公開中
1話「魔法と貴族」
ガヤガヤ賑わう王都外れの街、「クルシア」
露店がたくさんあり、外食店、居酒屋なども賑わっている。
そこの路地裏で__
「おら!金出せ!金!」
僕はいわゆる__
チンピラに絡まれていた。
「いた……やめて…ください……」
それを聞いてもチンピラは手も止めずに
「あぁ?やめてくださいだぁ?違うだろぉ?『満足するまでやってください』だろぉ?そんなことも…おら!できねぇのかぁ?」
さらに攻撃を激しくする。
「満足……するまで……やって………くだ…さ…い…」
「よく言えましたぁ。じゃあ今日はこれで終わりにしてやるよ。明日も搾り取ってやるから感謝しろよぉ?」
これが僕にとっての日常。
慣れたからいいんだ。
自分の体ぐらい…どうでもいいんだ。
上級魔法が使えない今では……
意味のない体だ。
---
ある日、町中に電報が伝えられた。
普段情報が届かないような貧民街にも。
それを不思議に思った人たちは中身を開けてみた。
それは貴族からの命令で。
__上級魔法の使用を禁ずると言う内容だった。
街の空には、政府が設置した魔力測定器がある。
その魔力測定器は普段使われている魔法に異常がないかどうか診断するためのものだった。
が、この命令により上級魔法が使われていないか診断するものと言う用途に変わった。
---
「っはぁ…」
いつものように静観者が近づいてきて__
「大丈夫かい?君」
そうやって、声をかけるなら…
最初から。
止めておけよ。
そう思ったが、それを口にできるほど、今の俺は強くない。
「だい…じょう…ぶ…です……」
そう掠れたの声で言うと
「そっか?念のために、病院のお金渡しとくから一応行ってみてね?」
そう言って、彼は去って言った。
いいんだ。
そんなことしなくて。
お金の無駄だ。
僕なんかに使うな。
「…………は…」
口からこぼれたのは、自分への呆れの声だった。
そうやって、自分を大切にしないで__
そうやって、自分をないがしろにして__
体が壊れていく。
精神が壊れていく。
まるで自分のお父さんみたいじゃないか。
僕はあぁならないって決めたのに。
今なりかけているのはそれじゃないのか?
「はぁ……僕ってバカだなぁ……。こんな考え方…今日初めて浮かんだよ…」
自分がアホらしくなってきて。
僕はその場を去った。
「ただいま」
家にそんな声を残しても、誰も歓迎には来やしない。
「…はぁ」
そんなため息をついてご飯を作る。
今日の献立は『ゴア肉の煮物』
たったそれだけだ。
ゴアは魔獣の名前。
正式名称は『ヘッド・ゴア』
前はそこそこ強い魔獣と言われてたが。
魔法の進化、魔法社会の発展により、1番下のGランクに割り当てられるようになった。
お肉は固いが意外とおいしい。
しかし、それが毎回変な感性と言われる。
そりゃそうだ。
いつも食べているものが全然違う。
お肉と言う時点で贅沢品だ。
「いただきます」
そう言葉を残してお肉を口に運ぶ。
煮物ということで、少しほぐれてはいるがやっぱり固い。
その固さがある肉汁が中に閉じ込まれていておいしい。
この世界には、ステーキなるものがあるらしいが…………。
食べた事は無いな。
これよりおいしいのだろうか?
そんなことをぼんやり考えながら完食する。
「ごちそうさまでした」
僕は生まれつき魔力が少ない。
初級魔法を打っても、消費魔力は全然違う。
魔法のランクには、種類があって。
下から
日常魔法
初級魔法
中級魔法
上級魔法
と、分かれている。
俺の初級魔法は、日常魔法程度の魔力しか放出されない。
人相手に打った事はないが…
おそらく威力も弱くなっている。
こういうのを落ちこぼれと言うのだろうか?
そんなことを考えながら、ベッドへの道を歩き始める。
なんで貴族は上級魔法の使用を禁止したのか。
そんな難しい事は考えないで、今日も寝る。
それが僕だ。
---
「…国王様。どうして上級魔法の禁止を命令したのでしょうか。そしてそれをどうして貴族名義で電報を送らせたんですか?」
そう、彼が国王に喋りかけると、国王は不敵な笑みを浮かべて。
「ここら辺にクルシアと言う街があるだろう?あそこの王家の輩は、魔法を使うときに、消費魔力が少ないらしいんじゃ」
「消費魔力が…?どれくらいなのでしょうか?」
そう彼がしゃべると、国王は少し考えるようにして
「…一ランク前の消費魔力と同じになる」
「日常魔法を打った場合は…?」
そう、彼がしゃべると国王は考えるようにして
「んーー…そこまでは実験してないし、もうそこの王家も滅亡したからな…ただ隠し子がいるとかなら…話は別じゃろ?だから今回禁止して少し圧をかけてみただけじゃ…シュルト、少しクルシアへの偵察を」
「…っは!」
そう彼は言いその部屋を出た。
「直接対決…なのかのう?クルシア王家…先手はこっちがもらったぞ?」
2話次回予告
「えぇっと…次回予告ですね?」
「そうだ。君ならできると思ってね」
「できますが…急だなと思いまして…」
「別によかろう」
「まぁそうですね」
「タイトルコールを」
「はい!次回2話「刺客」お楽しみにしておいてください!」