公開中
【第一章】8.もうすぐクリスマス
「翔太ぁぁぁあ!!!!ちょっと聞けぇ!」
「どぅわぁぁ!!!!!!勝手に窓開けんなって!あっ死んだ!!!!!」
ノックをしようとしただけなのに勢い余って翔太の部屋の窓を全開にしてしまった私は、ノックを諦めてカーテン越しに声をかけた。翔太の叫び声がカーテンを突き抜けてしばらくして、カーテンが開く。
「今めっちゃいいとこだったのに…」
「えっ、ゲーム中だった?ごめんごめん、勢い余って開いちゃってノック諦めた!」
「プライバシーって言葉知ってる?俺が着替えてたらどうすんの」
「カーテンが遮ってくれるから大丈夫!」
「こっちが嫌だわ。で、何の用なんだよ」
話が弾んでしまい本題からだいぶ外れてしまった。そもそも本題まだ話してなかったな。ノックの件については以後気をつけるとして、こっちにはもっと重要な決め事があるんだ。
「来週はクリスマスです!……プレゼント交換会は今年開催しますか?」
「めっちゃ重要じゃん!!!!俺はいける。そっちは?」
「いける。開催決定!!!!!!」
そう、重要な決め事とはクリスマスについてだ。
私たちにはクリスマスになるとプレゼント交換会を開催するという恒例行事がある。初めて開催した小一の頃はお互いに折り紙を渡したり百均のおもちゃを渡したりと割と平和だったが、小五くらいから追加された新規ルールが厄介だった。
『どちらかに恋人がいる場合はプレゼント交換会を開催しない』というもので、この企画は基本恋愛優先である。ここ数年は毎年クリスマスの時期に翔太に彼女がいてとなかなか開催できていなかった。中学に入ってからサンタも来なくなったし…なっちゃんの家はまだ来てるみたいだけど、個人差ってあるよね。
てか、いけるってことは彼女とは…?
「あれ、彼女いなかったっけ。確かリコちゃん」
「あー、昨日別れた。束縛激しくてさー」
「え昨日??タイムリーすぎない?」
来週クリスマスなのに別れられたのか。ちょっとリコちゃんに同情する。話したことないけど。
「まぁそれはさておき、開催は毎年同じく12月24日の夜?」
「そうそう!ってか何くれるの?」
「それ言ったらダメじゃね??」
「あっやべ」
『それじゃあ』と言ってお互い窓とカーテンを閉める。翔太の方はしっかり施錠して確認までしていた。ごめん。
私もと思い適当に鍵をかけると、カレンダーを見る。空き日は明日と明後日ってとこか。
「プレゼント、何がいいかなぁ…」
開催を決めたはいいものの何を渡したらいいかわからない。ネットの意見を参考にしようとスマホを開くと、画面と考えごとに時間が溶けていった。
めちゃめちゃ時期はずれだけど、この小説内での時間軸なので。よろしく。