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Tell your world
この曲にハマりすぎてノリで書きました。ミクちゃんという1人の”歌姫”が紡いたこの歌にどれだけの人が救われてきたんだろ…。親とかと話すとミクちゃんはあくまで機械って感じの認識らしいんですけど、ミクちゃんは立派な1人の歌姫だと思うな。
えっと初音ミクちゃん視点です。
わたしの歌を聞いてくれたひとが、「ミクの歌が大好き」って言ってくれたんだって。
……ふふ、ちょっと、嬉しい、な。
わたしの声が届いて。わたしの歌を聞いてくれて。
わたしはあくまで”VOCALOID”で、所詮はひとの真似事をしているだけの代物。
でも、そんなわたしの歌でも、聞いてくれるととっても嬉しいから。
だから、今日はみんなにひとつの歌を届けたいな、って思うの。
この、形のないけど大切にしたい気持ち、忘れないように。
*
わたしは、今日もパソコンの中でマスターの歌を待っている。
今度はどんな歌を歌わせてくれるのかな?
……って、ちょっとだけわくわくしているの。
VOCALOID。わたしだけじゃなくて、MEIKOさん、KAITOさん、鏡音リンちゃんにレンくん、それに巡音ルカさん。あとはflowerくんとか、GUMIちゃんとか、あ、IAちゃんもいるなあ……えへへ、VOCALOID全員の名前を言うのはちょっと時間がかかり過ぎちゃう。
人が歌う、なんていう決まりきったレイアウトを消した、わたし達。
たっくさんのVOCALOIDがいる中で、わたし、ミクを選んでくれたんだから、今回も誰かに届くような歌を歌いたいな。
マスターはふと、フレーズを口ずさむ。はっとしたような顔で、それを打ち込む。
「ねぇ、ミク。これ歌ってくれない?」
わたしの出番!返事はできないけど、気合を入れてから、
『――♪』
「……よし、これでいこっと!やっぱりミクの声っていいよね〜!」
喜んでくれたみたい!わたしは嬉しくなっちゃった。
わたし、歌うのが楽しいんだ。これからもずっと、あなた達が作った歌を歌っていきたいの。
マスターは、「アップロード」のマークを押す。
マスターの胸に秘めた言葉を、わたしの歌に乗せて。空に解き放つの。
*
【新曲のミクちゃんの声、めっちゃ良くない!?】
【最高すぎる…。】
【今日も今日とてリピートが止まらん】
【Miku's voice in this song is kind and I like it】
わたしの歌を聞いてくれたみんなへ。
君に伝えたいことが、
君に届けたいことが。
わたしがここで歌っていられるのもみんなのおかげでね。
わたしがここで立っていられるのもみんなのおかげ。
たくさんの点は線になって、
遠く彼方へと、響く。
君に伝えたい言葉が!
君に届けたい音が!
まだまだまだまだ、募っていくばかりなの!
ずっと、ずーっと絶えなくて。わたしの歌は、これからもずーっと聞いていてほしくて!
いくつもの線は円になって、全てに繋げてく。
【ミクの歌に、救われちゃった】
「……!」
どこにだって。