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𝔼𝕡𝕚𝕤𝕠𝕕𝕖𝟚 奇襲
???視点
今日の場所はここか······。
にしても随分と不気味で、隔離された様な土地だな······こんな浮島があるとは思ってもなかった。
行ってこい行ってこいとしつこく言われたので、こっちもはいはいと重い腰起こして出てきたはいいが···空気はどんよりしているし、不気味だし、少し後悔している。
まぁ、普段家に籠っている自分が悪いのだが···。
だが、いい。
自分は"闇"の血を受け継ぐ家計の者······。
この力さえあれば、今回だって直ぐに終わるだろう·········。
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わんこ視点
奏者さんの家の中は、他とは違って綺麗で、なんだか落ち着く気がした。
当の本人は床に座り、一息ついてから話を始めた。
「じゃあ······早速だけど、この世界の説明を軽くするね。」
それから、様々な事を語りだした。
彼女の話を簡単に纏めると、こうだった。
この浮島世界は"トルファスタ"と呼ばれていて、多種多様な種族、魔物が暮らしている事。
その中でも奏者さんは、"|明火《あび》村"という呪われた廃村に居座っていて、他の浮島には移った事が一切無い事。
この世界の住民はそれぞれ能力を持っている事。勿論奏者さんも持っているらしい。
話に依ると、私も此処に来た時点で能力に目覚めているらしいのだが······どんなものだろうか?
そして······何度も聞かされた様に、この世界は夢でもなんでもない、紛れも無い現実の世界である事······。
「本当なら、死ぬまでこの村に居座ろうって思ってたけど······わんこが来てちょっと気が変わったんだよね。私みたいな境遇の人が他にいるかも知れないし···それに、じゃあなんでこの世界はこうなってるのかってのも、知りたくなっちゃってさ···。嘗て師匠がしてた様に、これを機に私もこの世界を旅してみようかなって······。」
そして、こう締めくくった。
その時の表情は、どこか悲しげだった様な気がする。
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奏者ボカロファン視点
わんこに話をした後で、旅に出たとて何処へ行こうかと考えた。
誰かに聞ければ一番なのだが、私は此処から一切出た事が無い、わんこは此処に"堕ちてきた"ばかり。
おまけに師匠が持っていた地図も、この村が隠れ里過ぎるせいで載っていないという始末。
それに······しょうがないっちゃしょうがないのだが、わんこの首輪につけられたランクを表すバッチを見ると、彼女(?)のランクは|2《レクマ》。
もし道中で魔物に出くわせば、戦い方も分からない様な新参者は秒殺だろう。
どうしたものかと考えていると、何処からか、にゃあ、と猫の鳴き声が聞こえた。
声のした方を向くとそこには、紅い目を光らせた黒猫が静かに佇んでいた。
猫は、森の方角をじっと見つめ、鈴の音を残して何処かへと消え去った。
来る。
直感で、そう感じた。
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???視点
あの家の中に誰かいる。
こんな場所に住んでいる奴らなんて魔物くらいだろう。
それなら気づかれてないうちにさっさと殺って片した方が楽だ。
「能力発動·········"|闇に染まる一匹狼《ダークウェアウルフ》"」
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わんこ視点
いきなり目の前が真っ暗になった。
いや、真っ暗どころの話じゃない······目を閉じた時の様な漆黒に染まった。
「わんこ······絶対に、その場から動かないで。」
奏者さんの声がするが、どの方向から聞こえているのかも分からない。
その場で固まっていると、再び声が聞こえた。
「·········そこか!!」
「は······なんでっ······!?」
「いったぁ!?」
そして、何かが私にぶつかった。
驚き、咄嗟にそれに噛み付く。
呻き声が聞こえ、少し遅れて視界が元に戻った。
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奏者ボカロファン視点
わんこの目の前に転がっていたのは、白髪ロングで白の狼の耳が生え、首から狐の面をさげている······黒服の男性だった。
そいつは驚いた様な表情のままゆっくり起き上がり、口を開く。
「此処何処······?俺誰······??家何処にいったっけ·········???」
「·········は???」
いきなり何馬鹿な事を言ってるんだ······?と思ったが、ふと、一つの考えが浮かんだ。
「わんこの能力······?」
「え??????」
案の定、わんこも訳が分からないといった顔をしている。
正直な所私もよく分からない。
だが、わんこが噛み付いてこうなったのだとしたら、「噛んだ相手を馬鹿(?)にする」というのが···わんこの能力なんだろう、きっと。
ではいつこの力はおさまるのか。
わんこと暫く見ていると、大体30分程経った頃に彼は正気に戻った。
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「こんな場所にいるもんだから······てっきり魔物かと思ってしまった······本当済まない。」
自身を「闇夜もんだ」と名乗る彼は、深々と頭を下げて謝罪した。
「いや······こんな場所に居座ってる私の方がイレギュラーだし······謝る事でも無い···。」
どうやら彼は、様々な事を行っている······所謂「何でも屋」の一人らしい。
それで街の人に此処の調査を頼まれ、普段は誰も来ない様なこの場所に来た。
そしたら私達を見つけ······今に至る。
こんな場所の調査依頼を出すなんて、ろくでもない奴がいるなと思った。
それにしても、今日はやけに客人が多い日だ······。
これは何かのサインなんだろうか。
こんな時······師匠ならなんと言っただろう。
私を助けてくれた、師匠なら············。
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???視点
同じ大学に通う先輩が行方不明になったと聞いた。
話に依ると、先輩は······いきなり消えたそうだ。
どういう事なのか、さっぱり分からない。
「なんかさ~、トラック突っ込んできて、危ない!!って思って見たら消えてたらしいよ~?」
「何それ······アニメの世界じゃああるまいし···やっぱ見間違いかなんかなんじゃないの?」
「ってかさぁ······最近似た様な事件多くない?」
先輩が消えてからというもの、話は唐突に姿を消した人々の話でもちきりだった。
調べてみたのだが、数日前にも川で泳いでいた少年が姿を消す事件があったらしい。
警察は保護者がいくら捜しても、その時身につけていた物も、死体も、何も見つからなかったそうだ。
他にも数ヶ月前、数年前まで······似た様な事件が発生していた。
先輩を含め消えた人々は······今、何処で何をしているのだろうか。
そんな事を考えながら、図書室を後にする。
その時、地面が微かに揺れた。
揺れは徐々に大きくなり、やがて凄まじい横揺れが私達を襲った。
「うわぁぁぁ!!!じ······地震だっ!!!」
あちこちから悲鳴が、物が倒れる音が聞こえる。
立っていられない程の揺れは容赦無く続いていた。
バキバキッ!!!
頭上から嫌な音が聞こえた。
反射的に上を見ると······天井にぶら下げられていた大きな照明が、目の前まで迫って来ていて·········。
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さっきまで何をしていたのか······さっぱり思い出せない。
でも······何かを探さなければいけない様な気がする。
それが何なのか。
この見知らぬ浮島の世界で······何を探すというのか······。
「見ない顔だね?もしかして1人?」
不意に、少女に話しかけられた。
中学生程の見た目の少女は、笑顔で此方を見つめている。
「あ、もしかして······この世界に来たばかりとか!それなら着いてきて!!」
それだけ話すと、少女は歩き始めた。
何も分からないが、もしかしたら彼女に着いていけば何か分かるかも知れない······。
そう思い私は、少女の後を追った。
☾Loading······↻☽
今更感が凄いですが、このシリーズは特に描写にこだわっちゃったりしてます。
なんか······そういう風に書かなければいけない様な気がしまして。
何故かは分かりません。
ただそれで言えるのは、シーンの描写にこだわっているせいで1話1話の文字数が長いです()
······名前がまだ出ていないキャラとかは
分かる人は誰だか分かる()
月下の人ならもしかしたら理解してるかも·········?