことになったのだが…
「あら、インゴット足りないな…君、スキルで出せない?」
「ん〜、ちょっと探してみます。権能菜園《スキルガーデン》。」
なんかあるかなぁ?
ピクトさん!インゴットって出せない?
///…キンゾクシカクマメなら可能です。かなり魔素を消費しますが、マジカルモロヘイヤを使えば回復も可能です。///
「わかった。ありがと。」
といいつつザッソウをコンポスターに入れて肥料にし、キンゾクシカクマメを生産する。この豆はなんなんだと思いながら帰還する。
「あぁ、ありましたね。」
至って自然にキンゾクシカクマメを渡す。
「ん?なんだこれは?おいらこの金属知らないぞ。」
仕方なくかくかくしかじかで…と説明すると、
「おぉ!おいら研究する!そしてこれを使って完璧な装備を仕上げる!」
「お、お願いします。」
熱意に押されながらもお願いしておいた。
そして1週間後。
ミハゼギルドへ戻る旅立ちのときがきた。もてなしとして出されたドワーフ名物のアカキノコのスープをすする。
そういえば一つ、この地に長く住むドワーフに聞きたいことがあった。
「ここら辺の植物はなんで特殊変異してるんですかね?」
「さぁな。」
国王も知らないのか…帰ってきたらノクリアさんにも聞いてみよ。
その後、防具を頼んでおいた鍛冶屋へ。
「で、できてる…」
想像以上のものができていた。
装備は風翼竜の緑と紅怒熊の赤が相まってめっちゃかっこよくできてるし、革一式が洋服に感じられるくらい硬い。なのに動きやすくもなっている。
剣は黒緑の刀身で、おそらく二つの爪を溶錬したんだと思う。しっかりキンゾクシカクマメも使われており、大体のものは切れそうだ。さらに驚いたのは、
「キンゾクシカクマメが使ってあるから魔法やら魔導具やらの効果もかけられるぞ。ま、おいらは魔法なんか使えないんだけどな。」
魔法はあんま関係ない。
魔導具の効果かけられるのが俺にとって強すぎる。さらに、
「斧には風翼竜の逆鱗を使ってあるから、振るうと風翼竜の爪の斬撃みたいのが出るようになってる。木もバッサバッサよ。」
恐るべしドワーフの技術力。
そしてここまで褒めちぎっていたが、一番ヤバいのはこれだ。
「あとは…預かった翼を使って飛翼装|《ファントムウィング》を作ったな。これに燃料をあげればある程度の高度までは飛空できる。防具にも取り付けれるようにしてあるし、何より紅怒熊の尾甲を使ってるから、耐火、耐熱、燃費、三方良しよ!」
えっぐぅぅううう
実際に装備しても着心地が良く、体に馴染む。
そして…
「本当にお世話になりました。それではまた。
--- 行ってきます。」 ---
頭には紅怒熊の兜。
耳にはノクリアさんとの通信用のイヤフォニウム。
体には風紅双討の証である鎧。
背中には滑空できる翼。
手には双爪の剣と、嵐伐の斧。
森を拓き路を進む旅が始まる。
スクロールお疲れ様でした!
今回は結構早めに投稿できたのでよかったです。
こんぐらいのペースで投稿できたらいいなと思います。
次回も1週間以内に投稿したいと思ってます。
コメント是非是非!
ぜひ一周年記念の小説も参加していただけると嬉しいです!
それではまた次回!
2章2話 “evolution”
こんにちは。
先日のお知らせにコメントをくださった方がいらっしゃいました!
本当にありがたいのですが…
お名前が書いてなくて…
もしこの小説を読んでいたらコメントくださると嬉しいです。
え?何のことかわからない?お知らせ見ろよ(威圧)
ということで(切り替え)本編どうぞ!
前話のあらすじ
戴冠式を無事終える&装備やスキルを整えてギルドへ戻る旅路へ
「づーーがーれーたーー」訳)疲れた。ものすごい疲れた。とても疲れた。
俺は今、木を切って道を開きながら進んでいる。最初は木を拾っていたため時間がかかったが、今はスキルで自動化しているためそれほどでもない。
1番キツいのは斧を振り続けること。そして2番目は、
ぎゃルゥぅうウゥん
「またかよ…」
倒しても倒しても出てくる魔物たちである。
今は真紅の森を抜けたあたりにいるのだが、急激に魔物の数が増えた。多分真紅の憩い場を抜けたからだろう。
懐から《イナズマライス》を取り出す。これ当てやすくて便利なんだよねとか考えていると、襲ってきた犬?狼?みたいな魔物が急に大人しくなった。
くぅぅううん
「チッ…クッソ。」
目の前の犬コロが上目遣いでこちらを見てくる。今までの疲れが吹っ飛ぶ程可愛すぎて攻撃できん…くそ…
解決しない悩みに《イナズマライス》を持ちながら頭を抱える。と、
ー//………ム…ク………効…す……かが……し……ょう…//ー
耳の補聴器から声が。ノクリアさんじゃないっぽくてこれは…
--- ピクトさん? ---
何を通じてどのように話しているのかもわからないのでとりあえず|身の安全《犬が大人しいこと》を確認して、
「権能菜園《スキルガーデン》」
入るや否や口を開くピクトさん。
///《テイムキク》が有効です。いかがいたしましょう?///
「それってあのワンちゃんもテイムできるの?」
///はい、もちろんです。///
よしそれ使おう!
ザッソウ→コンポスター→肥料→魔力回復のお決まりのコンボで《テイムキク》を回収し、素早く外へ。聞きたいことはいっぱいあるけどそれはワンちゃんの後!
意識を戻すとワンちゃんが隣で添い寝していた。優しくワンちゃんに当ててあげると、
/;/種名:ミドリオオイヌのテイムに成功しました。続けて名づけを行いますか?/;/
という声が。ピクトさんに似ているので、おそらくスキル関連の方だろう。
「名付けします!」
とりあえず名付けした方が強そうなので、名付け。
/;/では名前を。/;/
でも、名前を考えるのって、まあめんどくさいよな。いやでも、
「まぁ、め さく… 」
| 《んどく》 | 《ない》
/;/名付けを認証。個体名を【マメサク】とします。/;/
名前勝手に決められたーー!
というか、めんどくさくないを抑揚つけて言ったらマメサクになったー!
なんだマメサクって。ひでーなー。
「おいで、マメサク。」
くぅぅううん
前言撤回。割といいかもしれない。あとかわいい。
道中拾った木の枝を放ると取ってきてくれるし、咥えさせて遊んだりもできる。
まじかわいー!
…とか言いつつ遊んでばっかじゃ居られないので権能菜園に戻ってピクトさんに質問をする。
「……名前変えれ///無理です。///ですよねー。」
テイム後の名前変更は無理か…というか、
「なんであれキクだったんですかね?キクって野菜なんですか?」
///レベルアップによって分類が解放され、食用花にあたるキクも使用可能となっています。分類を表示しますね。///
他分類…キノコ類、海藻類、山菜類、[香草類]、[食種類]
食葉花目…特異作物、[虹色花類]、[緑黄葉類]
食根茎目…特異作物、[薄白茎類]、[土白根類]
食実果目…紺紫茄類、[翡翠豆類]、[深緑瓜類]
今回解放されたのは…
///虹色花類と香草類です。食べることのできる花やハーブ、スパイス等が解放されています。///
だからキクも解放されてたのか。確かに刺身の横とかに置かれてるからな。
後で効果も確認しとこ。
「ありがとうございまーす!」
そう言いつつ意識を戻して、地獄の作業・木こりを再開する。
「ヤベェ、手ぇ筋肉痛だ…」
小一時間経っただろうか、だいぶ疲労も溜まっている上、手まで痛い。休憩しようかなとか思っていた矢先。
キャウウウン! ワウウォーーーン!
マメサクの鳴き声が。
「どうしたのー?」
と、マメサクが見ている方を自分も見ると、
--- 「人か魔物の痕跡だな…」 ---
確かに土は土だが僅かに整備されている。また、自分のより小さな足跡や、奥には松明も見える。
「休憩がてら行ってみるか。」
先ほど見えた松明を通り過ぎた。そこからは砂地のようになっていて、一気に雰囲気が変わる。地面を構成している砂はとてもサラサラしていて…
--- 足元から崩れることがある。 ---
「おぉ!誰か捕まったぞ!」
「今日の晩飯は肉か?魚か?」
見事なまでに流砂の罠にかかる。
そして俺を喰らおうとしているモノが近づく。
「さぁどれどれ?」
穴の中が明るくなり…
「みんな!人間だ!」
「なんだと!」
「殺せ!」
「いや、すぐ殺すな!拷問しろ!」
「やっちまえ!」
こちらを覗き罵るのは、人間より小さく、灰色の髪を持つ魔物、
--- ゴブリン。 ---
「あのっ!俺は冒険者のタツヤって「うるせえ黙れぇい!」あっすみません。っでも皆さんを傷つける気持ちはないです!」
まず挨拶と意思表示!…なんか遮られたけど。
「さぁどうする?」
「殺すのは確定!」
「俺火炙りがいい!」
「溺水の方が楽しいよ!」
「砂に埋めるっていうのは?」
おや、俺の言葉が聞こえなかったかな?傷つけないって言ってんだよ?
なのにその物騒な語群はなにかな?
「あの、あなたたちは傷つけませんし、なんだったら「黙れ嘘つき!そうやって前も俺たちを騙しただろ!」
ん?前も?前にここを来た人がいる?
「皆の衆、静まれ。その者は何も罪を犯していない。」
急に凛とした声が響き、辺りが静まり返る。
「でも…「わかる。俺らは散々人間に迫害されてきた。その鬱憤を晴らしたい気持ちはわかる。だが、その気持ちをぶつけるのは違うだろ。」
「じゃあ、黙って見過ごせって言うのかよ!?」
威圧している訳でもないが、凛とした声の男がゴブリンを黙らせる。ゴブリンの王様なのかな?
とにかく即刻処刑なんてことは…
「その者は冒険者なのだろう?ならば…
--- サカナの試練でいいじゃないか。」 ---
いやなにソレーーーー!
「いや、私冒険者と言っても「その手があったか!」
「おぉ!そうだ!」
「魚神さまにお裁き頂こう!!」
「そうと決まれば…」
「うん!麻酔銃を持ってくる!」
こっちの言葉聞く気ないんだよねみんな。
麻酔銃などというワードも出ているがそれを除けばまだマシな試練…なのかな?
「処分は早い方がいい。麻酔銃をかせ。」
「はいよ!」
おそらく男の手に麻酔銃が渡った。そしてこの穴を覗く。出てきたのは…
--- 人間。 ---
驚き固まる俺に、その男は躊躇もせず麻酔銃を放つ。そして意識は闇へ。
「ハッ!俺は麻酔銃で撃たれて…何処だここ?真っ暗で何も見えないな…」
「ずいぶん早いお目覚めだな。だがお前のスキルは解析済み。少し変異しているがランクは職業スキル〈ジョブ〉。お前じゃこいつを倒せない。」
そう言葉が発せられると急に周囲が明るくなる。俺は金属製の檻の中に入れられていて目の前には…
魚。おっきな魚。
「怖!キモ!」
肌色で砂を纏っている魚は檻の中に入れられているが。俺の檻と隣り合っていて、開ければ俺のいる檻とつながる仕組みになっている。
「お前はこいつと戦ってもらう。負ければ死だ。万が一お前が勝てば、その時はお前が神になる。わかったな?言い残すことはあるか?」
なんかスゴイ魔物みたいだな。牢屋も狭く攻撃が回避できるとは思えない。というか
作物を持ってない。
--- 終わった ---
「精々足掻きますよ!」
「それでは始める。柵を開け!」
俺の前に砂魚が開け放たれる。
「総員退避しろ!」
檻の外にも被害が出るくらいの戦力なんだな。
砂魚が砂をブレスのように吐く。檻も狭いため避けきれない。砂は渦を巻いて俺に当たって…
「痛くない?」
さっきまでの絶望感がすっ飛ぶほどの拍子抜け感。檻にいるから飛ばされることもないので余り強くないのだろう。ただ、昏睡する時間はなさそう。なんか取り出す方法あったっけな……
あるじゃねぇか!
確か《《収穫済》》の作物もある!
「発動!野菜調理《スキルクックナー》!!」
おつかれ様です!
ちょっと長くなりましたがいい感じになったんじゃないでしょうか?
コメント・応援お願いします。
次回は書きたいものが決まっているので10月中には投稿できると思います。
早い方だぞ…
それではまた次回!
2章3話 “hidden skill”
こんにちは。
なんとか10月に投稿できた〜!
頑張ったー!
書きたいことが多すぎて早く展開進めたいのになかなか進まない…
頑張ります。
それでは本編どうぞ!
前話のあらすじ
道を開いていくがゴブリンに捕まって…
「発動!野菜調理《スキルクックナー》!!」
俺がここを乗り切るにはこれしかない!
--- 「雷鍋蒸獄《エレスチーム・エチュプリズン》」 ---
紫電一閃。
眩い閃光ののちに魚は
魚拓のように真っ黒な炭になっていた。
「破壊力えぐ!」
風翼竜に放った雷霆ノ菜盛《ケラウノサラダ》を応用し、水を生み出す《ウォーターカブ》を掛け合わせ電圧を持つ水滴で蒸気を作り出す。さらに水滴が高熱になっており殺す気マンマンの技になっている。
比較的無事な砂魚の鰭を剥ぎ取り、ゴブリンの村の方へ戻る。檻はと言うとさっきの技に耐えられず溶けて簡単に曲がるようになっている。
「高熱とか電気とかなんで効かないんだ?」
とか言いながら戻ると、
「おい………幻覚だよな…」
「まさか魚神様を倒した?」
「嘘だろ…」
ざわざわしているのが心地よい。というかマメサクどこだ。
「おい、お前は本当に…」
王っぽい人が話しかけてくる。
「嘘だと思うなら見て来ればいいんじゃないですか?それよりもマメサクって…」
「あ、あぁ、そこにいるぞ、あとこれはお前の武装だ。返却する。」
見ると子供たちが撫で…あ、やめた。怖がらせたかな…
「嘘だ…」
「と言うことは…」
「人間が…」
「神〜〜!」
「何事だ、どうした?」
まだザワザワしてるところにまた1人ゴブリンが出てくる。
「お、王様!」
ゑ?
あの人間は王様じゃなかったーー!
「なんだ、どうしたんじゃよ」
このゴブリン王、ちょっとバカっぽいな。
「いや、王様、人間に魚神様がやられてしまったんですよ!」
「なぁぁああにぃぃいい!なら、ゴブリンが神に?」
「人間が倒してしまったと言ったじゃないですか!」
「嘘だ!言ってない!」
「言いました。あ!ハルト様が!」
俺はマメサクをもふもふしながら高みの見物を決め込む。そして魚神とか言う魔物の死骸を引きずってきたのは…
--- ハルト様? ---
あいつ日本人の転生者じゃね?
同じ立場!me too!
後で話も聞いてみたいなぁとか思っていると…
「………おい、そこの冒険者、話し合いをしよう。」
願ってもないチャーーーーーンス!
「わかりました、ただマメサクは連れてかせてくれないですかね?」
「構わん。ならお前が溶かした檻のとこでどうだ。」
「わしも行くのか?」
「この村がどうなってもいいなら来なきゃいいんじゃないか。」
「はいはいめんどくせぇのぉ。」
この王様まじでヤバいな。
そして檻の前。
「まあまず今の段階ではお前は神と《《同等》》だ。いいな?」
ハルトとやらが言う。ただ、暗にお前はまだ神でないと告げている。
「そこでだ。私にも考えがある。2、3質問に答えろ。まず一つ目、お前の持つスキルはなんだ?」
「農家、と言うスキルです。」
「本当に農家だけか?」
「はい、農家だけですよ。」
そう言って一瞬昏睡し適当に作物をとる。これはミカタタスケールかな?
「ほら「何!野菜が出てきた……お前、スキル名をもう一度寸分違わず言ってみろ!」
ミカタタスケールを出した瞬間気配が変わった。
「えっと…《複合》農家Lv,3ですね」
「複合か…完璧に見落としていたな。せいぜい大農家ぐらいだろうと思っていたが………運が良ければ職業スキル〈ジョブ〉でも倒せるのか…」
ん?そのよくわかんないやつ前も聞いたな?
「あの、職業スキル〈ジョブ〉っていうのはなんですか?」
「あぁ、言い忘れていたが敬語は使わなくてもいい。職業スキル〈ジョブ〉というのはスキルのランクだ。下から順に、
職業スキル〈ジョブ〉 普通スキル〈ノーマル〉 能力スキル〈コモン〉
究極スキル〈エクストリーム〉 至神スキル〈ディーティ〉
だな。とはいえ、普通は能力スキル〈コモン〉が限界で、究極スキル〈エクストリーム〉ともなるとお国から呼ばれるほどだ。至神スキル〈ディーティ〉はもう…圧倒的強者だな。」
それで俺は農家、職業名だからジョブってことか…
「その他にも装備スキル〈アームド〉という装備につくスキルもあったりする。至神スキルの上もあったりすると聞くが…もはや神話だな。」
「そうですか…あ、そうか…それでそのスキルが進化するというのはないのか?」
いまいちタメ口ききずらいな。
「ああ、ある。例えばお前のスキル農家《ノウカ》で言うと大農家《ダイノウカ》への「進化」ができた。しかし、お前のスキルは《複合》と言う「変化」を起こしたため。化への道は絶たれたと言うわけだ。そして俺の質問二つ目。普通の冒険者ならこのくらい知っていてもいいはず…お前は本当に冒険者なのか?」
「あぁ、そうだ。だがしかし俺は転生者だ。お前も同じ立場になったことがあるんじゃないのか?…………ハルト。」
「…最後の質問をする手間が省けた。そうだ、俺は転生者だ。しかもおそらくお前と同じ地球の日本から来た。そして俺は
--- 同じ転生者の奴隷となりかけた。」 ---
「なるほど、ゴブリンたちもか?」
「あぁ、俺は元々ヴィスティカで研究員をしていた。魔法や権能を専門に研究していたが、ここエリトネアの王族は強いスキルを持っていると聞き、王族に近づいたのだが……」
ここでハルトが一呼吸置く。
「王に転生者と言うことがバレてから亜魔駆逐連合に追われた。表向きは繋がってないらしいがな。結局捕まり、強制労働場でゴブリンたちと出会った。意気投合し、脱走を企てた。何人か捕まってしまった者もいるが………お前に当たる必要はなかったな。これまでの無礼を詫びる。すまなかった。人間は全て悪いわけでもないのにな…」
なるほど、それならあんなに人を嫌っていた理由もわかる。
「そうじゃ、ゴブリンからも謝らせていただく。すまんかった。」
ゴブリンの王様も葉っぱを食べる手を止め、俺に謝ってきた。
その葉っぱ《ミカタタスケール》だよな?
「えぇぇ!何食ってるんですか!?」
「何ってお前が出した野菜じゃが?そんなことも忘れたのか?」
「違う違う!そう言う問題じゃなくて!それ野菜の形をした魔導具なんですよ!魔導具って食べてもだいじょぶなのハルト!?」
「知らん。俺も魔導具を食う魔物は初めて見る。」
「なんで落ち着いてられるのかな!?っと王様!?なんか変化は?」
「ん〜…新しいスキルを取得して進化したこと以外は何も?」
「それが大きな変化!」
急にドタバタしたが、ゴブリンの王様が俺のスキルから出した作物を食って新スキルを獲得すると言う意味不明な展開に
--- 隠し権能《シークレット》:菜権管贈《ベジソリティデバイス》を解放しました。 ---
なんか来たー!
「ちなみに王は元々どんなスキルを持っていたんだ?」
ハルトが冷静に問う。
「元は幸運人《グッドラック》だったのだが、掌運権者《バフケール/ムードメーカー》となっているな。文字数が長くなった。」
この人多分幸運だけで生き残ってるな。
「ちょっとスキルの確認してきます。」
そう言って俺は権能菜園に潜り込む。
「ピクトさ〜ん、解説お願いしま〜す。」
///…わかりました。スキルには隠し権能《シークレット》というものがあり、今回はそれが発現した形です。反対に《複合》スキルなら権能がスキルとして見えることもあります。///
最初に無言の圧を感じた。もう少し丁寧に接するよう気をつけます。
ただ、内容はなんとなくわかった。俺のスキルで言うなら権庭者《ガーデナー》みたいな感じで権能菜園が発現することもあるってことか。
///もう一つ追加情報ですが、この前の進化でこれが発現する可能性がありました。しかし、誰かさんに後回しにされたため、進化のためのエネルギーが称号:王ノ素質に使われました。なのでここで隠し権能《シークレット》として発現出来たことは僥倖だと思われます。///
なんか皮肉られた気がするが結果王ノ素質分強くなってるので結果オーライ!
にしても進化にエネルギーが必要なんだね。
///エネルギー源は魔物の魂です。数もそうですが、今回の場合は強大な魔物の魂なので進化したのでしょう。///
なんか引っ掛かるところがある気がしないでもないけどまあいいや。
「ありがとうございます、ピクトさん。」
丁重にお礼をし現世へ戻る。と、
ーおい!聴こえるなら返事してくれ!くそ、さすがに無理だったか…ー
もはや懐かしいものとなった耳に直接語りかけるような音が聞こえる。
唯一違うのは、
「あの…どなたさまですか?」
イヤホニウムから聞こえる声の主がノクリアさんじゃないことのみ。
はいスクロールお疲れ様でした!
タツヤの進化忘れてた…
前話のタイトルがevolution、進化みたいな意味で、進化できるフラグもあったのに…
ギリギリ要素落とし込めました。
魔物の魂?そんなの捻り出したに決まってんだろ。
…次回は11月3日(水)くらいに投稿します。
それではまた次回!
2章4話 “homecoming”
こんにちは。
今回はもっと早く投稿する予定だったのですが…
周年企画、人集まらず。
仕方なく自分で書きました。同時投稿のやつです。
自主企画の方に放り込んどきます。
今回は途中に周年記念同時投稿の2章4.1111話を挟みます。わかるようにはしてあるんで是非同時に読んでみてください。
それでは本編どうぞ!
前話のあらすじ
砂魚を討伐したのだが、ゴブリンの王が魔導具を食べてしまい…
「あの…どちら様ですか?」
俺は今、耳元の魔導具から音が聞こえるという感触を懐かしみつつ、聞こえてくる正体不明の声に戸惑っている。
ー何!?応答があったか!…ワイはセルディアと言って、要人の護衛やら輸送やらをしているんけどな……ー
「はぁ…何かありました?」
ーお前は真紅の森にいるから知らんのか…この魔導具の持ち主、王女ノクリア様は王の誕生日の祭りの行事、《王への懇請》という王へ民の願いを発言する時に亜魔駆逐連合に捕らえられた捕虜の解放を望んだんよ。もちろん王は拒否し更には不意打ちでノクリア様へ攻撃を仕掛けた。ノクリア様も反抗を試みるも急に意識を王に支配され、今ではノクリア様は牢屋の中へ入れられてしまっている…ー
は?
ノクリアさんって王女だったの?とかいう驚きを通り越す怒りが。
なんで王が王女を支配した後捕まえてんだ…
ー他の王族はそれをみて嘲笑う始末…王は暴政で庶民からの評価も芳しくない上によ、その庶民まで捕らえる始末よ…でな、たくさん牢屋に人が捕まっとんの。だから、真紅の森を生き延びたお前「捕まった人を助けに行くんですか?」あぁ。ー
「わかりました。援軍を約束します。」
久々に血液が沸騰するような怒りを感じた。
今までは酷い王様がいたものだとどこか他人事で考えていたが、今は違う。
通信を中断し目の前にいるハルトらに声をかける。
「お前ら、王族たち嫌いだったよな?」
「あぁ、当たり前だ。」
「ん?わしか?わしもじゃぞ?」
ならば。
「お前らには申し訳ないが、俺が持っている神と同等の権限を使う。私怨に付き合ってもらおう。
--- エリトネアの王都を襲撃する。今すぐにだ。」 ---
ハルトが言う。
「チッ、もう少し話したいんだけどな…お前の仲間に何かあったんだな…。わかった。ただ、俺たちは
--- 俺たちの怨みも返しに行くぞ。」 ---
「あぁ、わしもじゃ。」
珍しく王様がまともに見える。
その一時間後俺らはゴブリンの兵隊を先陣に、たった百名で進軍を始めた。
連絡が来て一週間が経った。
その間にもらった情報では、王族軍は2万、しかも個々が強く、最上位のものは至神スキル《ディーティ》までいるらしい。対してこちら、いわば反乱軍はセルディアさんが所属する王族騎兵隊のごく少数と俺らの《《250人》》を合わせた500人だ。
ゴブリンたちにも手伝ってもらいながら木を切り倒していき、今は浅部《ライトフォレスト》にいる。その道すがら不思議な種族と出会って……話すと長いから別にまとめよう。
〜別のお話〜
そんなこんなで今はその種族、書筆鬼〈ライトオーガ〉とその首魁である雪般若:サザメユキも仲間になったというわけだ。
「おぉい、大親分!大親分のギルドはあれか?」
久々に見たな。風翼竜のやつに飛ばされて以来か。
「あぁ、そうだ。」
気づけば辺りはすっかり暗くなっていた。
闇夜に映えるミハゼギルドにて。決戦の最終準備が始まる。
と、思ったけど王族騎兵隊250名と合流した後は特にやることもなく、武装を揃え一晩を過ごした。
「おはよう皆。準備はいいかい?今日は王都近辺まで進軍し、ギルド関係者のふりをして侵入。夜中に大暴れしようという計画だ。いいな?」
「「「「「ウォォオオォオオオオ!」」」」」
血気盛んな声と共に、王都へと進軍を始めた。
郊外では全員で進軍していたが、そろそろ分かれて行動しようかというところだった。
「なんだ?あの集団?」
「あれ?あいつら魔物じゃねぇか!」
「おい!駆逐しろ!」
謎の兵隊と遭遇してしまったのだ。と、
「セルディア様からの報告です!奴らは王国の陰・捌兵とのこと!奴らのカシラは王族の八女、フララとのことです!」
なるほどな。
「わかった。俺が出る。」
「危ないぞ。いくら砂魚を討伐したからといって…」
「いや、手間取らせるくらいだったら…」
滑空翼に燃料を詰める。
「俺が行く。」
真上から照らす日を背中に受けながら前線へと躍り出る。
敵は…大体1000人ほどか。
「野菜調理《スキルクックナー》発動。」
怒りのままに。
「獄鎌縄怒《ヘグリースィロップ》」
《スパイクヤングコーン》に《ナワカンピョウ》、その他諸々を混ぜ放つ集団攻撃技。
それは怒りを具現化したような鎌。憤怒のままに人を傷つけ切り刻み、魂を刈り取る。
それは地獄へ誘い縛りつける縄。永遠に近い時間縛り付け、痛めつけ続け、離さない。
技が終わると、そこに王兵は一人も残っていなかった。
否。
集団攻撃技なのにも関わらず、一人と一匹だけ残した。
王家の八女とそれに付き従う金色の鳥の魔物だ。
「お前が王家の八女で間違いないな。」
「え、えぇ、そうですの。私に危害を加えれば…」
斬
「サザメか。」
残雪を思わせる神速の斬撃。しかし峰打ちをしているため王女は気を失っていた。
俺がさっき使った《ナワカンピョウ》で捕縛していると、納刀しながらサザメが話しかけてきた。
「オマエ……人間ヲ倒スノ…ナゼ躊躇ワナイ?」
「今のは人間じゃなく魔法のレプリカみたいなやつだろ。王女は違うがな…現に人間だったから捕縛してる。あぁ、あと鳥はもらっていくぜ。」
軍団が人間でないと見抜いたからあの広範囲攻撃をぶっ放したのだ。
なるべく倒さないようにしてるよ、と付け足しながら、王女が飼っていた不死鳥のような魔物を《テイムキク》でテイムさせようと、持っていた《ツルギミツバ》をしまう…
ー//…………クを…………………………。//ー
まただ。
「少し意識を失う。」
そう言って権能菜園に入り込む。
「ピクトさん、どういうことこれ?テイムしようとするとピクトさんの声がうっすら聞こえるんだが?」
///いいえ、前回の緑犬狼、今回の金凰鳥どちらもテイムしようとするとではなく作物が耳の魔導具に触れるとです。///
そんな効果あったんだ…知らんかった。
「ありがと。」
言葉少なに礼をすると権能菜園を後にする。
「大丈夫カ?」
起きると書筆鬼が介抱してくれていた。
「あぁ、ありがとう。」
そう言って起き上がったのち金凰鳥というらしい魔物をテイムし、「フェニックス」という名前をつけた。
新たな魔物は賢く、諜報とかもできるというのを確認しつつ自分の持ち場へ戻ると、ハルトが声をかけてきた。
「随分と大軍を殲滅したな。職業スキル《ジョブ》ということは信じられないくらいだ。」
「まぁな。《複合》ってやつがよかったんだろ。」
「あぁ、俺もそれは思っている。《複合》というのはスキルが2つ組み合わされてできる。一つ仮定としては…
至神スキル《ディーティ》ぐらいのが組み合わされているんじゃないか?」
「まぁ、それがわかってもだしな……ちなみにハルトのスキルは何だ?」
「俺のは襲雨者《レインアサルター》だ。雨が降ると身体能力の向上がかかるって感じだな。」
「なるほどな…そろそろ団体行動だと目立つから別れるか?」
「あぁ、そうだな。」
軽い作戦会議を終え「なるべく殺すな」という伝達をすると、素早く数人ずつのグループに分かれて行動し始めた。統率力は王都の兵にも負けないかもな。
そして日も傾き始めた頃。
「これか…」
白い城壁に塔や離れたところにはギルドのような物もある豪華な城が見えてきた。
「いいか?俺たちはミハゼギルドの冒険者として昇格試験を受けにきたテイストで行くぞ。」
俺らのグループは俺に加え書筆鬼のショウヨウ、ゴブリンのコロイド、王族騎士団のウォリシュの4人だ。コロイドと王族騎士はスキルがないが、ショウヨウは演闘者《バトルアクター》という自分の持っている武器の長さを変化して見せるスキルがある。
「すいませーん、ここがギルドですよね?。」
「はいはーい!ギルド担当のチェリでーす!そうですよー!」
「あっあのー…その…昇格試験を受けにきました。」
「はい!では冒険者証をお願いします!団体ならギルド団体証をお願いします!」
なにそれー!もってないよーー!
「あっ、変わりますね。はい、これがギルド団体証です。」
困惑して目線を向けたらウォリシュが助けてくれた。
「はい、ありがとうございます。こちらお返ししますね。」
ここで受付の人の声のトーンが数段落ちる。
「お城に入ったら右へ進んで2番目の柱に刻印魔法があるからそこに魔素を入れると転移できるから、うまく鍵を盗むんだよ。奇襲成功させてね。」
お前も裏切り者かい!
「あ、ありがとうございます!」
「はーい!お気をつけて!」
声のトーンも元に戻っている。こやつやり手だな。
「よし、行くぞ!」
こうして俺らは奇襲を仕掛けるべく王城へと歩みを進めた。
スクロールお疲れ様でした!
見ているとは思いますが今日は2本投稿しているんで、
「えっ!知らんかった!」
みたいな人はぜひ読んでみてください。
次回は1週間以内に投稿する予定です。
あと自主企画始めました。ぜひ投稿していただけると嬉しいです。
それではまた次回!
2章4.1111話 “beginning”
こんにちは。
いつもは異世界転生系の小説を書いている轍刹沌です。
2022/11/11はこの短編カフェの1周年ということで、お祝いさせていただこうとこの小説を書いた次第です。
ただ…
2週間遅れた…
違うんすよテストがあって執筆予定も吹っ飛んで…
まあ、まだ誰も投稿してないしいいでしょ。
さらに今回のお話はガッツリ普段の小説に入ってきます。
ぜひ総集編等是非読んでみてください。
それでは本編どうぞ!
俺は今、木を切りながら進み、深部《ダークフォレスト》と浅部《ライトフォレスト》の中間にいる。
--- シャラシャラシャラ ---
あたりの森の木が竹に変わり、竹林のようになってきた。
「ん?あれなんだ?」
見ると提灯が置いてあり、近くの竹には短冊みたいのが引っ掛かっている。
「全員離れとけ、俺が確認する。」
ゴブリン村の経験を活かし周囲に罠がないか確認しながら移動する。
「ん〜、特に変わったところはないな…」
普通に短冊だな…でも願い事は書いていない。竹はとても大きいが、それには不相応な字の大きさで書いてあるのは…
--- 物語? ---
そこにはさまざまな物語が書いてあった。その中には自分の願望を書いたもの、日々の生活を描いたもの、フィクションのものから特定の人?魔物?との妄想のようなものまで様々あった。
と。
「何奴ッ」
目では追えないほどの速度で斬撃が飛んできた。
予め持っていた《バリアノザワナ》を展開し敵の攻撃を防ぐ。
斬撃を防ぎ切った後に出てきたのは般若面をつけ、着物を着た少女だった。
「別に敵対しにきたわけじゃない!」
「黙レ王国ノ残党メ。オ前ラは私ガ滅ボス!」
ここ王国に恨み持ってるやつ多くない?
まあむしろ好都合なんだけど。
「俺らは魔乱の森の魔物で結成された王国征伐隊だ!現に王国に反乱するゴブリンもこの作戦に参加している!」
今ぱっと思いついた軍団の名前を口に出す。
「オ前…裏ギルダロ!」
なぜ!?
「俺の大切な人が王国に囚われている!それを救いに行く!」
「王国ノ牢屋へ行ク気カ?コノ少数デ?笑ワセルナ!アノ牢獄ハ一度モ破ラレテイナイ。救エル物ナラトウノ昔ニ救ットルワ!」
「忠告はよく理解した。ありがとう。でも俺らは進軍する。」
「そうだ!お頭は砂魚を倒すくらい強いんだぞ!」
俺の決意にゴブリンが同調してくれる。
「モウ…何モ失イタクナイ…否…モウ何モ失ワナイ。
私ヲココデ倒シテミロ。倒シタラココヲ通ソウ。」
しかし相手は失いたくないがために戦う気のようだ。
「わかった。俺は王国征伐隊筆頭タツヤ!かかってこい!」
仕方ない。ここは勝って通してもらう!
「サザメユキだ。では参る…いざ尋常に……」
片や大切な人を救うために。
片やもう何も失わないために。
「ハァッ!」
「セイッ!」
俺はドワーフに作ってもらった剣で、サザメユキは凍てつくような剣で。
お互い同時に切り掛かる。
刃がぶつかり火花が散る。
「色闘法:凍覇圧氷」
「権能菜園《スキルガーデン》」
サザメユキの攻撃を回避しながら剣に込める作物を回収する。
「復活!」
「殺ッタト思ッタンダガナ…」
「怒風爪装填《シングルクロー・チャージ》」
まずは一つ魔導具を装填してみる。
「熱風赫怒爪斬《ビーツ・スムージー》」
「氷結刀受《アイスソールド》」
え?
あたりの竹が炭化するほどの高火力を発揮した。
しかしサザメユキは刀だけで防ぎ切ってみせる。
お次は二つ魔導具を装填し発動させる。そして火力を一点に集め、あいつを倒しにかかる。
「怒風爪双充填《ツインクロースチャージ》」
「電風静怒混爪斬《クワイ・カブミックスムージー》」
《プラズマクワイ》と《ウォーターカブ》を装填し発動する。
《プラズマクワイ》のプラズマを《ウォーターカブ》で生成した水で囲んで辺りへの被害を抑える。まあ水は電気分解するがそれで発生した酸素や水素を、
--- 「怒風爪斬《ウィンドゥ・ブレイク》」 ---
風翼竜の力を使い水素、酸素を一点に集め、紅怒熊の加熱エネルギーを用いて発火させる。数秒後、
ドゥぅうううううゴォぉぉぉぉおオン
爆発の跡には大きな穴と折れた氷剣、そして気絶したサザメユキだけが残っていた。
〜数日後〜
「や〜、まさかお祭りを邪魔させないために命がけで戦うとはね…」
「仕方ナイダロ。コノ村生誕ノ感謝祭ナンダカラ。」
「それはほんとにごめん。」
ここに住む鬼の近縁種の村にサザメユキは住んでおり、その村の生誕を祝う祭りの準備をやってたんだと。
「…言ッテナカッタシ仕方ナイガ…トコロデ王族ノ牢ヲ襲撃スルノハ本当カ?」
「ああ、本当だ。俺に色々教えてくれた人が捕らえられてるからな。ギルドの冒険者のふりをして襲撃しようかと…」
「ワカッタ。私達モ手伝オウ。我々ニモ多クノ恨ミガアル。」
「本当か!ありがとう!でもここってほんとに王国に恨みを持つ魔物多いな。」
「当タリ前ダ。ココハ王国兵ニ追ワレタモノガ逃ゲ込ム森ダカラナ。何故カワカラナイがココニハ王兵ガ入ッテ来レナインダ。」
お、これはいいことを聞いたな。
「大鬼《オーガ》の近縁種達やサザメユキをここに追っ払ったのは亜魔駆逐連合か?」
「イヤ、王族直々ニ襲撃サレタ。6男ノ“アヴォイラ”ダナ。奴ノ権能ニヨッテ私タチハ一ツノ感情ニ絡マレ、ソレニ固執シテシマウヨウニナッタ。」
「それで大鬼《オーガ》にも変化が?」
「…マァソウナルノカ。アイツラハ感情ガ暴走シテシマウコトガアル。ダカラワタシノ権能、情書者《フィールライター》ヲ使ッテ物語ニ感情ヲアズケテイル。本来ハ感情ヲ銃弾ニ宿ラセル情弾人《フィールバレット》ダッタンダガナ。」
おそらく笹にかかっていた物語がそれなのだろう。
「アイツラモ変異シタ訳デハナイ。本来猪突猛進ナ性格ノ大鬼《オーガ》ダガ、今ハ自分自身ト向キ合イ繊細ニナッテイル。感情ヤ種族ニ囚ワレズニ生キヨウトイウ気持チヲ込メ、今ハ書筆鬼《ライトオーガ》ト名乗ッテイル。」
「じゃあ、サザメユキも?」
「イヤ、私ハ人間ダ。又、襲撃サレタ時ニ感情ヲ消シテシマッテイル。マア、私ハ今奴ラニヨッテ
--- 復讐に執着してしまっているがな。」 ---
最後の一言には彼女にあるはずのない感情があるように感じた。
〜さらに数日後〜
「じゃあこの祭りが終わったら出発ってことだな。」
「アア。ソウシテ貰エルトアリガタイ。大切ナ行事ダカラナ。」
ゴブリンたちと共に初めて村の内部に入る。今まで入れてもらえなかったからな…
「うわー!なにこれきれーい!」
「おいしそー!」
「すげー!なんだこれー!」
高い技術の工芸品や食料にゴブリンたちも興味津々のようだ。
見てみると天狗のような面や飴細工のような菓子など浅草仲見世通りを彷彿とさせるラインナップになっている。
てかさ…
初対面の時のゴブリンの反応、違いすぎん?
それだけ人間が嫌われるってことか…
転生者とか魔物が普通に暮らしやすい世界になるといいな。
別にそんな国規模の権力ないんだけどさ。
そんなことを考えていると、
「あなたがサザメ様の盟友殿ですか?私は書筆鬼《ライトオーガ》族長、サンピツのと申します。ほら、お前たちも挨拶しなさい。」
「俺はコウボウ!」
「わ、私はタチバナ…」
「僕はサガって言います。」
族長と子供たちかな?が挨拶してきた。
「貴方のお話は聞きました。砂魚だけでなく風翼竜まで討伐したということで、私どもも貴方の力にあやかり安心して王国へ強襲を仕掛けることができます。」
屈強な体付きだが白い着物を着ており、背中には巨大な筆を背負っているため書道家感がすごい。
とりあえずこちらも挨拶を。
「いえ…それほどでもないですよ。ちなみに皆さん戦われるのですか?」
「ええ。子や女は残して戦いますよ。まあ、今は戦いより祭りを楽しまれてはいかがですか?」
「はい。少し気がはやってしまって…お言葉に甘えて楽しませていただきます。」
その後はお祭りを楽しんだ。
りんご飴食べたり、ハルトとお饅頭食べたり、サンピツの子達と餡蜜食べたり、サザメと芋羊羹食べたり…
って和菓子しか食べてない!
俺も作物で芋羊羹とか作ってみたいわ…めっちゃ効果|《バフ》付きそう。
そんなこんなで夜。
「よっ、《《サザメ》》。書筆鬼たちから大人気なんだな。」
露店を回ってる時も話しかけられたりしたけどいい噂しか聞かなかった。
「ウルサイ。怖クテソウ話シテルダケダ。」
「随分冷たいじゃん。照れ隠しか…って痛っ!」
ちょっとふざけてたら刀の柄で殴られた。
パチパチゴォぉぉおおお
「物語、燃やすんだな。」
「アァ、取ッテオイテモ得ナドナイ。」
「明日朝出発な。準備しとけよ。」
「オマエ…イノチ…大切ニシナイ?」
軽い口調で切り出したものの戦いへの重い覚悟を問われた。
「いや、仲間には絶対に死んでほしくない。ただ…
目的を果たすためなら、人を手にかけることをしてしまうかもしれないな。
ま、しないようにするけどね。」
やっぱり俺は飄々としてる方が性に合っているのかもしれない。
〜明くる朝〜
「じゃあこれで全員か、出発するぞ。」
「「「「オォォォォォ!!!」」」」
俺の掛け声にゴブリンと書筆鬼が続く。
自由と大切なものを取り返すために。
戦いが始まる。
お疲れ様でした〜。
前回11月3日に投稿予定だったのですが、約一ヶ月ぶり…
いや、周年もあったしね。2週間待ってたしね。
一応書筆鬼がこのサイトの著者一人一人を表しております。
2週間待ってた間?寝てました。
嘘です、テスト勉強してました。
次回は11月中に投稿したいと思います。
それではまた次回!
2章5話 “head to head”
お久しぶりです。
なに?前回の新作から1ヶ月?知らんな?
ごめんなさい。
最速正月投稿してるはずから許してください。
それでは本編どうぞ!
前回のあらすじ
書筆鬼《ライトオーガ》を仲間につけ、ついに王都へ到着。
俺のグループは柱に3番目ぐらいに到着した。
チェリに言われた通り魔素をこめると柱の魔法が発動し転送された。
--- 「うおぉぉぉぉおおおお」 ---
すげーー!
めっちゃ豪華な部屋に転送された〜!豪・華・絢・爛!
でもこれが目的じゃないんすよ。
「ちょっと待ってて。」
不意打ちによる全滅を防ぐために一旦メンバーを物陰に隠しておいて、様子を確認する。まぁ誰かいるなんてことは…
「「あっ」」
「何奴だお前!ここは我が家王城ぞ!そして私は王家の六男、アザガだ。刀を交えようというのか!?」
「何?貴方は王家の子であるのですか!?申し遅れました私このエリトネア王国の端っこ、西の境界線近くを統治しておりますミハリアと申します!私下郎なれどもこの国王の生誕を祝わないわけにはいかないということでここにいるわけですが、この広大豪華な王城で迷ってしまい…誠におこがましいのですがここがどこか教えてくれませんかね?」
テンパったけどうまく取り繕えたのでは?
「西端というとライヤスネ亜国との境界線…日々野蛮な獣どもの相手に苦労していることだろう。だが安心せよ。残り3か所のギルド……ミハゼ、聖魔礀、メルニアを制覇すれば、この国内も全て王の手駒となる。その戦いで得た魔物どもを卑しいケダモノにぶつければ亜国もここの属国だ。」
はぁ。
なるほど、ここの王国にはこういう
「腐った奴しかいないと。」
「何を言う!!」
「いえ…つい…
--- てめぇらの方が卑しいと思ってしまってな!」 ---
瞬間斬りかかる。相手はご丁寧にも名乗ってくださっているので六男であることは把握済み。この急襲には対応できないだろうと思ったが…
「何!?」
振り抜いた剣は同じく相手の剣に防がれた。
「発動…牽牛砲突《バッファカノン》」
「グハァぁあああ」
防いだ剣はそのまま俺の剣を伏せ、できた隙に権能の力を使った一突。
そのまま階段を転がりおち、地下室まで落ちた。
「お前はそこでおねんねしとけ。牽牢獄《カウプリズン》」
さらに階段を封じられ、地下で閉じ込められてしまった。
「どうだ、俺のスキル牽牛華王《ウシツラナ》の技を食らって?え?」
俺は呟く。
「野菜調理《スキルクックナー》」
「なんだ?だんまりか?」
六男がそうほざく。
「永遠に黙るのはお前のほうな。
獄槍縄突《へグリーランピード》」
前回発動したものから《ヤリパラガス》などを追加して放つ。
前のとは違い火力は一点に集中しているから
「……ぐはっ」
局部を狙わず貫いて力を抜き、縄で捕らえ引き寄せる。
「これで2人目だな。」
「何…もう……一人…は…」
そこで力尽きたようだ。
と言っても殺してはいないので、《スイミンレタス》で眠らせる。
と、
「おー!」
「ナイスです!」
グループの仲間が来た。
「ああ、ここで1人やっつけられたのはでかい。ただ俺もここに囚われたっぽい。相手のスキルだから殺さないと解除できないしな…」
「はい、捕縛した王族は一度チェリさんに渡して、彼女のスキル捕攫王《ツカミトル》の効果で捕らえていただき、その後封魔鋼の錠で牢へ、という感じですね。」
とウォリシュが言う。
ん?
あいつ究極スキル持ちなの!?てか、
「封魔鋼って何?」
「鉄に高熱で魔素を込めると魔鋼になります。それに闇エネルギーを加え封魔鋼にすると魔素を封じスキルを発動出来なくする金属ができますね。」
すげー!と感心していると、
「解析が完了したぜ。どうも奴の権能じゃ無いみたいだな。別のやつの権能の起動スイッチをあいつが押したみたいな感じか。」
ゴブリンのコロイドが解析をしてくれた。
なんか…みんな優秀。
書筆鬼のショウヨウだって今護衛をしてくれている。
「お前ら…どうする?俺はこっち探すけど…」
「我々も探索を進めます!」
護衛役、ショウヨウがそう意気込み、
「はい!」
「もちろんです!」
それに2人も続く。
「わかった。死ぬんじゃねえぞ。あと、これお守りな。」
そういってそれぞれに野菜を渡す。そして彼らに背を向け歩き出した。
歩き始めて一時間が経っただろうか。一向に下へ降りる階段やら牢屋やらは見えず、結局はそんなに長さのない廊下を行ったり来たりしている。
「ヤベェな…出れねぇぞ。他の奴らはどうしているかな……!!ピクトさんなら何か手があるかも!権能菜園!」
///お待ちしておりました。///
「ごめんよ。それで、何か手はあるか?」
///もちろんです。《ハアクオカヒジキ》を使えば魔素を込めることで周囲の状況の把握が可能です。また、それで解析した情報をもとに技を私が構築すれば、その牢も打ち破れることでしょう。関係各所との連絡も行っております。///
「おぉ!ありがとう!」
そう言いながら早速言われた作物を収穫し、ついでに不足気味だった魔素も回復して復帰する。
「よっと。よし、お前らも行ってこい!!」
解析にはちょっと時間が必要そうだったので、マメサクとフェニックスを檻の外へ放つ。
「で、これに魔素を込めれば…ってうぉ〜〜!!」
魔素を込めた瞬間、映像が流れ込んできたのだ。
〜東館・四階〜
この王城は東館、南館、本館、大広間、庭の5つに分けられる。
高さも様々であり、本館と大広間をつなぐ回廊や東館、南館と本館をつなぐ渡り廊下など複雑に入り組んでいる。
そしてその東館の三階。
「ギャァぁぁああ〜」
「転移先がランダムなんて聞いてないよー!」
「なんでだよ〜!」
最初の情けない悲鳴の主、ゴブリンの王であるゴルバリオ・ラランは困惑していた。
「もう!バフケールの効果は切れるし、変な水?斬撃?に追われるし…もうなんなの!」
その変な攻撃の主が言う。
「ははは、あなたたちが止まればすむ話よ!」
これだけでも十分きついのに、さらに仲間の書筆鬼が絶望的な状況を伝える。
「ゴルさん!分かれ道です!」
「ウッソだろ…右だ!右に行くぞ!」
しかし、お得意の幸運にさえも見放されたようだ。
「行き止まりか…」
「終わった…」
口つぶやく仲間たち。
「あはは、あなたたちも終わりかしら?私は王家四女のミスズよ。冥土の土産にでもしてくれよ。」
ゴルバリオは答える。
「我が名はゴルバリオ!お前を倒すものなり!」
こうして自由に形を変える水のような斬撃を躱し続ける途方もない戦いが始まった。
〜東館・本館間の渡り廊下〜
「ん?なんだこの花は?」
そう呟いたのはゴブリンだった。廊下の手すりの先にラッパのような形の花を見つけたのだ。
そしてこのグループのリーダー、セルディアは言う。
「それは水仙やな。つまりこの近くには、至神スキルを持つ王女「ギャァぁぁああ〜」話している場合じゃなさそうだねぇ…いくぞ!」
「おーっ!」
そう、幸運は発動していた。しかし、思いがけぬ形で。
王家の護衛、輸送を受け持つ騎士が王家に牙を向くまで、時間はかからない。
〜南館・二階〜
「ここは…どこだろうな。美しい掛け軸もかけてあるよ。ここの部屋の持ち主はセンスがいいな。」
「もう、サンピツさん!それはいいんですよ!」
転移先にあった掛け軸を見てうっとりするサンピツを、王族騎兵隊に止められる。
そんな彼らをそよ風がなでる。
「ん?風?」
ここは屋内。ならば風は権能の影響だと考えられるわけで。
「警戒しろ!」
「一足遅いね!」
刹那、吹き付ける突風。
「よ!僕は王家五男のヤシス!風信華王《ヒヤシンス》使ってお前らを殺す人だよ!」
「黙れ!俺はサンピツ!筆闘術でお前を倒すもの「長い!カーットウィンド!」何!」
物凄い速さで風が吹き地面が割れたと共に、仲間と孤立してしまった。
「くそ、孤立させてきたか…」
「さぁ!一騎討ちと行こうか!」
「わかった、受け入れよう!」
武人、サンピツとポジティブサイコパス、ヤシスの戦いが始まる。
〜本館と大広間を繋ぐ回廊〜
「どっかにいるはずなんだ!門番ってやつが!」
「本当にこっちか?」
「こっちから声が聞こえる…少なくとも誰かいそうだな。」
そう会話を話すのは、タツヤとペアを組んでいたショウヨウ、コロイド、ウォリシュの三人だ。
「ここを開けると部屋につながるのか?」
「さぁ、ちょっとわからないな?」
「まぁいい、行くぞ!」
そして開けると待ち受けていたのは、
長い廊下と、チューリップの花壇。
「あんたたちが私の相手かい?弱そうなのが回ってきたねぇ。」
「こいつは?」
「いや…あいつは…次女のチュリピ…名の知れている戦士だ。」
コロイドの問いに答えるウォリシュ。
「まぁ、やるしかないだろ。」
そして、覚悟を決め呟くショウヨウ。
彼らの持つ野菜はどのような効果をもたらすのか。
名の知れた実力者対運頼みの新星。
戦いの火蓋は切って落とされた。
〜その奥にいると思われる者〜
「各所で交戦が始まったようです。いかが致しましょうか。」
「今手空いてるの誰だ?」
「サラワー、アヤメ、ヴィオガ、ダンデラですね。加えてハビススも交戦していないようです。」
「ほう、至神スキル《ディーティ》の半数が戦闘中か。」
「はい、そのようですね。」
「全員集結させろ。あ、アイツはいいや、あの〜アヤメ、アヤメは牢番やらせておけ、あと他の集めろ。」
「相変わらず、ですね。」
「何がだ?」
「いえ、子さえも道具としか見ていないことですよ。」
「あぁ、子供も俺が強くなるための道具だろうよ。特にあいつはダメだ。あいつ、あのー…ノクリアだ。アイツ、忌々しい。」
「いいでしょうよ、今も牢屋に囚われています。牢屋には《《誰も入っていませんよ》》国王。」
「ハッ!そいつがお似合いだろうよ、
失敗作のアイツにはな。フハハハハ!フハハ!」
〜庭〜
「雨雲は…無いな。仕方ない。屋内に戻るか。」
ハルトは権能発動のために雨を望んでいた。しかし、そううまくいかないもんで雨雲はなさそうであった。
「そうでやんすね。戻りやしょう。」
「おっと、そうはさせねぇぜ。」
「誰だ…名乗れ。」
「アタイはリリア。百合の毒を操ってテメェらをぶっ倒す者だよ!」
「全員回避に徹せ。さもないと死ぬぞ。奴の毒は相当強い。俺は遠距離の魔法戦で戦う。お前らも遠距離で戦え。」
素早い伝達で敵の特徴を伝えるハルト。
「そんなこと言うなよぉ〜。《《俺とお前の仲だろぉ》》」
そう言って近くのゆりを触る。と、
シュゥゥゥゥウウウ
「ゆりが…溶けた?」
仲間のゴブリンが言う。
「あぁ、あれが奴の能力だ。強力な毒素を持つ。」
「おい!ビビってんのか?」
「恐れることなど何もない。目の前の敵を打ち砕くだけだ。」
雨襲の魔士vs百合の女王、近距離vs遠距離、静vs動。戦闘開始。
〜本館・屋上〜
「コッチ二カタキハイナイカ…」
サザメは書筆鬼だけで構成した仲間と共に仇をとるべく敵を探していた。
「こっちにはいないぞ。」
サザメのスキルによって感情の固執を解除されている書筆鬼がいう。
「その仇ってのは俺かな?」
「クソ、ソノ声…オマエカ、ロザリオ!」
「そうそう、俺は王家三男、ロザリオ。薔薇華神、至神スキル《ディーティ》を持ってて、そのスキルで人の感情を暴走させるんだ!」
「オマエ!イイ加減ニシロ!」
そう言って、全力で切り掛かるサザメ。しかし、
「んー、いいね!その復讐に燃えてる感じ!」
そう言って剣を素手で掴む。
「僕の権能は固執だけじゃない。感情から力を生み出すこともできる。それは、
人の感情でも例外じゃない。」
ロザリオは確実に復讐の心の力を抜いたことを確認し、剣を離す。そして、
「なぜ、お前の目はまだ復讐を狙っているのかな?」
「オ生憎様ダナ。ワタシモ感情ヲ力ニスルンダヨ。サラニ、仲間ノ力モ使エルトイウ点モ同ジ。違ウ点ハ、
それを力として吸うか、心として吸うか。」
感情がこもった言葉に軽い口調で返すロザリオ。
「なるほど、君は感情を得たと。大差ないねぇ、君は僕の下位互換だからね。君の感情は見事に人に向けられていた。つまり棘を向けているんだよ。人にね。
棘鎖暴虐《ローズペイン》」
黒い薔薇の花を纏う棘がサザメを襲う。
「そうか、お前は知らないのか、権能に下位互換などない。権能は使い方によって無限の可能性があるということを!
感情爆発・砕氷吹雪《エモーション・グレブリザード》」
サザメも今まで集めた書筆鬼の感情を爆発させる。
お互いの攻撃は相殺される。
「僕は君がいる限り回復し続けられる。何せ君の復讐心は無限なんだからね。」
「ごちゃごちゃとうるさい!私も無限に力が湧いてくるようだ!」
無限の力vs無限の感情
夢幻の感情になってしまうことを不安視する仲間を背に。
花びらを凍て付かせ、屋上に黒い花吹雪を散らせる。
〜本館・四階〜
その者は駆ける。
「クゥゥウウウン、キャンキャン!」
四つ脚で。そして急停止する。
「クンクン、キャァン!」
そう、マメサクは、とある匂いを頼りに動いていた。それは、
「キュゥゥウウン、キャンキャン!」
同族、ミドリオオイヌのメスの香りである。
そして、曲がり角を曲がった先に、
艶やかな犬が。
「キャンキャンキャン!キュゥゥウン!」
即座にマメサクは、求愛を試みるが、
「私の狗に手を出す気ですか?あなたは?」
その飼い主と思われる人に一蹴される。
よく見ればメスの犬も首輪がつけられていて…
ボロボロに《《遊ばれた》》形跡がある。
「これは私の遊び道具です。もうすぐ壊れてしまいそうですけど。あなたみたいな貧乏犬に渡すよりかはマシです。」
これに憤るマメサク。
「キャァァォォオオオン!!グルゥゥウウオォォン!!」
「その犬を解放しろですって?いやですよそんなの。私はスレイ。王家五女です。あなたも私のペットにして差し上げましょう。」
どのように遊んだら犬がボロボロになるのか。
なぜ犬語がわかるのか。
触れてはいけないことだらけの解放戦線が始まる。
〜????〜
「おい、マジか!大変なことになってるぞ!」
「本当だ、出陣すべきだなぁ。」
「オラの工房にまだアレの残りがあるけど、3つしかないぞ。」
「それでいい。それで俺らは出撃しよう!」
「あぁ、恩人の危機に助けに行かない我らではあるまいな。」
「勿論だ!!」
〜本館・地下一階〜
一気に映像が流れてきた。
みんな命懸けで戦ってるんだ。
一部動機が不純な奴がいたけど。
でも俺だけ戦わないんじゃダメだ。
「ピクトさん、解析終わった?」
権能菜園に入ってそう問う。
///はい、終わっております。///
「準備は?」
///万端です。///
「頼むよ、本当に。」
///おまかせを。///
権能菜園から飛び出し、技の準備を整える。
「牢破ノ勢《ブレイクプリズン》」
魔素を回復する効果を、《ハンテンゴーヤー》で反転し、魔素を牢屋から奪う。
牢屋は見事に消滅した。
そして、
「助けてくれ〜!」
「ここから出してくれ〜!」
「救世主様よ!」
大量の捕虜が壁の裏側に。その中には!
「うそでしょ…助けに来てくれたの?」
ノクリアさんの姿も。
お疲れ様でした!
あれ2話分?ってぐらいの長さになりましたね。
2023年になったら色々やろうと思っている今です(2022:23:59)
これは続報をお楽しみに!
それではまた次回!!
2章4話(完全版) “homecoming/beginning”
こんにちは。
お久しぶりです。
いやー12月すぐ投稿しようと思ったンデスけどね…
もう12月も半ばと。しゃーない。
だってモチベーション上がらなかったんだもん。
いったん4話の完全版上げま〜す。
近々5話も上げるんでお楽しみに。
それでは本編どうぞ!
前話のあらすじ
砂魚を討伐したのだが、ゴブリンの王が魔導具を食べてしまい…
「あの…どちら様ですか?」
俺は今、耳元の魔導具から音が聞こえるという感触を懐かしみつつ、聞こえてくる正体不明の声に戸惑っている。
ー何!?応答があっただと!…俺はセルディアと言って、要人の護衛やら輸送やらをしているのだがな……ー
「はぁ…何かありました?」
ーお前は真紅の森にいるから知らないのか…この魔導具の持ち主、王女ノクリア様は《王への懇請》という王へ民の願いを発言する際に亜魔駆逐連合に捕らえられた捕虜の解放を望んだ。もちろん王は拒否し更には不意打ちでノクリア様へ攻撃を仕掛けた。ノクリア様も反抗を試みるも急に意識を王に支配され、今ではノクリア様は牢屋の中へ入れられてしまっている…ー
ノクリアさんって王女だったの!?とかいう驚きを通り越す怒りが。
なんで王が王女を支配した後捕まえてんだ…
ー他の王族はそれをみて嘲笑う始末…王は暴政で庶民からの評価も芳しくない。その庶民まで捕らえている…真紅の森を生き延びたお前「助けに行くんですか?」あぁ。ー
「わかりました。援軍を約束します。」
久々に血液が沸騰するような怒りを感じた。
今までは酷い王様がいたものだとどこか他人事で考えていたが、今は違う。
通信を中断し目の前にいるハルトらに声をかける。
「お前ら、王族たち嫌いだったよな?」
「あぁ、当たり前だ。」
「ん?わしか?わしもじゃぞ?」
ならば。
「お前らには申し訳ないが、俺が持っている神と同等の権限を使う。私怨に付き合ってもらおう。
エリトネアの王都を襲撃する。今すぐにだ。」
ハルトが言う。
「チッ、もう少し話したいんだけどな…お前の仲間に何かあったんだな…。わかった。ただ、俺たちは
俺たちの怨みも返しに行くぞ。」
「あぁ、わしもじゃ。」
珍しく王様がまともに見える。
その一時間後俺らはゴブリンの兵隊を先陣に、たった百名で進軍を始めた。
連絡が来て一週間が経った。
その間にもらった情報では、王族軍は2万、しかも個々が強く、最上位のものは至神スキル《ディーティ》までいるらしい。対してこちら、いわば反乱軍はセルディアさんが所属する王族騎兵隊のごく少数と俺らの《《250人》》を合わせた500人だ。
ゴブリンたちにも手伝ってもらいながら木を切り倒していき、今は浅部《ライトフォレスト》にいる。その道すがら不思議な種族と出会って……話すと長いから別にまとめよう。
--- シャラシャラシャラ ---
6日前くらいかな?
あたりの森の木が竹に変わり、竹林のようになってきた。
「ん?あれなんだ?」
見ると提灯が置いてあり、近くの竹には短冊みたいのが引っ掛かっている。
「全員離れとけ、俺が確認する。」
ゴブリン村の経験を活かし周囲に罠がないか確認しながら移動する。
「ん〜、特に変わったところはないな…」
普通に短冊だな…でも願い事は書いていない。竹はとても大きいが、それには不相応な字の大きさで書いてあるのは…
--- 物語? ---
そこにはさまざまな物語が書いてあった。その中には自分の願望を書いたもの、日々の生活を描いたもの、フィクションのものから特定の人?魔物?との妄想のようなものまで様々あった。
と。
「何奴ッ」
目では追えないほどの速度で斬撃が飛んできた。
予め持っていた《バリアノザワナ》を展開し敵の攻撃を防ぐ。
斬撃を防ぎ切った後に出てきたのは般若面をつけ、着物を着た少女だった。
「別に敵対しにきたわけじゃない!」
「黙レ王国ノ残党メ。オ前ラは私ガ滅ボス!」
ここ王国に恨み持ってるやつ多くない?
まあむしろ好都合なんだけど。
「俺らは魔乱の森の魔物で結成された王国征伐隊だ!現に王国に反乱するゴブリンもこの作戦に参加している!」
今ぱっと思いついた軍団の名前を口に出す。
「オ前…裏ギルダロ!」
なぜ!?
「俺の大切な人が王国に囚われている!それを救いに行く!」
「王国ノ牢屋へ行ク気カ?コノ少数デ?笑ワセルナ!アノ牢獄ハ一度モ破ラレテイナイ。救エル物ナラトウノ昔ニ救ットルワ!」
「忠告はよく理解した。ありがとう。でも俺らは進軍する。」
「そうだ!お頭は砂魚を倒すくらい強いんだぞ!」
俺の決意にゴブリンが同調してくれる。
「モウ…何モ失イタクナイ…否…モウ何モ失ワナイ。
私ヲココデ倒シテミロ。倒シタラココヲ通ソウ。」
しかし相手は失いたくないがために戦う気のようだ。
「わかった。俺は王国征伐隊筆頭タツヤ!かかってこい!」
仕方ない。ここは勝って通してもらう!
「サザメユキだ。では参る…いざ尋常に……」
大切な人を救うために/もう何も失わないために。
「ハァッ!」 「セイッ!」
俺はドワーフに作ってもらった剣で、サザメユキは凍てつくような剣で。
お互い同時に切り掛かる。
刃がぶつかり火花が散る。
「色闘法:凍覇圧氷」
「権能菜園《スキルガーデン》」
サザメユキの攻撃を回避しながら剣に込める作物を回収する。
「復活!」
「殺ッタト思ッタンダガナ…」
「怒風爪双装填《ツインクロー・チャージ》」
まずは一つ魔導具を装填してみる。
「熱風赫怒爪斬《ビーツ・スムージー》」
「氷結刀受《アイスソールド》」
え?
あたりの竹が炭化するほどの高火力を発揮した。
しかしサザメユキは刀だけで防ぎ切ってみせる。
お次は二つ魔導具を装填し発動させる。そして火力を一点に集め、あいつを倒しにかかる。
「怒風爪双充填《ツインクロースチャージ》」
「電風静怒混爪斬《クワイ・カブミックスムージー》」
《プラズマクワイ》と《ウォーターカブ》を装填し発動する。
《プラズマクワイ》のプラズマを《ウォーターカブ》で生成した水で囲んで辺りへの被害を抑える。まあ水は電気分解するがそれで発生した酸素や水素を、
--- 「怒風爪斬《ウィンドゥ・ブレイク》」 ---
風翼竜の力を使い水素、酸素を一点に集め、紅怒熊の加熱エネルギーを用いて発火させる。数秒後、
ドゥぅうううううゴォぉぉぉぉおオン
爆発の跡には大きな穴と折れた氷剣、そして気絶したサザメユキだけが残っていた。
〜数日後〜
「や〜、まさかお祭りを邪魔させないために命がけで戦うとはね…」
「仕方ナイダロ。コノ村生誕ノ感謝祭ナンダカラ。」
「それはほんとにごめん。」
ここに住む鬼の近縁種の村にサザメユキは住んでおり、その村の生誕を祝う祭りの準備をやってたんだと。
「…言ッテナカッタシ仕方ナイガ…トコロデ王族ノ牢ヲ襲撃スルノハ本当カ?」
「ああ、本当だ。俺に色々教えてくれた人が捕らえられてるからな。ギルドの冒険者のふりをして襲撃しようかと…」
「ワカッタ。私達モ手伝オウ。我々ニモ多クノ恨ミガアル。」
「本当か!ありがとう!でもここってほんとに王国に恨みを持つ魔物多いな。」
「当タリ前ダ。ココハ王国兵ニ追ワレタモノガ逃ゲ込ム森ダカラナ。何故カワカラナイがココニハ王兵ガ入ッテ来レナインダ。」
お、これはいいことを聞いたな。
「大鬼《オーガ》の近縁種達やサザメユキをここに追っ払ったのは亜魔駆逐連合か?」
「イヤ、王族直々ニ襲撃サレタ。6男ノ“アヴォイラ”ダナ。奴ノ権能ニヨッテ私タチハ一ツノ感情ニ絡マレ、ソレニ固執シテシマウヨウニナッタ。」
「それで大鬼《オーガ》にも変化が?」
「…マァソウナルノカ。アイツラハ感情ガ暴走シテシマウコトガアル。ダカラワタシノ権能、情書者《フィールライター》ヲ使ッテ物語ニ感情ヲアズケテイル。本来ハ感情ヲ銃弾ニ宿ラセル情弾人《フィールバレット》ダッタンダガナ。」
おそらく笹にかかっていた物語がそれなのだろう。
「アイツラモ変異シタ訳デハナイ。本来猪突猛進ナ性格ノ大鬼《オーガ》ダガ、今ハ自分自身ト向キ合イ繊細ニナッテイル。感情ヤ種族ニ囚ワレズニ生キヨウトイウ気持チヲ込メ、今ハ書筆鬼《ライトオーガ》ト名乗ッテイル。」
「じゃあ、サザメユキも?」
「イヤ、私ハ人間ダ。又、襲撃サレタ時ニ感情ヲ消シテシマッテイル。マア、私ハ今奴ラニヨッテ
--- 復讐に執着してしまっているがな。」 ---
最後の一言には彼女にあるはずのない感情があるように感じた。
〜さらに数日後〜
「じゃあこの祭りが終わったら出発ってことだな。」
「アア。ソウシテ貰エルトアリガタイ。大切ナ行事ダカラナ。」
ゴブリンたちと共に初めて村の内部に入る。今まで入れてもらえなかったからな…
「うわー!なにこれきれーい!」
「おいしそー!」
「すげー!なんだこれー!」
高い技術の工芸品や食料にゴブリンたちも興味津々のようだ。
見てみると天狗のような面や飴細工のような菓子など浅草仲見世通りを彷彿とさせるラインナップになっている。
てかさ…
初対面の時のゴブリンの反応、違いすぎん?
それだけ人間が嫌われるってことか…
転生者とか魔物が普通に暮らしやすい世界になるといいな。
別にそんな国規模の権力ないんだけどさ。
そんなことを考えていると、
「あなたがサザメ様の盟友殿ですか?私は書筆鬼《ライトオーガ》族長、サンピツのと申します。ほら、お前たちも挨拶しなさい。」
「俺はコウボウ!」
「わ、私はタチバナ…」
「僕はサガって言います。」
族長と子供たちかな?が挨拶してきた。
「貴方のお話は聞きました。砂魚だけでなく風翼竜まで討伐したということで、私どもも貴方の力にあやかり安心して王国へ強襲を仕掛けることができます。」
屈強な体付きだが白い着物を着ており、背中には巨大な筆を背負っているため書道家感がすごい。
とりあえずこちらも挨拶を。
「いえ…それほどでもないですよ。ちなみに皆さん戦われるのですか?」
「ええ。子や女は残して戦いますよ。まあ、今は戦いより祭りを楽しまれてはいかがですか?」
「はい。少し気がはやってしまって…お言葉に甘えて楽しませていただきます。」
その後はお祭りを楽しんだ。
りんご飴食べたり、ハルトとお饅頭食べたり、サンピツの子達と餡蜜食べたり、サザメと芋羊羹食べたり…
って和菓子しか食べてない!
俺も作物で芋羊羹とか作ってみたいわ…めっちゃ効果|《バフ》付きそう。
そんなこんなで夜。
「よっ、《《サザメ》》。書筆鬼たちから大人気なんだな。」
露店を回ってる時も話しかけられたりしたけどいい噂しか聞かなかった。
「ウルサイ。怖クテソウ話シテルダケダ。」
「随分冷たいじゃん。照れ隠しか…って痛っ!」
ちょっとふざけてたら刀の柄で殴られた。
パチパチゴォぉぉおおお
「物語、燃やすんだな。」
「アァ、取ッテオイテモ得ナドナイ。」
「明日朝出発な。準備しとけよ。」
「オマエ…イノチ…大切ニシナイ?」
軽い口調で切り出したものの戦いへの重い覚悟を問われた。
「いや、仲間には絶対に死んでほしくない。ただ…
目的を果たすためなら、人を手にかけることをしてしまうかもしれないな。
ま、しないようにするけどね。」
やっぱり俺は飄々としてる方が性に合っているのかもしれない。
〜明くる朝〜
「じゃあこれで全員か、出発するぞ。」
「「「「オォォォォォ!!!」」」」
俺の掛け声にゴブリンと書筆鬼が続く。
〜自由と大切なものを取り返すために、戦いが始まる。〜
そんなこんなで今はその種族、書筆鬼〈ライトオーガ〉とその首魁である雪般若:サザメユキも仲間になったというわけだ。
「おぉい、大親分!大親分のギルドはあれか?」
久々に見たな。風翼竜のやつに飛ばされて以来か。
「あぁ、そうだ。」
気づけば辺りはすっかり暗くなっていた。
闇夜に映えるミハゼギルドにて。決戦の最終準備が始まる。
と、思ったけど王族騎兵隊250名と合流した後は特にやることもなく、武装を揃え一晩を過ごした。
「おはよう皆。準備はいいかい?今日は王都近辺まで進軍し、ギルド関係者のふりをして侵入。夜中に大暴れしようという計画だ。いいな?」
「「「「「ウォォオオォオオオオ!」」」」」
血気盛んな声と共に、王都へと進軍を始めた。
郊外では全員で進軍していたが、そろそろ分かれて行動しようかというところだった。
「なんだ?あの集団?」
「あれ?あいつら魔物じゃねぇか!」
「おい!駆逐しろ!」
謎の兵隊と遭遇してしまったのだ。と、
「セルディア様からの報告です!奴らは王国の陰・捌兵とのこと!奴らのカシラは王族の八女、フララとのことです!」
なるほどな。
「わかった。俺が出る。」
「危ないぞ。いくら砂魚を討伐したからといって…」
「いや、手間取らせるくらいだったら…」
滑空翼に燃料を詰める。
「俺が行く。」
真上から照らす日を背中に受けながら前線へと躍り出る。
敵は…大体1000人ほどか。
「野菜調理《スキルクックナー》発動。」
怒りのままに。
「獄鎌縄怒《ヘグリースィロップ》」
《スパイクヤングコーン》に《ナワカンピョウ》、その他諸々を混ぜ放つ集団攻撃技。
それは怒りを具現化したような鎌。憤怒のままに人を傷つけ切り刻み、魂を刈り取る。
それは地獄へ誘い縛りつける縄。永遠に近い時間縛り付け、痛めつけ続け、離さない。
技が終わると、そこに王兵は一人も残っていなかった。
否。
集団攻撃技なのにも関わらず、一人と一匹だけ残した。
王家の八女とそれに付き従う金色の鳥の魔物だ。
「お前が王家の八女で間違いないな。」
「え、えぇ、そうですの。私に危害を加えれば…」
斬
「サザメか。」
残雪を思わせる神速の斬撃。しかし峰打ちをしているため王女は気を失っていた。
俺がさっき使った《ナワカンピョウ》で捕縛していると、納刀しながらサザメが話しかけてきた。
「オマエ……人間ヲ倒スノ…ナゼ躊躇ワナイ?」
「今のは人間じゃなく魔法のレプリカみたいなやつだろ。王女は違うがな…現に人間だったから捕縛してる。あぁ、あと鳥はもらっていくぜ。」
軍団が人間でないと見抜いたからあの広範囲攻撃をぶっ放したのだ。
なるべく倒さないようにしてるよ、と付け足しながら、王女が飼っていた不死鳥のような魔物を《テイムキク》でテイムさせようと、持っていた《ツルギミツバ》をしまう…
ー//…………クを…………………………。//ー
まただ。
「少し意識を失う。」
そう言って権能菜園に入り込む。
「ピクトさん、どういうことこれ?テイムしようとするとピクトさんの声がうっすら聞こえるんだが?」
///いいえ、前回の緑犬狼、今回の金凰鳥どちらもテイムしようとするとではなく作物が耳の魔導具に触れるとです。///
そんな効果あったんだ…知らんかった。
「ありがと。」
言葉少なに礼をすると権能菜園を後にする。
「大丈夫カ?」
起きると書筆鬼が介抱してくれていた。
「あぁ、ありがとう。」
そう言って起き上がったのち金凰鳥というらしい魔物をテイムし、「フェニックス」という名前をつけた。
新たな魔物は賢く、諜報とかもできるというのを確認しつつ自分の持ち場へ戻ると、ハルトが声をかけてきた。
「随分と大軍を殲滅したな。職業スキル《ジョブ》ということは信じられないくらいだ。」
「まぁな。《複合》ってやつがよかったんだろ。」
「あぁ、俺もそれは思っている。《複合》というのはスキルが2つ組み合わされてできる。一つ仮定としては…
至神スキル《ディーティ》ぐらいのが組み合わされているんじゃないか?」
「まぁ、それがわかってもだしな……ちなみにハルトのスキルは何だ?」
「俺のは襲雨者《レインアサルター》だ。雨が降ると身体能力の向上がかかるって感じだな。」
「なるほどな…そろそろ団体行動だと目立つから別れるか?」
「あぁ、そうだな。」
軽い作戦会議を終え「なるべく殺すな」と伝達をすると、素早く数人ずつのグループに分かれて行動し始めた。統率力は王都の兵にも負けないかもな。
そして日も傾き始めた頃。
「これか…」
白い城壁に塔や離れたところにはギルドのような物もある豪華な城が見えてきた。
「いいか?俺たちはミハゼギルドの冒険者として昇格試験を受けにきたテイストで行くぞ。」
俺らのグループは俺に加え書筆鬼のショウヨウ、ゴブリンのコロイド、王族騎士団のウォリシュの4人だ。コロイドと王族騎士はスキルがないが、ショウヨウは演闘者《バトルアクター》という自分の持っている武器の長さを変化して見せるスキルがある。
「すいませーん、ここがギルドですよね?。」
「はいはーい!ギルド担当のチェリでーす!そうですよー!」
「あっあのー…その…昇格試験を受けにきました。」
「はい!では冒険者証をお願いします!団体ならギルド団体証をお願いします!」
なにそれー!もってないよーー!
「あっ、変わりますね。はい、これがギルド団体証です。」
困惑して目線を向けたらウォリシュが助けてくれた。
「はい、ありがとうございます。こちらお返ししますね。」
ここで受付の人の声のトーンが数段落ちる。
「お城に入ったら右へ進んで2番目の柱に刻印魔法があるからそこに魔素を入れると転移できるから、うまく鍵を盗むんだよ。奇襲成功させてね。」
お前も裏切り者かい!
「あ、ありがとうございます!」
「はーい!お気をつけて!」
声のトーンも元に戻っている。こやつやり手だな。
「よし、行くぞ!」
こうして俺らは奇襲を仕掛けるべく王城へと歩みを進めた。
最後までお読みいただきありがとうございました。
うっすら校正した部分もあるんですが基本的にほぼ同じです。
今年中にこの2章終わらせたいと思ってます。
5話は…いつか上がります。
それではまた次回!
2章6話 “rebellion”
こんにちは。
ちょっと今年から二次創作の方にも手を出していこうかと思います。
あんまこのサイトに出てない奴やりたいですね…
出てない=需要がないという推測はさておき…
本編どうぞ!
前回のあらすじ
王家六男と交戦し、勝つも牢に閉じ込められてしまって…
「はい!もちろんです!」
何度もやめろと言われた。
それでも、異世界に転生し右も左もわからない俺を助けてくれた恩を返しに
--- ここまできた。 ---
「ここを開くには王の鍵が必要です!それを持ってたりは…」
「しません!」
王と直接対決する気でいたのに、まだ見てすらいない。
なのに究極をも超える《《スキル》》を破る方法なんて…
いや、さっきの使えれば…
「ワンチャン…ちょっと待ってください!」
そう言って俺は権能菜園を開く。
「ピクトさんもう一回《ハアクオカヒジキ》使えたりしませんか?」
///話は聞いていましたが厳しいですね…何せ演算能力は限界を迎えている上にさらに強力なスキルとなると…解析に2日間、演算に5日間かかります。///
1週間…キッツイなー…
「1週間戦争…頑張ってきます。」
そう言って俺は権能菜園を後にした。
「どうですかね?」
「いや、多分きついですね…《《至神スキルの権能》》ともなると解除に一週間はかかると…」
皆、この場所で一週間生き残る可能性の低さはわかっている。
「おや、あなたは何か勘違いをしている模様ですね。」
急に紳士の声が。あんた誰?
そんな訝しげな目が相手にも伝わったのだろう。
「おっと失礼、私はからくり人形作りをしているボン・ラ・ピエロニと申す者です。権能、表現者《エクスプレッショナー》を持っております。ところで、その王の鍵ですが、物質的なものです。王のズボンの右ポケットに入っている鍵束の中の
--- 🔑 ---
このような鍵です。」
いや、ほんとにあんた誰!?
なんでそんな詳しいんだよ!?
「王はこの階段を上がり、回廊を通った先の大広間にいます。」
そこは交戦中なんだよなとか思ってると、
「ですが、そこは交戦中の模様。あなたがここにきた刻印魔法のランダム効果の一つに大広間へ転送があります。それを引くまで魔素を込め続ければ…
大広間へ辿り着けます。」
最初の心を読んだのがすっ飛ぶほどのいい情報くれるじゃん!
「わかりました!やってみます!!」
「お気をつけて!」
そう言って地上へ上がる階段を駆け上り、身を潜めて権能菜園に入る。
「王様って倒せるかな?」
///いえ、このままでは厳しいと思われます。なので……///
「マジで!そんなことできるの!?」
///はい、あとこちらの《ユニットラッキョウ》を作れば耳の魔導具から私の声が聞こえると思います。///
「あっ、テイムの時のやつですね?」
///それですね、魔素の流れに触れるようにすれば私のような権能核も魔導具に干渉できるようになります。///
「複雑なことはわからないので行ってきまぁす!」
《ユニットラッキョウ》含め4つほど作物を収穫し、意識を戻すともらった作物を耳の魔導具に付ける。
ー//バッチリです!//ー
ピクトさんの声も聞こえたところで転送用の刻印魔法に魔素を込め始める。
「ここじゃない…ここでもない…違う…違う…違う……ここか。」
5〜6回目の転送で辿り着いた大広間。
そしてその正面にいるのは…
「ほぅ、転送魔法を利用してきたか…お前、中々の切れ物だな。」
この国の国王と女王。
「何しに来たんだか知らねぇが、ここに来たのが運の尽きだったな。お前…
--- 潰してやるよ。」 ---
じゃあこっちも名乗っとくか。
「俺はタツヤ、ミハゼギルドってとこの冒険者やってんだ。名前だけでも覚えてくれよ。あとなぁ、お前は妙に意気込んでるけど、俺は別にお前を倒さなくても「同盟は無いぞ。」当たり前だろ。」
話きかねぇやつだな…嫌われて当然だな。
「よぉ、ボタン。下がっとけ。」
「わかりました。」
なんか女王も従順すぎて怖いな…まぁこれで王対俺の1vs1になったからいっか。
「さっき、だいぶ強力な星光素をぶつけたんだがなぁ…屈しねぇなぁ。」
「星光素?」
「あぁ、星光素はわかるよなぁ。そう、それを持っているということは…
--- 俺は勇者ってことだよ。」 ---
勇者?星光素?
知らんなぁ〜!?
「そういうことか、無駄に強いと思ったらそういうことか…」
全然気持ちと違うことを口に出す。
「まっ、しゃあねえわな。こんな悪逆無道なのが勇者だと思わねぇよな。俺はこの国を守る。そのためには、
--- 手段を選ばねぇんだよ。」 ---
わかる。
俺だって仲間を傷つけたくないからその気持ちは痛いほどわかる。でも、
「それで傷つく人がいるなら、いや、いるから!
--- お前をここで止める。」 ---
「その勢い、いつまで持つかな?」
「目的を果たすまでは負けれねぇんだよ!」
俺は今まで倒してきた魔物の魂が封じられた剣を抜刀した。
「エリトネア王国国王、エリトネア・ハイドランジア…参る!」
国王もそう言って武器を取り出す。取り出した武器を拳にはめて……
え?
こういう人がメリケンサック使うって珍しいな。
「ハァ!」
「フゥン!」
迷わず切り掛かるが掌のメリケンにより受け止められる。
よく見るとメリケンには棘やゴツい武装がついており、殺傷性が高くなっている。
「そのままチャージ!」
鍔迫り合いになっている中、持っている作物のうちの一つを使う。
「怒風爪装填!《シングルチャージ》
--- 兇風殴怒爪斬《エンダイブスムージー》」 ---
《ナックルエンダイブ》という作物をチャージし放つ。エンダイブというのは別名メリケンサラダと言い、独特の苦味が…なんで俺こんな野菜に詳しくなってるんだ?
まぁ威力は保証されているのでかすり傷くらい…
「闘覇雄気《ヴァトルウォール》…効かんな?これで終わりか?」
挑発か、随分と舐めたことをするな!
「終わりな訳あるか!怒風爪斬!《ウィンドゥ・ブレイク》」
怒りに任せて必殺の剣技を放つ。しかし、勝負は一瞬だった。
「甘い。」
「ぐッ……グハぁッ」
腹に拳がめり込み、うつ伏せに倒れ込んでしまう。
「挑発にかかったな。隙が多い技をこれ見よがしに放ってくるとは…所詮その程度か。強者なら見込みがあると思ったんだがな…」
そう言って髪を掴み顔を上げさせる。
「入ったろ。なぁ、どうだ?反乱だぁ!とか言ってきて何も助けられずにこてんぱんにされた気持ちは?」
そう言ってエリトネアはかがみ込んでこちらを覗き見る。
もうここまでか…
--- キラッ ---
ズボンのポケットに入っている金属質のものが見えた。
すぐそこにあるんだ……みんなを救う鍵が。
まだ策だって残ってるじゃないか。
ー//このまま戦い続けるのは危険です。撤退がよろしいかと。//ー
そうか、ピクトさんにはわからないか。
男には…いや人には退けないときがあるんだよ。
「気持ち?最悪だよ、吐きそうだよ、帰りてぇよ。でもなぁ、あそこまで啖呵切った以上後には引けねぇだろ。安心しろ、まだ戦える。」
そう言って傷ついた体で立ち上がる。
「ほう、まぁお前の命は風前の灯。俺が国王の名において倒してやろう。感謝しろよ。」
「さぁ、倒れるのはどっちか…目に物見せてやるよ。」
「セイッ!」
「フゥン!」
再び、衝突。
剣とメリケンの接点から火花が散り、両雄の顔を赤く照らす。
「ハッ!おりゃぁ!」
一度剣を離し、その勢いで回転。
それを王が避け両者の間に間合いが生まれる。
さらに間合いを離すべく俺も後ろへ跳躍。
そして|技名宣言《コール》
--- 「|戴魔壽《いただきます》」 ---
そう言って俺はあらかじめ取り出していた二つの野菜、《アッセンブルアマランサス》と《デヴァウアーキワノ》を食う。
「これで使い切ったけど…ん〜、なんかアマランサスはえぐ味が凄いな…キワノはなんか薄ら酸っぱいし…美味しくねぇ!」
その瞬間。
ー//菜権スキル集結ノ権《アマランサス》と、貪食ノ権《ホーンメロン》を会得しました。//ー
まずは第一関門突破だな。
「何を遊んでいる?勝てると思っているのか?」
「まあお前にはわかんないだろうなぁ、お次は…
--- 集結ノ円卓《ラウンドラリーテーブル》」 ---
と、目の前に円卓が現れ、俺が出せる全ての野菜が出てきた。そしてそれを…
--- 「滅食ノ牙顎《ファングラトニージョー》 ---
全て喰らい尽くす。
ー//膨大な菜権スキルを獲得しました。それらを編纂し、集結ノ権《アマランサス》と貪食ノ権《ホーンメロン》を軸に塵芥権王《ゴミスキル》および御人権王《オヒトヨシ》を獲得しました。これで完成しました。//ー
スキル名ツッコミどころ多すぎだろ!
「何をしたとて無駄だ!」
メリケンが飛んでくる。
「無駄じゃない!菜庇防人《プロベジテクト》」
メリケンの殴打を手のひらで防ぐ。その手に痛みはない。
「うぉぉぉおおおおおおおお!」
「とりゃとりゃとりゃとりゃー!」
連続殴打を全て受け切り、
「塵滅怒斬《ダスト・ウィンドゥ》」
塵芥権王《ゴミスキル》の権能を乗せた剣で一切無駄のない動きの兜斬りを放つ。
「クッソ、急に強くなりおって、いいだろう。我の必殺受けてみよ。」
「望む所だよ!」
「龍胆華撃」
龍の形を模したエネルギー体が俺を襲う。
「聞いたことある技だな。さあ、こっちも行くか。」
「野菜放食《ビタミンバイキング》!」
こちらもビタミンA、B群、C、D、E、Kと全てのビタミンを備えた野菜ジュースのエネルギー体を解放する。
どゴォぉぉぉぉぉぉぉ
衝突した瞬間お互いの衝撃波がお互いを蝕み合う。
そして先に衝撃を敵まで届かせたのは…
「第一、王国に反乱しようと思わないことだな。おっと、もう消し炭になっていたか。」
王の言う通り、先ほどまで栄養素の塊を放っていた転生者はもうその場にはいなかった。
龍の過ぎ去ったにもかかわらず未だ爆発の続くその場には。
「塵芥鎌風《ダスト・ブレイク》」
戦場の跡地に吹く一陣の鎌風。
それは狙い済まされた一撃。
「そうか、はなっからこれが狙いか。」
王の問いに答えるは、
「そうだよ、じゃ、バイバーイ。」
無事に解放の鍵を手に入れ、反乱者となった転生者。
その転生者は、さらに風を纏いどこかへ去っていく。
そして残ったのは、
「クッソ、もう年だな、動けねぇや。」
床に仰向けで倒れる国王。
「あの野郎…覚えたぞ、タツヤ。生意気なガキだ。絶対潰してやる…タツヤ!」
また、単身牢へ向かう転生者もいる。
「あっぶねぇー!」
ー//いえ、あの状況なら成功率は相当に高かったと思われます。//ー
そうかもしれないけどねぇ…と思う。
ピクトさんから提案された戦法は「カウンター」。
相手の唯一わかっている技、「龍胆華撃」を全ての野菜を召喚した技で相殺したっぽくし、もう一つ手にしていたスキルの御人権王で龍胆華撃を防ぎ切る。
そのあと撹乱用の野菜を超速で収穫し、視覚を奪う。
マジで怖かったんだからな!
まぁそんなこと言いながら鍵を奪取し庭へ逃げたのち、もう一度玄関から入って牢屋に…
「着いたー!」
「うぉぉぉおおおおお!」
「これをこの鍵穴に挿して…さぁ、解放だ!」
牢屋から全員出てくるのを確認し、玄関から外に出て、森への帰還を始…め…
スクロールお疲れ様でした。
長ぇぇ…
頑張ったぁぁぁ!
え?正月から投稿してない?
知らんな?
次回は番外編、ちょっと短めのやつ出して、図鑑を作りながら二次創作していこうかと思います。
今月中に出せたらコメントください。
今月中に出せなくてもコメントください。
それではまた次回!