《これまで数々の奈落ゲームをクリアして、プロゲーマーとなった秘影さきと秘影まき。そして、二人はどこまでも続く落とし穴────奈落へとたどり着く。》
オリジナルシリーズです。応援よろしくお願いします!
※このシリーズは、「絶体絶命ゲーム」をまねしたものです。似ているところがあっても、ご了承ください。
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目次
極秘の奈落ゲーム ①どこまでも続く落とし穴
これまで数々のゲームをクリアしてきた双子の姉の秘影さきと双子の妹の秘影まき。ある日二人はどこまでも続く落とし穴────『奈落』へたどり着く。
--- **1.新たな出会い** ---
「ここが、うわさの《《**奈落**》》…」
**|秘影《ひかげ》さき**はとびらの前でそうつぶやいた。
「いったいどんな場所なのかな?ね、まき」
「うん…」
さきに言われ、ゆっくりうなずいたのは**|秘影《ひかげ》まき**だ。
「でもやっぱり怖いかな…」
「ふふふ、《《お化け出るかもよ?》》」
「や、やめてよ!」
さきにおどされ、まきは思わず声を荒げた。
「まあ、来たくないんならいいけどね。わたしだけで行く。けど、その時は、この木が鬱蒼と茂った森にまきはひとりぼっち!一緒に奈落に入ったら、わたしとも一緒!どう?まきがここにいたかったら、わたしはいいけど。でも…」
「も、もういい!行くよ、行く!」
まきはびくびくしながら言った。
「じゃあ、開けるね」
さきは奈落へのとびらに手をかけた。
--- **2.間違えたら電気ショックのデスゲーム** ---
とびらは、きしんだ音を出しながら、ゆっくり開いた。
とびらの奥も、森だった。
「うわあ、不気味。さき、怖くないの?」
「もちろん、怖いよ。怖いけど、これがわたしの目的」
さきは大きくうなずき、そう答えた。
「うぅ…ああ、はいっていいのかな。不法侵入だよ、さき。つかまっちゃうよ」
「バレなきゃ大丈夫」
バレなくても、よい子はまねしては…悪い子もだが、マネしてはいけない。
『あら、ただではいらせると思ってるの?だめよ、ゲームをしなくちゃ』
どこからかかわいい声が聞こえてきた。
「誰なの?」
さきが問う。
『わたしは**|楽園《らくえん》アイラン**。奈落Ⅲ区のメンバーよ』
「奈落…Ⅲ区?」
まきが戸惑う。
『そのことはいいわ。とにかく、ただではいらせるわけにはいかない。だから、今からゲームをするの』
「どんなゲーム?」
「ここ、奈落なの?」
『ああ、うるさいわね。わたしを質問攻めにしないで。でも、ゲームの内容はこれから話すわ。それと、ここはまだ奈落じゃない』
アイランは答えた。
「ここはまだ奈落じゃないって…」
さきが周囲の不気味な森を見回しながらつぶやく。
『そうよ。ここは奈落へ続く“ただの庭”にすぎないわ。でもね、わたしの許可なく先へ進もうとしたり、ゲームで負けたりしたら……手痛いお仕置きが待っているからね』
アイランの声が、どこかウズウズとした興奮を帯び始める。
『さあ、ルールを説明するわ。この森の奥へ進む道には、目に見えない【高圧電流トラップ】がびっしり仕掛けられているの。普通に歩けば、即座に大電流が流れて黒焦げよ!でも、わたしが今から出すクイズに正解すれば、次の安全なエリアへの道が数秒間だけ開くわ』
「クイズ……? もし間違えたらどうなるの?」
まきが恐る恐るたずねる。
『決まってるじゃない! バチバチバチーーッ!って、ものすごい電気ショックがあなたたちの体を突き抜けるのよ! わたし、あの痺れて動けなくなる人間の顔を見るのが、だーい好きなの!うぅ、待ちきれない!』
「__お、恐ろしい__…死んじゃうよぉっ」
まきの顔が真っ青を通り越して真っ白になる。
『死なないように手加減してやるわよ』
アイランが偉そうに言う。
「なるほどね……。**《《間違えたら電気ショックのデスゲーム》》**ってわけか」
さきは冷や汗を流しながらも、不敵に口元を釣り上げた。
「望むところだよ。数々のゲームをクリアしてきたわたしたちに、そんな脅しは通用しない。**さあ、そのクイズとやらを出しなさい!**」
『いい度胸ね。それじゃあ、ビリビリクイズゲーム……**第1問よ!**』
「ええええぇぇぇぇーーっっ⁉さきぃっ⁉」
極秘の奈落ゲーム ②始まる恐怖のデスゲーム!
奈落への入り口である森へたどり着いた秘影さきと秘影まき。楽園アイランによるデスゲームが今始まる!
--- **3.最悪の第一問目** ---
『それじゃあ、ビリビリクイズゲーム……第1問よ!』
「ええええぇぇぇぇーーっっ⁉さきぃっ⁉」
まきが絶叫する中、森の奥からバチバチと青白い電撃の火花が飛び散り、アイランのスピーカーのような声が響き渡る。
『問題!**ここに、絶対に割れない『無敵の電球』があります。この電球を、100メートルの高さからコンクリートの床に落としました。《《電球はどうなったでしょう?》》**』
「……え?」まきが涙目でパチクリと瞬きをした。
「無敵の電球……? 割れないんだよね? じゃあ、傷ひとつついてないとか、跳ね返った、とか?」
「待って。そんな単純な問題、怪しすぎる……」
さきが冷や汗を流しながら、脳内のゲームデータベースを高速で検索する。
高さ100メートル……コンクリート……無敵の電球……。割れないんだから、電球自体は無事。でも、何か別のトラップが……?
『制限時間はあと10秒よ! 10、9、8……。さあさあ、早く答えないと、わたしの可愛い電撃ちゃんたちがウズウズしちゃうわよぉ!』
「さき、早く! 適当でもいいから叫んでぇ!」
まきがさきの服を引っ張ってガタガタと震える。
「くっ……答えは、**『どこも壊れず、そのまま転がった』**!」
さきが決死の覚悟で叫んだ。
『ぶぶーーーーーっ!!! 残念、大ハズレぇ!!!』
アイランの嬉しそうな声が響き渡る。
「「────はぁっ?」」
さきとまきが同時に言った。
『答えはね……【まぶしくて、みんなが目を細めた】よ!』
「えっ、えっ、えっ…どっ、どういうことなの?」
さきの頭の中に?が飛び交う。
『だ・か・ら! 「コンクリートの床に落としました」じゃなくて、部屋の電気を落として、無敵の電球を点灯させたって意味よ! 電球を点けたんだから、100メートルの高さにあっても、まぶしくなるに決まってるじゃない! あはははは!』
「そ、そんなの……っ、物理的に落としたんじゃないの!?」
まきがくやしそうな顔をする。
『ああ、知らないわ。とにかく、ハズれたんだから、みなさんお待ちかねのビリビリタイムよ!』
アイランが楽しそうに言った。
「ちょ、ちょっと待って…!」
さきが冷や汗を垂らしながら説得しようとする。
『は~い、何よ?ペナルティーがなしとか言わないでよ?これが楽しいもの!』
「いや、第一問だしっ…みっ、見逃してよっ!」
さきの声が裏返る。
『いやよぉ、そんなの。文句は受け付けないわ!』
「じゃっ、じゃっ、じゃ、じゃ、じゃあっ、じゃあ!」
『何よ?』
「まきの分もわたしがっ!だから、**まきは見逃して!**」
『へぇ、さっすが双子の姉ね。う~ん、どーしよっかな?』
「ええっ!さき!危ないよ!」
「わたしのせいでこうなったの。いくら双子でも、まきは私の妹だよ!」
「そういうことじゃなくって!」
『うん、面白そう!いいわね、そういうドラマ、だ~い好きよ!いつかⅢ区に昇格してほしいわ!』
「えっ…! アイラン!さっきのは冗談!わたしも受けます!」
まきがあわてて言う。
「アイラン!いいから!」
『**いいわよー!**』
「__さ、__さ、**さきいいいいいいぃぃぃぃぃぃーーーーーっっっ!**」
***バチバチバチーーーーーーーーーーーー―ッ!***
--- **4.厳しすぎるお仕置き** ---
**「────────っ!」**
アイランはさきに**《《電気ショックを与えた。》》**
「…………………__あっ__…」
**ばたんっ。**
「さき?ねぇ、さきってば!」
「…だい…じょうぶ……これ…で…」
さきの息は荒い。
「いい…の……」
「よくない!いいわけないよ、さき!!」
まきがあふれそうなほどの涙を瞳にためながらそう叫んだ。
「アイラン!何とかして!」
「いや、知らないわよ。本人が望んだことなんだから、許してあげたら?」
「ふざけないで!…えっ?」
まきの目の前には、見下ろすように立っている**楽園アイラン**本人がいた。
「はじめまして、Ⅲ区のアイドル、楽園アイランよ」
そう言って、アイランはほほ笑んだ。
「さきは…、さきは、無事なの!?」
「さあ、どうかしら?」
アイランはからかうようにそう告げた。
「ふざけてる時間はないの!」
「ああ、本気だったの?ごめんごめん」
アイランは罪のなさそうな顔で謝る。
「さきは大丈夫よ。…__多分ね__」
アイランはそう言った。
「…ええい、しかたない。次のゲーム、かかってきなさい!」
まきは立ち上がった。
「いい度胸ね。それじゃ、そうしましょう」
アイランは鼻で笑う。
「それじゃ、第2問よ!第2問は…わたしと勝負よ!」
「………………………はぁっ?ど、どういうこと?」
「わたしとバトルで勝負よ!」
「そっ、そんなのっ…」
「あらぁ、ごめんなさぁい。わたし、バトルが好きなのぉ」
アイランはバカにしたように言った。
「そ・れ・と・も!あなたはここでさきと一緒にジ・エンド?ああ、今までのゲーマー人生ドラマはここで終わり?うう、悲しいし、さみしい。次のドラマも楽しみにしてるわ」
「なっ…や、やるよ!やってやるよ!そのバトルとやらを!」
「あら、うれしい返事。それじゃ、そうしましょう」
「__う、うん__…」
まきは急に弱々しくなる。
「あららー?どうしたの?まさか、《《怖い》》の?あはは、これくらいどうってことないわよ!」
「ま、また、電気ショック使う気…?」
「使わないわ。わたし、電気ショックを浴びせるのは好きだけど、浴びるのは嫌いなの」
アイランは首を横に振る。
「そんなのずるいっ!」
「ごめぇん」
アイランはペロッと舌を出す。
「でもまきの方もなしなんだからいいでしょう」
アイランは、口をとがらせる。
「もういい。早く始めよう」
「いいわよ」
そう言い、アイランはファイティングポーズをとった。
「………………………えっ?」
「1対1で、**殴り合いよぉぉぉっ!**」
アイランはまきにおそいかかった。
極秘の奈落ゲーム ③1対1で直接バトル!
問題に不正解をし、ペナルティーでまきの分もと2倍の電気ショックを受けたさきは倒れた。そして、第2問…いや、第2ラウンドは、アイランと1対1の殴り合いバトルだった!
--- 5.どちらの勝利だ? ---
「もういい。早く始めよう」
「いいわよ」
そう言い、アイランはファイティングポーズをとった。
「………………………えっ?」
「1対1で、**殴り合いよぉぉぉっ!**」
アイランはまきにおそいかかった。
「うわっ!」
まきはとっさによけた。
「反射神経だけはいいみたいね。でも、《《この後はどうかしら》》!」
**「いやだああああああああっっ!」**
まきはしゃがみこむ。
「どうしたの?あきらめたかしら。じゃあ、ここで眠ってもらうわ。**さきと一緒に永遠にね!**」
「…__ま__…まって…**待って!わたしも戦う!**」
そう叫んだのは、さきだった。
「さき?寝てたかと思った。潔く帰るのかとも思ってた」
「そんなに簡単に帰ったりしない!」
さきはそう答えた。
「さき…」
まきはさきを見つめる。
「ああ、ここでドラマはやらないで。今見たいのは、灼熱のバトルなの。まあ、そっちが始めないようなら、わたしからやってやるわよ!」
アイランは再び、二人に襲いかかった。
「そんなの!」
さきもアイランに襲いかかる。
「くらいなさい!」
アイランはさきを殴ろうとする。
「よけれるよ!」
さきはよけた────が。
「────えっ?」
アイランはさきの首を絞めている。
**`「うっ…うう…」`**
さきは苦しみ始めた。
「アイランやめて!さきが死んじゃう!」
「失神させるだけよ、死にはしないわ」
「**それでも危険だよ!**」
「わたしは柔術の達人なの。信用しなさい」
アイランが澄ました顔でまきに答える。
__「.................................っ」__
さきは気を失う。
「ああ、ほら、寝ちゃった。のんきにお昼寝、楽しんでね」
アイランはさきを地面に放り出す。
「ひっ...ひ、ひどい!許さない!」
「わたしが許せないなら、かかってきなさい!」
まきはアイランに襲いかかる。
アイランはまた、首を絞めようとした。が、まきはギリギリそれをかわす。
**「ああ、イライラする!」**
まきは大声を出し、アイランに飛び蹴りをくらわせた。
「うわっ!」
アイランはたまらず倒れこむ。
「いったぁ...な、なにすんのよ!」
アイランは素早く立ち上がり、まきへ再び襲いかかる。
**「落ち着いて下さ────────────い!!」**
どこからか叫び声が聞こえた。
--- 6.奈落I区の者たち ---
アイランは急に止まり、後ろを振り返る。
まきも同じように声のした方へ振り返る。
「アイラン、乱暴すぎですよ」
色白で整った顔立ちの青年が言った。
「ああ、ユウヤ。偉そうね、I区のくせに」
「アイランに言われたくはありません」
ユウヤと呼ばれた青年は、顔をしかめてそうかえす。
「………………………ん…」
さきは起き上がる。
「さき!…いや、それより…なんなのなんなの!?」
まきは目を丸くして立ちつくしている。
「はじめまして、秘影さき、秘影まき。アイランがごめんなさい」
「えっ…え、はぁっ?あれっ、どういう状況っ???」
さきも目を丸くして聞く。
「ゲームはもういいです。疲れてますよね?早く中に入ってください」
---
「ここが『奈落Ⅰ区』なの?」
「はい、そうです」
さきはソファーにまきと並んで座りながら、青年に聞いた。
「自己紹介がまだでしたね。ぼくは**|山崎《やまざき》ユウヤ**。奈落Ⅰ区のリーダーです」
「わたし…秘影さき」
「知ってます」
「わたしは秘影まき」
「知ってます」
「何で知ってるの?」
「知っているからです」
ユウヤが意味不明な言葉をかえす。
「よくわかんない」
さきとまきは顔を見合わせる。
と、その時。
**ガチャ**
「あら、さきとまき。いらっしゃい」
七色の髪にアイドルのような衣装をした少女が入ってきた。
極秘の奈落ゲーム ④驚きの連続!
アイランに失神されかけたまき。しかし、そこに、奈落Ⅰ区のリーダーである山崎ユウヤがやってきて、アイランを止めたのだ。二人を部屋の中に入れたユウヤは、二人の名前を知っているのは、知っているからと言い出して────。
--- 7.謎だらけの奈落 ---
**ガチャ**
「あら、さきとまき。いらっしゃい」
七色の髪にアイドルのような衣装をした少女が入ってきた。
「なんでしってるの?」
と、まきが聞くと、
「ゆいは何でも知ってるのよ」
と答えた。
「ゆい?」
さきが戸惑う。
「ああ、自己紹介がまだだったわね。**|林《はやし》ゆい**よ。ええと、10歳で奈落に来て、四年くらいここにいるわ」
「でも、なんで名前を知っているの?」
「奈落の者は、あなたたちの名前を知っているのよ」
「なんで?」
「知ってるからに、きまっているじゃない」
「本当に、意味が分からない」
さきが途方に暮れる。
「ということは、ゆいさんも…」
まきは聞いた。
「ああ、ゆいって呼んで。奈落のルールなの」
「えっ、なんで!?」
「そういう、ルールなんですよ」
「ええっ???」
まきが目を丸くする。
「ああ、だから、アイランのことも呼び捨てにしてたんだ」
「そうです。あいつはⅢ区だけど、1週間前までⅠ区だったんですよ」
「でも権力は?」
「もちろん、アイランの方が上ですが。ちなみに、アイランより偉いのが、|Ⅳ《よん》区です」
「へぇ…」
さきがなぜか納得する。
「ユウヤ、そろそろ本題にはいったらどう?」
「ああ、そうですね。二人とも────」
--- 8.意外なお誘い ---
ユウヤが一呼吸おいてから告げる。
「**奈落『Ⅰ区』のメンバーに《《なりませんか?》》**」
「「えっ???」
さきとまきが、顔を見合わせる。
「あなたたちは、ぜひ、Ⅰ区にほしい人材です。メンバーになりませんか?」
「ほら、ユウヤがこう言っているんだから、なったらどう?」
ゆいも言う。
「でも、私たちの目的は────」
さきがユウヤとゆいをまっすぐに見つめて告げた。
「《《るるかを連れ戻すことだから》》」
さきがそう言っても、ユウヤとゆいは動じない。
そこまで知っているのだろうか。
「…るるかって、誰?」
数秒おいてから、ゆいが言った。
「ここにいないの?」
まきが言う。
「はい、るるかという人物は、ここにいません。いないから、帰ってもらいます。もちろん、メンバーになってくれたら、話は別です」
「ということは、いるの?」
「いません。メンバーに入ったら、帰らなくてもいいということです」
ユウヤは表情を一つも変えずに淡々とそう言い切った。しかし、どこか演技っぽいようにも見える。
「奈落には、いるの?」
「いないわ」
ゆいがはっきり言い切った。
「いや、いるよね?」
「どこにそんな証拠があるのよ?いないって言ってるじゃない」
「**るるかが、《《奈落に行くって言ってたから》》**」
「「……」」
「るるかは、ここにいるの。これが、確かな情報なの」
さきは強い口調で言った。
数秒の間の後。
「**────うん、すばらしい!やはり、Ⅰ区に欲しい人材です!**」
ユウヤは笑顔でそう言った。
「あら、もう、いいの?」
ゆいがユウヤに聞いた。
「いいんじゃないですか」
ユウヤが答える。
「じゃあ、るるかはいるんだよね?」
まきが聞いた。
「はい、**|空光《そらみつ》るるか**という人物は奈落『Ⅲ区』にいます」
ユウヤが嬉しそうに答えた。
「Ⅲ区って、あのアイランがいる!?」
「ええ、そうよ」
「はい、そうです」
ゆいとユウヤは同時に答える。
「で、どうするんですか」
「どうするって?」
ユウヤの問いに、さきが答えた。
「メンバーに、なるんですか」
ユウヤがていねいに聞く。
数秒の間の後。
「…わたしたちは、るるかを連れて、《《帰りたいの》》」
さきはため息をついてから、まっすぐに見つめて答えた。
「だから、Ⅲ区にいってから、るるかを説得して、連れて帰る」
さきは続けてはっきりと言った。
「Ⅲ区に、連れてって」
「……」
ユウヤは何も答えない。
ゆいはそんなユウヤを困ったように見て、まきはさきを不安そうに見ている。
部屋にしばらくの沈黙が流れる。
そして、ついにユウヤが口を開いた。
「残念ですが、それはできません」
ユウヤが全体を見まわして、そう告げた。
極秘の奈落ゲーム ⑤受け入れなければならないこと
--- 9.ユウヤの怒り ---
「…わたしたちは、るるかを連れて、《《帰りたいの》》」
さきはため息をついてから、まっすぐに見つめて答えた。
「だから、Ⅲ区にいってから、るるかを説得して、連れて帰る」
さきは続けてはっきりと言った。
「Ⅲ区に、連れてって」
「……」
ユウヤは何も答えない。
ゆいはそんなユウヤを困ったように見て、まきはさきを不安そうに見ている。
部屋にしばらくの沈黙が流れる。
そして、ついにユウヤが口を開いた。
「残念ですが、それはできません」
ユウヤが全体を見まわして、そう告げた。
また、沈黙が流れた。
「……どういうことなの?」
さきの代わりにまきが聞く。
「そのままです。Ⅲ区に連れていくことは、できません」
ユウヤは首を横に振った。
「な…なんで…?」
さきがふるえる声で聞く。
「Ⅰ区以上に行きたいなら、奈落のメンバーになってください。奈落のルールです」
ユウヤは淡々とした口調で告げた。
「わ…わたしたちの目的は、るるかを連れ戻すだけ!他に用事はない!」
「なぜですか?」
ユウヤはのんびりと聞いた。
「それだけなの!お願い、一回だけでいいから連れてって!」
「できません」
「どうして!」
「……はぁ」
ユウヤがため息をつく。
そしてさきに、少し強い口調で言った。
「**帰ろうと言って、《《るるかがすんなり帰ってくれる》》と思いますか?**」
「きっと帰ってくれるよ!だって、るるかはわたしたちの親友だもん!」
「本当にそうですか?」
「はっきり言う。るるかは、**帰ってくれる!**」
さきは強い口調でそう言い切った。
「あのね、るるかは、**《《自分の意志で奈落にいる》》の。自分の意志で、努力して奈落Ⅲ区に昇格したの!**」
ゆいも強い口調で言った。
「ゆい」
ユウヤは右手をあげて、それ以上はいい、という合図を送る。
「んっ」
ゆいは口を閉じる。
「あなたたちは、ここに、用がないんですか?この、奈落Ⅰ区に」
「ない」
さきはきっぱりと答えた。
まきはそれを不安そうに見ている。
「ぼくは、歓迎をしてたけどな」
突然、ユウヤの敬語が崩れた。
「ここに用がないんだろう。だったら、**一刻も早く出ていけ**」
ユウヤが冷めた表情でそう言った。
--- 10.驚きの登場 ---
「あーあ、怒らせちゃったじゃない。ユウヤの敬語が崩れたってことは、機嫌が悪いって意味なのよ」
ゆいが真っ青になりながら付け足す。
「ユウヤが怒ると、Ⅰ区で、いや、奈落で一番怖いのよ」
さきとまきは驚きで返す言葉もない。
そしてユウヤは、冷めた表情のままで部屋から出ていく。
部屋に沈黙が流れた。
すると、突然。
**ガチャ**
「……わたしのこと、呼んだ?」
とびらの向こうに立っていたのは、るるかだった。
「るるか!」
さきはるるかを見てさらに驚く。
「あっ、るるか。…そうだ、《《この部屋はⅣ区に監視されてる》》んだった」
ゆいはうなだれる。
「Ⅳ区が、るるかを呼んだのね。そうでしょう?」
ゆいがるるかに聞くと、無言でうなずく。
「るるか、帰ろう」
さきがそう言うと、るるかは首を横に振る。
「わたしは、**《《帰らない》》**」