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過去を振り返っている暇はないので、任務こなします。
ルラら
〜啓side〜
「んじゃ、オレはここで!」
「気をつけるんだよー!?」
「もっちろーん!」
とは言ったが…。
一人になるとやっぱ怖い…((
オレの武器、ナイフは今日行く前に磨いているから問題ないが…。
腰につけている革製の入れ物にナイフは入れている。
オレはさっきからずっと入れ物に片手を当てていた。
っは…。
何怖がってんだよ。オレ。
オレらしくないじゃん。
『怖がってたらダメだよ!啓!』
耳に染み付いているのは『あの子』の声。
今も、その時の場面は鮮明に残っているし今もあの子の顔は思い出される。
………
ハッと我にかえる。
そうだ。今は任務中。
あんなことを思い出している暇はない。
前を見て進もうとした。が、
オレの頭と「何か」がぶつかった。
「…あ、ごめんなさい。」
サッと逃げ出そうとした……が……。
まぁ、そう上手く行くはずもなかった。
「ンア?…誰だよ。お前。侵入者カァ!?」
この人は…
「ワトウさん…。」
新島和島。
それは、ぶつかった人の名でもあり今回の人身売買に関わっている人物の名でもある。
つ ま り 。
オレは今、ターゲットの目の前にいるってこと。
本来ならチャンスなんだろうけど…。
『あの子』の声が離れずにいるせいか、手を出すことができなかった。
「ハァ?何でガキがオレの名を知ってんだよ…。」
オレは、自分に喝を入れてはっきりとした声で言う。
「菖蒲学園って知ってますか?」
「あぁ。頭のいい小僧達が入る場所だろ?」
え、口悪。
そんな感想は口に出さずに留めておく。
「菖蒲学園にある、菖蒲クラス…。それはご存じで?」
「んなこたぁ知ってんに決まってんだろぉ!?オレは情報担当なんだからなァ!?」
「そうですか。大変失礼致しました。
では…個人ランキング第3位の人物をご存じで?」
「…小野啓だろ?」
「ご名答。」
このひt((ワトウさん、情報担当だからかなり知ってるみたいだな。
「何でこんなこと聞くんだよ。」
ほぉ。そこを聞きますか。
「…いいでしょう。教えて差し上げます。
オレが、その「小野啓」なんです。」
瞬時に背後に回り込みワトウさんの首にナイフを当てる。
「なっ…!?おい!しんn「言わせませんよ?」…ガッ…!」
スッとナイフを横移動させる。
「高津…ヒカリ…さ……ま……。」
そう言い、ワトウさんは動かなくなった。
………
高津ヒカリ…!?
そう。
この名前はさっきから言っている『あの子』と同一人物なのだ。
ヒカリは…
ヒカリは…
全部……
全部……
オ レ の せ い な ん だ 。
何が何だかわからなくなって、オレは走っていた。
ただ走っていた。
階段に向かって走って行った。
その時のオレは物事を考えることがほぼ不可能だった。
「あああああああああああああああああああああああああ」
「啓さんっ!」
オレは、急停止した。
「あぁ、博人…。」
「啓さん…無理しないでください。」
「あぁ。」
俺の頭の中はごちゃごちゃしてるとは、一言では言い切れないくらい混乱していた。
続く