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我、王女なり2
第二話ー!
黒い煙が遠ざかっていく。フレアはただ、ひたすらに歩いていた。
丸二日、泥の混じった水をすすりながら歩き続け、フレアは王都の手前にある町「レムリア」にたどり着いた。
活気にあふれた町の中で、フレアはカレン村を襲った兵士たちと同じ紋章をつけた男を見つけた。
怒りで頭がカッと熱くなり、懐の果物ナイフに手をかける。しかし、背後から伸びてきた分厚い手に、ガシリと手首を掴まれた。
「やめときな。そんな鈍らじゃ、犬の皮一枚も通らねえよ」
振り返ると、酒臭い大男が立っていた。男はフレアを強引に路地裏へと連れ込む。
「放して! あいつらは、お母さんを……!」
「声がデカい。死にたいのか」
男はフレアの手からナイフを取り上げた。
「俺はガロン。鍛冶屋だ。お前が持ってるそのナイフじゃ、ダニエルのところに行く前に殺されるぞ」
「ダニエル」の名を聞いた瞬間、男の目がわずかに険しくなったのをフレアは見逃さなかった。
ガロンは、フレアがもう片方の手で握りしめていた母の形見のペンに目を留める。
「そのペン、持ち主はただの村人じゃねえな」
「……お母さんは、昔、王都で学者をしてたって」
「やっぱりな。ダニエルが村を潰したのは、ただの気まぐれじゃねえ。表に出したくない何かを隠すためだ」
母が殺された本当の理由が、ダニエルという男に繋がっている。
フレアはガロンからナイフをひったくり、まっすぐに見つめた。
「私に、あいつを殺せる武器をちょうだい。使い方も教えて」
「……命をドブに捨てる覚悟があるなら、少しはマシな牙の研ぎ方を教えてやる。ついてきな」
ガロンの寂れた工房で、鉄を叩く音が響き始める。
フレアの復讐のための泥泥とした旅は、ここから本格的に動き出そうとしていた。
闇落ちですね……。