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ダーク・ラブ
ハイリスクレッド
18🈲Mild 1
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〈心〉DARK LOVE
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私の名前は、ちあき。
今日が、20歳の誕生日の女子大生。
私が初めて父にあったのは16歳、高校の2年生の梅雨の時期だった。
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今の私の家族は、母と父と弟の四人家族、一見すると何処にでもある普通の家族。
父は、一般的なサラリーマン。
母は、パートにいっている。
弟は、中学二年生。
母と父は仲が良い。たぶん一般的な夫婦だと思う。
弟は、口だけ強気の生意気なガキだ。
母と私は周りの人たちからよく似ていると言われる。
もっと言えば、16歳の私の方が色気があるなんて言われる。
父と私は、あまり似ていない、ぶっちゃければ全く似ていないなんて言われることもある。
弟と私は、あまり似ていない、ぶっちゃければ全く似ていないなんて言われることもある。
私自身も父と似ていないと思うし、弟とも似ていないと思っている。
母と父が寄り添いそう姿に違和感を感じたことはない。
母と弟の並んだ姿に違和感を感じたことはない。
父と弟の並んだ姿に違和感を感じたことはない。
母と父と弟が並んだ姿に違和感を感じたことはない。
私と父が並んだ姿には自身で違和感を感じる。
おそらく父も感じていると思う。
私と弟が並んだ姿にも違和感を感じる、弟はまだまだガキなのでなにも感じてない様だ。
要するに私は母とは継っているんだけど、父と弟と私は継ってないのだと思う。
物心をついて弟が生まれてから、ずっと私の中にある違和感だった。
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私の父の名前は、不破 明彦。
歳は、49歳、イベントコーディネーターと言う仕事をしている。
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私は、家のなかで父と二人きりなることに不快感を感じる。
私は、家のなかで弟と二人きりになることに不快感を感じる。
私は、家のなかで父と弟の三人でいることに不快感を感じる。
だから私は母が一人で出かける時には必ずついていく。
たとえ僅かな時間でも、たとえ些細な用事でも必ずついていく。
母のいない家のなかでは過ごせないのだ。
梅雨の合間の晴れた日、私は母と二人で出かけた。
用事を済ませた帰り道、珍しく母が、お茶でもして帰りましょう。と言い出しカフェへ立ち寄った。
母が先にカフェへ入りその後に私は従って入った。
店員に奥の席へと案内され足を進め様とした時、不意に母が足を止めた。
母の視線が一人の男性に向けられ止まっている、と私は気づいた。
その男性が母の視線に気づき顔を向けてきた。
男性は一度、母の視線を外し同席者の人達に一言いい席を立ち母へと近づいてきた。
インディゴブルーのジーンズにジャンパーを着ていた。
ジャンパーの胸には会社名のようなロゴが入っている。
その男性には、会社のロゴ入りジャンパーを着ている事を感じさせないスマートさと爽やかさがあった。
男性はとても優しい笑顔で母に声を掛けてきた。
母の顔もとても優しい笑顔になっている。
「久しぶりだね」
母は、うん、と頷きながら答える。
「そうね、もすぐ17年になるわ」
それから母と男性はとても自然に言葉を交わしていた。
そんな二人の距離感がとても親しくて違和感がなく私には見えた。
交わしていた言葉が一段落すると母は男性から視線を私に向け言葉を出した。
「娘よ、もすぐ17歳になるわ」
私は慌てて男性に向かい頭を下げた。
頭を上げると男性の瞳が優しく私を見つめていた。
その瞳の優しさに私の心が、ふわりと温かくなった。
男性が私に声を掛けてくる。
「初めまして、不破 明彦です」
その男性の声に私の身体中が温かくなる。
私は慌てて返事をする。
「初めまして、千明です」
よろしくね。と不破 明彦は私に微笑み、母に微笑み、仕事中なんだと告げると、もといた自分の席へ戻って行った。
★
自宅に帰ってからも私は彼(不破 明彦)のことが心の中から消えなかった。
母に彼の事を聞いてみるが微笑みを浮かべるだけで何も話してはくれなかった。
夕食が終わり、リビングルームのテレビがついている。
テレビの前のソファーにはいつものように飲み過ぎの晩酌で酔った父がテレビ画面に顔を向けてうたた寝している。
その横でテレビ画面に興味を示さず弟は漫画本を読みふけっている。
夕食の片付けを終えた母は浴室へと向かっている。
母の入浴時から自室に籠るのが私の常だった。
浴室に母が入っると私はいつも通りと自室に向かおうとした。
その時、ふっと母の携帯電話が目についた。
私は躊躇いつつも母の携帯電話をそっと手にし電話帳の画面を表示させた。
ふわ…
は行、ふの欄を覗いてみる。
あれ?無い?
母の携帯電話の電話帳の登録は必ずフルネームでしてあるはずなのに、娘の私でさえフルネームなのだ。
私は自分の記憶を探った、確かにカフェで母と彼(不破 明彦)はメールアドレスの交換をしていた。
携帯電話の電話帳の表示を一覧表に切り替えた。
え?
表示の一番始め、明彦さん。
その表示に私は僅かに驚いた。
少しの動揺と少しの罪悪感に目をつむり私は、明彦さんのアドレスを自分のスマートフォンへと通信コピーした。
自室に入りしばらくすると母の声が聞こえてきた。
「ちあき、お風呂空いたわよ」
「は~い」
★
入浴後、私はベッドに横になりスマホの画面を見つめていた。
もぅ30分ちかく見つめている。
母の携帯電話の電話帳からコピーした、彼(明彦さん)の表示を。
彼と話がしてみたい。
彼の事を知りたい。
メールしてみようか?
突然で嫌われるかな?
っていうか、相手にしてもらえるだろうか、私なんて?
思い悩んでいるうちにまた30分ちかく経っていた。
スマホの時刻表示を見る。
23時58分。
非常識な時間だと思った。
それでもと私はメール画面に言葉を打ち込んだ。
『こんばんは、娘の千明です。昼間、カフェでお会いしました。こんな遅くにごめんなさい』
打ち込んだ言葉を見つめる。
なんだか、とっても変な言い回しだと思いながらも、送信表示に右手の人差し指を触れさせた。
送信しました。の表示がされる。
その表示に私は、はぁ、とため息をつくと全身の力が抜けてしまった。
頭の中は真っ白になっていた。
♪~♪~♪~
メール受信の着うたが鳴っていた。
私のお気に入りの俳優が主演しているドラマのエンディング曲である。
スマホに手を伸ばして受信画面を見る。
明彦さん、と表示されている。
私は弾かれたように上半身を起こすとメールの言葉を見つめた。
それから1時間を少し過ぎくらいメールで会話した。
彼からの最後のメールの言葉を読み終えると最初のメールから読み直す。
はぁ、とため息が出た。
聞きたかった事はほとんど聞けていない。
けれど彼の言葉に温かさを充分に感じ癒されていた。
★
始めてのメールから毎夜、彼とのメールの会話が私の楽しみ、喜び、癒しになった。
2週間くらい経つと私は彼に会いたい、直に彼の声が聞きたいと強く思うようになっていた。
彼に会う口実が欲しかった。
私は彼の仕事であるイベントコーディネーターに興味がある。とメールした。
本当のところはイベントコーディネーターが何であるかさえも知らなかったのだけど。
彼はいくつかの仕事の内容のメールをしてくれた。
けれど私には、ピンと来なかった。
そんな私に気づいたのか彼から現場を見せてあげる。とメールがきた。
と言うことは彼に会えるってことだ。やっと彼に会えるのだ。
次の日曜日、彼が私を迎えに来てくれ二人で現場に向かう。と約束してくれた。
翌日、学校から帰宅すると母が声を掛けてきた。
「不破さんと現場に行くの?」
え?うん…
ヤバい、母に咎められるかと思った。
けれど母は笑顔で言葉を続けた。
「迷惑かけないようにね」
うん。私はおもいきり頷き母に笑顔を見せた。
日曜日の朝、彼が自宅に迎えにきた。
玄関のチャイムが鳴らされる。
私は玄関に向かって小走りする、母も後をついてくる。
玄関ドアを開けると彼の笑顔が私を迎えてくれた。
インディゴブルーのジーンズに左胸に有名ブランドのロゴの入った紫色のポロシャツ姿が爽やかだった。
彼は母と言葉を少しだけ交わすと車の、助手席のドアを開けてくれる。
車のことに詳しくは無かったが家族で乗っている車よりもスマートでかっこよく思えた。
イベントの現場にはスタッフ専用の通路から入っていく。
行き交うスタッフが彼に挨拶してくる。
彼の説明を聞きながら舞台裏を見学してまわる。
舞台裏の見学を終えると、彼は私を観客席に案内してくれ観客席に二人で並んで腰を降ろしイベントを見学していた。
そこへ一人の男性が、ニコニコ?にゃにゃ?しながら彼のもとへ近づいてきた。
その男性と彼は挨拶を交わし雑談を始める。
「何、ニコニコしてる?」
彼が問いかける。
「え、あぁ、不破さんが、可愛い彼女と一緒だって聞いたもんで」
男性が答える。
その言葉に私は思わず顔を伏せた。
ロールアップしたブルージーンズにキャラクターTシャツにスニーカー姿の自分が目に写る。
可愛い?って…
彼女だなんて?
冗談でも彼に申し訳ないと思った。
ハハハ、と声を出すと彼が言った。
「彼女にちょっかい出すなよ、俺の大切な女性だからな」
「了解っす、じゃこれで」
男性は頭を下げながら答えると彼から離れて行った。
それからまた舞台裏を見学しスタッフ専用通路を通って現場を後にした。
★
帰宅すると私は母にイベント現場で見たこと、教えてもらったことを興奮してしゃべった。
母は笑顔で頷きながら黙って聞いてくれた。
「あぁ、私にも不破さんみたいな才能が有ったらなぁ」
私の漏らした言葉に母が声が答える。
「有るかもよ、あなたにも才能」
私は思わず母の顔を見た。
母の顔は優しく微笑んでいた。
夜になると私はいつもの様に彼にメールをした。
何度か言葉を交わすと彼から嬉しい誘いがあった。
「もうすぐ、誕生日だね、予定はあるの?」
そう、後10日すると私の17歳の誕生日なのだ。
ただ誕生日と言っても特に何かある訳でない。
8月初めの誕生日なんて学校も夏休みだし、せいぜい母がケーキを買って来てくれるくらいのものだ。
「特になし、です」
と返事をする。
「良ければ、ドライブしない?」
え~!
彼とドライブ?
めっちゃ嬉しくて即答でO.K.をした。
実はそのドライブは、彼が次のイベントの現場となる場所の視察に行くついでだった。
それでも午後からはフリーになるからと私を誘ってくれたのだ。
私の誕生日の朝、彼が自宅に迎えに来てくれた。
私は、デニムのショートパンツにキャミソールの上にふわりとした白いサマーニットのTシャツにサンダルを履いた。
彼は、ショートジーンズに黒地にセクシーな女性のイラストの描かれたTシャツでスーパースターのスニーカーだった。
母は二人の姿に、本当に現場視察なの?と笑いながら見送ってくれた。
彼の運転する車が走り出す。
二つ目の信号が赤になり車が止まる。
車が止まると彼は後部座に手を伸ばして紙袋を取ると助手席の私の太ももの上に置いた。
えっ?何?
驚き彼へ顔を向ける。
誕生日プレゼント。
そう言うと同時に信号は青になり車が走り出す。
「あの、開けていいですか?」
私の言葉に彼の横顔が頷く。
紙袋の中にリボンのかかった箱がある、箱を取り出しリボンを解く。
箱の中身は鮮やかなブルーと鮮やかなピンク色の踵の高いミュールだった。
うわ、綺麗、素敵。
思わずつぶやく。
自分の足元を見てみる。
ぺったんこのサンダルがくすんで見えた。
「あの、今、履き替えてもいいですか」
「もちろん、気に入ってくれたかな?」
はい!私は目一杯顔を縦に振り返事をした。
彼とドライブしていることに高揚していた気分がまた一段アップする。
車は市街地を抜け高速道路に乗り快適に走っている。
1時間程走り目的地に向かう出口インターを下り、ひとつ目の信号を左に曲がる、市街地を抜け辺りが田園風景に変わっていく。
田園風景の中に案内板が見えてくる、車は案内板に従って左に曲がった。
とたんに、目の前に一面に咲き誇る向日葵が目に飛び込んできた。
車は一面に咲き誇る向日葵に沿って進み、向日葵に隣接する駐車場へ入っていく。
「じゃ、ちょっと辺りを視察してくるから、向日葵でも楽しんでいて」
「はい、わかりました」
私は車の助手席のドアを開け車外へと出た。
真夏の太陽が眩しかった。
真夏の熱気がまとわりついてくる。
それも一瞬の事。
いつもより踵の高い視線が新鮮だった。
彼は辺りを歩き始めている。
そんな彼を私は目で追いかける。
彼は自分のスマホで辺りの写真を撮り、スマホに向かって真剣な表情で話し掛けている。
ボイスメモである。
そんな彼に私は見とれている。
彼が駐車場の近くにある建物に向かい入っていく。
彼の姿が見えなくなってから私は向日葵に目を移し目の前の風景を楽しんだ。
「どう、楽しめたかな?」
いつの間にか彼が私の後ろに立っていた。
「はい」慌てて私は返事をする。
彼は優しく微笑むと私を車へ、助手席へエスコートしてくれた。
車のエンジンを始動させる。心地いい冷風が真夏の暑さを沈み込めていく。
「一応、仕事、視察に切りはついたから、ここからは、デートだよ」
彼の言葉に高揚している気分がさらにまた、一段アップした。
★
快適に車が走り出す。
田園風景を後にして市街地を抜け、しばらく走ると海が見えてくる。
車は海岸に近い駐車場へ入っていく。
「はい、到着」
そう言いながら彼が車のエンジンを止めた。
「ここで、ランチにしょう」
そう言いながら彼は私をエスコートしてレストランへ入る。
私と彼の座った席から海が、海面が真夏の日射しにキラキラと煌めいて見えている。
凄い、素敵、お洒落。
高揚している気分がまたまた一段アップする。
「ここは、ビュッフェだから好きなもの好きなだけ食べたらいいよ」
彼の言葉に促され目移りしながら料理のなかをさまよい歩いた。
私が席に戻ると彼が左手を、すっとあげる。
すると黒服の男性がやって来てスマートで背の高いグラスを私と彼の前に置いた。
背の高いスマートなグラスに金色の液体が注がれる。
液体の中の泡が煌めき踊っている。
黒服の男性が一礼して離れていく。
彼がスマートなグラスの下の方の細い部分をつまみグラスを持ち上げる。
私も見まねしグラスを持ち上げる。
「happy birthday、Chiaki」
彼の言葉に高揚している気分は最高位までアップした。
ティン。と、グラスの触れ合う心地好い音色が我を忘れさせた。
ランチを終えると彼の腕に自分の腕を絡めて周りのお洒落なお店を覗いてまわる。
キラキラと煌めくアクセサリーを並べたワゴンが目に止まる。
リング、ネックレス、ブレスレット、全てを手にとって夢中になった。
ネックレスを手にとった時、お店の人が説明しはじめた。
パワーストーンなんですよ、トップの宝石が。
希望が叶う。と言う力を持ってます。
希望が叶う…
私の希望は彼の傍にいれること。
思いながらパワーストーンを見つめる。
「じゃ、これください」
彼の声に私は我にかえった。
彼が私に向き合いネックレスを手に取り私の首に掛けてくれる。
彼の首筋が私の目の前に、間近にくる。
彼からプレゼントされたミュールの踵の高さが彼との距離を縮めている。
彼の香りが私の顔を包み込む。
彼の腕にすがりつくようにブラブラとただ歩いている事だけで夢の中の様だった。
プリクラ発見。
「あの、プリクラ、撮りませんか?」
いいね。
彼の返事と共に、二人でプリクラの撮影スペースに入る。
完全ではないけれど仕切られた二人だけの空間に心臓の鼓動が新たに高鳴った。
カメラに向かい、身体を寄せあい、身体を付けあい、顔を寄せあう。
撮影を済ませてペイント、落書きをする。
完了のボタンを押して出来上がりを待つ。
出来上がりを待つ間にも彼から身体を離せずにいた。
そっと彼の顔を見上げて見る。
瞳と瞳が見つめ合う。
静かに瞳を閉じてみた。
唇に温もりが触れてくる。
温もりが身体も心も溶かしてゆく。
無我夢中で彼に抱きついた。
そして彼に抱き締められた。
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彼(明彦)の肉体には無駄な脂肪も無理矢理に盛り上がらせた筋肉も無かった。
それでもたくましく、力強く、優しく私を包み込んでいた。
彼は指で、手のひらで、頬で、唇で私の全てにゆっくりと触れてゆく。
彼の触れた部分から私の肉体は溶けてゆく。
私は私の肉体の全てを彼に託した。
ゆっくりと私の脚が開かれる。
ゆっくりと私の中へ彼が挿入ってくる。
私の心臓が早鐘を打つ様に鳴り始める。
ゆっくりとゆっくりと私と彼が結ばれる。
彼が私を優しく包み込み、時を待つ。
やがて彼が静かに動き始める。
彼の動きに共鳴する様に私の心臓が鐘を打つ。
しだいに彼の動きが早まる。
私の心臓の鐘も早まる。
早まった動きに激しさが伴う。
私の心臓の鐘も激しく打ち鳴る。
心臓が破裂するかと思えるくらい鐘は激しく鳴っている。
彼の動きが静かな動きに戻る。
彼の動きが早まる、彼の動きが激しくなる。
何度か繰り返され彼の激しさが最高位に達する。
荒々しく私を抱き締め、耳元で呟いた。
「千明…」
私は答える。
「明彦…」
刹那、彼の肉体が熱く燃えた。
彼は私の中で果ててくれた。
17歳の誕生日、全てが私の初めての体験だった。
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私の名前は、千明。
私の恋人の名前は、明彦。
私の父親の名前は、不破 明彦。
初めて体験だったあの日から、毎月一度、私と彼は結ばれる様になった。
それは、今も続いている。
今日は私の20歳の誕生日だ。
自室で出かける支度をしていると部屋のドアがノックされた。
は~い。返事をしながらドアを開けると改まった顔の母が立っていた。
母は、大切な話があると言いながら部屋へと入ってくる。
母は直ぐには言葉を出さず私を見つめていた。
何?この間は?
私は視線で問いかけた。
やっと、と言う感じで母が話始めた。
「…あなたの、本当の父親は、明彦さん、不破 明彦なの…」
その言葉を聞いたと同時に私は耳を、心を閉ざした。
母の口元は、まだ多くを語り続けていたけれど、もぅ私の耳にも心にも入り込んでは来なかった。
母が語り終えると私は黙ったまま瞳を閉じ、あの日から身に付けいるネックレス、パワーストーンに触れていた。
瞳を閉じて闇を見つめた。
母の語った言葉を闇に包んだ、闇に包んだ言葉を心の奥の暗い所へと押し込めた、押し込めた暗い所に蓋をする、二度と表れない様に頑丈に蓋をした。
私が、彼(明彦)の、不破 明彦の恋人であり続けるために。
私の希望は明彦の恋人であり続けること。
希望を叶えると言うパワーストーンに強く願った。
静かに瞳を開け、彼からプレゼントされたハンドバッグを手にし母に向かって微笑み明るく声を出す。
「いってきま~す」
私は部屋を出た、彼に、明彦に会いに行くために。
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不破 明彦、49歳、職業、イベントコーディネーター。
17年前、妻子が有りながら体を重ね合っていた女性に再会した。
傍らにその女性によく似た美少女が、いや、自分によく似た美少女が立っていた。
美少女は淡い色気を持っていた。
この美少女を抱きたいと強く思った。
思えば希望は叶うものなのである。
終り。