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怪獣対鋼鉄計画3話
パパニペタゴン🐉
怪獣対鋼鉄対抗計画
第三話 ― 初出撃
サイレンが基地中に鳴り響く。
『緊急警報。東京都第七区に大型怪獣出現。市民の避難を最優先とせよ。』
先ほどまで訓練をしていた候補生たちの表情が一変する。
大型怪獣。
それは小型怪獣とは比べものにならない力を持ち、一体で街一つを壊滅させる災害級の存在だった。
黒崎教官はモニターの前に立ち、静かに口を開く。
「今回出現した怪獣のコードネームは**『グランガ』**。」
モニターには全長約四十五メートルの巨大な怪獣が映し出される。
厚い岩のような皮膚。
巨大な角。
鋼鉄のような尻尾。
「現在、防衛部隊が足止めをしている。しかし通常兵器では時間稼ぎが限界だ。」
部屋が静まり返る。
「そこで今回は、候補生による実戦データを収集する。」
候補生たちはざわついた。
「俺たちが大型怪獣と戦うのか……?」
黒崎教官は首を振る。
「倒す必要はない。」
「避難していない市民を救出し、防衛部隊と連携して怪獣を誘導する。」
悠斗は拳を握る。
(人を守る……。)
そのためにここへ来たのだ。
巨大輸送機が基地を飛び立つ。
機内には十名の候補生が乗っていた。
悠斗の隣には、短髪の少年が座っている。
「俺は朝倉 蓮(あさくら れん)。」
「腕を鋼鉄化できる。」
蓮は笑いながら右腕を銀色へ変化させた。
「よろしく。」
「神崎悠斗だ。」
二人は固く握手を交わす。
その向かいには、冷静な雰囲気の少女が座っていた。
「白石 美咲(しらいし みさき)。」
「私は皮膚を鋼鉄化できる。」
「防御担当よ。」
こうして悠斗は初めて仲間と出会った。
輸送機の扉が開く。
街には黒煙が立ち上り、建物は次々と崩れていた。
遠くでは巨大怪獣グランガが咆哮を上げている。
ゴオオオオオォォ!!
その一声だけで窓ガラスが割れた。
「作戦開始!」
隊員たちは街へ散っていく。
悠斗は避難中の親子を発見した。
しかし、その前には崩れた高架橋が道を塞いでいる。
「助けて!」
少女の泣き声が響く。
「任せてください!」
悠斗は鋼鉄の脚を発動。
全力で走り、高架橋を飛び越える。
少女を抱き上げ、そのまま母親のもとへ戻った。
「ありがとうございます!」
親子は涙を流しながら避難車両へ乗り込む。
その瞬間だった。
グランガがこちらへ向きを変えた。
「しまった!」
巨大な尻尾が振り下ろされる。
「危ない!」
蓮が鋼鉄の腕で瓦礫を受け止める。
「ぐっ……!」
「蓮!」
今度は美咲が鋼鉄の皮膚を発動し、飛び散る破片から市民を守る。
三人は初めて息を合わせて戦っていた。
しかし、グランガはなおも歩みを止めない。
「通常部隊、押し切られます!」
通信が飛び込む。
その時、黒崎教官の声が無線から響いた。
「神崎。」
「怪獣の注意を引け。」
「だが、絶対に無理はするな。」
悠斗はグランガを見上げる。
(勝てない。)
(でも……。)
(俺が動けば、避難する時間を稼げる。)
悠斗は鋼鉄の脚を発動した。
銀色の光が足元に広がる。
「行くぞ!」
一気に加速し、グランガの正面へ飛び出す。
巨大怪獣は悠斗を見つけ、ゆっくりと視線を向けた。
その目には、まるで獲物を見つけたような光が宿っていた。
「こっちだ!!」
悠斗は地面を強く蹴り、ビルの壁を駆け上がる。
グランガは怒りの咆哮を上げ、その後を追い始めた。
作戦は成功した。
その間に市民たちは次々と避難を完了していく。
だが、グランガは突然立ち止まり、大きく口を開いた。
口の中に赤い光が集まっていく。
「エネルギー反応急上昇!」
「熱線攻撃が来る!」
悠斗は息をのむ。
逃げるか。
それとも迎え撃つか。
その瞬間、遠くの空から巨大な影が高速で近づいてきた。
銀色に輝く人型の鋼鉄戦士。
SCP最強部隊――鋼鉄特務隊が、ついに戦場へ到着したのだった。
――第4話へ続く。