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月に溺れる。
シリーズの中で1番長いです。マジでびっくりするくらい長いから!気を付けて!
牢獄で6ヶ月の期間が許されてるのは知ってます。だけどめんどいんで1ヶ月で!
孤月な私を、
幻月に導いた。
あなたの姿が見たい。
ただそれだけ。
君は僕を怖がらないの?
珍しいね。
孤独同士、仲良くやっていけるといいね。
孤独で凶悪な2人の、
逃避行
孤月な2人の
幻月になった最期のお話。
____Prologue・end
瑠奈「こんにちは。ヒトゴロシさん?」
ヒトゴロシ「あはっ そうだね。ヒトゴロシだ。名前なんてない。」
瑠奈「あっそ。じゃああなたに素敵な名前をあげる。No.000294さん。」
000294「000294ねぇ…番号じゃないの。それ。」
瑠奈「いちいち考えるのめんどくさいのよ。明日も来るわ。」
000294「はぁい。死刑執行人さん♪」
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観察日誌No.1 9/25 死刑執行まで29日
No.000294と初対面。ひとをおちょくる性格のようだ。
自分が死刑されると言う事実に目を背けようとしているそぶりはないが、恐怖心を感じられない。
髪は無造作に所々枝毛が顔を出している。千切れて細くなっているが、1番長いところは背と同じほど長い。少し緑がかったくすんだ灰色をしている。
目も同じ色。大きく見開かれている。目鼻立ちがくっきりしており、整った顔をしている。15~23歳ぐらいの女と推定。
体は細いが、年相応の背丈はしている。
明日は、犯罪の内容や、動機を詮索する必要がありそうだ。
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000294「おはよー執行人さん。今日早いね。」
瑠奈「まーね。いろいろ聞くことがあるから。それも仕事の一環。」
000294「ふーん。で?なに聞くの?」
瑠奈「犯行動機は?」
000294「生きれると思ったから。」
瑠奈「犯罪内容は?」
000294「殺人」
瑠奈「家族はいるの?」
000294「いないよ」
瑠奈「なぜ?」
000294「私が知ってるとでも思って?」
瑠奈「そう。」
000294「あーあ。あと一日早く殺してればなぁ」
瑠奈「どう言うこと?」
000294「少年法だよ。一昨日誕生日だったの。18になったばっか。だから、17だったら死刑を免れたのになって」
瑠奈「思ったより若いのね」
000294「あー!なに?私が老け顔だって言いたいのー?現実逃避?現実逃避だ!執行人さん、三十路なんでしょ!現実受け入れたくないのー?やーらしー」
瑠奈「そう言うとこはちゃんと子供らしいのね。」
000294「んなぁ゛?!」
瑠奈「おもしろーww」
000294「わらうなぁぁーーーー!」
瑠奈「じゃーね。また明日。」
000294「ゔぅ…」
瑠奈「(猫みたいw)」
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観察日誌No.2 9/26 死刑執行まで28日
犯罪動機、犯罪内容、年齢が特定された。
殺人を犯し、最近18になったばかりだという。
今回は、話していくにつれて少し子供らしい、やんちゃな一面が見られた。
三十路とばれたのは不甲斐ない。洞察力があることもわかった。
一つ気になる点があった
犯罪動機に矛盾があった。
「生きたかったから」
そして、何より死刑に恐怖を感じていない→元から死刑ということがわかっていた?
まだ謎は深まるばかり。
明日はちゃんと、犯罪動機を深掘りし、身元も特定する必要があるようだ。
ついでにもう少し若く見えるように注意しよう。
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000294「ふぁあ。なぁに。執行人さーん。まだ朝だよぉ。」
瑠奈「もう13時ですよー」
000294「えっ?!まじかぁ…後ちょっとしか生きられないのに、勿体無いことしたなぁ。」
瑠奈「…」
000294「なぁに?今日は聞くことないの?」
瑠奈「あんたは死への恐怖はないの?」
000294「…ノーコメントで」
瑠奈「…」
000294「ゔ…」
瑠奈「…(圧)」
000294「__慣れてるから__」
瑠奈「声が小さい」
000294「**慣れてるから!**」
000294「うぅゔ〜ぅあ゛ぁ゛〜」
瑠奈「(泣いた。)」
瑠奈「やっぱり子供っぽいのね」
000294「うる゛さい゛ぃ!」
瑠奈「(子供はよくわからんな。)」
000294「(ずびっ)…」
瑠奈「泣き止んだ?」
000294「ん…。もーそういうこときかないで。しっこうにんさん…」
瑠奈「悪いことをしたね。よしよし。」
*頭を撫でる
000294「ありあと…」
瑠奈「泣き止んだね。特別に私の名前を教えたげるよ。私の名前は|瑠奈《るな》。瑠璃の瑠に奈良の奈。」
000294「るな…」
瑠奈「じゃあもうそろそろ行くね。」
000294「や。もうちょっといて。」
瑠奈「はいはい。」
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観察日誌No.3 9/27 死刑執行まで27日
今日は牢獄の外で一夜を過ごした。
死への恐怖を感じているか尋ねたら、泣き出してしまった。撫でたら泣き止んだ。まだまだ子供だ。
そして、私の前で泣けるくらいには心を開いてくれたのだと少し安堵した。
その答えが少し妙だ。「慣れているから」普段から死に向き合うくらいの恐怖を得ているということか。
家族はいないと言っていたが、「私が知ってるとでも思って?」普段から家族と会っていないような発言。
家庭環境が危ういのかもしれない。まだ聞き出していく必要がありそうだ。
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瑠奈「(…首痛っ)」
瑠奈「(まだ3時か。)」
000294「…~~~~~…ぅゔ」
瑠奈「(うなされてる…)」
000294「__こ゛へ゛ん゛な゛ざぃ゛ぃ__」
瑠奈「…(こりゃ重症だな)」
000294「__すい、ちゃんとやる!ちゃんとやるから、ころさ…__」
瑠奈「…自分で話してくれて、ありがとさん。」
*ぽん
瑠奈「大丈夫。」
だいじょうぶ。
そう自分に言い聞かせれば、楽になれたから。
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000294「ん…あっ!今何時?!」
瑠奈「6時。今日は時間を無駄にせずに済んだね。「すい」」
000294「は…?すいって誰それ」
瑠奈「(動揺を隠しきれてない。やっぱり子供だな。)」
瑠奈「昨日うなされてたから、様子見たの。自分で言ってたわよ。すいって。」
すい?「…」
翠「そーだよ。わたしの名前。|水乃 翠《みずの すい》。」
瑠奈「なんであの時名乗らなかったの?」
翠「__~~~~~~~~だと思ったから。__」
瑠奈「何?言ってごらん」
翠「あいつのことを忘れられると思ったから。」
瑠奈「そう。」
翠「何も聞かないんだ。」
瑠奈「そんなに怯えてる顔に追い打ちをかけるほど鬼畜じゃないわ。」
翠「じゃあ私が質問させて。」
瑠奈「どーぞ。」
翠「苗字はあるの?」
瑠奈「無い。」
翠「なんで?」
瑠奈「ここで育ったから。私は孤児なの。ずっとずっとここで育てられて、ずっとずっと死刑執行人をやってきた。だけど、君みたいな罪人は初めてだよ。だから毎日通ってる。大抵の罪人は、私に手を出してくるか、金をやるから出させてくれだとか言ったり、殺そうとしてくるから。」
翠「…ごめんね、聞いちゃって」
瑠奈「いいの。慣れたから。」
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観察日誌No.4 9/28 死刑執行まであと26日
名が明かされた。「水乃 翠」少し聞いたことのある名だ。
「あいつ」は、きっと知り合いのうちの1人だろうか。
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「これより、死刑を執行する。」
市民「ワァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
瑠奈(五歳)「(みんな喜んでる!しけいって何かはわかんないけど、きっと楽しくて嬉しいことだ!)」
???「このボタンを押すだけだ。いいな?やれるな?俺達はお前の命の恩人なんだから。」
瑠奈(五歳)「わたし…が?」
瑠奈(五歳)「これを押したらどうなるの?」
???「さあ。自分の目で確かめてみな。」
瑠奈(五歳)「分かった!えいっ!」
バンッ
瑠奈(五歳)「ぇ…」
市民「ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
???「よくやった」
瑠奈「これ、私がやったの…?」
???「ああそうさ。しっかりと目に焼き付けておけよ。この国の罪人の、無様な姿を」
瑠奈(五歳)「い…や
青白い肌
ぐりんと上を向いた目
首にある紫の締跡
本体から下がった手足
泡を吹き、乾燥した口
瑠奈「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
瑠奈「はぁっ、はぁ、はぁ。…また|この夢《最初の死刑》か。」
瑠奈「(慣れたなんて、きっと強がりたかっただけだ。)」
瑠奈「(自分が人を殺してしまっていることの罪悪感と、最後に見えてしまった罪人の顔が、何度も何度も脳裏に重ねられて、こべり付いて、離れない。「慣れてる」なんて言ったのは、その現実から逃れるため。「大丈夫」って言ったのも、ほとんど自分に向けての強がりだ。)」
瑠奈「…四時ね。」
瑠奈「(私はもちろん1日に翠だけに会っているわけではない。)」
瑠奈「おはようございます。000257さん。)」
000257「それで、来てくれたってことは、「あの件」考えてくれたってことですよね!」
瑠奈「いいえ。断りに来ました。「後で金をやる」なんて言われても、未来は信用できないので。」
000257「あたしにはそんな権利すらもないってか。」
瑠奈「それでは、懲役人生楽しんで。」
000257「あんたはいいよな。気楽で。」
瑠奈「どうしてそう思うのです?」
000257「あたしだって、好きで誘拐して金せびったわけじゃねぇんだ。生活が成り立たなくなったから。それに比べ、あんたは仕事見つかってる。死刑執行人って、皮肉だがな。是も、ずっと人殺してるだけなんて、楽ちんじゃないか。」
000257「罪人を殺した時の歓声。聞いたことがあるが、ありゃいい達成感だぜ。あたしだったら喜んでやる仕事だとも。」
瑠奈「__好きでやってるわけじゃないのに__」
000257「ん?なんか言った?」
瑠奈「いいえ。あなたがそう思うのだったら、それがあなたの中での正解なのでしょうね。」
瑠奈「それでは。約38年後の仮釈放までもう会うことはないと思ってください。」
000257「ああ。その頃には、あたし死んでるかもだがな。子供達、ごめんなぁ。母ちゃん、それしかできんくてな。学校でいじめられるよな。「犯罪者の子」だって。仮釈放の時、もし生きとっても、きっと受け入れてくれへんやろなぁ…」
瑠奈「(気分が悪い。自分にとって、家族は善でしかならない。そう言う思考に慣れていない自分が、より一層惨めだ。ここでは、ずっと、苦しい音が聞こえてくる。家族のため。その理由で脱出したり、犯罪を犯す。だから、大切な人など作らない方がいい。)」
瑠奈「(私だったら1人で生きていける)」
瑠奈「(でも、その大切な人とやらがいる人を殺せてしまう自分が怖くて、共感できない自分が憎くて、最後ぐらい楽な思い、楽しい思いとは思うけど、やっぱり私に媚を売ってまで大切な人を守ろうとする心理がわからない。自分に理解できないのが悲しい。悔しい。)」
瑠奈「(今日は、翠のところに遅めに行くことにして寝よ。)」
瑠奈「ねむ…」
---
翠「遅い!」
瑠奈「…ごめんなさーい」
翠「どうしたの!いつも7時にはくるのに、いまもう17時!大丈夫?」
瑠奈「…仮眠取ったらだめですか」
翠「ぷっ!あはははっ!瑠奈も寝過ごすことなんてあるんだ~!十時間とか爆睡じゃんww仮眠のレベルじゃないってwwww」
瑠奈「ちょっ!」
翠「子供っぽいとこあるんだ。瑠奈にも。」
瑠奈「あなたにもたーくさんありますよ?」
瑠奈「すぐいじって楽しんでいじり返されるところとか時間感覚がおかしくなってるところとか、寝坊するところとか、会って数日の人に泣き顔見せちゃうところとか、結構人の領域にズカズカ入り込んできちゃうところとか」
翠「に゛ゃー!!!!!」
瑠奈「あははっははww」
翠「む゛ー!!!」
瑠奈「今日はいつまでここにいればいい?」
翠「んー…十時間爆睡するってことは瑠奈疲れてるんじゃない?後30分でいいや。」
瑠奈「あら、意外と紳士的なとこあるんだ」
翠「意外ってなんよ。」
翠「まーいーや。今日は私の聞きたいこと全部魔答えてもらうからね!」
瑠奈「どんときなさい。」
翠「私は後何日で処刑されるの?」
瑠奈「なんで知りたいの?」
翠「なんとなく」
瑠奈「25。」
翠「そう…」
瑠奈「自分で聞いといてなんなのその顔。」
翠「…改めて思うと、やっぱ死にたくないなって。」
瑠奈「じゃあなんで人なんて殺したの。」
翠「…本当の…こと話してもいいの?」
瑠奈「本当の事って?」
翠「……あいつ」
翠「あいつが殺した。あいつ殺した家族は、借金取り締まりの人と、その家族。家ごと燃やして、私を置いて逃げていった。巡り巡って懲役と裁判が繰り返されて、私は後ちょっとで死刑される。」
翠「冤罪だなんて信じてもらえなかった。成人したばっかの小娘なんて信じられるわけもない」
翠「瑠奈は、信じてくれるの?」
瑠奈「あいつって、誰?」
翠「私の父親。|水乃 颯太《みずのしょうた》」
瑠奈「分かった。いますぐ起訴しようか?」
翠「起訴したって無駄だよ。確かにあいつは悪人で、6人家族だったのも…1人を除いてみんなあいつの罪を償うために消えていった。私も。だけど、あいつは、あいつは…四年前に死んだ。」
瑠奈「死んで逃げたか?」
翠「ううん。交通事故で女の人轢いちゃって、それで血を見たからパニックになって死んだ。他の車に轢かれて。」
瑠奈「最低やな」
翠「信じてくれるの?」
瑠奈「ああ。それほど鬼畜じゃないよ。」
続きもそのうち書くから…ほんとに長いんだよこれ…
ちな番号にも意味あります。
確か294って月夜だったはず…
ギロチンが良かったのに←?!現代の処刑法は絞首刑しかないらしい…かなぴーまん
私の小説ガン見してるマイナーな方はわかるかもですが、翠ちゃんは碧君の妹です