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#6 スカウト
祐大さん宅に居候して一週間。
あやせは徐々にこの新宿近辺に出られるようになった。
どうせ両親はあやせのことを探そうともしないだろうし、逆に厄介払いできてせいせいしているとまで思っているかも知れない。
こっちもお別れできてせいせいしている。
新宿駅まで歩き、山手線に乗る。
あやせにもようやく山手線の内回りと外回りがわかるようになった。
住んでいた場所にはなかった山手線。
最初は迷って山手線を何度も回ってしまった。
内回りの列車に乗り、座席に座る。
渋谷へついた。
人混みの中109を彷徨う。
今流行りの服を眺めながら学校の一軍女子の服装を思い出した。
あの子達チャラチャラしてたよねー
ルーズソックスはいて怒られてたけどね笑
一応あやせも14歳の未成年だから、あまり真夜中を歩けない。
歩こうもんなら家に帰ると言っているようなものだ。
あやせはもうあの家に戻りたくなかった。
だからわざわざ地獄に突っ込むような真似はしない。
肩を叩かれた気がした。
振り向けば若い男性。
20代ぐらいの男性だろうか。
「そこのお姉さん、あの」
「はい」
あやせは身構えた。
警察だったらどうしよう。
きっと連れ出されてしまう。
家に戻されてしまう。
「あのおいくつですか?」
「えっと、、、、」
「あ、そうですよね。僕の名前は|山口陽太郎《やまぐちようたろう》です。」
「はあ、、、、?」
「じゃあ喫茶店で話しましょう」
あやせは引きずられるように喫茶店に連れて行かれた。
山口は少し前へ乗り出した。
「単刀直入に言います。」
「はい」
「**アイドルになって下さい**」
「へ?」
あやせは唖然とした。
私に?アイドルになれと?
無理無理無理無理
「あのからかってらっしゃいます?」
「いやいやそんな失礼なことはいたしませんよ」
「・・・。」
「僕は本当に素晴らしい人にしかスカウトしません。
僕は本気です。
あなたはアイドルに絶対なれる。
輝く星に絶対になれる
いや、星じゃ物足りない。
みんなの神になれる。」
あやせは呆れた。
「神って大げさですね。
私、神様さえ信じられない14歳の子供なんですよ?
そんな子供に人々の神様になれると思います?」
「大丈夫です。
本当に神様になれなくても、神様のふりをするだけでいいんです。
神様だって絶対みんなの願いを叶えられるわけじゃないんですから」
そうだよね
神様は世界のなかの人々の中で私の願いを選ばなかった。
神様は私の願いを叶えなかった。
そっか
私が神様になればいいんだ。
**絶対に私が神になってみせる。**
つづく