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2 転移先は檻の中?
つん、つん、つん。
緑色の肌の怪物たちが、檻の中で死んだように眠る男を突っついていた。檻の中で眠る人間は上下にくたびれた黒スーツを着用しており、このような怪物と同じ場所にいるのは少々異端的に見える。
男の髪色は黒く、その長さは腰まで届きそうだ。俗に言うロン毛というやつか。男のロン毛は檻の外までだらしなくさらけ出されており、地面の上で泥まみれのまま放置されていた。
この男の名前こそ____**キリンジ**である。
「くそ、この人間、全然起きねぇ! これじゃあ儀式に間に合わないぞ!」
一匹の怪物が、キリンジを突っつきながら周りを急かす。他の怪物たちも、この状況に焦りを感じ始めたのか、キリンジへの突っつき攻撃が徐々に激しくなった。
頭をぶっ叩かれたり、鼻の穴に突っ込まれたり。
しかし、キリンジは全く目を覚まさない。怪物たちは差し迫られ、ついに檻の外にさらけ出されたロン毛に目を付けた。一匹の怪物がロン毛を掴むと、それに連なるように、もう一匹、二匹、三匹が掴む。
「せーの!」
ぎゅっと引っ張られた長髪、キリンジは檻の中で数センチ飛び上がって悶絶する。
怪物たちは「やった!」と言わんばかりに表情が明るくなる。それと対照的にキリンジの顔は苦痛の中で歪んだ。キリンジは髪の根本をさすりながら、檻の外の怪物たちに睨みを飛ばす。
「……おい、お前ら、一体どういうつもりだ?」
ほんの一瞬、理性の中に隠された獣のような殺意が辺りに放出され、怪物たちが本能から身を震え上がらせた。この瞬間、怪物たちの認識が揺れ動く。
檻の中の男__キリンジは、**猛獣**だと。
しかし、どんな猛獣とはいえ、檻の中にさえいれば襲われない。そのことにいち早く気づいた一匹のリーダーらしき怪物が、キリンジの檻にゆっくり近づいた。
「やっと起きたか、人間」
「何だお前」
「ふん、オレたちがどんだけ苦労したのか知らねぇくせして、よくそんな態度取りやがる!」
「お前らの苦労なんか知るか。それより答えろ、お前らは一体何だ?」
檻さえ無かったら、キリンジは今にも怪物たちを噛み殺しそうに見える。そんなキリンジに臆せず、檻の前の怪物は続ける。
「別に答えてやってもいいんだが、知ったところで結局、お前は生贄になるだけだ」
「……生贄だと?」
「そうだ。これから儀式が始まる。お前はそこで麒麟族への生贄になってもらうってわけさ」
リーダーらしき怪物の言った、ある一部分に反応したのか、キリンジは目の色を変え、明らかに動揺し始めた。
「い、今……お前、何て言った?」
「は? だから、麒麟族への__」
「**麒麟ンーーーーッ!?**」
突如、情緒不安定になるキリンジに、下っ端らしき怪物たちはまた震え上がっていた。
読んでくれてありがとー
まだまだ序盤だけどよろしくねー