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極秘の奈落ゲーム ⑤受け入れなければならないこと
--- 9.ユウヤの怒り ---
「…わたしたちは、るるかを連れて、《《帰りたいの》》」
さきはため息をついてから、まっすぐに見つめて答えた。
「だから、Ⅲ区にいってから、るるかを説得して、連れて帰る」
さきは続けてはっきりと言った。
「Ⅲ区に、連れてって」
「……」
ユウヤは何も答えない。
ゆいはそんなユウヤを困ったように見て、まきはさきを不安そうに見ている。
部屋にしばらくの沈黙が流れる。
そして、ついにユウヤが口を開いた。
「残念ですが、それはできません」
ユウヤが全体を見まわして、そう告げた。
また、沈黙が流れた。
「……どういうことなの?」
さきの代わりにまきが聞く。
「そのままです。Ⅲ区に連れていくことは、できません」
ユウヤは首を横に振った。
「な…なんで…?」
さきがふるえる声で聞く。
「Ⅰ区以上に行きたいなら、奈落のメンバーになってください。奈落のルールです」
ユウヤは淡々とした口調で告げた。
「わ…わたしたちの目的は、るるかを連れ戻すだけ!他に用事はない!」
「なぜですか?」
ユウヤはのんびりと聞いた。
「それだけなの!お願い、一回だけでいいから連れてって!」
「できません」
「どうして!」
「……はぁ」
ユウヤがため息をつく。
そしてさきに、少し強い口調で言った。
「**帰ろうと言って、《《るるかがすんなり帰ってくれる》》と思いますか?**」
「きっと帰ってくれるよ!だって、るるかはわたしたちの親友だもん!」
「本当にそうですか?」
「はっきり言う。るるかは、**帰ってくれる!**」
さきは強い口調でそう言い切った。
「あのね、るるかは、**《《自分の意志で奈落にいる》》の。自分の意志で、努力して奈落Ⅲ区に昇格したの!**」
ゆいも強い口調で言った。
「ゆい」
ユウヤは右手をあげて、それ以上はいい、という合図を送る。
「んっ」
ゆいは口を閉じる。
「あなたたちは、ここに、用がないんですか?この、奈落Ⅰ区に」
「ない」
さきはきっぱりと答えた。
まきはそれを不安そうに見ている。
「ぼくは、歓迎をしてたけどな」
突然、ユウヤの敬語が崩れた。
「ここに用がないんだろう。だったら、**一刻も早く出ていけ**」
ユウヤが冷めた表情でそう言った。
--- 10.驚きの登場 ---
「あーあ、怒らせちゃったじゃない。ユウヤの敬語が崩れたってことは、機嫌が悪いって意味なのよ」
ゆいが真っ青になりながら付け足す。
「ユウヤが怒ると、Ⅰ区で、いや、奈落で一番怖いのよ」
さきとまきは驚きで返す言葉もない。
そしてユウヤは、冷めた表情のままで部屋から出ていく。
部屋に沈黙が流れた。
すると、突然。
**ガチャ**
「……わたしのこと、呼んだ?」
とびらの向こうに立っていたのは、るるかだった。
「るるか!」
さきはるるかを見てさらに驚く。
「あっ、るるか。…そうだ、《《この部屋はⅣ区に監視されてる》》んだった」
ゆいはうなだれる。
「Ⅳ区が、るるかを呼んだのね。そうでしょう?」
ゆいがるるかに聞くと、無言でうなずく。
「るるか、帰ろう」
さきがそう言うと、るるかは首を横に振る。
「わたしは、**《《帰らない》》**」