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4 6つ子誕生日!
1 あれ・・・?
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った
「今日はこれで終わります」
「起立 礼」
「ありがとうございました」
授業が終わって 私 日葵はいつもの場所へ向かおうとした
だけど
結菜『ごめん 先帰るね~』
結菜ちゃんから1件
連『俺も』
奏多『僕もぉ』
律『俺もだぜ!』
他の3人からも1件
え?ってなったけど 私達子供だけで暮らしてるしなにかあったのかもって思って
日葵『分かった!』
と送った
そして遅れて紬ちゃん
紬『私 今日は特別候補の人と帰ります』
ふふ 紬ちゃん特別『候補』だって・・!
きっと伊月くんのことだね
も~素直に特別な人って入れればいいのに・・・
あ、じゃあ私一人じゃん・・・
私も悠翔くんと帰れる?
悠翔くんの横顔を覗き見してみた
・・・何もわからない
聞かなきゃ始まらない!
「ねぇ悠翔くん!」
「どうしたの?日葵ちゃん」
あ、彼は悠翔くん 優しくてなじみやすくて・・私にとって特別な人・・
っていうのはまだ確定してないけど 仲良くなりたい人っ!
「あの・・帰り・・空いてる?」
「うん 空いてるよ」
「一緒に・・か・・」
いけ~~!
「一緒に帰らない?」
悠翔くんは一瞬驚いてそうな顔になったけどすぐに微笑んだ
「いいよ」
やった!心の中は幸せに満ちてる!
でも・・こんなことで『いけ~~!』って少しおかしいかも
・・・これが他の人と違うところ
・・・いやいや これが恋な訳ないんだよ・・
だって・・・だって・・
大親友の友達だもん 恋・・は友情と勘違いしてるだけだよ・・!
「じゃあ帰ろっか ・・・日葵ちゃん?考え事?」
悠翔くんに問われて ハッとした
「う、ううん!か、帰ろっ!」
「そうだね」
それで二人で帰った
別にたいした話ではないよっ
おにぎりの話とか・・!
あのこと問わないでくれたんだよね・・・家族・・兄弟のこと
それが・・優しくて心がキュッとする
あ、もう家に付いちゃった
・・・・もう少し家が遠ければよかったのに・・
「じゃあバイバイ」
「バイバイ悠翔くん!」
家に入ると
結菜が居た
あれ?なんか紙がある・・・
「ただいま~何してるの?」
私はさりげなく聞いてみた
すると・・・
結菜ちゃんは紙を閉じて 連君はその紙を自分の部屋へ持って帰った
律君と奏多くんは私を必死にガードしてるように見えた
「あの・・何をしてたの?」
「あのな!たん」
たん そこまで言ったが、奏多くんが慌てて律君の口を閉じる
「え?たん・・何?」
「えっとぉ~たんは~えと~・・・担々麵食べるためのぉレシピを書いてたのぉ」
うーん・・絶対何かを隠してる
「ねぇ~?律~」
「そ、そうだぜ!」
二人とも慌ててる・・奥の長女・長男チームも慌ててる
何なの・・なんで仲間外れ・・?
その時 紬ちゃんが
「帰宅しました」
と言って帰ってきた
私はモヤモヤを抱えて
「お帰り紬ちゃん!」
と言って 迎えた
私は二人に
「悩みだったら・・悩むからね」
と言った
だって家族だもん 教えてくれるよね
だって・・だって・・家族は秘密なんてないもん・・・
ね・・?
2 家族だから
家族って 大好き~って感じで秘密なんてない だと思ってる
だから・・・ねぇ教えてよ・・・
聞こうと思っても
「ねぇ明日の夜ご飯は何がいぃ~?」
とか
「日葵 恋愛上手くやってる?」
とか
話をそらしてる・・
そして紬ちゃん・・・紬ちゃんは・・
「・・・あの」
とか
「どうして・・・ですか」
とか
裏切られたと思ってそうな発言をしてる・・
紬ちゃん・・大丈夫だよ 私達家族だから
家族には秘密なんてない それが普通だよ!!
それに・・裏切るはずないよ
「大丈夫だよ 紬ちゃん」
私はそれしか言えなかった
次の日の朝 紬ちゃんと一緒に寝坊をした
それで二人で1階に行くと・・・
あ、またあの紙だ
「おはようみんなっ」
「・・・おはようございます」
「おおお、おはよう!」
今度は奏多君が急いで走って部屋に置いてきた
連君が律君の口をふさいでる
結菜ちゃんは必死に話をそらしてる
「ああ、おはよ!お寝坊さん 朝ごはん食べちゃうわよ~」
紬ちゃんはいつもと変わらない顔 口調だった
そしてご飯を食べ終わって
紬ちゃんに聞いてみた
「大丈夫?」
「・・・・はい大丈夫です でも私 信じていました なのに・・・」
やっぱり・・気にしてるんだ
私は紬ちゃんの背中をさすってあげた
「・・・大丈夫だよ 信じて 信じるのゆっくりでいいんだよ だから・・・」
「分かってますよ それぐらい」
そう言って部屋に閉じこもった紬ちゃんの背中はつらそうに見えた
3 大好きだから言えるんだね
私は・・分かっている
こういう時は・・・助けて悠翔くーん!
なんだこれ助けてドラえもん~じゃないんだよ
と心で突っ込みを入れながら携帯を取り出した
日葵『悠翔君』
悠翔『どうしたの?悩み?なんでも聞くよ』
その優しさが伝わってジュワッと心が温かくなった
私・・・
気づけば指先が動いていた
日葵『悩みがあるんだ』
悠翔『どうしたの?』
日葵『あのね、妹の紬ちゃんと仲良くなれないの』
気づけば秘密を打ち明けていた
どうしてだろう『しまったっ』と思わなかった
私 悠翔くんには秘密を打ち明けていい 何でだろう・・そう思ったんだ
悠翔『妹?あ、言わなくてもいいよ』
やっぱり・・優しい でも・・いつもならここで甘えてた 言わなくてもいいんだって
でも今は
日葵『あのね、私たち6つ子なんだ』
打ち明けたい
悠翔『六つ子?そんなに兄弟が・・・』
日葵『うん 実は私達 別々の所で生まれて育って 小学6年生の春に初めて会ったの』
日葵『初めて兄弟がいるって知って・・・今は6人だけ大人無しで暮らしてるの』
全部 全部 だって・・だって・・・
『大好きだから』
これが友情か恋か分からない・・けど 大好きだから
大好きだから伝えられるんだ
悠翔『そうなんだね その兄弟って』
日葵『お姉ちゃんお兄ちゃん順番に 結菜 連 そして私 奏多 律 紬』
悠翔『紬って・・・』
日葵『そうだよ 彩香和紬 この子末っ子なの』
悠翔『末っ子・・』
日葵『実は言ったらダメなんだ』
悠翔『だったらなんで?打ち明けてくれたの・・?』
教えられないよぉ・・・・大好きだからなんて・・・
日葵『教えないよ~!』
もし付き合えたなら・・いや・・なんだろう・・
いつか教えてあげるよ
その時まで待っててくれる・・?
悠翔『えぇ何で~~!』
いつの間にか 打ち明けたらダメなんて気にしてなかった
まぁ最初から・・だけど
4 相談
悠翔『で、妹ってことは紬さんの相談だよね』
あ、そうだ!相談・・・!
私はあの律君が「たん」と言って奏多くんが~~
言うと長くなる・・全てを伝えたんだ
悠翔『それ・・サプライズじゃない?』
そういわれた
サプライズ・・・?何かあったっけ・・・
そう思いながらカレンダーに目を向けると・・・
7月8日 6つ子誕生日!
そう書いてあった
あ、そうだったんだ・・・
きっと気づいた4人が私と紬ちゃんにサプライズをしようとしたんだ・・・
それが小さなすれ違いになって・・・
やっぱり・・悠翔くん 相談できる人だな・・
日葵『ありがとう すれ違いが分かったよ!』
日葵『7月8日 誕生日だったんだ!』
日葵『後 スイカ昨日食べたんだ!』
そう言ってラインを閉じた
あ、意味わかる? 『すいかきのうたべたんだ』すいかの「す」きのうの「き」好き
それが私なりの好きという気持ちを表す暗号だった
よし 紬ちゃんに伝えよう 気持ちを胸にしまって
紬ちゃんの部屋へ行こうとした・・だけど
「え・・」
思わず声が出た だって・・・
紬ちゃんの部屋の中の机には・・・
手紙があった
:姉さん 兄さん:
私信じてました
でもダメでした
また裏切られた
私は 帰ってきません
さよなら
:紬:
「え・・・紬ちゃん・・・噓だよね・・紬ちゃん!!!!」
返事はない
私が思い浮かんでるのは
「日葵姉さん」と呼んでくれた時 笑ってくれた時
あの信じてくれた時 「もう一度だけ信じます」と言ってくれた時・・・
私は 紬ちゃんの思ってることを想像して涙を流した
「もっと・・早く・・気づけば・・恥ずかしがらずに・・悠翔くんに相談できれば・・」
私の 責任だ・・私が・・探さなきゃ
雨の外 私は家を出た
「買い物に行くね~」
と明るく言って・・・
5 紬と日葵が家を出た後
今日は7月8日 六つ子の誕生日だ
私 結菜はパーティーのお準備をしてた
運よく 2人が出てくれたから帰ってきたタイミングでびっくりさせるのだ
3人 連 律 奏多は気づいてしまったから
紬 日葵にサプライズをしようとする計画
「よし 始めるわよ!」
「じゃあバルーン用意するねぇ」
「俺 食べ物の飾りつけ」
「じゃあ俺は~寝る!」
「バカじゃないのあんた 何かしなさい」
「はーい」
この日のためのケーキ 料理
節約して頑張って買ったんだから 二人とも期待しなさいね!
喜ぶ顔を想像してウキウキしながら準備をした
6人分の席を用意して~ふふ 楽しみだわ
6 裏切らないと信じてた
私 紬はずっと信じていました
兄さん姉さん達は 裏切らないと
だけどその気持ちは崩れ落ちました
秘密をしてるんです
話をそらして 日葵姉さんは元気なのできっと・・話し合いに参加してるんです
私の気持ちを考えて・・・あれ?ってことは・・私だけ・・仲間外れ・・・?
姉さん達兄さん達は・・『裏切った』?
それからも続いて 私は我慢できませんでした
その日は雨 私は
:姉さん 兄さん:
私信じてました
でもダメでした
また裏切られた
私は 帰ってきません
さよなら
嫌いです
:紬:
と書いた
だけど・・・私嫌いではない 兄さん姉さんのこと・・
嫌いです という一文を消して
そのまま家を飛び出した
「買い物です」
と言い訳をして・・もう 裏切られたくないんです
一人にしてください 裏切られるぐらいならそれがいいんです
もう・・嫌いですっ
7 紬ちゃんっ!
私 日葵は走った 待って!お願い・・・
行かないでっ!涙を流しながら必死に走った
その時
バンッ
誰かとぶつかった
「ご、ごめんなさい・・!け、怪我はありませんか・・?」
顔を上げると・・
「こちらこそごめんなさい・・・って日葵ちゃん・・・?」
悠翔くんだ・・
今はドキドキとかじゃなくて・・・紬ちゃんをっ
「今から」
「ごめんっ」
悠翔くんが何かを言いそうだったけど 走った
・・・傘を置いて
ちくりと心が痛む・・・
そして走って走って小さな公園
そこに 紬ちゃんが顔を俯けて座っていた
「紬ちゃんっ!」
私は思わず駆け寄った
「近づかないでくださいっ!」
え・・・?
「裏切らないって信じてました だけど裏切ったっ!」
怒り混じりの涙声で 涙を流して紬ちゃんは叫んだ
「ち、違うの!訳があるの!」
「言い訳は結構なんです!前にも言いましたよね」
「心の傷は・・直らないって!あなたたちが新しい傷を作ったんです!」
「日葵さん!」
あ・・・日葵『さん』
「ごめん・・なさいっ 紬ちゃん・・でも・・・!」
「裏切らないよ」
私は抱きしめた
これでもか?って思うぐらい・・・
「どうして・・なんですか・・いつも」
「心を変えてくれる 日葵さんは・・不思議ですね」
「日葵さんなんて言わないでっ!私は・・・お姉ちゃんだよ!家族だよ!」
私は悲痛な声で叫んだ
「もう・・やめてください 私は・・一人だったんです!」
「一人じゃないよ!私が居る!お姉ちゃんが居る!お兄ちゃんが居る!」
「だから!」
「家族が・・居る!」
「**うるさいっ!**居ないんです」
お願い・・伝わって・・・
「私は **大好き**」
「・・・なんで・・・」
紬ちゃんがもっと泣いちゃった・・
辛かったよね・・怖かったよね 失うのが・・怖かったよね・・
でももう大丈夫
そう思ったその時
「「「「紬っ」」」」
4人の声がした
後ろを振り返ると・・・家族・・兄弟がいた
「ごめん!違うの・・!」
結菜ちゃんが言う
「サプライズだったんだよ!」
「え・・・?」
紬ちゃんが固まる
「あのね・・・」
誕生日が今日だということ 気づいた4人がサプライズをすることにしたこと
「ごめんな それが小さなすれ違いになるなんて思ってもなかったんだ」
「そうだぜ 俺は裏切らないぜ」
「ホントにごめんねぇ・・・」
「いいえ 悪いのは・・・私です・・でも・・なぜみなさんはここに?」
「テレパシーだぜ」
「嘘言わないの」
「あのね・・悠翔くんが教えてくれたのよ」
「は、悠翔くんが・・?」
「うん」
あのぶつかったとき・・言いたかったことは・・・多分だけど
私達の家に行くこと・・だったんだと思う
奏多くんが家に来たことを教えてくれた
「悠翔くん 家にいるよぉ だからかえろぉ」
「そうだな」「そうだぜ」
「そうね 帰るわよ 紬」
「・・・・」
「紬ちゃん 『家』に帰るよ」
「・・・・はい!姉さん!兄さん!」
8ハッピーバースデー!6つ子!
家に帰ると悠翔くんが居た
「ごめんね!あの時逃げて・・」
「大丈夫だよ 事情があったんでしょ」
「悠翔くん・・!」
「あの~悠翔くん・・・」
結菜ちゃんが言いにくそうに言った
「なんで私達が6つ子だと知って・・・」
あ・・・忘れてた・・言うの・・・
「ご、ごめんなさい!自分の意志で伝えちゃって・・」
「「「「「何してる(の)(んですか)!」」」」」
「ご、ごめーん・・」
「でも・・・いいや 悠翔くん優しそうだしね」
「そうかな?」
悠翔くんが聞く
「あ、これ!プレゼント ネックレスなの 6人あるよ」
そう言って渡して・・・
私だけに
「これ手紙」
と言って手紙を渡してくれた
ドキッとした
「よーし!歌を歌うわよ~~!」
「「「「「「「ハッピーバースデートゥーユー ハッピーバースデートゥーユー」」」」」」」
「「「「「「「ハッピーバースデーディア」」」」」」」
なんだろう・・6人言うのかな
「「「「「「「6つ子~~~!」」」」」」」
うん やっぱりこれだね!
「「「「「「「ハッピーバースデー トゥーユー」」」」」」」
お誕生日おめでとう!!
悠翔くんがクラッカーを鳴らしてくれた
いただきます!
そのケーキの味は特別な味がした
「美味しい!」「そうだね」
ホントにおいしかった!
「あの・・私達ずっと・・家族ですよね・・?」
ふいに紬ちゃんが聞いてきた
私達は笑って同時にうなずいた
「「「「「ずっと家族だよ!」」」」」
そう言うと安心したような・・いつも以上に笑ってくれた
そしてパーティーはすぐに終わってしまった
あ、そういえば・・手紙って・・・
日葵ちゃんへ
誕生日おめでとう!
ネックレス大切にしてくれると嬉しいな
後俺もスイカ昨日食べたよ
悠翔
え・・・? 悠翔くんも・・好き・・なの?
ドクドク心臓が早くなり 顔が熱くなる
いや・・でもスイカ食べたよってことだよね・・!
そう言って自分を落ち着かせた
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俺 悠翔は家に帰って
星を眺めてた 一緒にお祝いできてよかったな・・・
後 日葵ちゃん 暗号解けたよ 俺も
昨日スイカ食べたよ
その夜の星は二人を紡いでくれるように感じた