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#3 hsrb×kyng
学パロ・同学年同クラ・付き合ってる
「……おい星導。これ、いつ終わるんだよ」
学園祭の喧騒から切り離された、薄暗い校舎の特別教室。
お化け屋敷の順路を歩きながら、小柳はさっきからずっと星導のブレザーの裾をぎゅっと掴んでいた。
普段のクールな姿はどこへやら、完全に腰が引けている。
そんな恋人の姿が可笑しくて、星導は口元を緩めた。
「さあ? まだ半分も来てないんじゃないですか。それにしてもビビりすぎじゃないですか小柳くんw」
「うるせえ星導。お前が平気すぎるだけだろ……っ、うわ!? 今なんか動いた!!」
「ただの扇風機で揺れてるカーテンですよ」
ケタケタと楽しそうに笑う星導に、小柳は盛大に顔をしかめる。けれど、掴んだ裾を離そうとはしない。
星導もそれが分かっているから、からかいながらも歩幅を小柳に合わせてゆっくり進んでいた。
だが、そんな余裕もそこまでだった。
『──警告。これより先、最恐エリア。心の準備をしてお入りください』
不気味な看板。奥に進み部屋に入ると重い扉が閉まる。
その瞬間、視界は完全な「真っ暗闇」になった。
「……え、待て。何も見えねえんだけど」
小柳の声が一気に強張る。
ただ暗いだけじゃない。壁の向こう、前の部屋からは「ギャーーー!!」という他の生徒の本気の叫び声や、何かが激しく壁を叩く音が響いてくる。
演出だと分かっていても、五感を塞がれた暗闇の中では恐怖が何倍にも膨れ上がった。
演出の都合上、しばらく部屋の鍵が開かない仕組みらしい。完全に閉じ込められた状態だった。
「星導、おい……どこ__」
パニックになりかけた小柳が手を伸ばした瞬間、ガタガタッ!!と足元で大きな音が鳴る。
「ひっ、……!」
小柳は思わずその場にしゃがみ込み、頭を抱えて俯いてしまった。肩が小さく震えている。
「小柳くん?」
星導はすぐに自分のブレザーを引く力が消えたことに気づき、暗闇の中に目を凝らした。
足元に丸くなっている影を見つけ、星導は小さく息を吐く。からかいすぎた、という反省半分。
それ以上に、普段見せない恋人の無防備な弱さに、胸の奥が甘く疼いた。
星導は迷わずその場にしゃがみ込むと、小柳の怯える手をそっと探り当てた。
冷たくなった小柳の指先に、自分の指を一本ずつ滑り込ませる。
指と指を深く絡める、恋人繋ぎ。
「……え?」
驚いて顔を上げた小柳の耳元に、星導は顔を寄せ、低く、だけどひどく優しい声で囁いた。
「大丈夫ですよ。俺がいるじゃないですか」
ギュッと、繋いだ手に力を込める。
真っ暗で顔は見えない。でも、手のひらから伝わってくる星導の体温が、
やけに温かくて、とくとくと規則正しく刻まれる心拍が、小柳の荒れた呼吸を落ち着かせてい
「お前……、手、あつい……」
「小柳くんの手が冷たすぎるんですよ。ほら、もうすぐドア開きますから。このまま行きましょう」
小柳は繋がれた手を振り返り、それから小さく「……ん」とだけ呟いて、星導の胸に額を押し付けた。
暗闇をいいことに、思いっきり甘えている自覚はある。でも、今だけは星導の独占欲に負けてやってもいいと思った。
数分後、ようやく最後の扉が開き、まばゆい日の光が二人の視界に飛び込んできた。
お化け屋敷の出口を抜けると、そこはいつもの賑やかな廊下。
星導は結局、出口のギリギリまで小柳の手を離さなかった。
そのせいで、星導の顔にはまだ隠しきれない、満足げなニヤニヤとした笑みが残っている。
「あ、いたいた。おーい小柳、星導!」
廊下の向こうから手を振ってきたのは、同じクラスの伊波ライと叢雲カゲツだった。
二人は星導の顔を見るなり、あからさまに怪訝な表情を浮かべる。
「うわ、タコ何ニヤニヤしとるん。お化け屋敷から出てきてその顔は普通にホラーやて」
「うわホントだ、気持ち悪りぃw 何、中でそんな良いことあったわけ?」
ライがケラケラと笑い、カゲツがジト目で星導を睨む。
隣の小柳は、まださっきの恐怖と、今の気恥ずかしさで顔を真っ赤にしたまま、そっぽを向いていた。
星導は、ツンとそっぽを向く恋人の様子を愛おしげに一瞥してから、いつもの飄々とした態度でライたちに向き直る。
「は? 何言ってるんですか。お化け屋敷が予想以上にクオリティ高くて感動してただけですよ。……君たちには一生分からないでしょうねぇ、あの『良さ』は」
「うわ、何その煽り!?」
「絶対なんか隠しとるわ、コイツ!!」
ブーブー文句を言う二人を適当にあしらいながら、星導は背中の後ろで、小柳のブレザーの裾を今度は自分からちょんちょんとつついた。
小柳は小さくため息をつきながらも、今度は逃げずに、星導の服の裾をそっと握り返したのだった。
小柳多いって?うるさいy(
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