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6-3(c)「諦めは瞳に宿らない」
ユイハside
ユイハ「なぁ、名探偵」
なに、と名探偵は興味がなさそうに返事をする。
視線の先にある鏡ではレイラとルイスの戦いが映されている。
ユイハ「アリスはもう前線に出せない」
乱歩「出させるな、の間違いじゃない?」
ユイハ「……うるせぇ」
しばらくの無言の後、口を開いたのは名探偵だった。
乱歩「このままだと、ルイスは負ける」
ユイハ「殺されるのか」
乱歩「そして、僕の予想ではアリスが次に表に出れば消滅する」
ユイハ「なっ……!?」
乱歩「アリスの消滅は“鏡の国のアリス”の消失にも繋がる」
ユイハ「……、どうしたら良いんだよ」
乱歩「誰もが納得する結末なんてない。そう、思ってたんだけどね」
名探偵は眼鏡を外し、此方へ振り返った。
その表情は悲しそうに見えたが、きっと違うのだろう。
瞳に“諦め”は宿っていない。
乱歩「この際、レイラの討伐は諦めた方がいい」
ユイハ「……は?」
???『どういうことかな、乱歩』
乱歩「君が覚えてないわけがないでしょ、ルイス。|この空間《ワンダーランド》から外部に干渉できる異能力者は限られている」
ルイス『……異空間とはいえ、そちらを戦場にはしたくないんだけど』
乱歩「君がレイラを閉じ込めるエリアを作ったらいい。かつてアリスを閉じ込めていたようにね」
鏡の先のルイスには迷いが見えた。
この世界でも異能は機能する。
死者たちがこの世界に呼び出されて倒されたとき、その魂は何処へ向かうのだろうか。
乱歩「指示さえあれば全員避難させるよ。まぁ、そんなもの必要ないだろうけど」