【黒い部屋】
【黒い部屋】にようこそ。ここには、僕が運んできた怖いお話がたくさんあるよ。
部屋に入れてあげる。えーっと、どれが黒い部屋の鍵だったっけ。
あ、そうだ。これだったね。
はい、どうぞ。
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目次
カラスの村
今日のお話。
私の名前はあかり。
最近、私のクラスには不思議な噂があった。
それは、『カラスの村』
カラスしかいない村、らしい。
名前通りだ。
「入ったら二度と出てこられないんだって!」と、友達は言った。
私は、自分には関係ないと思い、大げさに考えていなかった。
……それが、運の尽きだったらしい。
私は、あの、『カラスの村』なるものに閉じ込められてしまっている。
始まりは友達のアヤと一緒に虫取りに出かけた時だった。
アヤが「あっちに珍しい虫がいる!」と言って走って行ったっきり、戻ってこないのだ。
電話も繋がらない。
LINEにすら反応してくれない。
そんな絶望的な状況の中、もともと来た道がわからなくなってしまい、歩いて行った結果。
『カラスの村』に迷い込んでしまったのだった。
私はスマホ以外の持っていたものを全て落としてしまった。
歩くたびに、カラスの鳴き声が聞こえる。異常な悪臭がする。
これは何の匂いだろうか。生々しい匂いだ。
しばらく歩いていると、私の視界に人間の女の死体が映った。その上にはカラスたちが数匹乗っていて、女性の肉を引きちぎって食い漁っている。
ぐちゃ、ぐちゅ、ぐちゅ……。
骨が見えていて、ハエが飛んでいる。
私は強烈な吐き気がした。
そして、自分もああなってしまうのではないかと想像すると怖くなり、走ってその場から逃げ出した。
カラスたちはこちらに気がついたようで、追いかけてくる。
どうやらここのカラスは『人間の味』を覚えてしまっているようだ。
「こんなカラスがいるなんて、みんな、言ってなかったのに……!」
私は手足が引きちぎれそうなほど速く走った。
だけど、カラスとの距離は縮まらない。
私の首にカラスの足が当たった。
首に激痛が走り、視界に真っ赤な液体が映る。
私の意識は、そこで途絶えた___。
カラスは、人間を襲うこともあるらしい。
お蚕様
今日のお話。
「お蚕様がいるんだって」
「お蚕様って誰だろうね」
「お蚕様に会ったら死んじゃうらしいよ」
どれもこれも、ありきたりな怪談話の噂だ。
「#君の名前#ちゃんも気をつけなよ?」
「この町にいるらしいから」
……え?それは、聞いてない。
でも、蚕って飼育もされてる温厚な虫じゃ……。
「突然変異で人間を襲うタイプの巨大種ができたんだって!」
突然変異って……。あっ、この町にあるあの研究所が原因かな?
「そうだと思うよね?でも違うんだって!」
………。
「実はこの辺りにもういるらしくて……。って、#君の名前#ちゃん、大丈夫?」
………。
「……もしかして、その姿って__」
私は友人の言葉を遮り、友人に襲いかかった。
ぐちゃぐちゃっ。
「…………。」
友人は瞬く間に肉塊へと変化した。
どうやら、お蚕様は、"寄生型"だったらしい。
蚕は本来、人間に飼育してもらわないと生きていけない虫だよ。
でも、このお蚕様は人間を『宿主』として寄生しちゃったみたいだね。