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0001 天才なので、選択肢はたくさんあるんです
さっそくコメントありがとー!
励みになります!
あと、「天才」の説明不足に気が付いたので本当に感謝してます!
2068年3月。
「それではただいまより、魔力測定を始めます」
私……駒井咲良は、朝の会の時に先生に言われたことを思い返す。
『今日は、魔力測定が行われる。術者協会の人がやってくるから、丁寧に接するように。
あと、魔力測定は、この国の未来のために作られた制度だ。才能のあるやつが率先して日本を守っていかないと、この国はいずれ妖魔にやられてしまう。そして、それは世界にも放たれる。つまり、術者になるということは、世界を守るということにもなるということだ。その意味と重要性を理解して、今日の魔力測定を受けて欲しい。……それに、お前らの人生が変わるかもしれないんだ。まだ12歳だから、なんて言っていられないぞ?』
立花先生のそんな言葉に、みんな元気に返事をしていた。
ちなみに一番いい返事をしたのは私の幼馴染であるメイ……若松皐月だった。
メイは、術者を志望しているから、この測定に対する思い入れも強いんだろう。
一方、私はというと……このクラスで唯一の11歳。
先生が年齢を持ち出してきたから……返事をする気が失せたんだよなぁ。
うん、これは先生が悪いと思う。
「ではまずは安藤|奏多《かなた》さんから」
「はーい」
奏多……かなちゃんは女の人にに出された水晶に手をかざす。
すると、黄色の光が広がった。
「おめでとうございます! あなたはBランクです!」
ちなみに、ランクとしては、
SSランク 青色 現在一人
Sランク 水色 現在二人
Aランク 白色
Bランク 黄色
Cランク 橙色
Dランク 桃色
Eランク 赤色
Fランク 無色
と設定されていている。
Bランクというのは多くなく、結果も十分に残せるため、安定したランクだ。
「おめでとう!」
と、立花先生も喜んでいる。
そして、魔力測定は進んでいき、私の番になった。
「では次、駒井咲良さん」
「は~い」
咲良は水晶に手を当てる。
その瞬間、空が降ってきたような気がした。
目の前が水色で、しばらくしてそれが水晶からの光だと気づいた。
「素晴らしい! Sランクです!」
Sランク……か……
テストは基本満点。
運動会でも全校リレーに毎年選ばれる。
コンクールでは入賞以上をとっている常連。金賞は意外と少ない。
音楽も上手い。
料理も上手。
なんでもそつなくこなせた。けど、それだけ。強みがない。
そして、今回は術者のSランクだ。
やっぱ、私って、器用貧乏の才能があるんじゃない?
そう思わずにはいられなかった。
ふと。
嫌な予感がして。後ろを振り返ってみた。
すると、立花先生が、地面をたたきながらうずくまっている様子が見えた。
「先生、何してるんですか?」
先生は顔を上げた。
「ぶあっはっはっはっはっは!」
目に涙を浮かべながら声を出して笑っていた。
どうやら、さっきまでは一応声を抑えてはいたようだけど……
「何か文句でもありますか?」
「ないわけないだろ。他のことにおいてもそこそこは出来るっていうのに、今回もSSランクじゃなくてSランク! この器用貧乏さを見て笑わねえほうがおかしい」
「いえ、普通は笑いませんから」
「いや~、さすがだな。天才を自称するだけのもんはある」
「ま、笑いたいなら笑ってください。私が天才なのは変わらないので」
「いつもの台詞ってか?」
「はい。天才には成長の機会が必要ですから」
「じゃあちゃんと、『天才だから』と言えるくらいまでに術者として成長しないとな」
「……そうですね」
立花先生にはムカつく言動が多い。
ただ、それは私が気にしていることに気が付いているからなのだと思う。
今回だって、私が内心がっかりしているのを見抜かれていた。
だけど、これからの行動へ意識を変えてくれたりする。
「まあ、言われてなくても成長はしますが」
そう、私は天才だから、周りから期待されている。
だったら、努力を怠るわけにはいかないのだ。
そして、着々と測定は進み、最後になった。
「では、若松皐月さん」
「はい」
「頑張ってね」
私もメイを応援する。
結果は……無色のFランクだった。
「なんで……」
教室にメイの呆然とした声が響く。
メイの両親は、妖魔の犠牲者だ。偶然巻き込まれて、妖魔の犠牲になった。
「メイ……」
「ごめん、今はあんたと話したくない」
「そうだよね。ごめんね、私が天才で」
私は、メイがただトボトボと席に戻るのを見ることだけしかできなかった。
「よーし、家に帰ったらこの判定を見て、術者になりたいか、なりたくないかしっかり考えておけ。あと、奏多と咲良は話があるからあとでこっちにこい」
「「はい」」
「じゃあそれ以外は休み時間として過ごしておけ」
他の人が思い思いに過ごしている中、私とかなちゃん……安藤奏多は先生の方に向かった。
「お、来たか。お前らには特に言っておかなくてはならんことがあってな。この国の制度上、Bランク以上の者は術者になりたいかなりたくないかはともかく、力が強いから術の扱い方を学ばなきゃいけない。だから、お前らは術学……術者養成学校に行く義務がある。そのことを親に伝えておけ。」
「「はい」」
「もちろん術学に行ったからといって必ず術者にならなきゃいけないってわけではないから、他にやりたいことがあるならそのことも考えたうえで卒業するようにな」
「分かってまーす」
「はい」
かなちゃんは素直だなぁ。相手は立花先生なんだからもっとテキトーでいいのに。
「かなちゃんは術者になるの?」
「なろうかなって思ってる。Bランクだしね」
「そっか……」
やっぱ普通の人はBランク以上だったら術者を選ぶのかな。
……じゃあ私は?
私……駒井咲良は天才だ。術者以外にも十分活躍できる場所はある。
自分のやりたいことが分からない。
まだ小学生だから、と考えることをやめていた。
だけど、思っていたよりも遥かに早く、考えるタイミングがやってきた。
『他にやりたいことがあるならそのことも考えたうえで卒業するように』
先生はたぶん、私を見据えてこのことを言った。
他にやりたいことがあるなら、術学に通う前から準備を始めなきゃいけない。
そんな現実を見せられて、その日一日、私はぼんやり考えながら過ごすことになった。
いきなり天才の迷い入れちゃったけど、これってもっと後にした方がいいのかな?
アドバイス、タイトル案、コメント待ってます!
※この作品はフィクションです。
時代は進んでも、科学技術はあまり発展していませんが、そういう世界だと思っててください。