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第一話 勇者の旅立ち
前世編です!!
現在編をお休みして、前世編を先に完結させちゃおうと思いまして!
**第一話 「勇者の旅立ち」**
王都
まだ平和だった頃。
いや。
正確には違う。
平和が終わろうとしていた頃。
世界各地で魔物が暴れ始めていた。
村が襲われる。
街が滅ぶ。
冒険者が帰らない。
そして。
魔王。
その名が再び広がり始めていた。
**王城**
🐰「嫌です」
王様
「頼む」
🐰「無理です」
王様
「勇者なのだろう」
🐰「なりたくてなったわけじゃないです」
王様
「だろうな」
🐰「……」
🐰「分かってるなら別の人探してください」
王様
「君しかいない」
沈黙。
勇者。
それは数日前。
突然きなこに与えられた称号だった。
特別な力。
特別な魔力。
魔王を倒す資格。
全部。
勝手に押し付けられた。
🐰「帰りたい」
王様
「まだ出発していないぞ」
🐰「精神的に」
**数時間後**
王城の外。
🐰「はぁ……」
荷物を背負う。
剣を持つ。
勇者らしい格好。
でも。
🐰「向いてないと思うんだけどなぁ」
誰もいない空へ呟く。
怖かった。
当たり前だ。
魔王討伐なんて。
世界を救うなんて。
そんなこと。
十代の少年が背負うには重すぎた。
それでも。
見捨てることはできなかった。
困っている人がいることを知ってしまったから。
🐰「行くか」
小さな一歩。
勇者の旅が始まった。
**旅立って3日**
結果。
🐰「迷った」
森の中。
完全に迷子だった。
🐰「なんで」
地図を見る。
逆だった。
🐰「なんで」
二回目だった。
お腹も空いた。
疲れた。
帰りたい。
勇者辞めたい。
そんなことを考えながら歩いていると。
ドォォォォン!!
大きな音。
🐰「!?」
森の奥から聞こえた。
戦闘音。
嫌な予感。
でも放っておけない。
🐰「はぁ……」
ため息をついて。
音のする方へ走る。
そこには。
大きな魔物がいた。
三メートルを超える巨体。
冒険者数人が追い詰められている。
「た、助けて!」
絶望的だった。
その時。
🦍「うおおおおおお!!」
聞いたことのない声。
次の瞬間。
ドゴォォォォン!!!
魔物が吹き飛んだ。
🐰「え」
固まる。
さらに。
ドン!!
ドン!!
ドォン!!
拳。
拳。
拳。
巨大な魔物を。
素手で殴っていた。
🐰「え」
再び固まる。
そして。
最後の一撃。
🦍「終わりだーーー!!」
ドォォォォォォン!!
魔物が地面に埋まった。
戦闘終了。
🐰「……」
🦍「あれ?」
金髪の青年が振り返る。
赤い瞳。
明るい笑顔。
🦍「見てたの?」
🐰「今の何」
🦍「格闘術だよ!」
🐰「格闘術?」
🦍「うん!」
🐰「嘘でしょ」
**しばらく後**
一緒に昼食。
🦍「僕ドズル!」
🐰「きなこ」
🦍「一人旅?」
🐰「魔王討伐」
🦍「えっ」
🐰「勇者なので」
🦍「えぇぇぇ!?」
今度はドズルが驚く番だった。
🦍「勇者だったの!?」
🐰「一応」
🦍「すごいじゃ……」
一瞬考える。
🦍「すごいね!」
🐰「全然嬉しくない」
そして。
🦍「じゃあさ」
🐰「?」
🦍「僕も行くよ!」
🐰「……は?」
🦍「魔王討伐!」
🐰「なんで」
🦍「面白そうだから!」
🐰「帰ってください」
即答だった。
しかし。
🦍「大丈夫!」
🐰「何が」
🦍「なんとかなるよ!」
🐰「ならないから勇者一人で困ってるんだけど」
🦍「確かに!」
🐰「確かにじゃない」
**夕暮れ**
森を歩く二人。
結局。
🦍「よろしくね!」
🐰「なんでいるの」
仲間になっていた。
王城で一人だった勇者。
不安でいっぱいだった旅。
でも。
隣に誰かがいるだけで。
少しだけ心強かった。
🦍「きなこ!」
🐰「何」
🦍「絶対大丈夫だよ!」
🐰「根拠は?」
🦍「ない!」
🐰「帰れ」
🦍「ひどくない!?」
森に笑い声が響いた。
まだ。
伝説なんかじゃない。
ただの勇者と。
ただの格闘家。
それが。
後に世界を救う六人の物語の始まりだった。
お次は〜誰かな〜〜〜〜〜〜〜